不動産投資に興味はあるものの、「物件を買うのはハードルが高い」と感じていませんか。実は、REIT(リート)なら数万円から始められ、証券口座で株式と同じように売買できます。それでも「評価 どのように REIT 始め方」を調べると専門用語が多く、最初の一歩でつまずきがちです。本記事では、REITの基礎から具体的な評価方法、2025年度時点の税制メリットまでを体系的に解説します。読み終える頃には、自分に合う銘柄の選び方がわかり、明日からの資産形成に自信が持てるはずです。
REITとは何かを正しく理解する

まず押さえておきたいのは、REITが投資信託と不動産の長所を兼ね備えた仕組みだという点です。REIT(Real Estate Investment Trust)は、多数の投資家から集めた資金でオフィスビルや物流施設を購入し、賃料収入や物件売却益を分配金として還元します。東京証券取引所によると、2025年9月末時点で上場REITは63銘柄、時価総額は約17兆円に達しています。
次に、REITの最大の魅力は「少額・分散・専門家運用」の三拍子がそろうことです。個別物件では数千万円かかるところ、REITなら1口2万円前後でプロが運用する大型不動産に参画できます。また上場市場で売買するため、株式のように流動性が高い点も見逃せません。一方で価格が日々変動するので、インカムゲイン(分配金)とキャピタルゲイン(売却益)を総合的に管理する必要があります。
さらに、法律面の特徴として投資法人は利益の90%超を分配すれば法人税が実質ゼロになります。つまり、高い分配金利回りを実現しやすい構造が制度的に担保されているのです。この制度は2025年度も継続中で、個人投資家に有利な仕組みと言えるでしょう。
まず押さえておきたい評価の視点

重要なのは、株式と同じ感覚で価格チャートだけを見るのではなく、REIT特有の指標で立体的に評価することです。その代表が「NAV倍率」「NOI利回り」「LTV」の三つです。NAV倍率は一口あたり純資産価格に対する市場価格の比率で、1倍を下回れば割安とされます。つまり、不動産の簿価に対してどれほど市場が期待を上乗せしているかを測る物差しです。
次に、NOI利回りとは純収益(賃料収入から運営費を差し引いた額)を物件取得価格で割った数値で、物件の収益力を表します。日本不動産研究所の2025年レポートによると、オフィス系REITの平均NOI利回りは4.0%、物流系は4.5%です。これと自分の期待利回りを比較すれば、銘柄の相対的な魅力が見えてきます。
一方で、LTV(Loan to Value)は総資産に対する借入金比率を示し、50%を超えると金利上昇リスクが高まります。日本格付研究所は、LTV55%前後を維持するREITに対しては格付けの見通しを慎重に判断すると公表しています。したがって、利回りが高くても負債過多であれば危険信号です。
最後に、分配金の「安定度」にも目を向けましょう。決算説明資料で開示される「内部留保の取り崩し率」や「修繕積立額」を確認すれば、分配金が一時的にかさ上げされていないかを判断できます。これら複数の指標を重ね合わせることで、「評価 どのように REIT 始め方」の疑問が解消され、数字に裏打ちされた投資判断が可能になります。
どのように投資を始めるか具体的手順
ポイントは、証券口座の開設から実際の購入までを段階的に進めることです。まず、ネット証券で一般口座ではなくNISA口座を開くと、年間360万円までの投資枠で分配金と譲渡益が非課税となります。金融庁資料によれば、2025年度から新NISAは恒久化され、途中売却しても非課税枠が復活する仕組みに改正済みです。
次に、銘柄選定では先述のNAV倍率やNOI利回りに加え、投資法人ごとのポートフォリオ構成をチェックします。たとえば、オフィス主体のREITは景気敏感で分配金が変動しやすく、物流主体のREITはテナントが長期契約を結ぶため安定度が高い傾向があります。まずは利回り3.5〜4.5%の中堅銘柄を1〜2口ずつ購入し、市場の値動きに慣れると良いでしょう。
購入後は、四半期ごとに運用レポートを読んで業績と物件取得状況を把握します。ここで大切なのが「分配金利回りの罠」に陥らないことです。分配金が高い理由が一時的な売却益か、継続的な賃料収入かを見極めることで、収益の質を判断できます。継続投資のコツは、物件取得のたびに増資を行うREITの資本政策や、借入金の固定金利化比率を追うことです。
成功に近づくポートフォリオ構築の考え方
実は、REIT投資でも分散が欠かせません。同じオフィス系REITを三つ保有しても、経済環境が悪化すれば分配金が同時に減るリスクは避けられません。そこで、用途・地域・運用スタイルを横断的に組み合わせる工夫が必要です。具体的には、景気連動型のオフィス、ディフェンシブな住宅、成長領域の物流にバランス良く配分すると、分配金の変動幅を抑えられます。
また、海外REIT ETFを組み入れると通貨分散効果が得られます。ただし、日本円での利回りは為替の影響を強く受けるため、投資比率はポートフォリオ全体の20%程度にとどめるのが現実的です。野村AMのシミュレーションでは、国内REIT80%・海外REIT20%の組み合わせが、2003年以降のデータでリスクを最小化しつつ利回りを最大化しました。
さらに、分配金を自動再投資する「DRIP(Dividend Reinvestment Plan)」を活用すると、複利効果が働きます。国内REITでは証券会社のポイントサービスと組み合わせることで、購入手数料を実質ゼロにする方法もあります。毎月少額でも再投資を続ければ、長期で大きな資産形成につながるでしょう。
2025年度の税制と少額投資支援策
まず押さえておきたいのは、2025年度税制改正でNISAが恒久制度となり、年間投資枠が拡大した点です。一般成長投資枠は240万円、つみたて投資枠は120万円で、いずれもREITへの投資が対象となります。これにより、分配金にかかる約20%の税負担がなくなるため、利回りの底上げが期待できます。
加えて、住宅金融支援機構の「不動産小口化商品投資促進事業」も2025年度に延長が決定しました。この事業では、REITを含む不動産小口化商品の情報提供や相談窓口を全国の金融機関に設置し、初心者の学習機会を後押ししています。補助金そのものはありませんが、セミナー費用が無料になるなどの間接的メリットがあります。
一方で、ふるさと納税を通じた地域特化型REITの返礼品は総務省通知で上限が厳格化され、実質的に廃止されました。つまり、税制優遇に頼りすぎるよりも、新NISAを核とした長期保有戦略に集中したほうが再現性が高いと言えます。結果として、少額からでも分配金利回り3〜4%の安定収益を得る道が開かれているのです。
まとめ
この記事では、REITの基本構造、主要な評価指標、投資開始までの具体的ステップ、そして2025年度の税制メリットを順に解説しました。ポイントは、NAV倍率・NOI利回り・LTVを組み合わせて銘柄を精査し、新NISAを活用して税コストを抑えつつ、用途と地域を分散したポートフォリオを組むことです。まずは少額でも投資を始め、市場レポートの確認を習慣化することで、安定したインカムを得ながら資産を拡大できます。今日が将来の分配金を決めるスタートラインです。行動に移し、未来の自分へリターンを届けましょう。
参考文献・出典
- 東京証券取引所 – https://www.jpx.co.jp
- 金融庁 新NISAガイドブック2025 – https://www.fsa.go.jp
- 日本不動産研究所 「2025年不動産投資家調査」 – https://www.reinet.or.jp
- 日本格付研究所 JCRレポート2025 – https://www.jcr.co.jp
- 野村アセットマネジメント 資産配分シミュレーション2025 – https://www.nomura-am.co.jp