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初めての物件は区分と一棟どっちが失敗しにくい?初心者が知るべき選択基準

不動産投資を始めようと決意したものの、最初の物件選びで悩んでいませんか。区分マンションと一棟アパート、どちらを選ぶべきか迷うのは当然のことです。この選択は投資の成否を大きく左右するため、慎重に判断する必要があります。

実は、どちらが失敗しにくいかは一概には言えません。なぜなら、あなたの資金力や投資目的、リスク許容度によって最適な選択が変わるからです。この記事では、区分マンションと一棟アパートそれぞれの特徴を詳しく解説し、初心者が失敗しないための判断基準をお伝えします。記事を読み終える頃には、自分に合った物件タイプが明確になり、自信を持って最初の一歩を踏み出せるでしょう。

区分マンションと一棟アパートの基本的な違い

区分マンションと一棟アパートの基本的な違いのイメージ

不動産投資の世界では、区分マンションと一棟アパートは全く異なる投資商品として扱われます。まず押さえておきたいのは、この2つの根本的な違いです。

区分マンションとは、マンションの一室を所有して賃貸する投資方法です。例えば、都心の駅近マンションの3LDKを1室購入し、入居者に貸し出すイメージです。一方、一棟アパートは建物全体を所有し、複数の部屋を同時に賃貸します。6戸や8戸といった規模の木造アパートを丸ごと購入するケースが一般的です。

この違いは投資金額に大きく反映されます。国土交通省の不動産価格指数によると、2026年現在、東京23区内の区分マンションは平均3,000万円〜5,000万円程度で購入できます。対して一棟アパートは地方でも5,000万円以上、都心部では1億円を超えることも珍しくありません。つまり、初期投資額が3倍から5倍も違うのです。

所有権の範囲も大きく異なります。区分マンションでは専有部分のみを所有し、共用部分は他の区分所有者と共有します。エントランスや廊下、外壁などの管理は管理組合が行い、所有者は管理費と修繕積立金を毎月支払います。一方、一棟アパートでは土地と建物すべてが自分の所有物となり、管理や修繕の判断も自由に行えます。この自由度の高さは魅力的ですが、同時に責任も重くなります。

区分マンション投資のメリットとリスク

区分マンション投資のメリットとリスクのイメージ

区分マンション投資の最大の魅力は、少額から始められる手軽さにあります。自己資金500万円程度あれば、融資を組み合わせて都心の優良物件を購入できる可能性があります。

管理の手間が少ないことも初心者にとって大きなメリットです。建物全体の管理は管理会社が担当し、共用部分の清掃や設備点検も管理組合が手配します。あなたがやるべきことは、入居者対応と室内設備の維持管理だけです。さらに賃貸管理会社に委託すれば、入居者募集から家賃回収、クレーム対応まですべて任せられます。実際、会社員投資家の約80%が管理を委託しており、本業に支障をきたさずに投資を続けています。

流動性の高さも見逃せません。区分マンションは一棟物件に比べて買い手が見つかりやすく、売却したいときにスムーズに現金化できます。不動産流通推進センターのデータでは、都心の区分マンションは平均3〜6ヶ月で売却できるのに対し、一棟アパートは1年以上かかるケースも珍しくありません。

しかし、リスクも存在します。最も深刻なのは空室リスクの集中です。1室しか所有していない場合、空室になると収入がゼロになります。月々のローン返済や管理費は続くため、自己資金から補填しなければなりません。例えば、月10万円の家賃収入がある物件で3ヶ月空室が続けば、30万円の持ち出しが発生します。

管理費と修繕積立金の上昇も長期的なリスクです。築年数が経過すると大規模修繕の必要性が高まり、修繕積立金が段階的に値上がりします。購入時は月2万円だった費用が、10年後には3万円、20年後には4万円になることも珍しくありません。この上昇分は収益を圧迫し、当初のシミュレーション通りにいかなくなる可能性があります。

一棟アパート投資のメリットとリスク

一棟アパート投資の最大の強みは、収益の安定性にあります。複数の部屋を所有しているため、1室が空室になっても他の部屋からの家賃収入が続きます。例えば8戸のアパートで1室空室になっても、収入は12.5%減少するだけです。この分散効果により、キャッシュフローが安定し、計画的な投資運営が可能になります。

土地を所有できることも大きなメリットです。建物は年々価値が下がりますが、立地の良い土地は価値を維持しやすく、場合によっては上昇することもあります。国土交通省の地価公示によると、東京圏の住宅地は過去10年間で平均15%上昇しています。つまり、建物が古くなっても土地の価値で資産を守れる可能性があるのです。

経営の自由度が高いことも魅力的です。リフォームやリノベーションを自分の判断で実施でき、家賃設定も自由に決められます。例えば、ペット可物件に変更したり、シェアハウスとして運営したりと、市場ニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。実際、築古アパートをリノベーションして家賃を20%アップさせた事例も多数報告されています。

一方で、初期投資額の大きさは大きなハードルです。自己資金として最低でも1,000万円以上、できれば2,000万円程度は用意したいところです。金融機関の融資審査も厳しく、年収や勤続年数、自己資金比率などが細かくチェックされます。日本政策金融公庫の調査では、一棟物件の融資承認率は区分マンションより約20%低いというデータもあります。

管理の手間と責任も重くなります。建物全体の維持管理、入居者対応、設備の修繕など、すべてオーナーの責任です。管理会社に委託しても、最終的な判断はオーナーが行う必要があります。特に築年数が経過すると、給排水設備の交換や外壁塗装など、数百万円単位の大規模修繕が必要になります。これらの費用を計画的に積み立てておかないと、突然の出費で資金繰りが悪化する恐れがあります。

初心者が失敗しないための判断基準

重要なのは、自分の状況に合った物件タイプを選ぶことです。判断基準は主に4つあります。

第一に資金力です。自己資金が500万円以下なら、区分マンション一択と考えてよいでしょう。無理に一棟物件に手を出すと、融資条件が厳しくなり、高金利での借入を強いられる可能性があります。自己資金1,000万円以上あれば、一棟アパートも視野に入れられます。ただし、予備資金として別途300万円〜500万円は確保しておくことをおすすめします。

第二に時間的余裕です。会社員として忙しく働いている方は、管理の手間が少ない区分マンションが向いています。一方、時間に余裕があり、不動産経営に積極的に関わりたい方は、一棟アパートで経営の醍醐味を味わえます。実際、副業として不動産投資を始める会社員の約70%が区分マンションを選択しているというデータもあります。

第三にリスク許容度です。投資初心者で失敗を恐れる方は、まず区分マンションで経験を積むことをおすすめします。小さく始めて徐々に規模を拡大する戦略は、多くの成功投資家が実践してきた方法です。一方、ある程度のリスクを取れる方で、長期的に大きな資産を築きたい場合は、最初から一棟物件に挑戦する選択肢もあります。

第四に投資目的です。月々の安定収入を重視するなら一棟アパート、将来の売却益も視野に入れるなら区分マンションが有利です。都心の区分マンションは需要が高く、適切なタイミングで売却すれば購入価格以上で売れる可能性もあります。一方、一棟アパートは毎月のキャッシュフローが厚く、長期保有による資産形成に適しています。

成功事例から学ぶ物件選びのポイント

実際の成功事例を見ると、物件選びの重要性がよく分かります。

Aさん(35歳・会社員)は、自己資金600万円で東京都内の区分マンションから投資を始めました。駅徒歩5分、築15年の1LDKを3,200万円で購入し、月8万円の家賃収入を得ています。ローン返済と管理費を差し引いても月2万円のプラスになり、3年後には2件目の区分マンションを購入しました。Aさんの成功要因は、立地を最優先したことです。多少価格が高くても、駅近物件は空室リスクが低く、長期的に安定した収入が見込めます。

Bさん(42歳・自営業)は、自己資金2,000万円で地方都市の一棟アパートを購入しました。築25年の木造アパート8戸を5,500万円で取得し、購入後すぐに500万円かけてリフォームを実施しました。家賃を月4万円から5万円に値上げし、満室時の年間家賃収入は480万円になりました。ローン返済や経費を差し引いても、年間150万円以上のキャッシュフローを確保しています。Bさんの成功要因は、リフォームによる付加価値の創出です。築古物件でも適切に手を加えれば、競争力を高められます。

一方、失敗事例も参考になります。Cさん(38歳・会社員)は、利回りの高さに惹かれて地方の区分マンションを購入しましたが、購入後すぐに入居者が退去し、1年以上空室が続きました。表面利回り10%という数字に飛びついた結果、立地の悪さを見落としていたのです。この経験から学べるのは、利回りだけで判断してはいけないということです。

Dさん(45歳・会社員)は、自己資金が不足していたにもかかわらず、フルローンで一棟アパートを購入しました。購入後に大規模修繕が必要になり、追加資金を用意できず、最終的に物件を手放すことになりました。この事例が示すのは、予備資金の重要性です。不動産投資では予期せぬ出費が発生するため、余裕を持った資金計画が不可欠です。

区分と一棟、段階的に進める戦略

多くの成功投資家が実践しているのが、段階的に規模を拡大する戦略です。最初は区分マンションで経験を積み、ノウハウと資金が貯まったら一棟物件に挑戦する方法です。

第一段階では、区分マンション1件から始めます。物件選びから融資交渉、管理会社の選定、確定申告まで、一連の流れを実際に経験することが重要です。この段階で失敗しても、損失は限定的です。また、会社員としての信用力を活かして有利な条件で融資を受けられます。

第二段階では、区分マンションを2〜3件に増やします。複数物件を所有することで、空室リスクの分散と収益の安定化を図ります。この段階で重要なのは、物件ごとの収支管理を徹底することです。どの物件が利益を生み、どの物件が足を引っ張っているのか、データで把握する習慣をつけましょう。

第三段階で、一棟アパートへの挑戦を検討します。区分マンションで得た家賃収入を頭金に充て、より大きな物件を購入します。この時点で不動産投資の基礎知識と実務経験が身についているため、一棟物件特有の課題にも対応できるはずです。金融機関からの評価も高まり、融資条件が改善される可能性もあります。

この戦略の利点は、リスクを抑えながら着実に資産を増やせることです。不動産投資家の約60%が、最初の物件購入から5年以内に2件目を取得しているというデータもあります。焦らず、自分のペースで進めることが長期的な成功につながります。

ただし、物件を増やすことだけが目的になってはいけません。各物件の収益性を維持し、トータルでのキャッシュフローをプラスに保つことが最優先です。1件の優良物件を持つことは、3件の不良物件を持つことより価値があります。

まとめ

初めての不動産投資で区分マンションと一棟アパートのどちらを選ぶべきか、その答えはあなたの状況によって変わります。区分マンションは少額から始められ、管理の手間も少ないため、初心者や会社員投資家に適しています。一方、一棟アパートは初期投資が大きいものの、収益の安定性と経営の自由度が高く、本格的な資産形成を目指す方に向いています。

重要なのは、自分の資金力、時間的余裕、リスク許容度、投資目的を冷静に分析することです。無理に背伸びせず、確実に成功できる選択をしましょう。多くの成功投資家が実践しているように、まず区分マンションで経験を積み、段階的に規模を拡大する戦略も有効です。

不動産投資は長期的な資産形成の手段です。最初の物件選びで完璧を求める必要はありません。むしろ、実際に始めることで得られる経験と知識が、あなたを成功へと導きます。この記事で学んだ判断基準を参考に、自信を持って最初の一歩を踏み出してください。あなたの不動産投資が成功することを心から願っています。

参考文献・出典

  • 国土交通省「不動産価格指数」- https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
  • 国土交通省「地価公示」- https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html
  • 不動産流通推進センター「不動産統計集」- https://www.retpc.jp/research/
  • 日本政策金融公庫「不動産賃貸業に関する調査」- https://www.jfc.go.jp/n/findings/
  • 総務省統計局「住宅・土地統計調査」- https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/
  • 公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」- https://www.reins.or.jp/trend/
  • 一般社団法人不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査」- https://www.frk.or.jp/

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