おすすめの不動産投資で節税を実現するコツ
不動産投資に興味はあるものの、「税金が複雑で難しそう」と感じていませんか。実は、仕組みを理解すれば税負担を抑えながら安定収入を得ることは十分に可能です。本記事では、2025年9月時点で有効な制度を前提に、初心者でも実践しやすい節税の考え方と投資戦略を解説します。読み終えた頃には、物件選びから資金計画、そして税務申告まで一連の流れが見通せるようになるはずです。
なぜ不動産投資が節税に効果的なのか

重要なのは、不動産投資で得られる家賃収入と各種経費のバランスです。家賃は課税対象ですが、物件の減価償却費や修繕費など必要経費を計上できるため、所得税と住民税の負担を圧縮できます。
まず、不動産の建物部分は法定耐用年数に基づき毎年減価償却費を計上できます。たとえば木造アパートなら22年、鉄筋コンクリート造なら47年が目安です。取得価格3,000万円、建物割合60%の木造物件なら、年間約82万円を経費化できる計算になります。つまり、現金支出を伴わない費用で課税所得が減るため、キャッシュを温存しつつ税額を下げられます。
一方で、土地は減価償却できません。そのため建物割合が高い物件ほど節税効果が大きくなります。ただし建物が古すぎると修繕コストが増すため、節税と維持費のバランスを取る視点が欠かせません。
国税庁の「令和6年申告所得税実績」によると、年間家賃収入1,000万円以下の個人事業者で赤字申告を行った割合は約35%でした。赤字になると給与所得と損益通算できるため、所得税率が高い会社員ほど節税メリットが大きいといえます。
2025年度に使える代表的な節税スキーム

まず押さえておきたいのは、2025年度も継続する「住宅ローン控除(賃貸併用住宅部分)」です。自己居住用部分の年末ローン残高2,000万円を上限に、原則0.7%が13年間控除されます。賃貸部分の家賃でローン返済を補いながら、所得税を減らせる仕組みです。
次に、不動産取得税の軽減措置が有効です。新築住宅の場合、建物評価額から1,200万円が控除され、実質的な税率は1.5%前後まで下がります。適用期限は2026年3月31日取得分までなので、来年度の購入を計画するなら早めの契約が鍵になります。
さらに、固定資産税の新築住宅減額も見逃せません。2025年度は3年間、120㎡までの住宅部分について税額が2分の1に減額されます。耐火構造なら5年間に延長されるため、鉄筋コンクリート造マンションを検討している投資家には優位に働きます。
最後に、小規模宅地等の特例は相続対策として有名ですが、賃貸住宅用の宅地も対象になります。相続が発生した際、330㎡までは評価額を50%減額できるため、家族への資産承継を見据えた長期投資では非常に効果的です。
物件選びで将来の税負担を抑える視点
ポイントは、「節税しやすい構造」と「高い入居需要」を両立させることです。新築RCマンションは減価償却期間が長く、固定資産税の減額期間も延びるメリットがあります。一方、築古木造アパートは取得価格が低く建物割合を高めやすいため、償却費を短期で多く計上できます。
実は、立地によって空室リスクと経費構造が大きく変わります。都心のワンルームマンションは修繕費が読みやすく空室期間も短い傾向にありますが、価格が高いため利回りは抑えられます。郊外の築古アパートは利回りこそ高いものの、修繕や広告費がかさむケースが少なくありません。つまり、表面利回りだけでなく税後キャッシュフローを重視する視点が必要です。
国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査」によれば、都心5区の空室率は3.9%で全国平均の6.4%より低水準です。税務メリットを狙いすぎて入居がつかなければ、本末転倒です。適切な家賃設定と管理体制まで含めて収支を試算しましょう。
キャッシュフローと節税のバランスを取る方法
基本的に、節税額が大きくても手元資金が減れば事業は行き詰まります。そこで「キャッシュフロー計算書」を作り、税引前と税引後の現金残高を確認する習慣が欠かせません。
例えば、年間所得500万円の会社員が家賃収入600万円の築古アパートを購入したケースを考えます。減価償却と経費で200万円の赤字となり、給与所得と通算すると所得税と住民税で約55万円の還付が得られます。しかし、ローン元金返済と修繕積立で年間150万円の現金支出が発生すると、実際のキャッシュフローはマイナス95万円になります。このように、帳簿上の赤字と現金の流れは必ずしも一致しません。
そこで、(1)修繕費の計上タイミングを平準化し、(2)長期固定金利で返済額を安定させ、(3)入居促進のためのリフォーム資金を別途積み立てる、という三つの対策が有効です。数字を可視化することで、節税と資金繰りを両立できます。
税理士と銀行を味方に付けるコツ
まず、税理士を選ぶ際は「不動産税務に強いか」を最優先に確認しましょう。家事按分の基準や減価償却費の取り方は専門家ごとに微妙に異なるため、初年度から適切な処理を行うことが長期的な節税につながります。
また、銀行との関係構築も不可欠です。金融庁「金融モニタリングレポート2024」によると、地域金融機関の約45%が「事業計画の妥当性」を融資審査で重視しています。節税効果を裏付けるシミュレーションを提出すれば、金利や融資期間で優遇を受けやすくなります。
さらに、年に一度は税理士と金融機関担当者を交えて決算報告会を行うと効果的です。そこで収支状況と翌年度の修繕計画を共有すれば、追加融資や金利引き下げの交渉材料になります。つまり、専門家を巻き込みながら透明性を高めることが、結果として節税と資産拡大を同時に進める近道となります。
まとめ
本記事では、不動産投資が節税に向く理由から2025年度に使える具体的な制度、物件選びの視点、キャッシュフロー管理、そして専門家との連携までを解説しました。減価償却や各種軽減措置を活用すれば、税負担を抑えながら安定収入を得ることが可能です。一方で、数字上のメリットだけに目を奪われず、空室リスクと現金の流れを常に確認する姿勢が重要です。まずは簡単な収支シミュレーションを作成し、自分のリスク許容度を把握するところから始めてみましょう。
参考文献・出典
- 国税庁 – https://www.nta.go.jp
- 国土交通省 住宅局 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku
- 金融庁 – https://www.fsa.go.jp
- 総務省統計局 – https://www.stat.go.jp
- 不動産適正取引推進機構 – https://www.retio.or.jp