都市でも郊外でも木造アパートや戸建てが目に入るたび、「本当に木造で大丈夫だろうか」と不安になる人は多いものです。耐久性、維持費、将来の価値といった疑問が頭をよぎり、なかなか決断できないのが現実でしょう。本記事では、木造住宅の投資と居住の両面から見た利点と注意点を整理し、2025年12月時点で利用できる最新制度も交えながら説明します。読み終えたとき、あなたは木造 メリット・デメリットをバランス良く把握し、自分に最適な選択を判断できるようになるはずです。
木造とは何か、なぜ今も選ばれるのか

まず押さえておきたいのは、木造という言葉が建築基準法で「主要構造部を木材で構成する建物」を指す点です。鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べ、構造材が軽く加工しやすいため、古くから日本の住宅を支えてきました。国土交通省の住宅着工統計(2024年度速報)では、全新設住宅の約55%が木造であり、戸建てに限れば実に九割近くを占めています。
実は投資用の小規模アパートでも木造が主流です。その理由は建築コストの低さと工期の短さにあります。民間建築物コスト指標によると、延べ床面積30坪前後の木造新築は一平方メートルあたり約18万円が目安で、同条件の鉄骨造と比べて二割ほど安価です。さらに施工期間が短いため、家賃収入を得られる時期を早められる点も魅力となります。
一方で、木造は火災や腐朽への懸念がつきまといます。しかし耐火・耐震性能は技術革新で向上しており、2025年時点の省令準耐火仕様なら火災保険料の割引が期待できます。つまり、歴史の長さと最新技術が同居することで、今も木造が選ばれ続けているのです。
木造のメリットは資金計画と収益性に表れる

重要なのは、初期費用が抑えられるほど投資の選択肢が広がるという点です。木造は建築費が低いだけでなく、金融機関の融資期間が最長35年に設定されるケースが多く、キャッシュフローを安定させやすくなります。たとえば物件価格5,000万円を金利1.5%、期間30年で借り入れる場合、鉄骨造より毎月の返済が2〜3万円下がる試算が一般的です。
また、減価償却の期間が短いことも利益に直結します。所得税法では木造住宅の法定耐用年数は22年ですが、中古取得なら残存年数を使うか、4年で均等償却する方法を選択できます。これにより節税効果が大きく、投資初期の手残りを確保しやすいのです。なお税制は毎年見直されますが、2025年度もこの区分に変更はありません。
さらに、リフォーム費用が比較的安価で済む点も見逃せません。木材は加工が容易なため、間取り変更や外壁補修が鉄骨系より低コストで実現できます。空室対策としてデザインリノベーションを行う際、初期投資を抑えつつ賃料アップを狙えるのは木造ならではの強みと言えるでしょう。
デメリットはリスクと維持管理の手間に潜む
一方で、木造には構造上の弱点があることも事実です。まず火災リスクはゼロになりません。省令準耐火を採用しても、木材が燃える性質そのものは変わらないため、火災保険の基本料率は鉄筋コンクリート造より高めです。保険料の差は年間で数万円規模になる場合もあり、長期運営では無視できません。
また、湿気による劣化は避けられない課題です。日本木造住宅産業協会の調査では、築30年以上の木造戸建ての約四割で土台や柱に腐朽が見られました。特に結露が発生しやすい北面や水回りは要注意で、定期点検と換気計画が欠かせません。ここを怠ると、将来的な大規模修繕費が一気に膨らみ、収益を圧迫します。
さらに、金融機関の評価が鉄筋コンクリート造ほど高くない点もデメリットです。耐用年数が短いぶん、融資期間や担保評価が厳しくなるケースがあります。特に築20年超の中古木造は、期間15年以下のローンしか組めないことがあり、キャッシュフロー計画が難しくなるでしょう。したがって購入前に複数行へ事前相談し、想定外の短期返済を避けることが必須です。
2025年の制度・規制が木造投資に与える影響
まず2025年度の住宅ローン控除は、原則として新築の場合に控除期間13年、控除率0.7%が継続する見込みです。ただし床面積要件が40㎡以上、一定の省エネ基準を満たすことが条件となるため、木造でも断熱等性能等級5以上を確保する設計が必要になります。適合すれば所得税還付と住民税控除で実質利回りが高まり、投資効率を押し上げます。
加えて、国土交通省と環境省が共同で進める「住宅省エネ2025キャンペーン」は、断熱改修や高効率給湯器の導入に補助金を交付しています。木造物件を取得後にリフォームする際、工事費につき最大200万円程度の補助を受けられる場合があり、利回り改善策として有効です。なお予算上限があるため、申請は早めに行うことが求められます。
一方、建築基準法の改正により、2025年4月から300㎡未満の木造でも構造計算適合性判定が一部義務化されました。安全性は高まるものの、設計費が従来より10〜15%増える傾向があり、事業計画の初期コストに影響します。それでも長期優良住宅の認定を取得すれば、登録免許税や固定資産税の軽減が受けられるため、トータルで見れば十分に元が取れるケースが多いのです。
木造物件で成功するためのチェックポイント
ポイントは、施工品質と維持管理体制を可視化しておくことです。まず新築なら瑕疵保険の付保状況、耐震等級、断熱性能の等級を確認し、書面で保存しましょう。中古購入では、シロアリ点検報告書や過去の修繕記録が残っているかどうかが判断材料になります。書類が無い場合は、専門業者によるインスペクションを依頼し、劣化箇所を数値で把握することが大切です。
次に、管理会社の体制も収益に直結します。木造アパートは外壁や屋根の塗装周期が10〜15年おきに訪れるため、長期修繕計画を共有できる管理会社を選ぶと資金繰りが安定します。さらに、24時間対応の水漏れコールセンターを導入しておくと、木材の腐朽リスクを早期に発見でき、結果的に修繕費を下げられる可能性が高まります。
最後に、出口戦略を意識した立地選定が欠かせません。木造は築年数による価値の目減りが早いので、土地値が下支えとなるエリアを選ぶことが重要です。国土交通省地価公示(2025年版)を参照すると、三大都市圏の駅徒歩10分以内は下落幅が小さく、築古でも実質利回りが維持しやすい傾向があります。つまり、建物の減価と土地の上昇をどう組み合わせるかが、成功の分かれ目なのです。
まとめ
ここまで木造住宅のメリットとして、建築費の低さ、税制優遇、リフォームコストの抑制効果を解説しました。一方で、火災や腐朽のリスク、金融機関評価の厳しさといったデメリットも存在します。ただし、2025年度のローン控除や省エネ補助金を活用し、施工品質とメンテナンスを徹底すれば、長期的な利回りを確保できる余地は大きいと言えます。投資家も居住者も、制度と建物の特性を正しく理解し、リスク管理と資金計画を綿密に立てることで、木造の魅力を最大化できるでしょう。
参考文献・出典
- 国土交通省 住宅着工統計2024年度速報 – https://www.mlit.go.jp
- 国土交通省 民間建築物コスト指標2025 – https://www.mlit.go.jp
- 日本木造住宅産業協会 木造住宅の維持管理調査2023 – https://www.mokujukyo.or.jp
- 国土交通省 地価公示2025年版 – https://www.mlit.go.jp
- 環境省 住宅省エネ2025キャンペーン概要 – https://www.env.go.jp