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築古 成功のコツを押さえる!2025年版投資戦略

築古物件に興味はあるけれど、本当に儲かるのか不安。そんな悩みを抱える人は多いです。古い建物は修繕費や空室リスクが心配ですが、要点を押さえれば新築より高利回りを狙えます。本記事では十五年以上築古を扱ってきた筆者が、選び方・資金計画・制度活用まで「築古 成功のコツ」を紹介。読み終えるころには、初めての一棟目でも踏み出せる判断基準が自然と身につくはずです。

築古物件がいま注目される理由

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まず押さえておきたいのは、築古市場の背景です。国土交通省の住宅着工統計によると、新築アパートの供給は2018年をピークに緩やかに減少し、2025年は前年比2.1%減まで下がりました。その一方で、既存住宅の流通量は右肩上がりに伸びています。供給が絞られるほど、築古でも立地が良ければ需要は堅調です。

利回りの面でも優位性があります。新築ワンルームの表面利回りが平均4%前後に対し、築25年超の区分マンションでは7%前後で成約する例も珍しくありません。利回りが高い分、多少の空室が出てもキャッシュフローが大きく崩れにくい構造となります。

さらに、2023年から続く資材価格の高騰が新築コストを押し上げました。建築費上昇は賃料に転嫁しづらく、新築投資の収支は圧迫されがちです。一方、築古は価格が落ち着きやすく、購入額に対して賃料を取りやすいことが魅力といえます。つまり、外部環境の変化が築古優位の流れを後押ししているのです。

物件選びで外さないポイント

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重要なのは、古いからといって何でも買えばいいわけではない点です。筆者は「立地」「構造」「管理履歴」の三つを一体で確認します。立地は駅距離だけでなく、商業施設や再開発計画の有無も調べることで賃貸需要を読み取れます。

構造については、1981年6月以降の「新耐震基準」を満たすかどうかが分岐点です。この基準を満たしていれば、地震保険料が下がるうえ、金融機関評価も上がりやすくなります。逆に旧耐震の木造アパートでも、再建築不可でなければ土地値が強いケースがあります。土地値が購入価格の七割を超えるなら、出口で損失を抑えやすいと判断できます。

管理履歴は見落とされがちですが重要です。長期修繕計画に基づいて大規模修繕を実施していれば、直近の修繕リスクは小さくなります。管理組合の総会議事録を読み、滞納率やトラブルの有無まで確認すると、将来のトラブルコストを減らせます。つまり、築古でも「適切に手入れされてきた物件」を選ぶことが成功の第一歩です。

資金計画とキャッシュフローの組み立て方

ポイントは、購入時だけでなく10年後までキャッシュフローを可視化することです。金融機関の融資条件は2025年も引き続き「返済比率50%以内」を目安にするケースが多く、自己資金2〜3割を投入すると審査が通りやすくなります。

支出側では、修繕積立金と固定資産税を過小評価しないことが肝心です。築25年超の区分マンションを想定すると、修繕積立金は月当たり300円/㎡から始まり、10年ごとに段階的に上昇します。将来の上昇幅を盛り込んだシミュレーションを作り、空室率も保守的に15%で計算すると、実態に近い収支が得られます。

一方、収入面では賃料の下落スピードを立地別に想定します。都心3区のファミリータイプなら年0.5%程度、地方政令市のワンルームなら年1.0%程度と差があるため、国土交通省「賃貸住宅市場景況調査」を参考にエリア別幅を取ると妥当性が増します。こうして保守的なシミュレーションを通過した案件を選ぶことで、金利上昇局面でも耐えられるポートフォリオが構築できます。

2025年度も使える制度と金融商品の活用法

実は、築古投資でも上手に制度を使うと手取りを押し上げられます。2025年度の住宅ローン減税は耐震基準適合証明を取得した中古住宅に対して13年間の控除が適用可能です。年末ローン残高の0.7%が所得税・住民税から差し引かれるため、キャッシュフローの追い風になります。

また、住宅金融支援機構の「フラット35リノベ」は、購入と同時に性能向上リフォームを行う場合、金利が当初10年間0.5%引き下げられます。例えば借入金利1.9%が1.4%になると、3,000万円借入で毎月返済額が約7,000円減ります。差額はそのまま管理費や修繕費の原資に回せるので、実質利回りを底上げできます。

補助金に関しては「長期優良住宅化リフォーム推進事業」が2025年度も継続予定です。一定の耐震・省エネ改修を行えば、戸当たり最大300万円の補助が受けられます。戸数の多い一棟物件では総額が大きくなるため、計画段階から施工会社と相談し、申請スケジュールを逆算することが大切です。

賃貸管理と出口戦略で収益を伸ばす

まず抑えておきたいのは、管理レベルを上げるほど賃料の下落を抑えられる点です。同一エリアの築25年超マンションで、共用部LED化やWi-Fi導入を行った事例では、導入後2年間で平均賃料が下落せずに維持されました。小さな積み重ねが長期収益につながります。

入居者対応は管理会社任せではなく、オーナーが月次レポートを必ずチェックして改善策を指示します。例えば「水回りのトラブルが続く」と分かれば、未然に交換計画を立てて評価を上げることで長期入居に結びつきます。短期解約を一回防ぐだけで広告費や原状回復費を合わせて家賃2ヶ月分の節約効果が出るため、ここに時間を割く価値は大きいです。

出口については、減価償却が終わる前後に売却を検討することで税負担を最小化できます。購入から10年超で地価が上昇していれば、譲渡益を得られる可能性もあります。仮に価格が伸びなければ、建物の簿価がゼロに近づくため、家賃収入をほぼ丸ごと利益として受け取れる局面です。状況に応じて「売るか保有するか」を毎年見直す柔軟さが、築古投資を成功に導きます。

まとめ

ここまで「築古 成功のコツ」として、注目される市場背景、物件選び、資金計画、制度活用、管理と出口戦略を順に解説しました。重要なのは、築年数のリスクを利回りと制度活用で補い、長期のキャッシュフローを確実に黒字に保つことです。まずは希望エリアで新耐震かつ管理状態の良い物件を三件見学し、保守的なシミュレーションを作成してみましょう。小さな行動が、10年後の安定した資産形成につながるはずです。

参考文献・出典

  • 国土交通省 住宅着工統計 – https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku.html
  • 国土交通省 賃貸住宅市場景況調査 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/market.html
  • 国土交通省 長期優良住宅化リフォーム推進事業 – https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000.html
  • 住宅金融支援機構 フラット35リノベ – https://www.jhf.go.jp/files/400355904.pdf
  • 総務省 住宅・土地統計調査 2023年速報 – https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html

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