不動産投資を始めたいものの「築浅物件は価格が高く、利回りが伸びないのでは」と悩む人は多いでしょう。実は、建物が新しいからこそ修繕費を抑え、入居者ニーズを取り込みやすいという強みがあります。本記事では、築浅 利回りの基本から物件選び、2025年の最新データまでを詳しく解説します。読み終える頃には、自分の資金計画と市場動向をすり合わせながら、築浅物件で安定収益を得るイメージが描けるはずです。
築浅物件が投資家に支持される背景

まず押さえておきたいのは、築浅物件が持つ「設備の新しさ」と「長期修繕計画の余裕」です。新築から10年以内であれば配管や外壁の大規模修繕が不要なケースが多く、運営コストを低く抑えられます。また、オートロックや高速インターネットなどの最新設備が入居者の満足度を高め、空室期間の短縮にもつながります。
一方で、購入価格が高めになるため、単純な表面利回りは中古より低く見えることが一般的です。しかし修繕費の想定が小さければ、手取りベースの利回り(実質利回り)は逆転する場面も珍しくありません。つまり、築浅で利回りを判断する際は、購入価格と同時にランニングコストの差を必ず比較することが重要です。
さらに、不動産価格指数によると2025年時点でも築浅物件は値下がりしにくい傾向があります。出口戦略である売却益を狙う場合でも価格下落リスクが抑えられるため、資産組み替えの自由度が高まります。これらの要素が総合的に評価され、投資家の支持を集めているのです。
利回りの基礎と築年数の関係

重要なのは、表面利回りと実質利回りを混同しないことです。表面利回りは「年間家賃収入÷物件価格×100」で計算しますが、経費や空室率を含まないため過信は禁物です。実質利回りは、そこから管理費・修繕費・税金・空室損を差し引いた後の手取り収入で算出し、実際の投資効率を示します。
築年数が浅いほど修繕費や設備更新費が少なく、実質利回りが安定しやすくなります。特に竣工から5年以内の物件では、年間修繕費を家賃収入の3%以下に抑えられるケースが多いといわれています。言い換えると、中古物件で頻繁に発生する水回りや給湯器の交換費用が、築浅では10年以上先送りできる可能性が高いのです。
また、法定耐用年数を意識することで税務メリットを享受できます。木造アパートなら耐用年数は22年ですが、築浅なら残存年数が長く、建物取得費を減価償却で長期にわたり計上できます。これにより、短期間での赤字計上を避けつつ、安定的に税負担をコントロールできます。
築浅高利回り物件を見つけるチェックポイント
ポイントは、価格交渉余地と賃料のバランスを見極めることです。相場より高額に設定された賃料は入居が決まらず、利回りを押し下げます。一方で開発エリアの供給過多によって、売り出し価格が下がるタイミングを捉えれば、築浅 利回りを両立できる物件が見つかります。
まずエリア選定では、人口増加率や再開発計画を調査しましょう。例えば、2025年度に地下鉄延伸が決定した沿線は将来の賃料上昇が期待できます。こうしたインフラ整備は地価上昇の初期段階で物件を取得すると、家賃と売却価格の両方で恩恵を受けやすくなります。
次に、販売図面だけでなくレントロール(賃料一覧)と管理費収支表を必ず確認してください。築浅でも管理会社手数料が高ければ手取りは減ります。平均管理料は家賃の5%程度ですが、交渉で3%まで下げられれば年間キャッシュフローが大きく改善します。加えて、保証会社の加入状況や更新料の取り扱いなど、細かな条件が利回りに直結するため見落とさないことが大切です。
2025年の市場データから見る利回り水準
実は、最新データを活用すると相場観が一目で把握できます。日本不動産研究所の調査では、2025年12月時点の東京23区平均表面利回りは次の通りです。
- ワンルームマンション:4.2%
- ファミリーマンション:3.8%
- アパート一棟:5.1%
この数値を基準に、築浅で表面利回り4.5%以上なら十分に検討余地があると考えられます。ただし、地方都市では築浅アパートでも6%台が出る一方、入居付けのスピードが遅い地域もあります。地方投資を視野に入れる場合は、国土交通省の住宅着工統計で新築供給量を確認し、将来の空室リスクを数字で把握しましょう。
また、金利動向にも注目です。金融庁によると、2025年度の不動産投資ローン平均金利は1.8%前後で推移しています。利回りと金利差が2%を切るとキャッシュフローが圧縮されるため、借入比率を抑えるか固定金利で先行リスクを回避する戦略が有効です。
築浅物件で利回りを高める運営術
基本的に、家賃収入を伸ばすか経費を削るかの二択ですが、築浅ならではの施策が存在します。まず家賃設定では、家具付き短期賃貸や法人契約向けにすることで、相場より1〜2割高く貸し出せる可能性があります。企業の転勤需要が多いエリアなら、築浅の清潔感が大きな武器になるからです。
一方で経費管理では、長期保証付き設備を導入し、修繕費の急増を防ぎます。エアコンを10年保証のモデルに入れ替えれば、急な出費を予防でき、実質利回りがブレにくくなります。さらに、省エネ性能の高いLED照明や断熱サッシを採用すると光熱費が下がり、入居者満足度も向上します。
最後に、2025年度の住宅ローン控除は自己居住用が対象ですが、投資用でも環境性能が高い物件は融資審査で優遇される例があります。銀行の評価点を高めることで金利を0.1%下げられれば、30年返済で総支払額は数十万円単位で縮小します。こうした小さな工夫を積み重ねることが、築浅でも高利回りを実現するカギになります。
まとめ
ここまで、築浅 利回りの基礎から物件選定、2025年の市場データ、運営の工夫までを解説しました。築浅物件は購入価格が高い一方で、修繕費の低さや空室リスクの小ささが魅力です。表面利回りだけで判断せず、実質利回りと金利差、将来の需要を多角的に比較することで、安定したキャッシュフローが見えてきます。まずは希望エリアの平均利回りを調べ、自分の資金計画に合う築浅物件をリストアップしてみてください。実践的なデータと戦略を持てば、初心者でも着実に一歩を踏み出せるはずです。
参考文献・出典
- 日本不動産研究所 – https://www.reinet.or.jp
- 国土交通省 住宅着工統計 – https://www.mlit.go.jp
- 東京都都市整備局 住宅白書 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp
- 不動産経済研究所 新築マンション市場動向 – https://www.fudousankeizai.co.jp
- 総務省統計局 家計調査 – https://www.stat.go.jp