家賃収入で人生をもっと自由にしたい、けれど「収益物件は本当に儲かるの?」と半信半疑の人も多いはずです。私も15年前、初めての投資前夜に同じ不安を抱えました。本記事では、実際に高利回りを実現した体験談を交えながら、物件選びから資金計画、2025年度の最新制度までを丁寧に解説します。読み終えるころには、あなた自身が最初の一歩を踏み出すための具体的な判断軸を手に入れているでしょう。
高利回りの正体と平均値を知る

まず押さえておきたいのは、高利回りと聞いて何%を思い浮かべるかという点です。日本不動産研究所の2025年9月データによれば、東京23区の平均表面利回りはワンルームで4.2%、ファミリータイプで3.8%、アパートで5.1%です。つまり、表面利回りで7%以上あれば「高利回り」と位置づけられやすいものの、その裏側には投資リスクも潜んでいます。
私は過去に表面利回り10%超の地方築古アパートを購入しました。しかし、実際に手元に残る純利回りは6%台でした。修繕費や入居付けコストを差し引くと、数字は現実的な水準に落ち着くのです。一方で東京23区の新築ワンルームは利回りが低くても空室リスクが小さいため、安定運用が期待できます。高利回りを追いすぎて失敗する人は、このバランスを見誤るケースがほとんどです。
重要なのは、表面利回りではなく実質利回りを計算し、地方と都市部それぞれのリスク特性を理解することです。税引き後まで試算し、本当に必要な利回りを逆算すれば、自分に合った投資戦略が見えてきます。
築古アパート投資のリアルな体験談

ポイントは中古物件でも“数字の裏付け”を取ることです。私が2015年に購入した築32年木造アパート(地方政令市、8戸)は、価格1,800万円、表面利回り12%という好条件でした。購入後に判明したのが給排水管の劣化で、初年度に200万円の修繕費が発生。これにより実質利回りは一時7%まで低下しました。
しかし、修繕後は入居満足度が上がり、3年目には家賃を月2,000円ずつアップできました。結果として2025年現在の実質利回りは8.4%に改善し、購入価格の半分近いキャピタルゲイン評価も付いています。つまり、短期的な出費を恐れず、中長期の収益改善に投資したことが奏功しました。
実は、地方築古アパートで高利回りを狙う場合、融資期間が短くなる点がネックです。私は地元信用金庫に7年返済で組みましたが、毎月のキャッシュフローが薄くなる局面もありました。返済期間を10年以上に引き延ばせる金融機関を探すだけで、同じ物件でも手残りは大きく変わります。金融機関との交渉力も、高利回り実現には欠かせません。
利回りを底上げするリノベーション戦略
まず押さえておきたいのは、費用対効果を見極める視点です。築古物件で高利回りを維持するには、入居者ニーズをとらえた部分的リノベーションが鍵になります。私の場合、水回りとインターネット環境への投資が特に効果的でした。
キッチンの交換は一戸あたり30万円でしたが、最新モデルに変更したことで月額家賃を3,000円アップできました。年間36,000円の増収なので、投資額は約3年で回収できます。さらに、2025年度も継続する長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金を活用し、断熱性能を向上させた結果、入居者の光熱費も削減できました。これが入居継続率向上につながり、空室期間は平均で1カ月以下になっています。
一方で、フルリノベーションに踏み切ると利回りが一気に低下する恐れがあります。高額工事は金融機関の追加融資を使い、返済年数を長く設定することでキャッシュフローの悪化を防ぎました。利回りアップだけでなく、資金繰りの安定を同時に図ることが長期運用のコツです。
購入前に押さえたい資金計画とリスク管理
実は、利回りだけに気を取られると資金計画が後手に回ります。まず自己資金は物件価格の20〜30%を確保し、加えて突発修繕費として100万円以上のプールを推奨します。これにより、金融機関の評価も高まり、金利を0.2%ほど下げられた事例もあります。
融資は変動金利と固定金利の特性を理解して選択します。例えば、変動金利0.9%と固定1.5%で3000万円を20年借りると、総返済額は約180万円の差が生じます。金利上昇リスクをどう考えるかで選ぶ金利タイプは変わるため、シミュレーションは楽観、標準、悲観の3パターンで行うと安心です。
管理費用、固定資産税、火災保険料を含めた実質利回り試算を事前に作ると、購入後のキャッシュフローギャップを防げます。特に固定資産税は築古でも毎年2〜3%ずつ上昇する自治体があり、長期視点で計算に入れておく必要があります。リスクを数値化することで、購入後に「聞いていなかった費用」に慌てることがなくなります。
2025年度の制度と融資環境を味方にする
ポイントは、最新制度を“使える範囲で淡々と活用”する姿勢です。投資用物件は住宅ローン減税の対象外ですが、長期優良住宅化リフォーム推進事業や中小企業庁の省エネ投資促進税制は賃貸オーナーでも利用できます。2025年度は断熱改修に対して最大250万円、補助率1/3まで補助を受けられるため、築古物件の断熱性能を底上げしつつ実質利回りを維持できます。
さらに、金融機関の融資姿勢にも変化があります。2024年に日銀が長期金利の許容変動幅を拡大した影響で、2025年は固定金利がやや上昇傾向にあります。その一方で地方銀行は賃貸需要の高いエリアに資金を振り向ける方針を強めており、良質な収益シミュレーションを提示できれば融資期間を20年に伸ばす交渉余地が出てきました。
また、青色申告による65万円控除は2025年度も継続しており、家族を専従者にすることで人件費を経費化できます。税負担を最適化することは、結果的に手取り利回りを上げる最大の近道です。制度を複合的に活用し、利回りアップとキャッシュフローの安定を同時に図りましょう。
まとめ
本記事では「収益物件 体験談 高利回り」を軸に、平均利回りの把握から築古アパート投資のリアル、リノベ戦略、資金計画、2025年度制度までを解説しました。高利回りは魅力的ですが、実質利回りを精緻に計算し、長期修繕や金利上昇を織り込むことが成功の鍵です。まずは平均値と自己資金ラインを設定し、融資交渉と補助制度の活用でキャッシュフローを確保してください。行動を先延ばしにせず、今日から物件情報の収集と資金シミュレーションに取り組むことで、5年後には安定した家賃収入基盤が手に入るはずです。
参考文献・出典
- 日本不動産研究所 – https://www.reinet.or.jp
- 国土交通省 長期優良住宅化リフォーム推進事業 – https://www.mlit.go.jp
- 中小企業庁 省エネ投資促進税制 – https://www.chusho.meti.go.jp
- 総務省 統計局 住宅・土地統計調査 – https://www.stat.go.jp
- 日本銀行 金融政策決定会合資料 – https://www.boj.or.jp