不動産の税金

築古 利回りで差をつける!2025年版・高収益を生む物件選びの極意

不動産投資を検討するとき、「築古でも利回りが高ければお得なのか」「古い建物は本当にリスクだらけなのか」と迷う方が少なくありません。実は、築年数を理由に敬遠されがちな物件こそ、適切に選べば新築を上回る収益を生むことがあります。本記事では、築古物件で利回りを最大化する考え方から、2025年度時点の融資や税制のポイントまでを体系的に解説します。読み終わるころには、古さを強みに変える視点が身につき、物件探しの判断軸がはっきりするでしょう。

築古物件の利回りが高い理由

築古物件の利回りが高い理由のイメージ

まず押さえておきたいのは、築古物件の表面利回りが新築より高く見える背景です。価格が下がりやすい一方で、賃料が大きく下落しにくいため、分母が小さく分子が維持されやすい構造が生まれます。

一般に木造アパートは築二十年を過ぎると価格が急落しますが、周辺に需要があれば家賃は七割ほどで踏みとどまります。日本不動産研究所の二〇二五年データでも、東京二十三区のアパート平均表面利回りは五・一%ですが、築二十五年以上のサンプルに限ると六%台が珍しくありません。つまり、買値の下落幅が家賃の下落幅を上回るため、利回りが押し上げられるのです。

さらに、築古物件はリノベーションの自由度が高く、付加価値を載せやすい点も魅力です。キッチンや水回りを現代仕様に改装すると、家賃を数千円から一万円程度上げられるケースが多く、初期投資を三年ほどで回収できる事例もあります。このように「低い取得価格+改善による賃料アップ」が利回り向上の両輪になります。

最後に、土地値が実質的な下支えになる点も忘れてはいけません。築古であっても立地が良ければ、土地だけで融資評価が出ることがあり、売却時の出口戦略を描きやすくなります。したがって、利回りだけでなく、土地と建物のバランスを把握することが重要なのです。

表面利回りと実質利回りの落とし穴

表面利回りと実質利回りの落とし穴のイメージ

ポイントは、表面利回りが高くても実質利回りが低ければ意味がないという事実です。表面利回りは「年間家賃÷物件価格」で計算しますが、管理費や修繕費を含まず、想定家賃が満室で入る前提で算出されます。

築古物件の場合、共用部の配管や屋根防水が経年劣化していることが多く、突発的な修繕が発生しやすい傾向があります。国交省の住宅市場動向調査によると、築二十年以上の木造アパートでは年間平均二十万円強の修繕費が計上されており、これは家賃収入の約一割に相当します。言い換えると、表面利回り八%でも実質利回りは六%台に下がりかねません。

また、空室率の想定も甘くなりがちです。築年が古いほど入居者の入れ替わりサイクルが早く、広告費がかさむことがあります。東京都心のワンルームであっても、築三十年以上は平均空室率一五%前後というデータがあり、広告費やフリーレントを計上するとさらに収益が圧迫されます。

こうしたコストを含めて収支を試算するときは、実質利回りを「(年間家賃−諸経費)÷(物件価格+初期改装費)」で計算する方法が実務的です。この指標で都心築古アパートが五%を超えれば、比較的安定した投資対象と判断できます。

築古を選ぶ際のチェックポイント

重要なのは、単に築年だけを見るのではなく、価値を左右する要素を複合的に評価することです。立地、建物構造、管理履歴の三点が軸になります。

最初に立地を確認する理由は、賃貸需要が将来も続くかを見極めるためです。例えば、駅徒歩十分以内でも坂の多い地域と平坦な地域では、空室リスクが大きく異なります。加えて、都心から離れた郊外の場合でも、大規模大学や医療施設の近くは安定した需要が見込めるため、細かな市場調査が欠かせません。

次に建物構造を見ていきます。木造と鉄骨造では法定耐用年数が異なり、融資期間や減価償却年数に影響を及ぼします。二〇二五年度の税制では、木造築三十年超でも融資年数が十五年取れる銀行が増えていますが、鉄骨造より金利が高い傾向です。そのため、取得価格だけでなく、融資条件を踏まえた総支払額で比較する必要があります。

管理履歴に関しては、長期間同じ管理会社が入っている場合、設備更新や修繕積立の履歴が残されていることが多く、突発的な出費が読みやすくなります。一方、頻繁に管理会社が変わった物件はトラブルが潜んでいる可能性があるため、入手した管理報告書を丁寧に読み込み、懸念点をリスト化しておくと安心です。

2025年度の融資環境と税制メリット

実は、二〇二五年度の金融機関は、築古でも収支計画が明確な案件に対しては積極的です。日銀のマイナス金利政策が段階的に縮小される一方で、地銀や信用金庫は融資残高を確保するため、個人投資家向けに変動金利二%前後のプランを提示しています。

融資審査では、返済比率(年間返済額÷年間家賃)の三〇%以内が目安とされ、築古で利回りが高い物件はこの基準を満たしやすいメリットがあります。また、修繕計画を提出することで、耐用年数超過物件でも長めの融資期間を引き出せるケースが増えており、キャッシュフローを安定させる追い風になっています。

税制面では、二〇二五年度も「住宅借入金等特別控除」の賃貸併用住宅向け適用が続いており、住居部分を一部併設する計画なら所得控除を受けられます。さらに、中小企業等経営強化法の即時償却制度を活用すれば、一定の省エネ改修工事で設備投資額の全額を初年度経費にでき、減価償却による節税効果が期待できます。期限は二〇二七年三月末までなので、改修を検討する際はスケジュールを逆算しておきましょう。

長期で安定させる運用術

まず押さえておきたいのは、築古物件こそ長期保有を前提にキャッシュフロー管理を徹底することです。家賃下落や金利上昇を想定した複数シナリオを組み、自己資金と積立金のバランスを織り込むことが肝心です。

運用中は入居者ニーズの変化に応じた小規模リフォームを重ねると、退去後の空室期間を短縮できます。例えば、単身向けワンルームであっても、無料インターネットやスマートロックを導入すると、若年層の内見数が三割程度増えた物件事例が報告されています。コストは一戸当たり十万円前後ですが、家賃を月二千円でも上げられれば五年で回収可能です。

売却を視野に入れる場合は、出口時期を市場サイクルと合わせる工夫が有効です。東京都心では二〇二三年以降の価格上昇が一服し、二〇二四年後半から成約価格が横ばい傾向にあります。アパート融資残高の伸びも鈍化しているため、二〇二六年以降に再度価格上昇が見込まれるとの見方が強まっています。利回り改善後にこの波を捉えられれば、高値売却で内部収益率をさらに引き上げることが可能です。

結論として、築古 利回り戦略は「買う時に利益の半分が決まる」と言われるほど取得条件が鍵を握ります。購入後は設備更新と入居者サービスを絶えず最適化し、市場変動に応じて出口を柔軟に描くことで、長期的に安定収益を確保できるでしょう。

まとめ

築古物件は価格が抑えられる分、高い利回りが期待できる一方で、修繕費や空室リスクを見落とすと収益性が低下します。重要なのは、実質利回りで判断し、立地と建物状態、管理履歴を総合的に評価することです。二〇二五年度の融資環境と税制は築古投資に追い風となっているため、資金計画と改修プランを具体化すれば、安定したキャッシュフローを確保できます。利益を最大化するために、購入前の調査、運用中の改善、出口戦略の三段階で継続的に工夫を重ね、築古 利回りの強みを存分に活かしましょう。

参考文献・出典

  • 日本不動産研究所 – https://www.reinet.or.jp/
  • 国土交通省 住宅市場動向調査 – https://www.mlit.go.jp/
  • 日銀 金融システムレポート – https://www.boj.or.jp/
  • 中小企業庁 経営強化法関連資料 – https://www.chusho.meti.go.jp/
  • 東京都都市整備局 住宅政策関連データ – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/

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