広島で不動産投資を始めたいと考えているものの、「東京ほど情報がなくて不安」「本当に利回りが取れるのだろうか」と悩んでいる方は少なくありません。実は中国地方の中心都市である広島は、賃貸需要が安定しており物件価格も首都圏より手頃なため、初心者でも高めの利回りを狙いやすい市場です。
本記事では、2025年10月時点の最新データを用いながら、初心者が押さえておくべき基礎知識と物件選びのコツを詳しく解説します。さらに税制や融資の最新動向まで網羅していますので、読み終えるころには自分に合った投資戦略を描けるようになるはずです。
広島の不動産市場が投資家に注目される理由

広島が不動産投資先として評価されている最大の理由は、人口動態と経済基盤が安定していることにあります。広島市は令和5年国勢調査速報で人口120万人を超え、中国地方唯一の政令指定都市として周辺エリアからの流入が続いています。この人口流入は単身者からファミリー層まで幅広く、多様な賃貸ニーズを生み出しています。
経済面では、従来からの自動車産業や造船業に加え、近年はIT企業の進出が目立つようになりました。これにより若い労働者層が増加し、ワンルームからファミリー向け物件まで幅広い賃貸需要を下支えしています。産業の多様化は、特定業種の不況による空室リスクを分散させる効果もあります。
もう一つの魅力は、全国平均と比較して地価の伸びが緩やかな点です。国土交通省の地価公示によると、2025年の広島市中心部における住宅地上昇率は前年比1.8%でした。これは東京23区の3.4%と比べて半分程度であり、過度な価格高騰が起きていないことを示しています。購入価格を抑えつつ安定した家賃を確保できるため、投資効率の面で広島は高く評価されているのです。
交通利便性も見逃せないポイントです。市内を走る広島電鉄やJR山陽本線がエリアを細かく結んでおり、車を持たない若年層でも移動が容易になっています。駅やバス停に近い物件では空室期間が短くなる傾向があり、毎月のキャッシュフローを読みやすくなります。
表面利回りと実質利回りの違いを正しく理解しよう

不動産投資を検討する際に最初に押さえておきたいのは、利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の二種類があるという点です。両者の違いを理解しないまま物件を比較すると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
表面利回りとは、年間家賃収入を物件価格で割っただけのシンプルな指標です。広告やポータルサイトでよく目にする数字ですが、管理費や修繕費、固定資産税といった経費を一切含んでいません。そのため実態より高く表示されがちで、この数字だけを見て投資判断をするのは危険です。
一方で実質利回りは、運営にかかる諸費用や空室による損失を差し引き、手元に実際に残る利益を基に算出します。具体例で見てみましょう。広島市中区のワンルームマンションを1,200万円で購入し、年間家賃収入が72万円だった場合、表面利回りは6.0%となります。しかしここに管理費や修繕積立金、固定資産税など年間15万円の経費と、空室による損失3万円を見込むと、実質利回りは約4.4%まで下がります。
重要なのは地域平均との比較です。日本不動産研究所の2025年調査によると、広島市中心部のワンルーム平均表面利回りは5.8%、アパートは7.2%となっています。東京23区のワンルーム4.2%と比較すると明らかに高く、実質利回りでも4%台前半を狙える計算になります。広島では実質利回りベースで計画を立てても、十分な収益性を確保しやすいといえるでしょう。
広島で利回りを高める物件選びの戦略
同じ広島市内であっても、エリアや間取りによって期待できる利回りは大きく異なります。自分の投資スタイルに合った物件を見つけるために、代表的なエリアの特徴を把握しておきましょう。
単身向けワンルームなら中区・南区が狙い目
安定した入居率を重視するなら、繁華街に近い中区や南区のワンルームがおすすめです。仕事帰りに市電やバスで帰宅しやすく、周辺には大学も多いため学生からの需要も見込めます。空室リスクを低く抑えられるため、初心者でも安心して運用を始められるエリアといえます。
ただし人気エリアである分、物件価格はやや高めに設定されています。地価上昇局面では購入タイミングを見極める必要があり、過度に高値づかみしないよう注意が必要です。
高利回り狙いなら西区・安佐南区のアパート
より高い利回りを求める場合は、西区や安佐南区のアパート物件も検討に値します。これらのエリアでは比較的広い土地を確保しやすく、ファミリー向け2LDKが主流となっています。月額家賃は7万円から9万円程度と単身向けより高く、収益性を高めやすい特徴があります。
西広島駅や古市駅の周辺はスーパーや学校が充実しており、子育て世帯からの人気が高いエリアです。ファミリー層は一度入居すると長期間住み続ける傾向があるため、入退去に伴う修繕費を抑制でき、実質利回りの向上につながります。
築古物件のリフォーム戦略
初期投資を抑えつつ高利回りを実現したい方には、築古物件を購入してリフォームする戦略もあります。例えば築25年のRC造マンションを800万円で購入し、200万円の内装工事を施して募集家賃を月6.5万円に設定した事例では、表面利回りが8.1%となりました。
リフォーム費用を含めても投資総額は1,000万円に収まるため、新築や築浅物件を購入するより短期間での資金回収が期待できます。ただしリフォーム内容の見極めには経験が必要なため、初めての場合は信頼できる施工会社や不動産会社のアドバイスを受けることをおすすめします。
2025年度の融資環境と活用できる税制優遇
不動産投資では物件選びと同様に、資金調達の条件が収益性を大きく左右します。2025年現在の広島における融資環境と、活用すべき税制優遇について解説します。
地方銀行のアパートローンは好条件が続く
広島エリアでは低金利を維持する金融機関が多く、投資家にとって有利な環境が続いています。中国銀行やもみじ銀行のアパートローン金利は、2025年10月時点で年1.9%から2.4%が主流となっています。これは首都圏のネット系銀行と遜色ない水準であり、地方だからといって不利になることはありません。
ただし審査においては、家賃相場データへの信頼度が重視される傾向があります。融資を申し込む前に、対象物件のレントロール(各部屋の家賃一覧)や周辺相場のデータを整理しておくことで、審査がスムーズに進みやすくなります。
減価償却を活用した節税効果
税制面で押さえておきたいのは、2025年度も引き続き適用される減価償却費の活用です。木造アパートの法定耐用年数は22年ですが、中古物件を取得した場合は簡便法によって4年程度まで短縮できるケースがあります。耐用年数が短くなると毎年計上できる減価償却費が大きくなり、初年度から大幅な経費計上が可能になります。
この仕組みを活用すれば、本業の給与所得と不動産所得を損益通算し、支払う所得税・住民税を抑えることができます。特に高収入の会社員の方にとっては、節税しながら資産形成できる点が大きな魅力です。
贈与税非課税措置で自己資金を増やす
親から資金援助を受ける予定がある方は、住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置も検討してください。この制度を利用すれば、最大1,000万円まで贈与税が非課税となります。自己資金比率を高めることで融資条件が有利になり、毎月の返済負担を軽減できます。なお、この制度は2025年12月契約分までが対象となっているため、活用を検討している方は早めの行動をおすすめします。
青色申告で65万円の特別控除を受ける
投資用不動産には住宅ローン減税のような控除制度はありませんが、青色申告特別控除65万円を活用することで節税効果を得られます。複式簿記による帳簿付けが条件となりますが、最近はクラウド会計ソフトを使えば専門知識がなくても対応可能です。年間65万円の控除は、所得税率が20%の場合で13万円の節税につながり、実質利回りの向上に直結します。
運用後の管理体制で利回りに差がつく
物件を購入した後の管理体制も、長期的な利回りを左右する重要な要素です。いくら好条件で物件を取得できても、管理がずさんでは空室期間が長引き、期待した収益を得られなくなってしまいます。
管理会社選びは手数料だけで決めない
広島市内の管理会社の月額手数料は、家賃の3%前後が相場となっています。これは全国平均の4%から5%より低い水準ですが、安さだけで選ぶと入居者対応が遅れるリスクがあります。問い合わせへの対応スピードや入居者募集の実績、トラブル発生時の対応力などを総合的に評価して選びましょう。
退去後の原状回復についても、国土交通省のガイドラインを遵守している会社かどうか確認することが大切です。借主負担とオーナー負担を適切に区分することで、不要な出費を抑えて年間収支を安定させられます。
家賃保証プランの内容を精査する
空室リスクを軽減するため、家賃保証(サブリース)を検討する方もいるでしょう。しかし契約内容は会社によって大きく異なるため、詳細な確認が必要です。入居率95%保証と謳っていても、空室が2カ月以上続くと免責になる契約形態も存在します。
免責期間がどのくらいあるのか、保証賃料の見直し条件はどうなっているのかを事前に確認し、実質利回りにどの程度影響するかを試算しておきましょう。
自然災害への備えも利回りを守る投資
広島では過去に豪雨による浸水被害が発生しており、自然災害への備えが欠かせません。物件を選ぶ際はハザードマップで浸水想定区域を確認し、リスクの高いエリアは避けるか、購入する場合は床上浸水補償付きの火災保険に加入することをおすすめします。
突発的な修繕費の発生を防ぐことは、結果的に利回りを守る行為にほかなりません。保険料は年間数万円程度の出費ですが、万が一の際に数百万円の損失を防げると考えれば、十分に価値のある投資といえます。
まとめ
本記事では、広島の安定した賃貸需要と手頃な物件価格を背景に、表面利回りだけでなく実質利回りまで踏み込んで検討する方法を解説してきました。広島市中心部のワンルームで表面利回り5.8%、アパートで7.2%という数字は、東京と比較しても魅力的な水準です。
成功のポイントは、人口流入の続くエリアの選定、融資と税制を活かした資金計画、そして管理体制の最適化をバランスよく整えることにあります。これらが揃えば、実質利回り4%から5%台を長期にわたり維持することも十分に可能です。
まずは気になるエリアの家賃データを集め、簡単な収支シミュレーションを作成するところから始めてみてください。小さな一歩を踏み出せば、広島の不動産が将来の安定収入を支える心強い資産になるはずです。
参考文献・出典
- 国土交通省 地価公示 2025年 – https://www.mlit.go.jp/
- 日本不動産研究所「不動産投資家調査 2025年」 – https://www.reinet.or.jp/
- 総務省 統計局 令和5年国勢調査速報 – https://www.stat.go.jp/
- 中国銀行「アパートローン商品概要 2025年10月版」 – https://www.chugin.co.jp/
- 国税庁「令和7年度税制改正のポイント(贈与税)」 – https://www.nta.go.jp/