不動産の税金

何を買う?収益物件の探し方完全ガイド

不動産投資を始めるとき、多くの人が「何を買えばいいのか」「収益物件の探し方が分からない」と悩みます。似たような物件でも、立地や管理状態で収益性は大きく変わるため、焦って購入すると後悔しかねません。本記事では、初心者でも迷わず物件を選べるように、基本知識から情報の取り方、2025年度の制度活用までを網羅的に解説します。読み終えたときには、自分に合った収益物件を見極める視点と行動手順が身につくはずです。

まず押さえておきたい収益物件の種類

まず押さえておきたい収益物件の種類のイメージ

重要なのは、物件タイプごとに収益構造が違うと理解することです。ワンルームマンションは手軽に始められますが、家賃下落の影響を受けやすく、長期保有なら修繕負担も増えます。一方の一棟アパートは空室リスクが分散できる半面、初期投資と管理手間が大きい点が特徴です。

さらに、築年数によっても戦略は変わります。国土交通省の空き家実態調査によると、築30年超の木造物件では空室率が25%前後に達しやすい一方、購入価格が抑えられるため利回りは高めです。つまり、高利回りを狙うなら築古を改修して付加価値を上げる方法が有効で、安定収益を重視するなら築浅や新築を選ぶほうが無難と言えます。

収益物件を選ぶ際、「何を重視するか」を明確にすると迷いが減ります。具体的にはキャッシュフロー、出口価格、自己資金比率の三つを軸に比較すると判断しやすくなります。言い換えると、家賃だけでなく将来売却できるか、金融機関が評価してくれるかまで一体で考えることが成功の第一歩です。

市場データから読み解く有望エリア

市場データから読み解く有望エリアのイメージ

ポイントは、数字で裏打ちされた需要の強さを確認することです。総務省の2025年推計人口では、東京23区と政令指定都市の中心区で単身世帯が微増すると示されています。また、テレワーク定着により郊外駅徒歩10分以内の需要も伸びており、日本政策投資銀行の調査では2023年比で賃料指数が4%上昇しました。

ただし、地方中核市でも大学や工業団地に近いエリアは入居需要が底堅い傾向があります。具体例として、福岡市早良区は九州大学移転後も学生数が増え、2024年の平均空室期間は26日と全国平均の43日を大きく下回りました。つまり、人口動態だけでなく産業構造や教育機関の集積もチェックすると、意外な掘り出し物が見つかります。

エリア選定では利回りに目が向きがちですが、入居期間の長さと再販価格も同時に検討してください。東京都心の表面利回りは4%前後でも、売却時に値下がりしにくいためトータルリターンが安定します。一方で地方高利回り物件は出口価格が下がりやすく、賃料下落率も大きい場合があります。要するに、短期の数字だけでなく長期の資産価値を見通す視点が欠かせません。

キャッシュフローを左右する収支計算のコツ

実は、家賃収入だけを足し引きしても正確なキャッシュフローは分かりません。管理委託料、共用部電気代、固定資産税、退去リフォーム費用など、毎年発生する支出を漏れなく織り込む必要があります。日本政策金融公庫の融資審査では、年間家賃収入の15%を維持管理費として計上するモデルが用いられますが、築古の場合は20%を見ておくと安全です。

金利負担も重要です。2025年10月時点で主要銀行のアパートローン固定金利は2.7%前後、変動金利は2.0%前後が一般的です。仮に3,000万円を2.7%、25年返済で借りると年間返済額は約164万円になります。空室率10%、管理費等を差し引いても年間家賃収入が220万円あれば、手残りは約30万円です。ここに突発的な修繕費が乗ると赤字になる可能性があるため、金利上昇や空室増加を想定したシミュレーションが欠かせません。

また、税金面では減価償却費が大きな役割を果たします。木造なら22年、RC造なら47年で償却しますが、築20年超の木造を購入すると耐用年数が短く、初期数年間は節税効果が高まります。ただし、帳簿価値が早くゼロになるため売却時に譲渡益が大きくなる点に注意が必要です。つまり、購入時だけでなく出口戦略まで含めて税負担を予測すると安定したキャッシュフロー計画が立てられます。

物件情報の探し方と信頼できる情報源

まず押さえておきたいのは、ポータルサイト以外の情報網を持つことです。大手サイトは掲載までに時間がかかるため、優良物件は水面下で売れてしまうケースが多いからです。地場の管理会社や金融機関の担当者と定期的に連絡を取り、非公開物件を紹介してもらう体制を作りましょう。

次に、不動産流通推進センターが提供する「REINS Market Information」を活用すると、成約事例を無料で確認できます。売り出し価格ではなく実際の取引価格が分かるため、利回りだけでは見えない相場感をつかめます。また、国土交通省の不動産価格指数は四半期ごとに公表され、エリアごとの値上がり傾向を把握するのに便利です。

外観や間取り図だけで判断せず、必ず現地調査を行うことも忘れないでください。昼と夜、平日と休日で人通りや騒音が変わる場合があります。加えて、役所で用途地域やハザードマップを確認し、将来の規制や災害リスクを把握することが大切です。要するに、インターネットの情報と現地確認を組み合わせ、複数の角度から検証することで「何を 収益物件 探し方」の精度は飛躍的に向上します。

2025年度の制度と融資を賢く使う

ポイントは、制度を活用して資金効率を高めることです。2025年度の「住宅ローン減税」は投資用には直接使えませんが、自己居住用物件を先に取得して信用力を高める戦略には有効です。また、国土交通省の「賃貸住宅エコリフォーム支援事業」は、1982年以降の建物に省エネ改修を行う際、工事費の3分の1(上限120万円)が補助されます。賃貸物件でも入居者の光熱費を下げられるため、家賃維持にも寄与します。

金融機関の動向では、日本政策金融公庫が2025年度も創業融資で不動産賃貸業を対象に、上限7,200万円、最長20年、金利1.9%から2.3%の枠を継続しています。特にサラリーマン投資家が法人化して利用する事例が増えており、民間銀行より金利が低い点が魅力です。さらに、地方銀行の一部では、空家対策特別融資として改修費用の金利を0.3%優遇する商品を提供しています。

制度を利用する際は、申請期限と実績報告に注意が必要です。例えばエコリフォーム支援事業は2026年3月までに完了報告を提出しないと補助金が確定しません。スケジュールを逆算し、工事業者とも密に連携しましょう。つまり、補助金と融資の条件を正確に把握して、物件選定から改修、運営まで一貫した資金計画を立てることが、収益最大化への近道になります。

まとめ

ここまで、物件タイプの違い、市場データの読み方、収支計算、情報収集の具体策、そして2025年度の制度活用までを解説しました。最初に「何を 収益物件 探し方」で迷ったときは、立地とキャッシュフローを軸に物件種類を絞り、信頼できるデータと現地確認で裏付けを取りましょう。そのうえで、補助金や低金利融資を組み合わせれば、自己資金を抑えつつ安定収益を目指せます。行動を先延ばしにせず、今日から情報収集を始めることが、未来の資産形成を加速させる第一歩です。

参考文献・出典

  • 国土交通省 不動産価格指数 – https://www.mlit.go.jp
  • 国土交通省 空き家実態調査報告書2024 – https://www.mlit.go.jp
  • 総務省 人口推計2025 – https://www.stat.go.jp
  • 日本政策金融公庫 融資制度概要2025 – https://www.jfc.go.jp
  • 不動産流通推進センター REINS Market Information – https://www.retpc.jp

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