不動産の税金

私のREIT 体験談と成功の秘訣

不動産投資に興味はあるものの、多額の自己資金や物件管理の手間を考えると二の足を踏む人は少なくありません。私も同じ悩みを抱えていましたが、少額から参加できるREIT(不動産投資信託)に出会ったことで状況が一変しました。本記事では、実際に私が投資を始めてから感じたメリットと落とし穴を交えつつ、2025年10月時点で押さえるべき最新ポイントを紹介します。初心者が抱きがちな疑問に寄り添いながら、リアルな数字と経験談を通じて学びを提供します。

REITとは何かを体験からひもとく

REITとは何かを体験からひもとくのイメージ

まず押さえておきたいのは、REITが多数の投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などを取得し、賃料を分配金という形で還元する仕組みだという点です。証券取引所に上場しているため、株式と同じように売買できる流動性を備えています。一方で物件管理は運用会社が行うため、個別物件を所有する場合の煩雑な手続きから解放されます。

私が投資を始めたのは三年前、最低購入額はおよそ十万円でした。株価アプリで指値を入れるだけで手続きが完了し、翌月には初の分配金通知が届きました。つまり、一口で不動産オーナーと同等の収益構造を体験できる点が、REIT最大の魅力といえます。

私が初めて投資したJ-REITのリアル

重要なのは、銘柄選びでつまずかないことです。私が最初に選んだのは東京都心のオフィス比率が高い総合型REITでした。日本取引所グループの統計によると、2025年10月時点のJ-REIT平均分配利回りは3.9%前後ですが、当時のこの銘柄は4.5%とやや高めでした。高利回りに惹かれた私は、リスクチェックを十分にせず購入しました。

その後、テナントの退去が続き、翌期の分配金予想が下方修正されました。価格も一時期で8%下落し、私の口座画面は真っ赤に染まりました。言い換えると、利回りだけで判断すると痛い目を見るという現実を身をもって知った瞬間でした。ただし、運用会社が空室対策を強化した結果、半年後には配当水準を回復し、基準価格も徐々に戻りました。ここで感じたのは、短期的な値動きに焦らず、物件ポートフォリオの改善策を見極める姿勢が必要だという点です。

キャッシュフローと分配金の現実

ポイントは、分配金が想定通りに入るかどうかで生活資金計画が大きく変わることです。国土交通省の報告書によれば、J-REITの賃料収入はコロナ禍からの回復が進み、2024年度実績で前年同期比プラス3%となりました。私の保有銘柄でも、空室率改善により分配金が年二回、ほぼ予定通りに入金されています。

ただし、手取りを計算する際は税金を忘れてはいけません。分配金には20.315%の源泉徴収がかかります。私は配当控除の対象外であることを知らず、最初の確定申告で慌てました。つまり、税引き後利回りで生活費を見積もることが欠かせません。また、2024年から拡充された新NISAを活用すれば、年間240万円までの購入分配金が非課税となります。2025年度も制度は継続しており、私はNISA口座での買付を増やして手取り利回りを底上げしています。

市場変動を乗り切った学び

実は、REIT市場は金利変動に敏感です。2023年末の長期金利上昇局面では、市場全体が一時的に5%ほど調整しました。私も含み損を抱えましたが、日本銀行が2024年春に金融政策の柔軟化を示唆した後、金利上昇が一服し、REIT価格は回復基調に転じました。ここで学んだのは、金利と不動産価格の関係を理解したうえで、慌てずに保有し続ける胆力が求められることです。

さらに、分散投資の効果も体感しました。私はオフィス主体の銘柄に加え、物流施設や住宅特化型REITも組み入れた結果、特定セクターの不振を他のセクターが補完してくれました。金融庁の「つみたて投資報告」でも、リスク低減には資産とセクターの分散が有効と示されています。経験的にも分散こそが、市場変動時に心を守る最大の武器でした。

これからREITを始める人へのヒント

まず押さえておきたいのは、目的を明確にしてから銘柄を選ぶことです。私は毎年の旅行資金を分配金で賄うという具体的な目標を立ててから、目標利回りとリスク許容度を逆算しました。その結果、値動きは小さいが利回りも控えめな住宅系REITをNISA口座でコツコツ積み立てています。

次に、情報源を絞ることが大切です。私は証券会社の四半期レポートと不動産研究所の市況データだけを定点観測し、SNSの断片的な情報には距離を置いています。言い換えると、信頼性の高いデータで自分の判断軸を作れば、過度な感情売買を避けられます。また、毎月の家計簿に分配金を記録し、総資産のバランスを可視化しています。こうした地道な作業が、長期投資を支える土台になると実感しています。

まとめ

本記事では、私のREIT 体験談を通じて仕組みの基本から銘柄選び、税制、そして市場変動への向き合い方までを解説しました。高利回りに目を奪われず、物件ポートフォリオの質や運用会社の方針を確認する姿勢が欠かせません。さらに、税制優遇や分散投資を活用して手取り利回りと安定性を高めることが、長期的な成功につながります。これからREITを始める人は、小さく試しつつ学習サイクルを回し、自分だけの投資ストーリーを築いてみてください。結論として、焦らず続けることが最大のリターンをもたらします。

参考文献・出典

  • 国土交通省 不動産市場動向調査 2025年度版 – https://www.mlit.go.jp
  • 日本取引所グループ J-REIT統計データ 2025年10月 – https://www.jpx.co.jp
  • 金融庁 つみたて投資報告書 2024年度 – https://www.fsa.go.jp
  • 日本銀行 金融政策決定会合議事要旨 2024年3月 – https://www.boj.or.jp
  • 一般財団法人 不動産研究所 不動産投資レポート2025 – https://www.reinet.or.jp

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