不動産投資に興味はあるけれど、「横浜の物件は本当に儲かるのか」「表面利回りと実質利回りの違いがよく分からない」と悩んでいる方は少なくありません。特に管理費や固定資産税を差し引いた後の手残りを示す実質利回りは、投資の成否を分ける重要な指標です。
本記事では、最新のデータを用いて横浜エリアの市場動向を整理しながら、実質利回りを高めるための具体的な方法を詳しく解説します。読み終わる頃には、横浜でのマンション投資において何を確認し、どのように行動すべきかが明確になるでしょう。
実質利回りの基本を正しく理解する

まず押さえておきたいのは、実質利回りが表面利回りとどのように異なるかという点です。表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割っただけの単純な指標であり、実際の手取り額を示すものではありません。一方、実質利回りは管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険料、さらには空室損失なども差し引いて算出します。
具体的な計算式は「(年間家賃収入−年間経費)÷(物件価格+購入諸費用)×100」となります。購入時の仲介手数料や登記費用なども分母に含めるため、表面利回りより1〜2%程度低くなるのが一般的です。この数字こそが投資家の懐に残る「可処分インカム」を表しており、キャッシュフローを読み解くうえで欠かせない指標となります。
実は金融機関も融資審査の際、表面利回りではなく実質ベースでの収益力を重視しています。なぜなら、毎月の返済原資がここに現れるからです。横浜でマンション投資を検討する場合、実質利回りが4%を超えると長期保有でも資金繰りに余裕が生まれやすいとされています。反対に3%を切る物件は、金利上昇や賃料下落への耐性が弱く、慎重な判断が求められます。
横浜マンション市場の現在地

地域特性を踏まえて数字を読み解くことが、横浜での投資成功には不可欠です。横浜市の総人口は2025年1月時点で約375万人と政令指定都市の中でもトップクラスを誇り、総務省の推計では2030年まで緩やかな増加が続く見込みとなっています。また、JRや東急沿線を中心にオフィス開発が進んでおり、東京23区のベッドタウンに留まらない独自の経済圏を形成している点も見逃せません。
日本不動産研究所の発表によると、2025年時点での横浜市内ワンルームの平均表面利回りは4.6%で、東京23区の4.2%をわずかに上回っています。物件価格が23区より1〜2割低いにもかかわらず、賃料水準がさほど下がらないことが背景にあります。ただし、エリアによる格差は非常に鮮明です。関内やみなとみらいの築浅物件では表面利回り3%台前半にとどまる一方、地下鉄ブルーライン沿線の築20年超の物件は6%前後と大きな開きがあります。
空室リスクにも地域差が存在します。横浜市住宅政策課のデータでは、市全体の平均空室率は9.9%ですが、大学が集まる港北区では7%台と低く抑えられています。反対に郊外の瀬谷区では13%を超えており、二極化が進んでいることが分かります。したがって、実質利回りを予測する際には平均値に頼るのではなく、投資を検討しているエリアごとの賃料水準と空室率を必ずセットで確認することが重要です。
実質利回りを高める5つの視点
実質利回りを向上させるには、コスト削減と収入最大化を同時に進めることが鍵となります。ここでは、横浜でのマンション投資に特に有効な5つの視点をご紹介します。
視点1:低コストで賃料を引き上げるバリューアップ
収入面で最も効果的なのは、入居者のニーズに応えるサービス付加です。たとえばWi-Fi無料化や電子キーの導入など、月額1,000円程度のコストで賃料を2,000円引き上げられるケースも珍しくありません。この増収分はそのまま利回りに反映されるため、高額なリフォームよりも費用対効果が高いのが魅力です。
横浜の場合、単身者向け物件ではインターネット無料と宅配ボックスの設置が特に人気です。競合物件との差別化につながり、空室期間の短縮にも寄与します。設備投資を検討する際は、周辺の競合物件がどのような設備を備えているかをリサーチしたうえで判断しましょう。
視点2:管理費と修繕積立金の精査
コスト面で見落としがちなのが、管理費と修繕積立金です。築20年を超えるマンションでは、この2項目が年間家賃収入の15%を超えることも珍しくありません。購入前には必ず長期修繕計画を取り寄せ、今後5年以内に大規模修繕が予定されているかを確認してください。
もし直近で修繕積立金の増額が濃厚であれば、想定していた利回りは大きく下がることになります。特に築25年前後の物件は外壁塗装や給排水管の更新時期と重なりやすいため、慎重な調査が必要です。管理組合の議事録を閲覧できる場合は、積立金の残高や過去の修繕履歴もあわせてチェックしましょう。
視点3:入居者ターゲットの明確化
空室損失を抑えるには、入居者ターゲットを明確にすることが欠かせません。横浜国立大学や神奈川大学の近隣であれば学生需要が安定していますが、3月と9月の入れ替わりが大きい点を踏まえた運営計画が必要です。短期間の空室に耐えられるキャッシュフローの余裕を確保しておきましょう。
一方、みなとみらい周辺のワンルームは法人契約が多く、更新率が高いという特徴があります。ただし、法人は賃料下落にシビアで、周辺相場より高い賃料を維持することは難しくなります。ターゲットごとの行動パターンを把握することで、退去リスクを織り込んだ現実的な実質利回りが見えてきます。
視点4:資金計画と金利交渉
自己資金を物件価格の20%程度用意すると、金融機関から金利優遇を受けやすくなります。横浜市内の地方銀行では、自己資金2割を条件に変動金利1.5%台の商品が主流となっています。金利が0.3ポイント下がるだけで、3,000万円を25年返済した場合の総返済額は約120万円も減少します。この差は実質利回りを0.2〜0.3%押し上げる効果があります。
複数の金融機関に相談して条件を比較することも重要です。ネット銀行は金利が低い傾向にありますが、投資用不動産への融資には消極的な場合もあります。地元の信用金庫や信用組合は審査に柔軟性があり、物件によっては好条件を引き出せることもあるため、選択肢を広く持って交渉に臨みましょう。
視点5:再開発エリアの将来性を見極める
現時点の利回りだけでなく、将来の賃料上昇が見込めるエリアに投資することも実質利回り向上につながります。たとえば鶴見駅東口エリアでは物流拠点跡地の再開発が進んでおり、賃料上昇が期待されています。現時点での築15年ワンルームの平均価格は1,600万円前後、家賃は月6.4万円で表面利回り4.8%ですが、再開発完成後に賃料が1割上昇すれば実質利回りは5%台に届く計算です。
ただし、開発スケジュールが遅れるリスクや、期待ほど賃料が上がらないケースも想定しておく必要があります。再開発情報は横浜市のホームページや都市計画審議会の資料で確認できます。具体的な着工時期や完成予定を調べたうえで、投資判断に織り込みましょう。
2025年度に活用できる税制優遇と補助金
税制面では、2025年度も不動産所得と給与所得の損益通算が可能となっています。ただし、減価償却を過度に利用した節税スキームは税務調査の対象になりやすいため、長期運営を前提に適正な耐用年数で償却計画を立てることが大切です。表面的な節税効果に惑わされず、実質的なキャッシュフローを重視した計画を心がけてください。
住宅取得資金贈与の非課税制度も見逃せません。この制度は2025年12月契約分まで延長されており、親族から資金援助を受ける場合は最大1,000万円まで贈与税が免除されます。自己資金を厚くすることで借入金額を抑え、金利負担の軽減にもつながります。
さらに、横浜市が実施する「既存住宅流通促進補助金」も活用を検討する価値があります。これは築20年以上の分譲マンションを取得し、省エネ改修を行った場合に工事費の3分の1、上限50万円が交付される制度です。工事後の光熱費削減は入居者へのアピールポイントとなり、賃料アップにもつながります。補助金によって実質的な取得コストを圧縮できるため、利回り改善に直結する施策といえるでしょう。申請期限は2026年3月分までなので、購入時期と改修計画を早めに固めることをおすすめします。
横浜で成功するための物件選び
基本的に、駅から徒歩10分圏内かつ複数路線が利用可能な立地は、将来の資産価値を保ちやすいとされています。横浜の場合、東急東横線やJR京浜東北線の駅近物件がこれに該当しますが、人気が高いぶん表面利回りは低めに抑えられる傾向があります。そこで注目したいのが、周辺再開発を控える準都心エリアです。
価格と利回りのバランスを取りやすい代表例として、前述の鶴見駅周辺のほか、新横浜駅エリアも挙げられます。相鉄・東急直通線の開業により利便性が大きく向上しており、今後も賃料の上昇余地があるとみられています。駅力だけでなく、周辺の生活利便施設や今後の開発計画もあわせて調査することで、投資判断の精度が高まります。
物件タイプについても検討が必要です。ファミリー向けは長期入居が見込める反面、購入価格が高く初期利回りが下がりやすい傾向にあります。横浜市内の平均表面利回りはファミリータイプで3.9%、ワンルームで4.6%と差があるため、最初の投資ではワンルームを複数戸積み上げてリスク分散を図る戦略も現実的です。管理ノウハウが蓄積してから規模拡大を検討すると、運営コストを抑えやすく実質利回りの向上にもつながります。
まとめ
ここまで、横浜でのマンション投資における実質利回りの考え方から市場動向、利回り改善のための5つの視点、税制優遇の活用法まで体系的に解説してきました。最も重要なのは、表面利回りではなく実質ベースでキャッシュフローを把握し、エリア特性と将来計画を照合することです。
購入前には長期修繕計画と空室リスクを必ずチェックし、補助金や税制優遇を最大限に活用してください。これらを組み合わせることで、手取り利回り4〜5%の達成は十分に可能です。まずは気になるエリアの賃料相場と空室率を具体的に調べ、ご自身の資金計画に落とし込むところから行動を始めてみましょう。
参考文献・出典
- 日本不動産研究所 – https://www.reinet.or.jp
- 不動産経済研究所 – https://www.fudousankeizai.co.jp
- 横浜市都市整備局 住宅政策課 – https://www.city.yokohama.lg.jp
- 国土交通省 不動産価格指数 – https://www.mlit.go.jp
- 総務省統計局 人口推計・家計調査 – https://www.stat.go.jp