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一棟アパート選び方の完全ガイド|初心者が失敗しない7つのポイント

一棟アパート投資を始めたいけれど、どんな物件を選べばいいのか分からない。そんな悩みを抱えている方は少なくありません。実は、一棟アパートの選び方には明確な基準があり、それを知っているかどうかで投資の成否が大きく変わります。この記事では、初心者の方でも安心して物件選びができるよう、立地条件から収益性の見極め方、建物の状態チェックまで、実践的なポイントを分かりやすく解説します。これから一棟アパート投資を始める方にとって、物件選びの羅針盤となる内容をお届けします。

一棟アパート投資の基本を理解する

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一棟アパート投資を成功させるには、まず投資の全体像を把握することが重要です。区分マンション投資と比べて、一棟アパートは土地と建物を丸ごと所有できるため、資産価値が高く、経営の自由度も大きいという特徴があります。

一棟アパートの最大の魅力は、複数の部屋から家賃収入を得られることです。たとえば8室のアパートなら、1室が空室になっても残り7室から収入が入るため、収入がゼロになるリスクを避けられます。また、建物全体を自分の判断でリフォームしたり、管理方法を変更したりできるため、収益性を高める工夫がしやすいのです。

一方で、初期投資額は区分マンションより大きくなります。地方都市でも数千万円、都市部では1億円を超える物件も珍しくありません。さらに、建物全体の維持管理責任を負うため、修繕計画や入居者対応など、オーナーとしての役割も増えます。

このように一棟アパート投資には大きなメリットがある反面、相応の資金と覚悟が必要です。しかし、適切な物件を選び、計画的に運営すれば、長期的に安定した収益を生み出す優れた投資手段となります。重要なのは、自分の資金力や投資目的に合った物件を見極めることです。

立地選びで押さえるべき3つの条件

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一棟アパートの選び方で最も重要なのが立地です。どんなに建物が新しくても、立地が悪ければ空室に悩まされることになります。国土交通省の調査によると、2025年12月時点で全国のアパート空室率は21.2%に達しており、立地による格差が顕著になっています。

まず確認すべきは最寄り駅からの距離です。理想は徒歩10分以内、遅くとも15分以内の物件を選びましょう。特に単身者向けアパートでは、駅からの距離が入居率に直結します。実際、駅徒歩5分の物件と15分の物件では、家賃相場に10〜15%の差が生じることも珍しくありません。

次に重視したいのが周辺環境の充実度です。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど日常生活に必要な施設が徒歩圏内にあるかチェックしてください。また、病院や銀行、郵便局といった生活インフラも重要です。これらの施設が揃っている地域は、入居者の満足度が高く、長期入居につながりやすい傾向があります。

さらに、将来性も見極める必要があります。自治体の都市計画や人口動態を調べ、今後も需要が見込める地域かどうか確認しましょう。大学や企業の移転計画、再開発プロジェクトなどの情報は、地域の将来性を判断する重要な材料になります。逆に、人口減少が著しい地域や、主要企業の撤退が予定されている地域は避けるべきです。

立地は後から変えることができない要素だからこそ、時間をかけて慎重に選ぶことが成功への第一歩となります。

収益性を正確に見極める方法

一棟アパートの選び方で立地と並んで重要なのが、収益性の正確な把握です。表面利回りだけを見て判断すると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。

表面利回りは「年間家賃収入÷物件価格×100」で計算される指標ですが、これだけでは実際の収益性は分かりません。なぜなら、管理費や修繕費、固定資産税などの経費が考慮されていないからです。実際の収益力を知るには、実質利回り(ネット利回り)を計算する必要があります。

実質利回りは「(年間家賃収入−年間経費)÷(物件価格+購入時諸費用)×100」で求めます。一般的に、年間経費は家賃収入の20〜30%程度を見込んでおくと安全です。たとえば、年間家賃収入600万円の物件なら、120〜180万円の経費を想定します。購入時諸費用は物件価格の7〜10%が目安となります。

キャッシュフローの計算も欠かせません。これは実際に手元に残るお金を示す指標で、「家賃収入−(ローン返済+経費+税金)」で計算します。表面利回りが高くても、ローン返済額が大きければキャッシュフローはマイナスになることもあります。特に融資を受けて購入する場合は、金利や返済期間によってキャッシュフローが大きく変わるため、複数のシミュレーションを行いましょう。

さらに、空室率も現実的に見積もる必要があります。満室想定で計算すると、実際の収益とのギャップに苦しむことになります。地域の平均空室率を参考に、少なくとも10〜15%の空室を想定した収支計画を立てることをおすすめします。

建物の状態を見抜くチェックポイント

一棟アパートの選び方において、建物の状態確認は収益性に直結する重要なステップです。外観だけでなく、構造や設備の状態まで細かくチェックする必要があります。

まず築年数と構造を確認しましょう。木造アパートの法定耐用年数は22年、鉄骨造は34年です。築年数が古いほど融資期間が短くなり、月々の返済負担が重くなります。また、1981年以前に建てられた物件は旧耐震基準の可能性があるため、耐震診断の結果を確認することが重要です。

外壁や屋根の状態も入念にチェックしてください。外壁にひび割れや塗装の剥がれがある場合、近い将来に大規模修繕が必要になります。外壁塗装だけでも数百万円かかることがあるため、修繕履歴と今後の修繕計画を売主に確認しましょう。屋根の防水工事も10〜15年ごとに必要になるため、最後の工事時期を把握しておくことが大切です。

設備の状態確認も忘れてはいけません。給排水管の老朽化は見えにくい部分ですが、交換となると大きな費用がかかります。築20年以上の物件では、配管の状態を専門家に診断してもらうことをおすすめします。また、各部屋のエアコンや給湯器の設置年数も確認し、近い将来の交換費用を見積もっておきましょう。

共用部分の管理状態も重要な判断材料です。エントランスや廊下、階段が清潔に保たれているか、照明は正常に機能しているか、郵便受けは整理されているかなど、細かい点まで観察してください。これらの状態から、現在の管理レベルや入居者の質を推測できます。管理が行き届いている物件は、入居者の満足度も高く、長期入居につながりやすい傾向があります。

入居者ターゲットと間取りの関係

一棟アパートの選び方では、どんな入居者をターゲットにするかを明確にし、それに合った間取りの物件を選ぶことが重要です。ターゲット設定を誤ると、空室リスクが高まります。

単身者向けアパートを選ぶ場合、1Kまたは1DKの間取りが基本となります。専有面積は20〜25平方メートルが標準的です。単身者は駅近を重視する傾向が強いため、駅徒歩10分以内の立地が理想的です。また、大学や専門学校、大企業の事業所が近くにあるエリアでは、安定した需要が見込めます。

ファミリー向けアパートなら、2DKから3LDKの間取りが適しています。専有面積は50〜70平方メートル程度が一般的です。ファミリー層は駅距離よりも、周辺環境や学区を重視します。公園や小学校が近く、スーパーなどの買い物施設が充実している地域が好まれます。ファミリー向けは単身者向けより入居期間が長い傾向があり、安定した経営が期待できます。

高齢者向けの物件も今後の需要増加が見込まれます。この場合、バリアフリー設計や1階の部屋があることが重要です。エレベーターがない物件でも、1階部分なら高齢者に対応できます。また、病院や商店街が近い立地が好まれます。

間取りと設備のバランスも考慮しましょう。単身者向けなら、バス・トイレ別や独立洗面台、室内洗濯機置き場などの設備が競争力を高めます。ファミリー向けでは、収納スペースの充実や追い焚き機能付き浴室などが評価されます。周辺の競合物件と比較して、ターゲット層に魅力的な設備が揃っているか確認することが大切です。

融資戦略と資金計画の立て方

一棟アパートの選び方において、融資戦略と資金計画は物件選びと同じくらい重要です。適切な資金計画なしに物件を購入すると、後々の経営が苦しくなります。

自己資金は物件価格の20〜30%を用意することが理想的です。たとえば5000万円の物件なら、1000〜1500万円の自己資金が目安となります。これに加えて、購入時の諸費用(物件価格の7〜10%)と予備資金(100〜200万円)も必要です。自己資金が多いほど融資審査に通りやすく、金利条件も有利になります。

金融機関選びも慎重に行いましょう。都市銀行、地方銀行、信用金庫、日本政策金融公庫など、それぞれ融資条件が異なります。複数の金融機関に相談し、金利、融資期間、融資額を比較検討してください。一般的に、金利は1.5〜3.5%程度、融資期間は木造で15〜25年、鉄骨造で20〜30年が目安です。

返済計画は保守的に立てることが重要です。空室率を10〜15%、金利上昇を1〜2%想定したシミュレーションを行い、それでもキャッシュフローがプラスになる物件を選びましょう。月々の返済額は、満室時の家賃収入の50〜60%以内に抑えることが安全圏です。

また、修繕積立金も計画に組み込んでください。年間家賃収入の5〜10%を修繕費として積み立てておくと、突発的な修繕にも対応できます。築年数が古い物件ほど、多めの積立が必要です。

税金対策も考慮に入れましょう。不動産所得は給与所得と合算して課税されるため、減価償却費や経費を適切に計上することで節税効果が得られます。ただし、税金対策だけを目的に物件を選ぶのは本末転倒です。まずは収益性を重視し、その上で税務面でのメリットを活用する姿勢が大切です。

管理体制と運営方法を決める

一棟アパートの選び方では、購入後の管理体制も視野に入れて物件を選ぶ必要があります。管理方法によって収益性や手間が大きく変わるからです。

管理方法には大きく分けて3つの選択肢があります。1つ目は自主管理で、入居者募集から家賃回収、クレーム対応まですべて自分で行う方法です。管理費がかからない分、収益性は高くなりますが、時間と労力が必要です。本業が忙しい方や遠方の物件には向きません。

2つ目は管理委託で、管理会社に日常的な業務を任せる方法です。管理費は家賃収入の5〜7%程度かかりますが、入居者対応や清掃、設備点検などを任せられるため、オーナーの負担は大幅に軽減されます。初心者の方には、この方法が最も現実的でしょう。

3つ目はサブリース(一括借り上げ)で、管理会社が物件を一括で借り上げ、空室の有無にかかわらず一定の家賃を支払う方式です。空室リスクを回避できる反面、家賃収入の10〜20%が手数料として差し引かれます。また、契約内容によっては家賃の減額交渉が発生することもあるため、契約条件を慎重に確認する必要があります。

管理会社を選ぶ際は、実績と評判を重視しましょう。地域に密着した会社は、入居者募集に強みを持つことが多いです。複数の管理会社に相談し、管理内容、費用、入居率の実績などを比較してください。また、定期的な報告体制や緊急時の対応方法も確認しておくことが大切です。

物件選びの段階で、その地域に信頼できる管理会社があるかどうかも調べておきましょう。管理会社が見つからない地域の物件は、購入後の運営に苦労する可能性があります。

まとめ

一棟アパートの選び方は、立地、収益性、建物状態、ターゲット設定、資金計画、管理体制という6つの要素を総合的に判断することが重要です。特に立地は後から変えられない要素なので、駅からの距離、周辺環境、将来性を慎重に見極めましょう。

収益性の判断では、表面利回りだけでなく実質利回りやキャッシュフローを計算し、空室率も現実的に見積もることが大切です。建物の状態確認では、外壁や屋根、設備の状態をチェックし、今後の修繕費用も見込んでおく必要があります。

資金計画は保守的に立て、自己資金を十分に用意した上で、複数の金融機関を比較検討してください。管理体制も物件選びの段階から考慮し、信頼できる管理会社がある地域の物件を選ぶことをおすすめします。

一棟アパート投資は、適切な物件を選び、計画的に運営すれば、長期的に安定した収益を生み出す優れた投資手段です。この記事で紹介したポイントを参考に、あなたに合った物件を見つけてください。焦らず、じっくりと時間をかけて物件を選ぶことが、成功への近道となります。

参考文献・出典

  • 国土交通省 – 住宅統計調査 – https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2.html
  • 国土交通省 – 不動産市場動向マンスリーレポート – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
  • 総務省統計局 – 人口推計 – https://www.stat.go.jp/data/jinsui/index.html
  • 金融庁 – 不動産投資に関する注意喚起 – https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/fudousan.html
  • 公益財団法人 不動産流通推進センター – 不動産統計集 – https://www.retpc.jp/research/
  • 日本銀行 – 金融経済統計 – https://www.boj.or.jp/statistics/index.htm/
  • 国税庁 – 不動産所得の課税について – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm

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