不動産の税金

REIT人気比較|初心者向け選び方ガイド

不動産投資に興味はあるものの、高額な物件を購入する資金や管理の手間を考えると、なかなか一歩を踏み出せないという方は多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決する手段として、近年注目を集めているのがREIT(リート)です。REITとは、投資家から集めた資金で不動産を購入・運用し、得られた賃料収入や売却益を分配金として還元する金融商品のことを指します。

2025年9月現在、東京証券取引所には70本以上のJ-REITが上場しており、利回りの高さや分散効果から個人投資家の人気が急速に高まっています。本記事では「REIT 人気 比較」という視点から、セクター別の特徴、利回り水準、リスクとリターンのバランスを丁寧に解説していきます。この記事を読み終えるころには、ご自身の投資目的に合った銘柄を選ぶための判断軸が身についているはずです。

REITの基本的な仕組みと市場の現状

REITの基本的な仕組みと市場の現状

REITを理解するうえで最初に押さえておきたいのは、その仕組みの特徴です。REITは投資法人という形態をとり、投資家から集めた資金を使って実物不動産を取得します。取得した物件からは毎月の賃料収入が発生し、この収益の90%以上を分配金として投資家に還元すると、法人税が実質的に免除される仕組みになっています。そのため、多くのREITは利益のほぼ全額を分配に回すことができ、結果として高い分配金利回りを実現しているのです。

投資対象となる不動産は非常に多岐にわたります。マンションやアパートといった住宅はもちろん、オフィスビル、物流施設、商業施設、ホテル、さらには近年注目されているデータセンターまで、さまざまな種類の不動産に投資することが可能です。この多様性こそがREITの大きな魅力といえるでしょう。

2025年のJ-REIT市場全体の時価総額は約17兆円に達しており、これは10年前と比較するとほぼ倍増した規模になります。金融庁の「投資信託事情年次報告」によれば、J-REITの個人保有比率は35%を超え、年々その割合は拡大傾向にあります。株式や債券と並ぶ資産クラスとして、不動産収益を手軽に取り込める金融商品としての存在感を確実に強めているわけです。

ただし、REITにも注意すべき点があります。上場株式と同様に市場で売買されるため、価格は日々変動します。特に金利動向や不動産市況の影響を受けやすく、利回りの高さだけを見て安易に投資すると、期待通りの収益が得られないケースも少なくありません。ここからは人気のセクター別に特徴を整理しながら、それぞれのリスクとリターンの特性を詳しく見ていきましょう。

住宅系REITの安定感と将来性を徹底分析

住宅系REITの安定感と将来性を徹底分析

住宅系REITの最大の特徴は、賃料収入の安定性が非常に高いという点です。景気が悪化しても人々は住む場所を必要とするため、オフィスや商業施設と比べて需要が底堅く推移します。日本賃貸住宅投資法人やアドバンス・レジデンス投資法人などが代表的な銘柄として知られており、2025年8月期の住宅系REIT全体の平均分配金利回りは約3.7%となっています。

住宅系REITが保有する物件は、単身者向けからファミリータイプまで幅広いラインナップを揃えています。特にファミリータイプの部屋は入居期間が長い傾向にあり、テナントの入れ替えに伴う空室コストを抑えられるメリットがあります。コロナ禍を経てテレワークが浸透した現在でも、住宅需要そのものは底堅いことが国土交通省の住宅着工統計でも確認されています。

さらに注目すべきは、都心回帰の流れが続いているという点です。オフィス系REITが在宅勤務の影響で苦戦する場面でも、住宅系REITでは分配金の減額事例はごく少数にとどまりました。キャッシュフローの予測がしやすいことから、初心者投資家に特に支持されているセクターといえます。

一方で、住宅系REITの利回りは他のセクターと比較すると低めに設定されています。これは安定性の裏返しでもありますが、より高いリターンを求める投資家にとっては物足りなさを感じる水準かもしれません。また、日本全体で人口減少が加速すれば、長期的には空室リスクが高まる可能性も否定できません。特に地方都市の物件を多く保有するREITでは、この傾向が顕著に表れる恐れがあります。

住宅系REITを選ぶ際には、保有物件の平均築年数にも注目することをおすすめします。築年数が浅い物件ほど賃料水準を維持しやすく、大規模修繕の時期も先送りできるため、分配金の安定性が高まります。各REITが公表している資産運用報告書で、築年数や地域分散の状況を確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

オフィス系REITは立地とテナント分散がカギ

オフィス系REITを選ぶ際に最も重視すべきポイントは、保有物件の立地とテナントの分散状況です。日本ビルファンド投資法人やジャパンリアルエステイト投資法人といった大型銘柄は、丸の内や虎ノ門、大手町など都心5区の優良ビルを多数保有しています。日本取引所グループが公表した2025年上期のデータによると、都心Aクラスオフィスの空室率は3.4%と歴史的な低水準を維持しており、こうした立地に強いREITは底堅い収益を確保しています。

しかしながら、コロナ禍以降のリモートワーク定着によって、オフィス需要が大きく変化したエリアも存在します。特に地方政令市のBクラスビルを多く抱えるREITでは、賃料引き下げ圧力が強まっており、分配金の変動幅が大きくなる傾向が見られます。都心に特化した戦略をとるREITと、地方に分散投資するREITでは、リスク特性がまったく異なるのです。投資を検討する際には、必ず保有物件の所在地比率を確認するようにしましょう。

オフィス系REITのもう一つの特徴として、長期固定賃料契約が多いことが挙げられます。これは収入の安定性というメリットをもたらす一方で、市況が回復しても賃料がすぐには上がらないというデメリットにもなります。逆に、一度賃料が下落すると回復までに相当な時間を要するケースも少なくありません。

そのため、運用会社がどのような戦略をとっているかを理解することが重要です。積極的に物件の入れ替えを行い、常にポートフォリオの質を高めようとする運用会社もあれば、取得価格の安い築古ビルを購入してバリューアップを図る方針のところもあります。どちらが優れているというわけではなく、投資家自身のリスク許容度と照らし合わせて選択することが大切です。

物流系REITの成長ポテンシャルに注目

EC市場の拡大とともに、物流施設への需要が急増していることをご存じでしょうか。GLP投資法人や日本プロロジスリート投資法人といった大手物流REITの資産規模は、2025年に入ってそれぞれ1兆円を突破しました。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によれば、BtoC EC化率は14%まで上昇しており、この数字が物流施設の旺盛な需要を裏付けています。

物流系REITの平均分配金利回りは約4.2%と、住宅系よりも高く、オフィス系と同等かそれ以上の水準を維持しています。さらに魅力的なのは、テナントが倉庫スペースを長期契約で借りるケースが多いという点です。物流企業にとって頻繁に倉庫を移転することは大きなコストと手間がかかるため、一度入居すると長く留まる傾向があります。この構造が賃料収入の安定性を高めており、成長性と安定性を兼ね備えたセクターとして人気が高まっているのです。

ただし、物流施設特有のリスクも存在します。物流倉庫は一般的に郊外や高速道路のインターチェンジ付近に立地するため、都心の不動産と比べて金利上昇時の不動産鑑定評価が下振れしやすい傾向があります。また、EC需要の高まりを受けて物流施設の新規開発が全国で進んでおり、将来的には供給過剰による空室率上昇の可能性も指摘されています。

物流系REITを選ぶ際には、運用会社のリーシング力、つまり入居者を募集する能力に着目することをおすすめします。物流施設は一棟あたりの規模が大きいため、主要テナントが退去した場合の影響は甚大です。複数のテナントを獲得できるマルチテナント型の施設を多く保有しているか、テナントとの契約期間はどの程度かといった情報を確認することで、リスクをある程度見極めることができます。

総合型とグローバルREITで分散効果を高める

ここまで個別のセクターを見てきましたが、一つのセクターに集中投資することへの不安を感じる方も多いのではないでしょうか。そんなときに検討したいのが、複数の不動産タイプに投資する総合型REITや、海外物件を含むグローバルREIT ETFです。

総合型REITの代表例としては、日本リート投資法人などが挙げられます。住宅、商業施設、ホテル、オフィスなどをバランスよくポートフォリオに組み込むことで、特定セクターの不調による影響を緩和できるメリットがあります。景気サイクルの異なる複数の不動産タイプを持つことで、分配金の安定性を高める効果が期待できるわけです。

一方、海外の不動産市場にも目を向けたいという投資家には、グローバルREIT ETFという選択肢があります。日本国内だけでなく、アメリカやヨーロッパ、アジアの不動産市場に分散投資することで、地域リスクを軽減できます。2025年度の税制では、REITの分配金は一般株式と同様に申告分離課税が適用され、税率は20.315%です。国内外を問わず損益通算が可能なため、複数のREITを組み合わせた税務戦略も立てやすくなっています。

金融庁の「新NISA利用状況調査」によると、REITを含む上場投資信託の買付額は全体の18%を占めており、分散投資の有力な手段として活用されていることがわかります。海外REIT ETFをNISAの成長投資枠で保有しつつ、国内J-REITと組み合わせるといった戦略を検討する価値は十分にあるでしょう。

ただし、海外REITには為替変動リスクが伴うことを忘れてはいけません。円安局面では海外からの分配金が円換算で増加しますが、円高に振れると逆に目減りしてしまいます。為替ヘッジ付きの商品もありますが、ヘッジコストが発生するため、利回りが低下するデメリットもあります。自分のリスク許容度を超えない範囲で、保有比率を慎重に調整することが大切です。

REIT投資を始める前に確認すべきポイント

ここまでセクター別の特徴を解説してきましたが、実際にREIT投資を始める前に確認しておきたいポイントをまとめておきましょう。

まず重要なのは、分配金利回りだけで判断しないということです。利回りが高いREITは魅力的に見えますが、その背景には物件の老朽化やテナントの退去リスク、借入金の多さなど、さまざまな要因が隠れている可能性があります。利回りの高さには必ず理由があると考え、その理由を理解したうえで投資判断を下すことが重要です。

次に確認したいのは、運用会社の実績と方針です。同じ住宅系REITでも、運用会社によって物件取得の基準や売却のタイミング、借入金の活用方針は大きく異なります。決算説明資料や資産運用報告書を読み込むことで、運用会社の考え方を把握することができます。長期保有を前提とするなら、信頼できる運用会社を選ぶことが成功への近道となります。

また、金利動向にも注意を払う必要があります。REITは借入金を活用して不動産を取得するため、金利が上昇すると支払利息が増加し、分配金の減少要因となります。2025年現在、日本銀行の金融政策は緩和的な姿勢を維持していますが、将来的な政策変更の可能性も視野に入れておくべきでしょう。

まとめ

本記事では、住宅系、オフィス系、物流系、総合型・グローバルREITといった代表的なセクターを比較しながら、2025年9月時点の市場環境を整理してきました。それぞれのセクターには明確な特徴があり、投資目的によって最適な選択肢は異なります。

安定した分配金を重視するなら住宅系REIT、成長性を取り込みたいなら物流系REIT、リスク分散を重視するなら総合型や海外REITが有力な選択肢となるでしょう。いずれの場合も、利回りという数字だけでなく、空室率やテナント構成、運用会社の方針といった定性的な情報にも目を向けることが成功への鍵となります。

REIT投資は少額から始められる手軽さが魅力です。まずは複数の銘柄を少しずつ購入してみて、自分に合ったリスクとリターンのバランスを実際に体感することから始めてみてはいかがでしょうか。実践を通じて学んだ経験が、きっと今後の投資判断に活きてくるはずです。

参考文献・出典

  • 金融庁「投資信託事情年次報告」 – https://www.fsa.go.jp
  • 日本取引所グループ「J-REIT一覧・データ」 – https://www.jpx.co.jp
  • 国土交通省「住宅着工統計」 – https://www.mlit.go.jp
  • 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」 – https://www.meti.go.jp
  • 金融庁「新NISA利用状況調査」 – https://www.fsa.go.jp

関連記事

TOP
不動産売買なら青山地所