不動産の税金

不動産投資ローン金利の最新相場と低金利で借りるコツ

不動産投資を検討する際、最も気になるのがローンの金利ではないでしょうか。わずか1%の金利差でも、35年間の返済総額では数百万円もの違いが生まれます。本記事では2025年9月時点の最新データをもとに、金融機関ごとの金利相場から低金利で借り入れるためのポイントまでを詳しく解説します。読み終えた頃には、自分に合った金融機関の選び方と金利交渉のコツが明確になるはずです。

不動産投資ローン金利の基礎知識

不動産投資ローン金利の基礎知識

不動産投資ローンの金利を理解するには、まず金利タイプの違いを押さえておく必要があります。大きく分けると「変動金利」「当初固定金利」「全期間固定金利」の3種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。変動金利は一般的に金利が低く設定されますが、市場金利の変動リスクを借り手が負うことになります。一方で全期間固定金利は返済額が確定するため計画が立てやすい反面、当初の金利設定が高めになる傾向があります。

金融機関がローン金利を決定する仕組みも重要です。多くの銀行では「短期プライムレート」または「長期プライムレート」を基準金利として、そこに審査結果に応じたスプレッドを上乗せする形で個別の金利が決まります。つまり、同じ金融機関であっても、申込者の属性や物件評価によって提示される金利は異なるのです。年収が高く安定した勤務先に勤めている人や、担保価値の高い物件を購入する人ほど、低いスプレッドで優遇されやすくなります。

また、見落としがちなのが金利以外の諸費用です。保証料や事務手数料を含めた「実質的な借入コスト」で比較しないと、表面上の金利だけでは本当の負担を把握できません。たとえば金利1.5%のローンでも、保証料が借入額の1%、事務手数料が0.5%かかる場合、初期費用を含めた総支払額は単純な金利計算以上に膨らみます。

金融機関別の金利相場を徹底比較

金融機関別の金利相場を徹底比較

不動産投資ローンの金利は金融機関の種類によって大きく異なります。2025年現在の一般的な金利相場を把握しておくことで、どこに申し込むべきかの方向性が見えてきます。

都市銀行(メガバンク)

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といった都市銀行の金利相場は概ね1.0%から2.0%程度です。審査基準は厳しめですが、一度承認されれば低金利で借り入れができます。ノムコム・プロの調査によると、都市銀行は審査に2週間から1ヶ月程度の時間がかかりますが、その分だけ金利優遇が期待できるとされています。年収700万円以上で上場企業や公務員といった安定した属性の方に向いています。

地方銀行

地方銀行の金利相場は1.0%から4.0%と幅広く、銀行によって対応が大きく異なります。特に物件所在地と銀行の営業エリアが一致している場合は前向きに検討してもらえる傾向があります。地方銀行の強みは、都市銀行よりも柔軟な審査姿勢にあります。勤続年数が短い方や、副業収入がある方でも、総合的な判断で融資が通ることがあります。

信用金庫・信用組合

信用金庫や信用組合も地方銀行と同様に地域密着型の金融機関です。金利は1.5%から4.0%程度が目安となります。組合員や営業エリア内に居住・勤務している方が対象となるため、利用できる人は限定されますが、担当者との関係性を築きやすく、きめ細やかな相談ができる点がメリットです。

ネット銀行

ネット銀行は店舗を持たないため経費が抑えられ、その分を金利の低さで還元しています。金利相場は1.5%から2.5%程度で、審査もオンラインで完結するためスピーディーです。ただし対面での相談ができないため、不動産投資の経験が浅い方には不向きな場合もあります。また、物件によっては融資対象外となるケースもあるため、事前に条件を確認しておく必要があります。

ノンバンク

消費者金融系やリース会社系のノンバンクは、金利が3.0%から5.0%と高めに設定されています。しかし審査基準が比較的緩やかで、銀行で断られた案件でも融資を受けられることがあります。INVASEの分析によれば、ノンバンクは諸費用をローンに組み込める商品もあり、自己資金を温存したい投資家にとって選択肢となり得るとのことです。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は政府系金融機関として、民間では融資が難しい案件にも対応しています。金利は1.5%から2.5%程度で、固定金利が中心です。住宅金融支援機構(JHF)の参考金利では、15年固定で2.25%程度となっています。長期の固定金利を希望する場合や、築古物件への融資を検討している場合に有力な選択肢となります。

金利動向の推移と今後の見通し

日本銀行が2024年にマイナス金利政策を解除して以降、長期金利は緩やかな上昇傾向にあります。日本銀行の「貸出約定平均金利」統計によると、2025年9月時点の国内銀行の新規貸出平均金利は1.415%程度です。これは過去10年間で見ると上昇傾向にありますが、歴史的に見れば依然として低水準といえます。

INVASEが公開している2012年から2026年までの区分マンションと一棟物件の平均金利推移グラフを見ると、2020年から2023年にかけて底を打ち、その後は徐々に上昇している様子がわかります。今後も日銀の金融政策正常化の流れが続けば、長期金利に連動する形で不動産投資ローンの金利も上昇する可能性があります。

ただし急激な金利上昇は景気への悪影響が大きいため、日銀も慎重に政策を進めています。現時点で変動金利を選ぶ場合でも、将来の金利上昇に備えた返済計画を立てておくことが重要です。全国銀行協会が公表した2025年9月の金利動向では、変動型が1.5%から2.0%、固定10年が2.5%から3.0%となっており、固定と変動の金利差は拡大傾向にあります。

金利差が返済額に与える影響

金利の違いが実際の返済額にどれほどの影響を与えるのか、具体的な数値で確認してみましょう。RENOSYマガジンでは借入2,000万円、返済期間35年の条件で試算しており、金利2%と3%では月々の返済額に約1万円の差が生じ、総返済額では約450万円もの開きが出るとしています。

この差額をどう捉えるかは投資家によって異なりますが、450万円あれば次の投資物件の頭金にも充てられる金額です。つまり金利交渉に時間をかける価値は十分にあるといえます。複数の金融機関から見積もりを取り、最も条件の良いところを選ぶだけでも、長期的には大きなリターンを生み出します。

また、諸費用を含めた総コストで比較することも忘れないでください。保証料が借入額の1%、事務手数料が0.5%かかる場合、2,000万円の借入では初期費用だけで30万円になります。金利が0.1%低くても諸費用が高ければ、総合的な負担はむしろ増える可能性があります。

低金利で借り入れるための5つのポイント

金利は金融機関が一方的に決めるものではなく、申込者側の工夫次第で引き下げる余地があります。auフィナンシャルパートナーやノムコム・プロなどの専門サイトでも紹介されている、低金利を引き出すための実践的なポイントを解説します。

自己資金を増やして頭金を厚くする

自己資金の比率は金利交渉において最も影響力のある要素です。各行の公開資料によると、自己資金10%超で融資承認率が約1.7倍に向上するというデータがあります。さらに20%以上の頭金を用意できれば、金利優遇幅が拡大することも珍しくありません。自己資金を準備できない場合は、親族からの贈与や預貯金の取り崩しを検討し、総合的な資産背景を強調するアプローチが効果的です。

自身の属性を向上させる

年収や勤務先といった属性は短期間で変えられるものではありませんが、審査までに整えられることもあります。たとえばカード利用残高を減らしてクレジットスコアを改善する、勤続年数が1年を超えるタイミングまで待つ、副業収入があれば確定申告で実績を明確にするといった対策が考えられます。直近1年以内に延滞履歴があると、たとえ年収が高くても否決されるケースが増えているため、CICやJICCで自分の信用情報を事前に確認しておくことをおすすめします。

複数の金融機関に同時に申し込む

金融機関によって審査基準や金利設定は異なります。1社だけに絞らず、都市銀行、地方銀行、ネット銀行など複数のカテゴリから見積もりを取ることで、最も有利な条件を引き出せます。他行からの見積書を提示することで「他行ではこの金利を提示されている」という交渉材料にもなります。

不動産会社の提携ローンを活用する

不動産会社が金融機関と提携しているローン商品では、通常よりも優遇された金利が適用されることがあります。提携ローンは審査手続きもスムーズで、不動産会社が書類準備を手伝ってくれるケースも多いため、初めて投資ローンを組む方には特におすすめです。

説得力のある事業計画書を用意する

金融機関は融資の可否だけでなく、金利設定においても事業計画の精度を見ています。実質利回りの計算根拠、空室リスクを加味したキャッシュフロー予測、修繕積立計画などを具体的に示した資料を用意することで、「返済に問題なし」という判断を引き出しやすくなります。家賃下落シナリオまで盛り込んだ資料を提出すると、審査担当者からの評価が高まります。

審査で重視される収益力とキャッシュフロー

金融機関が金利を決定する際に重視するのは、物件の収益力です。ここでポイントとなるのは「実質利回り」であり、表面利回りではありません。表面利回りが10%でも、管理費や固定資産税、修繕費を差し引いた実質利回りが4%を下回ると、返済原資として弱いと判断されます。

国土交通省の賃貸住宅市場データ(2024年度版)によれば、築20年を超える木造アパートの平均家賃は10年間で約12%下落しました。将来の家賃を楽観的に設定すると審査担当者に見抜かれてしまうため、保守的な収支計画を立てることが重要です。一方で都市部のワンルームマンションは同期間で下落率が4%にとどまっており、修繕計画を示せば安定資産として評価されやすい傾向があります。

返済比率も重要な指標です。年間返済額を年収で割った返済負担率は35%が目安とされ、家賃収入に対する返済比率は40%以下が望ましいとされています。この基準を満たしていれば金融機関も安心して融資できるため、結果として金利優遇につながることがあります。

2025年度の制度変更と金融機関の動向

2025年度の税制改正では、青色申告特別控除65万円が引き続き適用されることが確定しました。適正な帳簿付けを行えば手取り収入を増やせるため、金融機関も青色申告の有無を重視し始めています。確定申告で青色申告を選択している投資家は、金融機関から「経営管理能力がある」と評価されやすくなります。

また、2025年度の中小企業成長促進税制では、省エネ改修を行った賃貸物件に対する特別償却30%が継続されています。この制度を活用して物件の資産価値を高めている投資家は、金融機関からも前向きな評価を得られる傾向があります。

金融機関側ではAI審査モデルの導入が進み、事前診断だけで融資可否の目安がわかるサービスが増えてきました。しかし最終判断は担当者によるリスク確認で行われるため、提出書類の整合性がこれまで以上に問われています。書類に矛盾があったり、楽観的すぎる収支計画を提出したりすると、金利上乗せや融資否決の原因になります。

金利上昇リスクへの備え方

変動金利を選ぶ場合、将来の金利上昇リスクにどう備えるかが重要です。金融機関の審査でも「金利上昇ストレステスト」として、固定金利に0.5%を上乗せした利率で返済シミュレーションが行われることが一般的です。

投資家側としては、変動金利を選ぶ場合でも返済計画は固定金利並みに余裕を持たせておくことが安心につながります。具体的には、金利が1%上昇しても返済比率が40%を超えないような資金計画を立てておくことです。銀行に対して「金利上昇1%までは耐えられる」という具体的なシミュレーションを示すことが、2025年型の金利交渉術といえるでしょう。

固定金利を選ぶ場合は、繰上返済の条件を事前に確認しておくことが大切です。繰上返済手数料が高額に設定されている商品では、余裕資金ができたときに機動的な返済ができません。金利上昇キャップが設定されている商品を選ぶのも、リスクを限定する有効な手段です。

まとめ

不動産投資ローンの金利は、金融機関の種類や申込者の属性、物件評価によって大きく異なります。都市銀行なら1.0%から2.0%、ノンバンクなら3.0%から5.0%と、その差は数パーセントに及びます。この差は35年間の返済総額で見ると数百万円規模の違いを生み出すため、金利交渉に時間をかける価値は十分にあります。

低金利で借り入れるためには、自己資金を増やして頭金を厚くすること、自身の属性を向上させること、複数の金融機関から見積もりを取ること、説得力のある事業計画書を用意することが重要です。また、金利だけでなく保証料や事務手数料を含めた総コストで比較することも忘れないでください。

日銀の金融政策正常化に伴い、今後は金利が緩やかに上昇していく可能性があります。変動金利を選ぶ場合でも、金利上昇に耐えられる返済計画を立てておくことで、長期的に安定した不動産投資を実現できるでしょう。まずは複数の金融機関から見積もりを取り、自分に最も有利な条件を見つけることから始めてみてください。

参考文献・出典

  • 全国銀行協会 – https://www.zenginkyo.or.jp
  • 国土交通省 賃貸住宅市場データ – https://www.mlit.go.jp
  • 日本銀行 貸出約定平均金利 – https://www.boj.or.jp
  • 住宅金融支援機構(JHF) – https://www.jhf.go.jp
  • CIC(指定信用情報機関) – https://www.cic.co.jp
  • ノムコム・プロ – https://www.nomu.com/pro/
  • RENOSYマガジン – https://www.renosy.com/magazine/
  • INVASE – https://investment.mogecheck.jp/

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