不動産の税金

築浅物件で実質利回りを高める5つの秘訣

不動産投資を始めたばかりの方の多くが、「築浅物件は安心そうだけれど利回りが低いのでは?」という疑問を抱えています。確かに新しい建物は表面利回りが控えめに見えますが、実質利回りまで計算すると手堅い選択肢になるケースも少なくありません。

本記事では実質利回りの正しい算出方法から、築浅物件ならではのメリット、さらには2025年度時点の融資環境までを整理します。読み終える頃には、数字と将来性の両面から物件を見極める力が身につくはずです。

実質利回りを理解することが第一歩

実質利回りを理解することが第一歩

まず押さえておきたいのは、実質利回りと表面利回りの違いです。両者を混同すると、投資判断を誤る原因になります。

表面利回りと実質利回りの違い

表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割っただけの単純な指標です。管理費や固定資産税などの経費を無視しているため、実際の手取りとはかけ離れることがあります。

一方の実質利回りは、年間家賃から年間経費を差し引き、さらに購入時の諸費用を含めた総投資額で割って算出します。つまり経費が少ないほど実質利回りは高くなり、投資判断の核心を突く指標と言えます。

項目 表面利回り 実質利回り
計算式 年間家賃÷物件価格 (年間家賃−年間経費)÷総投資額
経費の考慮 なし あり
諸費用の考慮 なし あり
投資判断への有用性 参考程度 高い

数字で見る東京23区の利回り事情

日本不動産研究所の2025年調査では、東京23区のワンルーム平均表面利回りは4.2%と報告されています。しかし管理費が月1万円、固定資産税が年6万円かかると仮定すると、手取り収入は年間約42万円まで下がります。実質利回りは3%台へ落ち込むこともあるのです。

だからこそ、物件選びでは経費構造を精査し、見かけの数字に惑わされない姿勢が不可欠です。

築浅物件の魅力と見落としがちな落とし穴

築浅物件の魅力と見落としがちな落とし穴

築浅物件には経費面での優位性がありますが、注意すべきポイントも存在します。メリットとデメリットの両面を理解しておきましょう。

築浅物件の3つのメリット

築浅物件が経費面で有利になりやすい理由は、主に以下の3点です。

  • 修繕費の抑制:新耐震基準以降の建物は大規模修繕の頻度が少なく、共用部の劣化も緩やかです。長期的に修繕積立金や設備交換費用が抑えられます。
  • 空室リスクの低減:最新設備が入居者ニーズに合致しやすく、空室期間が短い傾向があります。
  • 融資条件の優遇:担保評価が高いため、融資期間を長く設定でき、毎月返済額を抑えやすくなります。

見落としがちな2つの落とし穴

一方で、以下の点には注意が必要です。

  • 購入価格の高さ:物件価格が上がれば総投資額も増えるため、短期的には利回りが低く見えることがあります。
  • 保証切れ後の故障リスク:設備保証が切れた直後に故障が集中するケースもあります。また、賃料下落のスピードが速いエリアでは収益悪化が早まる可能性もあります。

築浅だから安全と決めつけず、立地の将来性と賃料相場の推移を合わせて検討する姿勢が大切です。

実質利回りを底上げする5つの運用術

経費の削減と家賃収入の維持をバランス良く追求することが、実質利回り向上の鍵です。具体的な方法を5つ紹介します。

1. 管理手数料の交渉

管理会社と交渉し管理手数料を5%から4%に下げられれば、年間家賃120万円の物件なら手取りが1万2千円増えます。数字としては小さく見えても、実質利回りでは0.1ポイント上がる計算です。長期では大きな差に変わります。

2. 付加価値サービスの導入

築浅物件はIoT設備や高速インターネットなど付加価値サービスを導入しやすい特徴があります。月額3千円のインターネット使用料を入居者負担に設定できれば、追加収入がそのまま利回り向上に直結します。

3. 予防的な修繕の実施

退去時に原状回復を最小限に抑えるため、フロアタイルや汚れに強い壁紙を採用するなど、予防的な修繕でランニングコストを抑える発想も有効です。

4. 適切な賃料設定

相場より高すぎる賃料は空室期間を長引かせます。周辺相場を定期的にリサーチし、適正価格を維持することで稼働率を高めましょう。

5. 火災保険の見直し

火災保険は複数社で見積もりを取り、補償内容と保険料のバランスを最適化することで、年間数万円の節約につながることがあります。

築浅×築古の実質利回りシミュレーション

シミュレーションを通じて数字を可視化すると、築浅物件の強みが際立ちます。築3年と築20年の物件を比較してみましょう。

シミュレーション条件

項目 築3年物件 築20年物件
購入価格 3,000万円 2,000万円
月額家賃 10万円 8万円
管理費・修繕積立金(月額) 1万2千円 1万5千円
固定資産税(年額) 6万円 4万円
年間修繕費 0円 15万円
購入時諸費用 180万円(6%) 120万円(6%)

計算結果

築3年物件の場合、総投資額は約3,180万円です。年間手取り家賃は約102万円となり、実質利回りは約3.2%になります。

築20年物件の場合、総投資額は約2,120万円です。年間修繕費15万円を考慮すると、年間手取り家賃は約59万円となり、実質利回りは約2.8%に留まります。

さらに10年後を見据えると、築浅物件は賃料下落を年1%に抑えられれば平均実質利回り約3.3%で推移します。一方、築20年物件は設備更新費の影響で2.6%程度まで低下する可能性があります。長期保有を前提とするなら、築浅物件が有利になるケースが多いのです。

2025年度の融資・税制環境を味方にする

投資環境を最大限活用するために、最新の融資動向と税制優遇措置を押さえておきましょう。

融資環境の現状

2025年度の住宅ローン金利は、日銀がマイナス金利を解除した影響で過去最低水準からはやや上昇しています。ただし、長期固定型で年1.5%前後を維持しており、依然として低金利環境が続いています。

アパートローンでは金融機関により差があり、都市銀行よりも地銀や信金が年2%台前半を提示する事例が多い状況です。築浅物件は担保評価が高いため、融資期間を35年まで延ばせることも多く、毎月返済額を抑えやすい点が魅力です。

活用したい税制優遇

税制面では、以下の制度が活用できます。

  • 青色申告特別控除:最大65万円の控除を活用すれば、所得税と住民税の負担を軽減し、実質利回りの向上につながります。
  • 減価償却費の計上:建物部分の減価償却により、帳簿上の経費を増やして課税所得を圧縮できます。

ただし制度には適用要件があり、個人ごとに条件が異なります。申告前に税理士へ相談することをおすすめします。

まとめ

築浅物件は購入価格が高くても、修繕費や空室リスクが低いため、長期で見れば安定した実質利回りを実現しやすい特徴があります。本記事で紹介したポイントを整理すると、以下の通りです。

  • 表面利回りではなく実質利回りで投資判断を行う
  • 築浅物件は経費面で有利だが、購入価格の高さには注意する
  • 管理手数料の交渉や付加価値サービスの導入で利回りを底上げする
  • 10年スパンのシミュレーションで長期収益を可視化する
  • 低金利環境と税制優遇を最大限活用する

まずは気になる物件の実質利回りを計算し、10年スパンのキャッシュフローをシミュレーションしてみてください。数字と戦略を両立させることで、初心者でも堅実な不動産投資の第一歩を踏み出せるでしょう。

参考文献・出典

  • 日本不動産研究所 – https://www.reinet.or.jp
  • 国土交通省 不動産市場動向調査 – https://www.mlit.go.jp
  • 総務省「住宅・土地統計調査」 – https://www.stat.go.jp
  • 財務省「租税特別措置法通達」 – https://www.mof.go.jp
  • 日本銀行 金融政策決定会合資料 – https://www.boj.or.jp

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