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火事や災害があったら不動産投資はどうなるのか?

火事や災害があったら不動産投資はどうなるのか?

火事などの災害が起こった場合、不動産投資はどのような影響を受けるのでしょうか?

火災や地震といった自然災害を原因とする不動産投資の減収や失敗は、決して他人事では有りません。不動産所有者には、災害が起こったとしてもその影響を最小限に抑えるための方策を取ることが求められます。
そこで、今回は、特に火災や地震といった災害の影響と対策について紹介していきます。

不動産投資には災害リスクがつきもの

自然災害はいつ何時起こるか予想がつきにくいため、不動産投資を行う者にとっては非常に厄介な要素であると言えます。しかし、予想がつきにくいからこそ、万が一の備えが重要になってくるでしょう。
そこでぜひ検討したいのが、火災保険や地震保険といった損害保険に加入しておくことです。保険に入っておけば保証を受けることができるので、不動産投資の災害リスクを最小限に抑えられます。

同時に、投資対象となる物件購入時には、建物の構造や築年数をしっかり確認することも大切です。阪神淡路大震災の際には、新耐震基準を満たした建物の倒壊率が低かったことからも、建物の構造や築年数もチェックする必要があるでしょう。
自然災害は予測しにくいものですが、初めから「必ず起こるもの」だと想定して行動することが、不動産投資による利益を守ることにも繋がっていくのです。

不動産投資に欠かせない火災保険への加入

不動産投資を守るためにまず行っておきたいのが、火災保険に加入することです。その名称から、火事による損害だけが保証対象のように感じられますが、実は以下のように非常に幅広い損害をカバーしています。

・風災や雪災、水彩、雹災、落雷による損害
・盗難、集団での暴力行為による損害
・何らかの物体が建物に落下あるいは衝突するなどして生じた損害など
・日常生活で起きた災害による損害など

上記はあくまでも代表的な例であり、実際に保証される範囲はさらに広いです。

火災保険の補償を分類すると、「自然災害や火災による損失への補償」と「日常生活で起こった災害による損失への補償」の2種類に分かれます。

1 自然災害や火災による損失への補償
風災や雪災、水災、雹災、落雷による損害などは「自然災害や火災による損失」に該当します。災害がどの程度であったかにより、保証金額が変わってくるため、加入時にはその点も確認しておきましょう。

2 日常生活で起こった災害による損失への補償
自然災害ではないが、不意に起こった災害のことを「日常生活で起こった災害」と考えられます。所有物件に車が衝突したり建物に何かが落下したりして損壊を被ったり、第三者が集団で暴力行為を行ったことによって建物に損害を受けたりしたような場合がこれに当たります。

以上を踏まえれば、不動産投資を行う場合は火災保険にまずは加入し、あらゆるリスクに備えておくことが大切だと言えるでしょう。

不動産投資の「万が一」に備える地震保険

火災保険はかなり補償範囲が広いのですが、以下に当てはまる災害については対象外としています。

1 地震及びこれに起因する火災や建物への損害
2 噴火及びこれに起因する建物への損害
3 居住者の財産道具への損害

上記の1、2に該当するケースは地震保険に加入していれば、建物が受けた損害を補填できることを意味しています。

地震は各地で予想はされて入るものの、具体的な発生タイミングまでは誰も知り得ません。このため、火災保険のみならず、不動産投資では地震保険にもセットで加入する人も増えています。

1 地盤の強い物件を購入することが大事
最も望ましいのは、そもそも地震被害が出にくいエリアの物件を所有することだと言えます。しかし、地盤に強いエリアの物件が、「駅に近いほうがいい」「海に近いほうがいい」といったユーザーのニーズに必ずしも合致するわけではないのも事実です。
特に、臨海地域は埋立地も多く、地盤が軟弱で地震の際には被害を受けやすい傾向にあります。このような立地条件も必ず考慮し、地震保険で少しでもリスクを減らすようにしましょう。

2 地震保険の仕組みと保険料
火災は地震とは異なり、広範囲で町が消失する可能性は低いと言えます。

火災保険は「消失した家屋と同程度の立て直しを行うこと」を想定しており、支払われる保険金も立て直しに必要な額が基準となっているのです。火災保険に入っていることで、投資物件の損害を補えると考えて良いでしょう。

しかし、自身の場合は非常に多くの建物が一気に消失する可能性が高く、火災保険と同等の保証条件では保険会社自体が大地震に対応しきれなくなります。
このため、巨大地震のように被害が甚大な場合は、政府が保険会社を支える形で保険金の不足分を補う仕組みになっているのです。地震保険の保険料が地域と建物構造によって統一されているのも、いざというときに政府の介入が前提となっていることが理由に挙げられます。

例えば、東京の建物にかかる地震保険料は補償1,000万円あたりの年間保険料が、耐火建築物では22,500円、非耐火建築物では36,300円と設定されています。この金額は保険会社により違うことは有りません。

地震保険は有事のときに民間保険会社の力だけでは対応しきれないため、巨額な地震損害が発生した場合については、足りない部分を政府が再保険によって支える仕組みになっているのです。

まとめ

不動産投資の2大災害リスクである火災と地震に備えるためにも、火災保険と地震保険はセットにして加入しておくことが大切です。また、地域のハザードマップなどを活用して地盤の強度はもちろん、津波や土砂災害のリスクなどを判断し、物件購入の参考にすると良いでしょう。

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