不動産の税金

リフォーム費用をローンに含められますか?不動産投資で知っておくべき資金調達の基礎知識

不動産投資を始める際、物件価格だけでなくリフォーム費用も大きな負担となります。特に中古物件を購入する場合、入居者を確保するためのリフォームは避けて通れません。「物件価格とリフォーム費用を別々に用意するのは大変」と感じている方も多いのではないでしょうか。実は、リフォーム費用をローンに含めることは可能です。この記事では、リフォーム費用をローンに組み込む方法から、金融機関の審査基準、注意すべきポイントまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。資金計画を立てる際の参考にしていただければ幸いです。

リフォーム費用をローンに含める基本的な仕組み

リフォーム費用をローンに含める基本的な仕組みのイメージ

不動産投資ローンでリフォーム費用を含めることは、多くの金融機関で認められています。重要なのは、購入時点でリフォーム計画を明確にし、見積書を用意することです。

一般的な流れとしては、物件購入の申し込みと同時にリフォーム計画を提出します。金融機関は物件価格とリフォーム費用を合算した金額で融資審査を行います。この方法を「一体型融資」と呼び、別々にローンを組むよりも手続きが簡単で金利も有利になることが多いのです。

ただし、すべてのリフォーム内容が認められるわけではありません。金融機関が融資対象として認めるのは、物件の資産価値を維持・向上させるための工事に限られます。具体的には、水回りの交換、外壁や屋根の修繕、耐震補強、断熱工事などが該当します。一方で、個人の趣味嗜好に基づく豪華な設備の導入や、過度な装飾工事は認められにくい傾向があります。

リフォーム費用を含めた融資を受けるには、購入前の段階で準備を進めることが不可欠です。物件を見つけたら、すぐにリフォーム業者に見積もりを依頼し、詳細な工事内容と費用を明確にしましょう。この見積書が融資審査の重要な資料となります。

金融機関によって異なる融資条件と審査基準

金融機関によって異なる融資条件と審査基準のイメージ

リフォーム費用を含めた融資の条件は、金融機関によって大きく異なります。まず押さえておきたいのは、都市銀行、地方銀行、信用金庫、ノンバンクなど、それぞれに特徴があるということです。

都市銀行は審査基準が厳しい反面、金利が低く設定されています。2026年2月現在、変動金利で1.5〜2.0%程度が一般的です。リフォーム費用を含める場合、物件価格の10〜20%程度までが目安となります。また、年収や勤続年数、自己資金比率などの条件も厳しく設定されています。

地方銀行や信用金庫は、地域密着型の営業を行っているため、都市銀行よりも柔軟な対応が期待できます。リフォーム費用の上限も物件価格の20〜30%程度まで認められることがあります。金利は都市銀行よりやや高めですが、担当者と直接相談しやすい環境が整っています。

ノンバンクは審査基準が比較的緩やかで、自営業者や転職したばかりの方でも融資を受けられる可能性があります。しかし、金利は3〜4%程度と高めに設定されているため、長期的な返済計画をしっかり立てる必要があります。リフォーム費用については、物件価格の30%程度まで含められるケースもあります。

審査で重視されるポイントは、リフォーム後の物件価値と収益性です。金融機関は「このリフォームによって家賃収入がどれだけ増えるか」「物件の資産価値がどれだけ向上するか」を厳しくチェックします。そのため、リフォーム計画書には、工事内容だけでなく、想定家賃や入居率の見込みも記載することが重要です。

リフォーム費用を含めるメリットとデメリット

リフォーム費用をローンに含めることには、明確なメリットがあります。最も大きいのは、初期費用の負担を軽減できることです。物件購入とリフォームを同時に進められるため、早期に賃貸経営をスタートできます。

資金繰りの面でも有利です。別々にローンを組む場合、リフォームローンは金利が高く設定されることが多く、返済期間も短くなります。一方、不動産投資ローンに含めることで、物件購入と同じ低金利で長期返済が可能になります。例えば、500万円のリフォーム費用を金利3.5%の5年返済で借りた場合と、金利2.0%の30年返済で借りた場合では、月々の返済額に大きな差が生まれます。

手続きの簡素化も見逃せないメリットです。一度の審査で物件購入とリフォームの資金を確保できるため、時間と労力を節約できます。また、金融機関との関係も一本化されるため、その後の相談や追加融資の際にもスムーズに進められます。

一方で、デメリットも存在します。融資額が増えることで、審査がより厳しくなる可能性があります。自己資金比率や年収に対する返済比率が重要視されるため、希望額全額の融資を受けられないケースもあります。

また、リフォーム工事が予定通り進まない場合のリスクも考慮が必要です。工事の遅延や追加費用が発生すると、賃貸開始が遅れて収支計画が狂う可能性があります。さらに、融資実行後に工事内容を大幅に変更することは難しいため、事前の計画が非常に重要になります。

融資を受けるための具体的な準備と手順

リフォーム費用を含めた融資を成功させるには、綿密な準備が欠かせません。まず物件選びの段階から、リフォームの必要性と費用を見積もっておくことが大切です。

物件を見つけたら、すぐに複数のリフォーム業者に見積もりを依頼しましょう。最低でも3社から見積もりを取り、工事内容と費用を比較検討します。この際、単に安い業者を選ぶのではなく、実績や保証内容も確認することが重要です。見積書には、工事項目ごとの詳細な内訳を記載してもらいます。

次に、収支シミュレーションを作成します。リフォーム後の想定家賃、空室率、管理費、修繕費などを盛り込んだ詳細な計画書を用意します。金融機関は「このリフォームによって投資が成功する」という根拠を求めています。周辺の類似物件の家賃相場を調査し、現実的な数字を提示することが審査通過の鍵となります。

必要書類の準備も早めに進めましょう。物件の登記簿謄本、公図、建物図面に加えて、リフォームの見積書、工事計画書、完成予想図などが必要です。自営業者の場合は、確定申告書3期分や事業計画書も求められることがあります。

金融機関への相談は、できるだけ早い段階で行います。物件の購入申し込み前に、融資の可能性を確認しておくと安心です。この時点で、リフォーム費用を含めた融資が可能か、金利や返済期間の条件はどうなるかを確認します。複数の金融機関に相談し、最も有利な条件を提示してくれるところを選びましょう。

審査申し込み後は、金融機関からの質問に迅速かつ正確に回答することが重要です。追加資料の提出を求められた場合も、できるだけ早く対応します。審査期間は通常2〜4週間程度ですが、リフォーム費用を含む場合はやや長くなることもあります。

リフォーム内容の選び方と費用対効果の考え方

リフォーム費用をローンに含める際、どのような工事を選ぶかが成功の分かれ目となります。基本的に考えるべきは、投資回収期間と入居者ニーズのバランスです。

最も効果的なのは、水回りのリフォームです。キッチン、浴室、トイレ、洗面所は入居者が最も重視する部分であり、古い設備のままでは空室リスクが高まります。例えば、築20年以上の物件で水回りを一新すると、家賃を5〜10%程度引き上げられるケースが多く見られます。費用は200〜400万円程度かかりますが、入居率の向上と家賃アップで3〜5年程度で回収できる計算になります。

内装のリフォームも重要です。壁紙の張り替え、フローリングの交換、照明のLED化などは、比較的低コストで物件の印象を大きく変えられます。特に若い世代をターゲットにする場合、明るく清潔感のある内装は必須条件です。費用は50〜150万円程度で、入居決定率を大幅に向上させる効果があります。

設備面では、エアコンの新設や交換、インターネット環境の整備、宅配ボックスの設置なども検討価値があります。これらは入居者の利便性を高め、長期入居につながります。特にリモートワークが普及した現在、高速インターネット環境は必須設備となっています。

一方で、過度な投資は避けるべきです。高級な設備や豪華な内装は、家賃に反映できない場合があります。周辺の家賃相場を調査し、その価格帯に見合ったリフォーム内容を選ぶことが重要です。例えば、家賃5万円の物件に500万円のリフォームをしても、家賃を10万円に引き上げることは現実的ではありません。

耐震補強や断熱工事など、建物の基本性能を向上させる工事も検討しましょう。これらは直接的に家賃アップにつながりにくいものの、長期的な資産価値の維持に貢献します。また、金融機関の評価も高くなるため、融資審査で有利に働きます。

まとめ

リフォーム費用を不動産投資ローンに含めることは、多くの金融機関で可能です。物件購入とリフォームを一体で融資を受けることで、初期費用の負担を軽減し、低金利で長期返済が実現できます。

成功のポイントは、購入前の段階から綿密な計画を立てることです。複数のリフォーム業者から見積もりを取り、詳細な収支シミュレーションを作成し、金融機関に説得力のある資料を提示することが重要です。リフォーム内容は、入居者ニーズと費用対効果のバランスを考えて選びましょう。

金融機関によって融資条件は異なるため、複数の選択肢を比較検討することをお勧めします。都市銀行、地方銀行、信用金庫、ノンバンクなど、それぞれの特徴を理解し、自分の状況に最も適した融資先を選ぶことが大切です。

不動産投資は長期的な視点が必要です。リフォーム費用をローンに含めることで、資金効率を高めながら、収益性の高い物件運営を目指しましょう。しっかりとした準備と計画があれば、リフォーム費用を含めた融資は決して難しいものではありません。まずは信頼できる不動産会社や金融機関に相談し、具体的な一歩を踏み出してみてください。

参考文献・出典

  • 全国銀行協会 – https://www.zenginkyo.or.jp/
  • 国土交通省「不動産市場動向」 – https://www.mlit.go.jp/
  • 住宅金融支援機構 – https://www.jhf.go.jp/
  • 日本政策金融公庫「不動産投資融資の手引き」 – https://www.jfc.go.jp/
  • 不動産投資連合会「投資用不動産の融資動向調査」 – https://www.fudosantoshi.jp/
  • 金融庁「金融機関の融資審査基準」 – https://www.fsa.go.jp/

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