不動産の税金

REIT 税金 どこで お得に払う方法

不動産投資信託(REIT)に興味はあるものの、「利益に対してどこで税金が引かれるのか分からない」「確定申告をするべきか迷う」と感じていませんか。証券口座を開設すると配当(分配金)や売却益の課税は自動で処理されるように見えますが、実は口座の種類によって手取り額が大きく変わります。本記事では2025年10月時点の最新制度を踏まえ、初心者でも理解できるようにREITの税金が「どこで」発生し、「どうすれば」節税につながるのかを解説します。読み終えるころには、NISAの活用法から住民税の申告まで具体的な行動手順が整理できるはずです。

REITの利益にかかる税金の基本構造

REITの利益にかかる税金の基本構造のイメージ

まず押さえておきたいのは、REITの利益は分配金と売却益の二つに大別され、どちらも原則として所得税15.315%と住民税5%が課税される点です。東京証券取引所の資料によると、2024年のJ-REIT平均分配利回りは3.7%前後で、株式配当と同様の源泉徴収が行われます。

この課税は投資家が気付かないうちに証券会社が行うため、手取り額だけを見ると負担感が薄れます。しかし、年間利益が増えると税額も比例して増え、手元資金の再投資効率を下げる要因になります。また、国税庁のガイドラインでは、所得控除を適用することで還付を受けられる場合があると示されています。つまり、課税の仕組みを理解したうえで適切な口座や申告方法を選ぶことが重要なのです。

口座の違いで課税額はこう変わる

口座の違いで課税額はこう変わるのイメージ

ポイントは、特定口座(源泉徴収あり・なし)と一般口座、そして2025年度から恒久化された新NISAの三つの選択肢があることです。それぞれの口座で「どこで」課税が確定するかを理解するだけで、手取り収益は大きく異なります。

特定口座(源泉徴収あり)の場合、分配金と売却益は受け取り時点で税金が差し引かれ、原則として確定申告が不要です。忙しい会社員には便利ですが、損益通算や医療費控除などで追加還付を受ける機会を逃しやすい面があります。一方で源泉徴収なしを選ぶと、証券会社が年間取引報告書をまとめてくれるものの、自分で確定申告を行い納税する必要があります。ここで損益通算を活用すれば、株式やETFの損失と相殺でき、総課税額を圧縮することが可能です。

一般口座は取引明細を自分で集計しなければならず、初心者にとってはハードルが高めです。したがって、基本的には特定口座かNISA口座を選ぶのが現実的でしょう。

新NISAで非課税投資枠を最大化する

実は、2025年度に完全移行した新NISAを使えば、REITの分配金と売却益は最長無期限で非課税になります。金融庁の資料によれば、年間投資枠は「つみたて投資枠120万円」と「成長投資枠240万円」の合計360万円です。J-REITは成長投資枠で購入可能なため、分配金利回り3.7%なら年間約8.9万円の非課税収入を得られます。

非課税枠を活用する際に注意したいのは、高配当銘柄に偏りすぎると価格変動リスクが高まる点です。また、口座開設時に「成長投資枠を優先する」と設定しておかなければ、購入できる上限を無駄に消費してしまう可能性があります。さらに、NISA枠の埋まり具合は証券会社のサイトでリアルタイム確認できるため、分配金が再投資に回せるタイミングを逃さないことが大切です。

要するに、新NISAはREIT投資と相性が良い制度ですが、枠を使い切る順序や購入タイミングを工夫しなければ、非課税メリットは最大化できません。

確定申告で払い過ぎた税金を取り戻す

基本的に、源泉徴収ありの特定口座を利用していても、医療費控除やふるさと納税のワンストップ特例を超える寄付を行った場合は、確定申告が必要になります。ここで重要なのは、REITの損失を株式やETFの利益と通算できる点です。

言い換えると、年間トータルでマイナスになれば源泉徴収された税金を全額還付できる可能性があります。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、取引報告書を入力するだけで自動計算されるため、手続きはさほど難しくありません。また、損失が出た場合でも最大3年間の繰越控除が認められており、翌年以降の利益と相殺できます。

還付金は通常、申告から1~2か月で指定口座に振り込まれます。戻ってきた資金を再投資に回すことで、複利効果を維持しやすくなるでしょう。

住民税の申告不要制度をどう使うか

最後に忘れがちなのが住民税です。住民税の計算は前年の所得を基に市区町村が行うため、株式・REITの所得を申告不要とするか、総合課税にするかで負担額が変わります。総務省の通知では、配当控除を使う場合のみ総合課税を選択する意義があるとされていますが、J-REITの分配金は配当控除の対象外です。

したがって、多くの投資家にとっては「申告不要」を選択し、所得税と同じ15.315%+住民税5%を源泉徴収で完結させる方法が合理的です。ただし、所得が大幅に増えて所得税率が23%以上になる場合、住民税を分離課税のままにして所得税のみ総合課税にする選択が得策となるケースもあります。この判断はシミュレーションが欠かせないため、税理士や市区町村の税務課に相談すると安心です。

まとめ

REIT 税金 どこで の疑問は、口座の種類と課税タイミングを理解すれば解決します。まず、特定口座と新NISAの特徴を踏まえ、自身の投資目的に合う組み合わせを選びましょう。次に、年間取引報告書を活用して損益通算や繰越控除を行い、払い過ぎた税金を取り戻すことがポイントです。最後に、住民税の扱いまで確認すれば、手取り収益を最大化できます。今日から取引履歴と制度を見直し、より効率的なREIT運用へ踏み出してみてください。

参考文献・出典

  • 国税庁 – https://www.nta.go.jp/
  • 金融庁 新NISA特設ページ – https://www.fsa.go.jp/
  • 総務省 自治体税務情報 – https://www.soumu.go.jp/
  • 東京証券取引所 J-REIT市場データ – https://www.jpx.co.jp/
  • 日本証券業協会 NISA解説 – https://www.jsda.or.jp/

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