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「家賃」ってどうやって決めてるの?

「家賃」ってどうやって決めてるの?

賃貸経営においては”適正な家賃の設定”が重要です。高すぎれば空室が埋まらず、安すぎれば賃貸経営の効率が下がります。

そこで今回皆さん普段「東京の〇〇区だから家賃は〇万円くらいだよね」などお住まい周辺のざっくりとした相場感は把握しているかとは思いますが、詳しく、家賃の決め方と注意点についてご紹介させていただきます。

不動産鑑定士による家賃の算出方法

家賃の鑑定評価には「積算法」「賃貸事例比較表」「収益分析法」の3種類の算出方法があります。その中でも「積算法」と「賃貸事例比較表」は居住用マンションやアパート、一戸建ての場合を中心に用いられる算出方法です。

〈積算法〉
積算法では、元本に対してどれだけの利益が得られるのかという観点から家賃を算出します。
計算式は「基礎価格×期待利回り+必要諸経費等」です。
これは「物件の時価×投資の利回り+必要諸経費」とも言いかえることができ、物件所有者の立場から見て、適正な利益を確保できる家賃を算出します。

しかし、積算法自体は不動産売買取引額を決定するときの指標であり、家賃算定で用いられることはあまりありません。

〈賃貸事例比較表〉
その名の通り、周辺の競合物件の家賃と比較して算出する方法です。
募集する部屋とできるだけ条件の似た部屋の家賃を集め、立地の違い、階数の違い等を考慮して算出します。

〈収益分析法〉
ホテル、店舗等の家賃を求めるときに用いる手法です。
その不動産を利用して事業を行うことで得られる収益に着目して家賃を算出します。

自分でできる物件家賃の決め方

《賃貸事例比較表→競合物件の家賃相場から検討する》
まず、賃貸に出そうとしている物件と立地条件や構造、契約内容、用途等の条件が似た競合物件を5つほど挙げます。
そして実際に物件を探している人の立場を想定し、所有物件と競合物件の「加点ポイント」と「減点ポイント」を書き出して検討しましょう。
家賃に影響する主な項目と注意点は次のとおりです。

【駅からの距離、築年数、設備】
駅からは近く、築年数が新しく、設備が充実している物件ほど家賃は高くなります。

【階数】
階段が上がるほど、家賃が上がることが一般的です。
ただし、エレベーターのない3階以上の建物では、上階層であっても家賃が高くならないケースがあります。

【構造】
鉄筋コンクリートのマンションは鉄骨や木造のアパートよりも家賃が高くなる傾向があります。

【賃貸借契約の種類】
日本では賃貸物件のほとんどが普通借家契約ですが、定期借家契約の賃貸物件もあります。
一般的には普通借家契約のほうが家賃が高くなる傾向があります。

【面積】
似た間取りの物件の場合、面積が広い物件のほうが家賃が高くなる傾向があります。

【敷金や礼金の有無】
敷金や礼金をゼロとしている物件があるため、比較する際には敷金や礼金の有無についても注意しましょう。

【成約時期】
引っ越しシーズンの2〜3月頃は需要が高まるため、高めの家賃でも成約しやすくなります。
様々な条件を検討した結果、例えば「立地も築年数も似ている定期借家の物件の家賃が12万円だから、自分の物件はもう少し高い家賃にできそう」
「自分の物件よりも駅までの距離が少し近くて、築年数も新しい物件が家賃14万円にしている。同じ家賃にすると入居希望者がそちらの物件に流れてしまう」
といったことも予想ができるでしょう。

家賃を決めるときに気をつけたいポイント

・不動産会社や管理会社の意見を聞く
物件が所在するエリアを扱う不動産会社に家賃相場をヒアリングする、または管理会社(管理会社に管理委託してる場合)に意見を聞いてみましょう。

・一時金も含めて検討する
家賃が適正でも、敷金や礼金等の一時金が高すぎて、地域と物件の相場にあっていなければ空室が埋まりにくくなってしまうかもしれません。一時金も含めて、総合的に考えて家賃を決めましょう。

・収支計算をすること
賃貸経営の収支をシュミレーションした上で、家賃相場にあった家賃を設定しましょう。
転勤等で自分が住めない間に貸す場合は、利益が出なくてもローンをカバーできればいいと思うかもしれませんが、長期的な賃貸経営を考える場合にはある程度の収益は確保したいところですね。

収入:家賃 管理費 礼金等
費用:管理手数料 修繕積立金 固定資産税 都市計画税 住宅ローン 火災保険料等

上記を踏まえ、収支がマイナスにならないように家賃を設定しましょう。

最後に・・
家賃を決めるときには「競合物件の相場」と「利回り」の両面から検討すること、収支計算をすることが大切です。
不動産会社や管理会社といった不動産の専門家の意見も聞きながら適正な家賃を設定し、満室を維持して安定した賃貸経営を実現させましょう。

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