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違法増築が疑われる物件の確認方法と購入前に知っておくべき重要ポイント

中古物件を探していると、相場より安い魅力的な物件に出会うことがあります。しかし、その安さの裏には違法増築という大きなリスクが隠れているかもしれません。違法増築された物件を購入してしまうと、住宅ローンが組めない、売却できない、最悪の場合は是正命令や罰金が科される可能性もあります。この記事では、違法増築が疑われる物件をどのように確認すればよいのか、具体的な方法と注意点を詳しく解説します。購入前にしっかりと確認することで、将来的なトラブルを回避し、安心して不動産投資を進めることができます。

違法増築とは何か?基本的な定義を理解する

違法増築とは何か?基本的な定義を理解するのイメージ

違法増築とは、建築基準法に基づく確認申請を行わずに建物の床面積を増やしたり、構造を変更したりすることを指します。日本では10平方メートルを超える増築を行う場合、原則として建築確認申請が必要です。この手続きを経ずに工事を行った場合、それは違法建築物となります。

違法増築には様々なパターンがあります。最も多いのは、ベランダやバルコニーをサッシで囲んで部屋として使用するケースです。また、カーポートに壁を設けて物置や部屋にする、屋上に部屋を増設する、地下室を無許可で作るといった事例も見られます。これらは一見すると便利な改造に思えますが、法律上は重大な違反行為となります。

国土交通省の調査によると、2024年度に全国で発覚した違法建築物は約8,500件に上り、そのうち約40%が増築に関するものでした。特に築30年以上の中古物件では、過去のオーナーが無許可で増築を行っているケースが少なくありません。つまり、中古物件を購入する際には、違法増築の有無を必ず確認する必要があるのです。

違法増築が問題となる理由は、単に法律違反というだけではありません。建築基準法は建物の安全性を確保するための法律であり、無許可の増築は構造上の安全性が確認されていないことを意味します。耐震性能が不足していたり、避難経路が確保されていなかったりする可能性があり、居住者の生命に関わる重大なリスクを抱えているのです。

違法増築を見抜く具体的なチェックポイント

違法増築を見抜く具体的なチェックポイントのイメージ

違法増築が疑われる物件を見抜くには、いくつかの明確なサインがあります。まず最も分かりやすいのは、建物の外観と登記簿上の床面積が明らかに異なる場合です。物件を実際に見学した際、部屋数や建物の大きさが登記情報と一致しない場合は要注意です。

具体的には、登記簿謄本に記載されている床面積と、実際に測定した床面積を比較します。例えば、登記上は80平方メートルとなっているのに、実測すると100平方メートルある場合、20平方メートル分の違法増築が疑われます。この確認は専門家でなくても、メジャーを使って各部屋の寸法を測り、合計することである程度可能です。

次に注目すべきは、建物の構造や仕上げの違いです。増築部分は元の建物と建築時期が異なるため、外壁の色や質感、窓のサッシの種類、屋根材などが微妙に異なることがあります。特に接合部分に段差や隙間がある、外壁の色が部分的に違う、屋根の形状が不自然といった点は、増築の痕跡である可能性が高いです。

室内では、天井の高さや床の高さが部屋によって異なる、壁の厚さが一定でない、柱や梁の位置が不規則といった点に注意しましょう。また、電気配線や水道管が後付けで露出している場合も、無許可の増築や改造が行われた可能性を示唆しています。

建築確認済証や検査済証の有無も重要な確認ポイントです。これらの書類は建築時や増築時に適法に工事が行われたことを証明するものです。売主にこれらの書類の提示を求め、増築の記録があるか確認しましょう。書類が紛失している場合は、役所で建築計画概要書を閲覧することで、過去の建築確認の履歴を調べることができます。

役所での確認方法と必要な手続き

違法増築の有無を確実に確認するには、物件所在地の市区町村役場の建築指導課や建築審査課を訪れることが最も確実です。役所では建築確認台帳を閲覧することができ、その物件に対してどのような建築確認申請が行われたかを調べることができます。

具体的な手順としては、まず物件の地番を正確に把握します。地番は登記簿謄本に記載されており、住所とは異なる場合があるので注意が必要です。次に、役所の建築指導課の窓口で「建築計画概要書の閲覧」を申請します。この際、本人確認書類と物件の地番が分かる資料を持参すると手続きがスムーズです。

建築計画概要書には、建築確認を受けた年月日、建物の構造、床面積、用途などが記載されています。この情報と現在の建物の状態を比較することで、無許可の増築が行われていないか判断できます。例えば、確認申請時の床面積が80平方メートルで、現在の建物が100平方メートルある場合、その差分は違法増築の可能性が高いということになります。

また、検査済証の交付記録も確認しましょう。建築確認を受けても、完了検査を受けずに検査済証が交付されていない場合、建築基準法に適合していない可能性があります。国土交通省の統計では、2000年以前に建てられた建物の約40%が検査済証を取得していないというデータもあり、特に古い物件では注意が必要です。

役所での確認には費用がかかる場合があります。建築計画概要書の閲覧は無料の自治体が多いですが、コピーを取得する場合は1枚あたり数十円から数百円程度の手数料が必要です。また、より詳細な建築確認申請書の写しを取得する場合は、数千円の手数料がかかることもあります。時間的には、窓口での手続き自体は30分から1時間程度で完了しますが、事前に予約が必要な自治体もあるため、事前に電話で確認することをお勧めします。

専門家による調査の重要性と依頼方法

役所での確認に加えて、建築士や不動産鑑定士などの専門家による調査を依頼することで、より確実に違法増築の有無を判断できます。専門家は建築基準法や構造に関する深い知識を持っており、素人では見落としがちな問題点も発見できます。

建築士に依頼する場合、インスペクション(建物状況調査)という形で総合的な調査を行ってもらうことができます。インスペクションでは、違法増築の有無だけでなく、建物の劣化状況、耐震性、設備の状態なども含めて調査します。費用は物件の規模にもよりますが、一般的な戸建て住宅で5万円から15万円程度が相場です。

調査では、建築士が現地で詳細な測量を行い、図面と実際の建物を照合します。また、構造計算が必要な増築が行われている場合、その計算書の有無や内容も確認します。さらに、増築部分の接合方法が適切か、耐震性に問題がないかなど、安全性の観点からも評価を行います。

不動産鑑定士に依頼する場合は、違法増築が物件価値に与える影響についても評価してもらえます。違法増築がある物件は、適法な物件と比べて20%から50%程度価値が下がることが一般的です。購入を検討している物件の適正価格を知るためにも、専門家の意見は非常に有用です。

専門家を選ぶ際は、建築士であれば一級建築士の資格を持ち、インスペクション業務の実績が豊富な人を選びましょう。日本建築士会連合会や各都道府県の建築士会に問い合わせると、信頼できる建築士を紹介してもらえます。また、不動産会社が提携している建築士を紹介してくれる場合もありますが、中立性を保つために、自分で独立した専門家を探すことをお勧めします。

違法増築が発覚した場合の対処法と購入判断

違法増築が疑われる物件であることが判明した場合、まず売主に対して事実確認を行うことが重要です。売主が違法増築の事実を知っていながら告知しなかった場合、契約不適合責任を問うことができます。購入前であれば、価格交渉の材料にすることも可能です。

違法増築がある物件を購入する場合、いくつかの選択肢があります。一つ目は、購入を見送ることです。違法増築のリスクを考えると、これが最も安全な選択と言えます。特に投資用物件の場合、将来的な売却や融資の際に大きな障害となる可能性が高いため、慎重な判断が必要です。

二つ目の選択肢は、是正を条件に購入することです。売主に対して、引き渡しまでに違法増築部分を撤去するか、建築確認を取得して適法化することを求めます。この場合、是正費用を誰が負担するかが交渉のポイントになります。一般的には売主負担とするか、購入価格から是正費用相当額を減額してもらうことが多いです。

三つ目は、違法増築を承知の上で購入し、自分で是正することです。この場合、購入価格を大幅に値引きしてもらい、その資金で是正工事を行います。是正には建築確認申請、工事費用、完了検査など、数百万円単位の費用がかかることもあるため、事前に建築士に見積もりを依頼し、総額を把握しておくことが重要です。

違法増築の是正方法には、大きく分けて二つあります。一つは増築部分を撤去して元の状態に戻す方法、もう一つは建築確認を取得して適法化する方法です。撤去の方が費用は安く済むことが多いですが、せっかくの床面積が減ってしまうというデメリットがあります。一方、適法化する場合は、現行の建築基準法に適合させる必要があり、構造補強などで費用が高額になる可能性があります。

適法化を選択する場合、まず建築士に現状の調査を依頼し、適法化が可能かどうか判断してもらいます。建ぺい率や容積率の制限により、現状の建物を適法化できない場合もあります。また、接道義務を満たしていない、用途地域の制限に違反しているなど、増築以外の問題が見つかることもあります。これらの問題がある場合、適法化は非常に困難になります。

違法増築物件を購入してしまった場合のリスクと対応

万が一、違法増築があることを知らずに物件を購入してしまった場合でも、適切な対応を取ることで問題を解決できる可能性があります。まず重要なのは、売主が違法増築の事実を知っていたかどうかを確認することです。

売主が違法増築を知っていながら告知しなかった場合、これは契約不適合責任に該当します。民法では、売買契約において目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は売主に対して修補や代金減額、損害賠償、契約解除などを請求できると定めています。違法増築は明らかに品質に関する契約不適合に当たります。

具体的な対応としては、まず売主に対して是正を求める内容証明郵便を送付します。是正に応じない場合は、弁護士に相談して法的措置を検討します。契約不適合責任の追及には期限があり、買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知する必要があるため、早めの対応が重要です。

一方、売主も違法増築の事実を知らなかった場合は、前所有者に対して責任を追及することになります。ただし、前所有者が何代も前であったり、すでに亡くなっていたりする場合は、実質的に責任を問うことが困難になります。このような場合は、自己負担で是正するしかないのが現実です。

違法増築を放置した場合のリスクも理解しておく必要があります。最も深刻なのは、行政から是正命令や除却命令が出される可能性です。建築基準法第9条では、違反建築物に対して特定行政庁が是正命令を出すことができると定められています。命令に従わない場合、50万円以下の罰金が科されることもあります。

また、違法増築がある物件は住宅ローンの借り換えや追加融資が受けられない、火災保険の保険金が減額される、売却時に大幅な値引きを求められるといった経済的なデメリットもあります。国土交通省の調査では、違法建築物は適法な建物と比べて平均30%程度資産価値が低下するというデータもあります。

さらに、違法増築部分で事故が発生した場合、所有者の責任が問われる可能性があります。例えば、無許可で増築したバルコニーが崩落して通行人に怪我を負わせた場合、所有者は損害賠償責任を負うことになります。このようなリスクを考えると、違法増築を発見した時点で速やかに是正することが賢明です。

まとめ

違法増築が疑われる物件を購入してしまうと、経済的にも法的にも大きなリスクを抱えることになります。しかし、適切な確認方法を知っていれば、購入前にこれらのリスクを回避することができます。

物件の外観と登記情報の照合、役所での建築確認台帳の閲覧、専門家によるインスペクションという三段階の確認を行うことで、違法増築の有無をほぼ確実に判断できます。特に中古物件を購入する際は、これらの確認を怠らないことが重要です。

もし違法増築が発覚した場合は、購入を見送るか、是正を条件に購入するか、慎重に判断しましょう。安さに惹かれて安易に購入すると、後で是正費用や資産価値の低下により、結果的に大きな損失を被る可能性があります。

不動産投資において、物件の適法性を確認することは基本中の基本です。違法増築のリスクを正しく理解し、適切な確認手続きを踏むことで、安心して不動産投資を進めることができます。購入前の確認に時間と費用をかけることは、将来的なトラブルを防ぐための最良の投資と言えるでしょう。

参考文献・出典

  • 国土交通省 – 建築基準法の概要 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000043.html
  • 国土交通省 – 既存住宅状況調査(インスペクション)について – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000046.html
  • 法務省 – 民法(債権関係)の改正に関する説明資料 – https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html
  • 日本建築士会連合会 – 建築士による建物調査 – https://www.kenchikushikai.or.jp/
  • 東京都都市整備局 – 違反建築物対策 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/kijun/
  • 一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会 – 既存住宅の検査・保証 – https://www.kashihoken.or.jp/
  • 国土交通省 – 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_fr_000041.html

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