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民泊は本当に儲かるのか?収益の実態と成功条件

「民泊って本当に儲かるの?」——訪日外国人が急増する中、この疑問を持つ投資家が増えています。結論から言えば、条件次第で賃貸収入の1.3〜1.8倍を狙える一方、稼働率や運営コスト次第では赤字に転落するリスクもあります。本記事では、民泊の収益実態を数字で示しながら、儲けるために必要な条件と注意点を解説します。

民泊は儲かるのか?収益の実態を数字で検証

民泊が儲かるかどうかは、「稼働率」「客室単価」「運営コスト」の3つで決まります。2025年上半期の訪日外国人延べ宿泊者数はコロナ前比112%まで回復し、都市部では需要が高まっています。

たとえば、東京23区で1Kマンション(家賃相場10万円)を民泊運用した場合を見てみましょう。

項目 賃貸運用 民泊運用(稼働率70%)
月間収入 10万円 約25.2万円(1泊1.2万円×21日)
運営コスト ほぼゼロ 約6.3万円(売上の25%)
手残り 10万円 約18.9万円

このように稼働率70%を維持できれば、賃貸の約1.9倍の手残りが期待できます。ただし、稼働率が50%に落ちると手残りは約11.3万円となり、賃貸とほぼ同水準になります。つまり、民泊で儲けるには稼働率60%以上の維持が最低条件といえます。

民泊運営でかかるコストの内訳

民泊が儲かるかどうかを判断するには、運営コストの把握が欠かせません。主な経費は以下のとおりです。

  • 清掃費:1回3,000〜5,000円(ゲスト入れ替えごと)
  • OTA手数料:売上の3〜15%(Airbnb、Booking.comなど)
  • 運営代行費:売上の15〜25%(外部委託する場合)
  • 光熱費:月1〜2万円
  • 消耗品費:月5,000〜1万円(アメニティ、リネンなど)

これらを合計すると、売上の20〜30%が経費として消えます。自主運営でコストを抑えれば利益率は上がりますが、ゲスト対応や清掃の手間が増える点は覚悟が必要です。

見落としがちな隠れコスト

初期費用として、家具・家電の購入費(20〜50万円)、スマートロックなどのIoT設備費(5〜15万円)、撮影費用(3〜5万円)もかかります。これらを回収するには、最低でも半年〜1年の運営継続が必要です。

民泊で押さえるべき法規制のポイント

民泊を始める前に、必ず確認すべき法規制があります。これを怠ると営業停止や罰則の対象になりかねません。

住宅宿泊事業法(民泊新法)の基本ルール

2018年施行の民泊新法により、届出をすれば住居専用地域でも年間180日以内の営業が可能になりました。ただし、自治体ごとに条例で制限が異なります。

自治体 主な制限内容
新宿区 住居専用地域は月〜木の営業禁止
渋谷区 住居専用地域は学校休業期間のみ営業可
大阪市 特区民泊で365日営業可(条件あり)

2025年4月からはオンライン申請システムが刷新され、書類の電子提出が義務化されました。不備があると最長3か月の再提出期間が発生するため、早めの準備が重要です。

旅館業法による「簡易宿所」許可

年間180日の制限を超えて営業したい場合は、旅館業法に基づく「簡易宿所」許可が必要です。消防設備や建築基準法の要件が厳しくなりますが、通年営業が可能になります。

マンション管理規約の確認は必須

見落としがちなのがマンションの管理規約です。「短期賃貸禁止」「宿泊業禁止」の条項があると、そもそも民泊は運営できません。物件購入前に総会議事録や管理会社への確認を必ず行いましょう。

儲かる民泊物件の選び方

民泊で収益を上げるには、物件選びが成功の8割を決めます。儲かる物件には共通する条件があります。

  • 駅徒歩7分以内:観光客はアクセス重視で選ぶため必須条件
  • 空港アクセスが良い路線沿い:成田・羽田直通は高評価
  • コンビニ・飲食店が徒歩圏内:利便性がレビューに直結
  • 管理規約に宿泊禁止条項がない:運営の前提条件

2025年現在、浅草・新宿・難波エリアでは1Kでも平均稼働率75%前後を維持しています。逆に、郊外や観光需要が少ないエリアでは稼働率40%を下回ることも珍しくありません。

収益を最大化する運営のコツ

物件を確保したら、次は運営で差をつけましょう。稼働率と客室単価を高めるポイントを紹介します。

OTAの最適化で検索順位を上げる

Airbnbなどの予約サイトでは、レビュー点数と応答率が検索順位に影響します。レビュー4.5点以上を維持することで、広告費をかけずに集客できます。具体的には以下を意識しましょう。

  • 問い合わせには1時間以内に返信する
  • チェックイン当日にウェルカムメッセージを送る
  • チェックアウト後にレビュー依頼を送る

ダイナミックプライシングで収益最大化

需要に応じて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」は収益アップの鍵です。週末や祝日、イベント期間は単価を20〜50%上げ、平日は割安に設定することで稼働率と売上のバランスを取れます。

運営代行会社の選び方

自主運営が難しい場合は運営代行を活用しましょう。選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

  • 手数料率(15〜25%が相場)
  • 管理物件の平均レビュー点数
  • 24時間対応の有無
  • 稼働率保証の有無

手数料が安くても稼働率が低ければ意味がありません。長期的には高稼働を維持できる会社を選ぶことで総収入は上がります。

2025年度に使える補助金・税制優遇

民泊投資では、補助金や税制優遇をうまく活用することで初期費用を抑えられます。2025年度に利用可能な主な制度を紹介します。

制度名 内容 上限額
観光産業強化税制 客室改装費用の10%を所得控除 300万円
インバウンド対応施設整備補助金 スマートロック・多言語サイネージ導入費の2/3補助 200万円
大阪市 騒音対策設備導入支援 騒音測定器設置費用の補助 30万円

インバウンド対応施設整備補助金の申請期限は2026年2月末までです。リフォーム計画と合わせてスケジュールを組むことで資金効率が高まります。自治体独自の支援は公募期間が短いことが多いため、公式サイトを定期的にチェックしましょう。

まとめ:民泊で儲けるために必要なこと

民泊は「必ず儲かる」わけではありませんが、条件を整えれば賃貸収入を大きく上回る収益を得られます。成功のポイントをまとめると以下のとおりです。

  • 稼働率60%以上を維持できる立地を選ぶ
  • 運営コストを売上の25%以内に抑える
  • 法規制と管理規約を事前に確認する
  • レビュー点数を高く維持し、検索順位を上げる
  • 補助金・税制優遇を活用して初期費用を抑える

まずは管理規約と地域条例を確認し、複数パターンの収益シミュレーションを作成してみてください。自分のリスク許容度に合った物件と運営体制を選べば、民泊はマンション投資の収益を力強く押し上げる選択肢になります。

参考文献・出典

  • 観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年7月速報値 – https://www.mlit.go.jp/kankocho
  • 不動産経済研究所「首都圏新築マンション市場動向 2025年8月」 – https://www.fudousankeizai.co.jp
  • 国土交通省「住宅宿泊事業法に関する手引き(改訂版2025)」 – https://www.mlit.go.jp
  • 国税庁「観光産業強化税制の概要(2025年度)」 – https://www.nta.go.jp
  • 観光庁「インバウンド対応施設整備補助金 公募要領 2025」 – https://www.mlit.go.jp/kankocho
  • 大阪市経済戦略局「民泊騒音対策設備導入支援事業 2025」 – https://www.city.osaka.lg.jp

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