不動産の税金

不動産投資 デメリット どっちを選ぶべきか徹底解説

不動産投資は「堅実な資産形成」とよく言われますが、実際にはメリットとデメリットが表裏一体です。購入後に空室が続いたり、思ったほど家賃が上がらなかったりして「想定外の出費が増えた」という相談も絶えません。本記事では、経験者と初心者の「どっちが得なのか」という悩みに寄り添いながら、2025年9月時点で押さえるべき最新情報を整理します。読めば、自分に合った投資スタイルを判断できる指針が得られるはずです。

キャッシュフローとリスクの基本

キャッシュフローとリスクの基本のイメージ

まず押さえておきたいのは、キャッシュフローとは家賃収入からローン返済や諸費用を差し引いた手残り金を指す点です。この数字がプラスなら経営は順調ですが、マイナスに転じれば追加資金を投下する必要が生じます。国土交通省の「賃貸住宅経営実態調査」(2024年版)によると、家賃収入の平均利回りは表面で6%前後、実質では3%台に下がるケースが多いと報告されています。つまり、固定資産税や修繕費を見落とすと資金繰りが一気に苦しくなるのです。

一方で、キャッシュフローが安定すれば複利効果を活かして新たな物件を購入する道が開けます。日本政策金融公庫の2025年度融資データでは、2棟目以降の融資申込者の約6割が「既存物件の黒字」をアピールして審査を通過しています。重要なのは、利回りだけでなく長期で見た手残り金の増減をチェックし、最悪のシナリオにも耐えられる計画を作ることです。

空室率が家計に与える影響

空室率が家計に与える影響のイメージ

ポイントは、空室リスクをどう織り込むかに尽きます。総務省「住宅・土地統計調査」(2023年)では全国平均空室率が13.8%に達し、地方では20%を超える市町村も珍しくありません。空室が1カ月続けば、その分の家賃はまるまる収益から消えます。加えて再募集には広告費やクリーニング費がかかり、出費が雪だるま式に増える構造です。

例えば、家賃8万円のワンルームを3室所有し、1室だけ2カ月空室になると16万円の機会損失が発生します。さらに次の入居者獲得に広告費を1カ月分払えば損失は24万円に膨らみます。実は、この数値はローン返済の1〜2カ月分に相当することが多く、手元資金に余裕がない投資家ほど影響が大きいのです。そのため、空室リスクを抑える管理会社の選定や入居者ニーズを踏まえたリフォーム戦略が欠かせません。

物件タイプ別のメリットとデメリット

重要なのは、物件種別によって収益構造が異なる点を理解することです。都心の区分マンションは値下がりしにくく、出口戦略が描きやすい一方、初期費用が高く表面利回りは4%台にとどまります。郊外の一棟アパートは7〜8%の利回りが狙えますが、人口減少で将来の家賃下落リスクを抱えます。戸建て賃貸は購入価格を抑えつつ長期入居が期待できますが、退去時のリフォームコストが高めです。

「不動産投資 デメリット どっち」で検索する方が悩みがちなのは、このバランスの取り方です。実際には、キャピタルゲイン(売却益)を狙うなら都心区分、インカムゲイン(賃料収入)重視なら郊外一棟というように目的別で選ぶと判断がブレません。さらに2025年度税制改正により、長期譲渡所得の特別控除が強化されましたが、適用には5年以上の保有が条件です。早期売却を考えるならこの制度は使えないため、出口計画も併せて検討しましょう。

税制優遇はどこまで味方か

実は、税負担の軽減は不動産投資の大きな魅力ですが、過大評価は禁物です。所得税では減価償却費を経費に計上できるため、赤字にして課税所得を圧縮する手法が知られています。しかし、国税庁は2025年6月に通達を改正し、耐用年数超過物件の加速度償却に対する審査を厳格化しました。短期で大きく節税するスキームは使いにくくなり、安定収益を確保しながら適切に経費計上する姿勢が求められます。

一方で、固定資産税の軽減措置は引き続き活用できます。新築住宅に適用される固定資産税の減額は「2025年度末入居分」まで延長されており、3年間は税額が2分の1です。ただし条件を満たすのは床面積50〜280㎡の住宅で、賃貸併用やシェアハウスは対象外となる場合があります。つまり制度に頼る前に、事業として成り立つかを見極めることが先決です。

安定運用のためのチェックリスト

基本的に、購入前の調査が投資成否を左右します。まず現地に足を運び、駅からの実歩距離や周辺の生活利便性を確認します。次に近隣の賃料相場を調べ、家賃を保守的に設定しても黒字になるか試算します。第三に、管理会社の実績を比較し、入居付けのスピードや修繕対応力を見極めます。

さらに、金融機関との交渉も欠かせません。日本銀行の「貸出約定平均金利」(2025年8月)によれば、アパートローンの変動金利は平均2.2%前後です。交渉次第で1.8%を提示されるケースもあり、金利差0.4%で30年ローンなら総返済額が数百万円単位で変わります。最後に、空室20%、家賃5%下落、金利1%上昇といった厳しい条件でシミュレーションを行い、それでもキャッシュフローがマイナスにならないか確認しましょう。

まとめ

ここまで、キャッシュフローの考え方から空室リスク、物件タイプ、税制、具体的なチェックポイントまで幅広く解説しました。不動産投資はメリットとデメリットが複雑に絡み合うため、「どっちが正解」と一概には言えません。結論として、自分の目標とリスク許容度を明確にし、制度に依存しすぎず地に足のついた計画を立てることが成功への近道です。今日得た知識を土台に、まずは小さくシミュレーションを始めてみてください。

参考文献・出典

  • 国土交通省 賃貸住宅経営実態調査2024年版 – https://www.mlit.go.jp/
  • 総務省 住宅・土地統計調査2023年 – https://www.stat.go.jp/
  • 日本政策金融公庫 2025年度 中小企業向け融資実績 – https://www.jfc.go.jp/
  • 日本銀行 貸出約定平均金利 2025年8月 – https://www.boj.or.jp/
  • 国税庁 法人税基本通達等の一部改正について(2025年6月) – https://www.nta.go.jp/

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