不動産の税金

RC造で高利回りを実現する投資術

RC造(鉄筋コンクリート造)に興味はあるものの、「価格が高くて利回りが低そう」と感じていませんか。確かにRC造は木造や軽量鉄骨より取得費が大きくなりがちですが、耐用年数の長さや空室率の低さを活かせば、実質利回りを高めることは十分に可能です。本記事では、2025年12月時点の市場データを踏まえ、構造の特徴から資金計画、税制までを総合的に解説します。読み終える頃には、RC造 利回りを判断する視点と、自分に合った投資プランを描くための具体的なヒントが手に入るはずです。

RC造が利回りに与える影響とは

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重要なのは、構造ごとのコストと収益のバランスを理解することです。RC造は材料費と工期が増えるため、表面利回りは木造より低い傾向があります。それでも長期にわたり家賃水準を維持しやすく、大規模修繕の周期も長い点が魅力です。

まず耐用年数を比べると、税法上のRC造は47年、木造は22年です。減価償却期間が長い分、年間の経費計上額は少なくなりますが、保有期間を延ばすほど建物価値が残りやすく、売却時の価格下落が緩やかになります。また遮音性と耐火性が高いため、都市部ではファミリー層やDINKsから選ばれやすく、長期入居が期待できます。つまり空室損失を抑えたうえで家賃下落スピードを鈍化させられることが、RC造 利回りを底上げする最大の要因です。

一方で建築コストは1平方メートルあたり25万円前後と、木造の約1.5倍になるケースも珍しくありません。初期投資を回収するには、立地や間取りで競争力を確保し、長期保有を前提に戦略を立てる必要があります。

収益計算の基本と最新の相場感

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まず押さえておきたいのは、「表面利回り」と「実質利回り」の違いです。表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割った単純な指標ですが、実質利回りは管理費や修繕費、空室損などの運営コストを差し引いて計算します。数字が数パーセント違うだけでキャッシュフローは大きく変わるため、取得前に必ず実質利回りをシミュレーションしましょう。

日本不動産研究所によると、2025年12月時点の東京23区平均表面利回りはワンルームマンション4.2%、ファミリーマンション3.8%、アパート5.1%です。RC造ファミリータイプがやや低い水準に見えますが、空室率の低さを加味した実質利回りで再計算すると、木造アパートとの差は1%未満に縮まることも多いです。たとえば表面4.0%のRC造と5.5%の木造を比較した場合、空室率がそれぞれ3%と10%になると、実質利回りは3.6%対3.2%となり、RC造が逆転します。

さらに金融機関の融資姿勢にも注目しましょう。RC造は評価額が高く、長期返済(35年超)が組めるため、月々の返済負担が軽くなります。金利が同条件なら、年間キャッシュフローは木造と大差がなくなるどころか、むしろ改善するケースさえあります。

物件選びで重視すべき立地と建物診断

ポイントは、人口動態と再開発計画を同時に確認することです。都心部は価格が高いものの、再開発エリアでは長期的に需要が見込めます。一方、郊外でも大学や病院の近くは入居ニーズが安定しやすく、適正価格で購入できれば高利回りを狙えます。ただし地域の将来人口が減少傾向にある場合、家賃下落リスクを織り込む必要があります。

建物自体の診断も欠かせません。築25年を超えるRC造は、大規模修繕の履歴と配管の状態を必ず確認します。外壁タイルの浮きや鉄筋の爆裂がある場合、修繕積立金の残高が不足していると臨時徴収が発生し、利回りが一気に悪化します。購入前に管理組合の総会議事録をチェックし、修繕計画が適切かどうか見極めましょう。

実は、エントランスやメールボックスなど共用部のデザインも入居率に影響します。近年は宅配ボックスの有無がファミリー層の必須条件になりつつあり、後付け工事が難しい場合は家賃を下げざるを得なくなるため注意が必要です。

資金計画と融資条件で変わる実質利回り

まず自己資金を物件価格の20〜30%用意できるかが分岐点です。頭金が多いほど金利優遇を受けられ、月々の返済比率(返済額÷家賃収入)を50%以下に抑えやすくなります。返済比率が低いと、キャッシュフローに余裕が生まれ、想定外の修繕費や金利上昇にも耐えられます。

金融機関の選択肢としては、都市銀行、地方銀行、ノンバンクが挙げられます。2025年時点で都市銀行の投資用ローン金利はおおむね1.5〜2.5%、返済期間は最長35年です。対してノンバンクは金利2.8〜4.0%と高めですが、自己資金10%でも融資が出ることがあります。利回りの高い郊外物件を短期で回収したい場合はノンバンク、都心RC造を長期保有するなら都市銀行、といった風に戦略を使い分けましょう。

また固定金利と変動金利の組み合わせでリスクを分散する方法も有効です。たとえばローンの8割を変動金利、2割を固定金利にすれば、金利上昇局面でも支払額の増加を一定範囲に抑えられます。こうした工夫が実質利回りの安定につながります。

2025年度の税制と補助金を活かす運用戦略

実はRC造 利回りを高めるうえで、税制メリットは見逃せません。2025年度も新築住宅の固定資産税が1/2になる軽減措置(床面積120平方メートル以下部分、3年間)は継続しています。RC造マンションの区分所有であっても適用されるため、取得後の保有コストを抑えられます。

さらに長期優良住宅化リフォーム推進事業では、耐震補強や省エネ改修を行う場合、上限200万円の補助が受けられます。賃貸併用や一棟マンションでも対象工事を実施すれば補助金が出るため、築古RC造を再生して利回りを上げる手法と相性が良いです。補助金申請には工事前の計画認定が必要で、募集枠は毎年埋まりやすいため早めの準備が求められます。

合わせて、青色申告特別控除や減価償却費の計上で所得税・住民税を圧縮すれば、手取りベースの実質利回りはさらに改善します。家族を給与支払対象にして専従者控除を活用するなど、節税スキームを組むことでキャッシュフローの安定度が高まります。

まとめ

ここまで、RC造が持つ耐久性と空室リスクの低さを活かした利回り向上策を解説してきました。表面利回りだけでなく、修繕費や融資条件を含めた実質利回りで比較することが成功の鍵です。立地と建物診断で長期競争力を見極め、自己資金割合と金利タイプでリスクを抑えれば、RC造でも高利回りは十分に実現できます。今日得た視点を基に、まずは気になるエリアの家賃相場と金融機関の融資条件を調べ、具体的なシミュレーションを始めてみてください。

参考文献・出典

  • 日本不動産研究所 – https://www.reinet.or.jp
  • 国土交通省 住宅局 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku
  • 総務省 統計局 人口推計 – https://www.stat.go.jp
  • 財務省 税制 – https://www.mof.go.jp/tax_policy
  • 住宅金融支援機構 金利情報 – https://www.flat35.com

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