不動産投資を始めたいものの、「実際に毎月いくら入ってくるのか」という疑問は多くの初心者が抱える悩みです。収入の仕組みを理解せずに物件を購入すると、思ったより手取りが少なく肩透かしを食らうケースも珍しくありません。本記事では「不動産投資 月々の収入はいくら」という疑問に寄り添いながら、家賃収入の計算方法、差し引かれる費用、2025年度の税制優遇までを丁寧に解説します。読み終えるころには、自分の資金計画に合わせた月々の手取り額を具体的にイメージできるはずです。
家賃収入の仕組みを押さえる

まず押さえておきたいのは、家賃収入には「表面利回り」と「実質利回り」の二つがある点です。表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割っただけの数字で、広告や販売図面に記載されることが多い指標になります。一方で実質利回りは管理費や固定資産税などの経費を差し引いた後の利回りを指し、手元に残るお金を判断する際にはこちらが重要です。つまり、月々の手取り額を知りたいときは必ず実質利回りの計算を行わなければなりません。
このように二つの利回りを区別することで、収益シミュレーションの精度が大きく変わります。家賃10万円の部屋を所有していても、管理費や修繕積立金で月1万円を取られたら手取りは9万円です。さらに空室期間が年1か月あれば、実際の年間収入は10万円×11か月の110万円となり、月平均では約9.2万円まで下がります。結論として、表面利回りだけで判断することはリスクが高いといえます。
実質利回りを構成する主な費用

重要なのは、毎月差し引かれる費用を具体的に把握することです。代表的なコストは管理委託手数料、修繕積立金、共用部電気代、固定資産税・都市計画税などがあります。また2025年度時点でも火災保険料の相場は上昇傾向が続いており、築年数が古い物件ほど保険料が高くなる点に注意が必要です。
次に考慮すべきは空室リスクで、国土交通省の住宅市場動向調査(2024年度)では、全国平均の空室率は13%前後でした。都心のワンルームでも3〜5%は見込むのが安全とされます。例えば月10万円の賃料なら、空室率5%で年6万円の収入減に相当します。言い換えると、満室想定だけで計画すると資金繰りが崩れる可能性があるわけです。
税金面では物件規模により不動産所得税や事業税が発生するケースもあります。ただし2025年度の税制では、課税標準が290万円以下なら個人事業税はかかりません。このラインを把握しておくと、収入規模を調整しながら節税効果を高められます。
シミュレーションで見るリアルな手取り額
ポイントは、数字を当てはめて手取り額を具体化することです。ここでは3,000万円の中古区分マンション(表面利回り4.0%)を想定し、自己資金600万円、金利1.5%・期間25年のローンを組んだ場合を試算します。
- 年間家賃収入 120万円(10万円×12か月)
- 空室率5% -6万円
- 管理費等 -24万円(毎月2万円)
- 固定資産税 -10万円
- 火災保険料 -1万円
- 年間返済額 -102万円(月8.5万円相当)
以上を合算すると、年間手取りは約 -23万円、つまり月平均では約 -1.9万円の赤字となります。実は表面利回り4%の区分マンションは、ローン比率が高いとキャッシュフローが悪化しやすいのです。
一方、同じ価格帯でも5.5%の利回り物件なら、家賃が年間165万円に増えます。その結果、管理費や空室損を差し引いても年間約22万円、月1.8万円の黒字に転じます。つまり、月々の収入をプラスにするには利回りとローン条件の両面を調整することが不可欠です。
収入を左右する三つのカギ
まず立地です。総務省の「住民基本台帳人口移動報告」(2025年1月公表)によると、都心5区の人口は微増を続けていますが、地方都市圏では減少傾向が顕著です。人口が減る地域では空室率が高まりやすく、長期的な家賃下落も起こりやすい点を忘れないでください。
次に物件タイプです。ワンルームは購入価格が抑えられますが、築年数が20年を超えると家賃が一気に下がる傾向があります。ファミリー向けは回転率が低く安定しますが、修繕費が大きくなる場合があります。つまり、投資目的と保有年数を明確にしないと最適な物件タイプは選べません。
最後は融資条件です。日本銀行の「主要銀行貸出利率」(2025年9月)によると、不動産投資ローンの平均金利は1.3%前後で推移しています。ただし属性や物件評価で3%近く差が開くケースもあり、金利1%の違いは25年間で数百万円の返済差になります。さらに元利均等か元金均等かでも初期キャッシュフローは変わるため、金融機関ごとのシミュレーションは欠かせません。
2025年度の税制優遇と手取り額への影響
基本的に、所得税と住民税は不動産所得から経費を差し引いた後の課税所得に課税されます。2025年度の住宅ローン控除は、自宅用ではなく投資用物件には適用されませんが、青色申告特別控除(最大65万円)は賃貸業も対象です。これを活用すると、課税所得を抑えて実質手取りを増やせます。
また、2025年度の固定資産税減免措置として、築30年以上の木造住宅を耐震改修した場合、翌年度の固定資産税が半額になる制度が継続しています。賃貸併用住宅や戸建て投資では、改修コストと税金軽減効果を比較し、長期的なキャッシュフローを改善する戦略が有効です。
ただし、法人化による節税は設立費用と毎年の顧問料がかかり、小規模物件では手取りが減る可能性があります。まずは個人として青色申告に取り組み、所得が増えてから法人化を検討する流れが無理のない選択といえるでしょう。
まとめ
月々の収入を正しく把握するには、表面利回りではなく実質利回りで計算し、ローン返済や空室を加味したキャッシュフローを確認することが欠かせません。立地、物件タイプ、融資条件の三つを改善すれば、同じ投資額でも手取り額は大きく変わります。まずはシミュレーションで具体的な数字を出し、2025年度の税制優遇や減免制度を上手に活用することで、安定した不動産投資を実現しましょう。
参考文献・出典
- 国土交通省 住宅市場動向調査2024年度版 – https://www.mlit.go.jp
- 総務省統計局 住民基本台帳人口移動報告2025年1月 – https://www.stat.go.jp
- 日本銀行 主要銀行貸出利率等2025年9月 – https://www.boj.or.jp
- 国税庁 所得税青色申告の概要2025年度 – https://www.nta.go.jp
- 東京都主税局 固定資産税の減免措置(2025年度) – https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp