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借地権付き物件で投資して大丈夫?メリット・デメリットと成功のポイント

不動産投資を検討する中で、借地権付き物件という選択肢に出会った方も多いのではないでしょうか。「通常の物件より安く購入できるけれど、本当に投資して大丈夫なのか」という不安を抱えている方も少なくありません。借地権付き物件は確かに特殊な性質を持っていますが、その仕組みを正しく理解すれば、有効な投資手段となり得ます。この記事では、借地権付き物件の基本的な仕組みから、投資判断のポイント、実際の収益性まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。借地権付き物件への投資を成功させるために必要な知識を、一緒に確認していきましょう。

借地権付き物件とは何か

借地権付き物件とは何かのイメージ

借地権付き物件とは、土地を所有せず、地主から土地を借りて建物だけを所有する形態の不動産です。一般的な不動産は土地と建物の両方を所有しますが、借地権付き物件では建物のみが自分の資産となり、土地は地主に地代を支払って使用する権利を持つことになります。

この仕組みは日本独特の不動産形態で、特に都市部で多く見られます。歴史的には戦前から存在しており、土地を手放したくない地主と、少ない資金で不動産を取得したい借地人の利害が一致して発展してきました。現在でも東京都心部を中心に、多くの借地権付き物件が流通しています。

借地権には「旧法借地権」と「新法借地権」の2種類があります。旧法借地権は1992年以前に設定されたもので、借地人の権利が非常に強く保護されています。一方、新法借地権は1992年の借地借家法改正後に設定されたもので、契約期間や更新条件が明確化されました。投資を検討する際は、どちらの借地権なのかを必ず確認する必要があります。

借地権付き物件の最大の特徴は、土地代が不要なため物件価格が通常の5割から7割程度に抑えられることです。しかし、毎月または毎年、地主に地代を支払う義務が発生します。この地代は地域や土地の評価額によって異なりますが、一般的には土地の固定資産税評価額の3%から5%程度が相場とされています。

借地権付き物件のメリット

借地権付き物件のメリットのイメージ

借地権付き物件の最も大きなメリットは、初期投資額を大幅に抑えられることです。都心部の一等地でも、所有権付き物件の半額程度で購入できるケースが多く、限られた資金で好立地の物件を手に入れられます。例えば、所有権付きなら5000万円する物件が、借地権付きなら2500万円から3000万円で購入できることもあります。

この初期投資の低さは、投資効率の向上にもつながります。少ない自己資金で物件を取得できるため、レバレッジ効果を高めることができます。また、複数の物件に分散投資することも可能になり、リスク分散の観点からも有利です。実際に、資金効率を重視する投資家の中には、あえて借地権付き物件を選択する方も増えています。

立地の良さも見逃せないメリットです。借地権付き物件は都心部や駅近など、利便性の高いエリアに多く存在します。これは歴史的に地主が良い土地を手放さず、借地として活用してきた経緯があるためです。好立地の物件は賃貸需要が安定しており、空室リスクを抑えられる点で投資に適しています。

さらに、土地の固定資産税を支払う必要がないことも利点です。固定資産税は土地所有者である地主が負担するため、投資家は建物分の固定資産税のみを支払えば済みます。都心部の土地では固定資産税が高額になることも多く、この負担軽減は長期的な収支改善に貢献します。

旧法借地権の場合、借地人の権利が非常に強く保護されているため、実質的に半永久的に土地を使用できます。正当な理由なく地主から立ち退きを求められることはほとんどなく、安定した投資が可能です。この権利の強さは、日本の借地権制度の大きな特徴といえるでしょう。

借地権付き物件のデメリットとリスク

借地権付き物件には注意すべきデメリットも存在します。まず最も大きな課題は、売却時の流動性の低さです。借地権付き物件は購入希望者が限られるため、所有権付き物件と比べて売却に時間がかかる傾向があります。急いで現金化したい場合、希望価格での売却が難しくなる可能性があります。

地代の支払いは継続的なコストとして収益を圧迫します。地代は地主との契約で定められますが、数年ごとに改定される場合が多く、将来的に上昇するリスクがあります。特に周辺の地価が上昇した場合、地代の値上げ交渉が行われることもあります。この不確実性は、長期的な収支計画を立てる上で考慮すべき要素です。

建物の建て替えや大規模修繕を行う際には、地主の承諾が必要になります。承諾を得るためには承諾料を支払うのが一般的で、これが予想外のコストとなることがあります。承諾料の相場は更地価格の3%から5%程度とされていますが、地主との交渉次第で変動します。また、承諾が得られない場合、計画通りの修繕や建て替えができないリスクもあります。

融資を受ける際のハードルも高くなります。金融機関は借地権付き物件を担保価値が低いと評価するため、融資額が制限されたり、金利が高めに設定されたりすることがあります。一部の金融機関では借地権付き物件への融資を行っていない場合もあり、資金調達の選択肢が狭まる可能性があります。

地主との関係性も重要なリスク要因です。地主が変わった場合、新しい地主との関係構築が必要になります。また、地主が借地権の買い取りを求めてくるケースや、逆に地主から土地の買い取りを提案されるケースもあります。こうした状況に適切に対応するためには、法律的な知識や交渉力が求められます。

投資判断のポイント

借地権付き物件への投資を検討する際は、まず借地権の種類を確認することが重要です。旧法借地権か新法借地権かによって、権利の強さや契約期間が大きく異なります。旧法借地権は借地人の権利が強く、実質的に半永久的な使用が可能ですが、新法借地権は契約期間が明確に定められています。一般定期借地権の場合は50年以上、事業用定期借地権は10年以上50年未満と期間が限定されるため、投資期間との整合性を確認する必要があります。

地代の水準と改定条件も慎重に検証しましょう。現在の地代が周辺相場と比較して適正かどうかを確認し、将来的な改定条件も契約書で確認します。地代改定の頻度や改定方法(固定資産税評価額に連動するのか、協議で決めるのかなど)を把握しておくことで、長期的な収支予測の精度が高まります。国土交通省の地価公示データなどを参考に、適正な地代水準を判断することをお勧めします。

地主の属性と安定性も確認すべき項目です。地主が個人なのか法人なのか、また地主の年齢や後継者の有無なども重要な情報です。地主が高齢で後継者が不明確な場合、将来的に相続が発生し、新しい地主との関係構築が必要になる可能性があります。可能であれば、地主と直接面談して人柄や考え方を確認することも有効です。

物件の立地と賃貸需要は、借地権付き物件でも通常の投資物件と同様に重要です。駅からの距離、周辺環境、将来的な開発計画などを総合的に評価します。借地権付き物件は好立地に多いという特徴がありますが、それでも個別の物件ごとに需要を見極める必要があります。実際に現地を訪れ、周辺の賃貸物件の募集状況や家賃相場を調査することをお勧めします。

収支シミュレーションでは、地代を含めた実質的な利回りを計算します。表面利回りだけでなく、地代、固定資産税、管理費、修繕積立金などすべてのコストを差し引いた実質利回りを算出し、投資判断の基準とします。また、将来的な地代上昇や空室リスクも織り込んだ保守的なシミュレーションを行うことで、より現実的な投資判断が可能になります。

借地権付き物件で成功するための戦略

借地権付き物件で成功するためには、まず地主との良好な関係を構築することが不可欠です。定期的なコミュニケーションを心がけ、地代の支払いは必ず期日を守ります。建物の維持管理状況を報告したり、地域の情報を共有したりすることで、信頼関係を築くことができます。良好な関係があれば、将来的な建て替えや修繕の際にも承諾を得やすくなります。

物件選びでは、旧法借地権の物件を優先的に検討することをお勧めします。旧法借地権は借地人の権利が強く保護されており、実質的に半永久的な使用が可能です。また、地代の値上げ交渉でも借地人に有利な条件が多く、長期的な投資に適しています。ただし、旧法借地権付き物件は流通量が限られているため、良い物件が出たら迅速に判断する必要があります。

資金計画では、地代を含めた総コストを正確に把握し、余裕を持った計画を立てます。一般的に、家賃収入の30%から40%程度を地代、管理費、修繕積立金などのコストとして見込むと安全です。また、将来的な建て替えや大規模修繕に備えて、承諾料の支払いも想定した資金を確保しておくことが重要です。

出口戦略も事前に検討しておきましょう。借地権付き物件は売却に時間がかかる可能性があるため、長期保有を前提とした投資計画が適しています。ただし、将来的に売却する場合に備えて、借地権専門の不動産会社とのネットワークを構築しておくことも有効です。また、地主に対して底地(土地)の購入を提案し、所有権化することも一つの出口戦略となります。

税務面では、借地権も相続税の課税対象となることを理解しておく必要があります。借地権割合は地域によって異なりますが、都心部では60%から70%程度に設定されていることが多く、相続時には相応の評価額となります。相続対策として、生前贈与や信託の活用なども検討する価値があります。税理士などの専門家に相談し、適切な対策を講じることをお勧めします。

借地権付き物件の実際の収益性

借地権付き物件の実際の収益性を理解するために、具体的な数値例を見てみましょう。東京都内の駅徒歩5分、築15年のワンルームマンションを例に考えます。所有権付きなら3000万円の物件が、借地権付きなら1800万円で購入できるとします。月額家賃は8万円、地代は月額2万円、管理費・修繕積立金は月額1万円とします。

所有権付き物件の場合、年間家賃収入96万円から管理費等12万円と固定資産税15万円を差し引くと、実質収入は69万円となり、実質利回りは2.3%です。一方、借地権付き物件では、年間家賃収入96万円から地代24万円、管理費等12万円、固定資産税(建物のみ)5万円を差し引くと、実質収入は55万円となり、実質利回りは3.1%となります。

この例では、借地権付き物件の方が実質利回りが高くなっています。これは初期投資額が少ないことによる効果です。ただし、地代という継続的なコストが発生するため、長期的な収支では所有権付き物件が有利になる場合もあります。投資期間や資金効率、リスク許容度などを総合的に判断する必要があります。

実際の投資家の事例を見ると、借地権付き物件で成功している方の多くは、複数物件への分散投資を行っています。初期投資を抑えられる特性を活かし、3つから5つの物件に分散投資することで、リスクを分散しながら総収益を高めています。また、好立地の物件を選ぶことで空室リスクを最小化し、安定したキャッシュフローを実現しています。

国土交通省の不動産価格指数によると、2026年2月時点で都心部の不動産価格は依然として高水準を維持しています。このような環境下では、借地権付き物件の価格優位性がより際立ちます。ただし、地価の動向によっては地代の改定リスクもあるため、周辺の地価動向を定期的にチェックすることが重要です。

収益性を最大化するためには、適切な物件管理も欠かせません。定期的なメンテナンスを行い、物件の価値を維持することで、長期的な賃貸需要を確保できます。また、入居者とのコミュニケーションを大切にし、長期入居を促進することで、空室期間を最小化し、収益の安定化を図ることができます。

まとめ

借地権付き物件への投資は、その特性を正しく理解すれば、有効な投資手段となり得ます。初期投資を抑えられることで資金効率が高まり、好立地の物件を手に入れやすいというメリットがあります。一方で、売却時の流動性の低さや地代の継続的な支払い、地主との関係管理など、特有の注意点も存在します。

投資判断では、借地権の種類、地代の水準、地主の属性、物件の立地と賃貸需要を総合的に評価することが重要です。特に旧法借地権の物件は借地人の権利が強く保護されており、長期投資に適しています。また、地主との良好な関係を構築し、維持することが成功の鍵となります。

収益性の面では、初期投資の低さから実質利回りが高くなる傾向がありますが、地代という継続的なコストを考慮した長期的な収支計画が必要です。複数物件への分散投資や、適切な物件管理によって、リスクを抑えながら安定した収益を実現することが可能です。

借地権付き物件は、すべての投資家に適しているわけではありません。しかし、その仕組みを理解し、適切な物件選びと管理を行えば、資金効率の高い投資を実現できます。この記事で紹介した知識を基に、ご自身の投資目的や資金状況に合わせて、借地権付き物件への投資を検討してみてください。不安な点があれば、不動産投資の専門家や弁護士、税理士などに相談することをお勧めします。適切な知識と準備があれば、借地権付き物件は魅力的な投資選択肢となるでしょう。

参考文献・出典

  • 国土交通省 不動産価格指数 – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
  • 国土交通省 地価公示 – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html
  • 法務省 借地借家法 – https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=403AC0000000090
  • 東京都 借地権に関する情報 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/
  • 公益財団法人 不動産流通推進センター – https://www.retpc.jp/
  • 国税庁 借地権の評価 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4611.htm
  • 一般財団法人 日本不動産研究所 – https://www.reinet.or.jp/

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