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東京23区の区分マンション表面利回り2025

東京23区で区分マンション投資を検討しているものの、「2025年の表面利回りはどのくらいが相場なのか」「エリアによってどれだけ差があるのか」と情報収集に苦労していませんか。実際、健美家の四半期レポートによると、2025年7〜9月期の区分マンション利回りは全国平均で6.67%となっていますが、東京23区に限定すると数値は大きく異なります。本記事では、最新データをもとに東京23区の区分マンション表面利回りの実態を詳しく解説します。物件タイプ別の相場感から実質利回りへの換算方法、エリア選びのポイントまで順を追って説明しますので、最後まで読むことで2025年の投資判断に必要な基礎知識が身につくはずです。

2025年東京23区の区分マンション表面利回り相場

2025年東京23区の区分マンション表面利回り相場

まず押さえておきたいのは、東京23区の区分マンション表面利回りが全国平均よりも低めに推移しているという事実です。日本不動産研究所のデータによると、2025年9月時点の東京23区平均表面利回りはワンルームマンションで4.2%、ファミリータイプで3.8%となっています。これは全国平均の6.67%と比較すると約2ポイント以上低い水準ですが、都心部ならではの理由があります。

東京23区は物件価格が高い一方で、人口流入が続いており空室リスクが低く抑えられます。総務省の住民基本台帳によれば、東京23区の人口は2025年も微増を続けており、賃貸需要は堅調です。利回りの数字だけを見ると地方物件に見劣りしますが、空室損失や将来的な資産価値の安定性を考慮すると、実際の収益性は数字以上に魅力的なケースが少なくありません。

一棟アパートの場合は平均5.1%とやや高めの水準ですが、購入価格が数千万円から数億円規模になるため、区分マンションとは投資家層が異なります。初めて不動産投資に取り組む方にとっては、1,500万円から3,500万円程度で購入できる区分マンションが現実的な選択肢となるでしょう。

東京23区エリア別の利回り傾向

東京23区エリア別の利回り傾向

同じ東京23区内でも、エリアによって利回りには明確な差があります。過去のデータ推移を見ると、足立区や葛飾区といった城東エリアでは平均利回りが8%台に達することもありましたが、近年は物件価格の上昇により6%台後半へと収れんしつつあります。一方、港区や渋谷区などの都心3区は依然として4%を下回る水準で推移しています。

この差は物件価格と賃料のバランスで説明できます。港区のワンルームマンションは3,500万円以上することも珍しくありませんが、家賃は10万円台後半が相場です。対して足立区では同じワンルームが1,500万円前後で購入でき、家賃は6万円台でも借り手がつきます。単純計算では足立区の方が高利回りになりますが、入居者の属性や将来的な売却価格まで考えると、一概にどちらが有利とは言えません。

重要なのは、利回りの高低だけでなく、その背景にある需給構造を理解することです。再開発計画が進行中のエリアや大学キャンパスが近い地域は、将来的に賃料上昇が見込める可能性があります。逆に人口減少が進む地域では、現在の高利回りが維持できない恐れもあります。国土交通省の不動産価格指数や各区の人口動態データを参照しながら、中長期的な視点でエリアを選定することが成功への近道です。

表面利回りと実質利回りの違いを正しく理解する

表面利回りは「物件価格に対する年間家賃収入の割合」を示す指標です。計算式は「年間家賃収入÷物件価格×100」というシンプルなもので、物件の比較検討をする際の入り口として便利に使えます。しかし、この数字には管理費や修繕積立金、固定資産税、空室損失といった経費が一切含まれていません。

たとえば、2,500万円のワンルームマンションで月額家賃が9万円の場合を考えてみましょう。年間家賃収入は108万円となり、表面利回りは4.32%です。しかし実際には、管理費と修繕積立金が月2万円、固定資産税が年7万円かかります。さらに平均的な空室率10%を見込むと、年間の手取りは約62万円まで下がります。これを物件価格で割った実質利回りは2.48%となり、表面利回りとの差は約1.8ポイントにもなります。

この差を理解せずに物件を購入すると、想定していた収益が得られずに困惑することになります。表面利回りはあくまで物件を「ふるい」にかけるための指標であり、購入を決断する前には必ず実質利回りベースでシミュレーションを行う習慣をつけてください。諸経費の内訳を細かく確認し、最低でも年間の手取りキャッシュフローがプラスになるかどうかを検証することが、堅実な投資の第一歩です。

物件選びで押さえるべきポイント

物件選びで最も重視すべきは立地の将来性です。現時点の利回りが高くても、入居者が集まらなければ意味がありません。具体的には、最寄り駅からの距離、周辺の生活利便施設、ターゲット入居者層の想定という3つの観点から物件を評価しましょう。

20代から30代の単身者をターゲットにする場合、駅徒歩5分以内は必須条件と考えてよいでしょう。コンビニや飲食店が近くにあることも重要です。共働きファミリー層を狙うなら、保育施設やスーパーが徒歩圏内にある2LDK以上の物件が候補になります。ターゲットの生活動線を具体的にイメージすることで、内見時のチェックポイントが明確になり、失敗を避けやすくなります。

価格交渉においては、表面利回りと融資条件、空室リスクを総合的に判断することが重要です。売主との交渉で物件価格を2%下げることができれば、表面利回りは同じ割合だけ上昇します。さらに金融機関との交渉で融資金利を0.2ポイント下げられれば、年間のキャッシュフローは10万円以上改善するケースも珍しくありません。数字の小さな差が長期的な収益を大きく左右するため、妥協せずに交渉に臨む姿勢が求められます。

金利上昇リスクと資金計画の考え方

2025年の投資環境で無視できないのが金利動向です。日銀は緩やかな金融政策の正常化へ舵を切り、都市銀行の投資用ローン金利は2021年比でおよそ0.3ポイント上昇しました。この上昇幅は小さく見えますが、借入額が大きい不動産投資では返済総額に直接響きます。

たとえば、2,000万円を30年返済で借り入れる場合、金利が1.5%から1.8%に上がると、返済総額は約100万円増加します。毎月の返済額に換算すると約2,800円の増加ですが、これが空室期間と重なるとキャッシュフローが赤字に転落するリスクがあります。返済比率は家賃収入の50%以下に抑え、修繕積立を含む固定費は15%以内に収めることを目安にしましょう。

金利上昇への備えとして効果的なのは、繰上返済手数料が低い金融機関を選んでおくことです。将来的に借り換えを検討できる余地を残しておけば、金利環境の変化にも柔軟に対応できます。また、地方銀行や信用金庫は地域活性化の観点から投資家に前向きな姿勢を示すことも多く、都市銀行だけでなく幅広い金融機関を比較検討することをおすすめします。

修繕費と長期保有コストを見据える

区分マンション投資では、修繕積立金の動向も重要な検討事項です。2025年は建築資材費の高騰が続いており、外壁補修などの大規模修繕費が以前より1割から2割増しになる傾向があります。購入前に長期修繕計画を取得し、5年後・10年後に予定されている大規模修繕の内容と費用を確認しておくことで、不意の支出によるキャッシュショックを避けられます。

修繕積立金が低すぎる物件は要注意です。現時点の支出が少なくて済む一方、将来的に一時金の徴収や積立金の大幅値上げが発生する可能性があります。管理組合の財務状況や積立金の残高、過去の修繕履歴を確認することで、物件の健全性を判断できます。表面利回りが高くても、数年後に修繕費負担で実質利回りが大きく下がるケースは少なくありません。

リスク管理の観点からは、賃料保証付きの管理委託よりも、入居付け実績を重視した管理会社を選ぶことをおすすめします。賃料保証は安心感がありますが、保証料の分だけ手取りが減り、保証会社の経営状況によっては契約が継続されないリスクもあります。複数の管理会社を比較し、空室期間の短さや入居者審査の質で選定することが、長期的な収益安定につながります。

税制優遇を活用して手残りを増やす

不動産投資の収益性を高めるうえで、税制の活用は見逃せないポイントです。2025年度も不動産取得税の軽減措置が継続しており、課税標準から1,200万円が控除されます。固定資産税については、新築後3年間(耐火構造は5年間)は建物部分が半額になる優遇があるため、新築物件を検討する際は早期取得が有利に働きます。

青色申告を活用すれば、65万円の控除を受けることができます。さらに、賃貸経営で発生する減価償却費は、実際のキャッシュ支出を伴わない経費として課税所得を圧縮する効果があります。たとえば、2,000万円の区分マンション(建物価格80%、RC造47年)を購入した場合、定額法で計算すると年間約34万円を経費計上できます。表面利回りでは見えない「税引後利回り」を押し上げる効果は非常に大きいと言えるでしょう。

ただし、2025年度末には「住宅省エネ2025キャンペーン」の補助金申請が終了予定ですが、投資用マンションは対象外となっています。居住用物件向けの優遇制度と混同しないよう注意してください。基本的には、汎用的な税制優遇と耐用年数を意識し、長期にわたって恩恵が続く仕組みを選択することが堅実な戦略となります。

投資判断のための実践的なステップ

ここまでの内容を踏まえて、実際に物件を検討する際の手順を整理しておきましょう。まず、投資可能な自己資金と借入可能額を把握し、ターゲットとする物件の価格帯を決定します。次に、表面利回りを目安に候補物件をピックアップし、エリアの将来性や入居者ターゲットの観点から絞り込みます。

候補が数件に絞られたら、各物件について実質利回りを計算します。管理費、修繕積立金、固定資産税、想定空室率を入力し、年間の手取りキャッシュフローがプラスになるかどうかを検証してください。返済比率が50%を超える場合は、頭金を増やすか、物件価格の交渉を検討する必要があります。

最後に、信頼できる管理会社を選定し、運用開始後のシミュレーションを行います。最初の数年は想定どおりにいかないことも多いため、予備資金として家賃の3〜6か月分程度を確保しておくと安心です。数字を丁寧に検証し、長期的な視点で判断することが、東京23区での区分マンション投資を成功させる鍵となります。

まとめ

2025年の東京23区における区分マンション投資は、表面利回りだけを見ると地方物件に劣るものの、空室リスクの低さや資産価値の安定性を考慮すれば依然として魅力的な選択肢です。ワンルームで4.2%、ファミリータイプで3.8%という平均利回りを出発点に、実質利回りへの換算、エリアの将来性評価、金利上昇リスクへの備え、税制優遇の活用といった複数の観点から総合的に判断することが重要です。

この記事で紹介した内容を参考に、まずは気になる物件の数字を実質ベースで検証してみてください。信頼できる金融機関と管理会社を見つけ、長期的な視点で資産形成に取り組むことで、変動の激しい時代でも安定した収益を確保できるはずです。

参考文献・出典

  • 日本不動産研究所 – https://www.reinet.or.jp
  • 健美家 収益物件市場動向四半期レポート – https://www.kenbiya.com
  • 総務省 住民基本台帳人口移動報告 – https://www.stat.go.jp
  • 国土交通省 不動産価格指数・住宅市場動向調査 – https://www.mlit.go.jp
  • 日本銀行 金融システムレポート – https://www.boj.or.jp

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