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新築一棟買いで始める不動産投資|成功のポイントと注意点

不動産投資を検討している方の中には、「新築の一棟マンションやアパートを購入したいけれど、本当に利益が出るのだろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。新築一棟買いは大きな投資額が必要になる一方で、長期的な資産形成や安定収入を実現できる可能性を秘めています。この記事では、新築一棟買いのメリットとデメリット、成功するための物件選びのポイント、資金計画の立て方まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。実際のデータや具体例を交えながら、あなたの投資判断に役立つ情報をお届けします。

新築一棟買いとは何か

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新築一棟買いとは、建築されたばかりのマンションやアパートを一棟まるごと購入する不動産投資の手法です。区分マンション投資が一室単位での購入であるのに対し、一棟買いでは建物全体とその敷地を所有することになります。

この投資手法の最大の特徴は、建物全体の収益がすべて投資家のものになる点です。10室のアパートであれば10室分、20室のマンションであれば20室分の家賃収入を得られる可能性があります。国土交通省の調査によると、2025年度の新築賃貸住宅着工戸数は約35万戸となっており、投資用物件の供給も活発に行われています。

新築物件を選ぶ理由として、まず修繕費用が当面かからないという点が挙げられます。建築後10年程度は大規模修繕の必要がなく、設備の故障リスクも低いため、安定した収支を見込めます。また、最新の建築基準に適合しているため、耐震性や省エネ性能が高く、入居者にとって魅力的な物件となります。

一方で、新築プレミアムと呼ばれる価格の上乗せがあることも理解しておく必要があります。同じ立地の中古物件と比較すると、新築は2〜3割程度高い価格設定になることが一般的です。つまり、初期投資額は大きくなりますが、その分長期的な安定性と資産価値の維持が期待できるという特性があります。

新築一棟買いのメリット

新築一棟買いのメリットのイメージ

新築一棟買いには、他の不動産投資手法にはない独自のメリットがあります。まず注目すべきは、融資条件の有利さです。金融機関は新築物件に対して積極的な融資姿勢を示すことが多く、中古物件と比較して低金利での借入が可能になります。

具体的には、新築の場合は物件価格の80〜90%程度の融資を受けられることが一般的です。日本政策金融公庫のデータでは、2026年1月時点の不動産投資向け融資金利は1.5〜2.5%程度となっており、新築物件はこの範囲の下限に近い条件で借入できる可能性が高くなります。これは金融機関が新築物件の担保価値を高く評価するためです。

入居者募集の面でも新築は大きなアドバンテージがあります。「新築」という言葉には強い訴求力があり、内見希望者が集まりやすい傾向にあります。実際、不動産情報サイトでの検索条件として「新築」を選択する利用者は全体の約40%に上るというデータもあります。さらに、最新の設備や間取りは現代のライフスタイルに合致しており、特に若い世代からの人気が高くなります。

税制面でのメリットも見逃せません。新築物件は減価償却期間が長く設定されるため、毎年の減価償却費を経費として計上できる期間が長くなります。木造アパートの場合は22年、鉄筋コンクリート造のマンションでは47年の償却期間となり、長期にわたって節税効果を得られます。また、建物の取得価格が高い新築では、初年度の減価償却額も大きくなり、所得税や住民税の節税につながります。

管理の効率性も重要なポイントです。一棟所有であれば、管理会社の選定から修繕計画まで、すべてを自分の判断で決定できます。区分所有のように管理組合での合意形成が不要なため、迅速な意思決定が可能です。さらに、全室を同じ管理会社に委託することで、管理コストの削減や一括した対応が実現できます。

新築一棟買いのデメリットとリスク

新築一棟買いには魅力的なメリットがある一方で、慎重に検討すべきデメリットやリスクも存在します。最も大きな課題は、初期投資額の大きさです。都市部の新築一棟マンションでは1億円を超える物件も珍しくなく、地方都市でも数千万円の資金が必要になります。

この高額な投資に対して、実は利回りは必ずしも高くありません。不動産投資サイトのデータによると、新築一棟アパートの表面利回りは平均5〜7%程度となっています。これは中古一棟物件の8〜10%と比較すると低い水準です。新築プレミアムと呼ばれる価格上乗せ分が、利回りを押し下げる要因となっているのです。

空室リスクも一棟買いならではの課題です。区分マンション投資であれば、空室が発生しても1室分の損失で済みますが、一棟買いでは複数の空室が同時に発生する可能性があります。例えば10室のアパートで3室が空室になれば、収入は30%減少します。総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年の全国の賃貸住宅空室率は約19%となっており、立地選びを誤ると深刻な収支悪化につながります。

修繕費用の負担も長期的には大きな問題となります。新築当初は修繕費がかからないものの、10年後には外壁塗装、15年後には給排水設備の更新など、大規模修繕が必要になります。一棟所有の場合、これらの費用をすべて自己負担しなければなりません。国土交通省のガイドラインでは、鉄筋コンクリート造マンションの大規模修繕費用は1戸あたり100万円程度が目安とされており、10戸の物件なら1000万円の出費を覚悟する必要があります。

流動性の低さも重要なリスクです。一棟物件は購入希望者が限られるため、売却したいと思ってもすぐに買い手が見つからないことがあります。特に地方都市の物件や築年数が経過した物件では、売却に1年以上かかるケースも珍しくありません。急な資金需要が発生した場合に、すぐに現金化できないという問題があります。

成功する物件選びの5つのポイント

新築一棟買いで成功するためには、物件選びが最も重要な要素となります。まず第一に重視すべきは立地条件です。駅から徒歩10分以内、できれば5分以内の物件を選ぶことが基本となります。国土交通省の調査では、駅徒歩5分以内の物件と15分以上の物件では、空室率に約10ポイントの差が生じるというデータがあります。

人口動態の分析も欠かせません。総務省の人口推計によると、2026年現在、日本の総人口は減少傾向にありますが、東京都心部や政令指定都市の中心部では依然として人口が増加しています。投資対象エリアの過去10年間の人口推移と、今後10年間の人口予測を必ず確認しましょう。人口が増加または維持されているエリアでは、賃貸需要も安定する傾向があります。

周辺環境の充実度も入居率を左右する重要な要素です。スーパーマーケット、コンビニエンスストア、病院、学校などの生活施設が徒歩圏内にあることが理想的です。特に単身者向け物件では、コンビニまで徒歩3分以内という条件が入居者から強く求められます。また、治安の良さも重要で、警察庁の犯罪統計データを参考に、犯罪発生率の低いエリアを選ぶことが賢明です。

建物の仕様とデザインにも注目しましょう。現代の入居者ニーズに合った設備が整っているかが重要です。具体的には、宅配ボックス、オートロック、インターネット無料、独立洗面台、浴室乾燥機などが標準装備されていることが望ましいです。不動産情報サイトの調査では、これらの設備がある物件は、ない物件と比較して入居決定率が約30%高いという結果が出ています。

最後に、建築会社の信頼性を確認することも忘れてはいけません。大手ハウスメーカーや実績のある地域密着型の建築会社が手がけた物件は、施工品質が高く、長期的な資産価値の維持が期待できます。建築会社の過去の施工実績や、アフターサービスの内容を事前に調査しておくことで、将来的なトラブルを回避できます。

資金計画と融資戦略

新築一棟買いを成功させるためには、綿密な資金計画と適切な融資戦略が不可欠です。まず自己資金として、物件価格の20〜30%を用意することが理想的です。例えば5000万円の物件であれば、1000万円から1500万円の自己資金が必要になります。

この自己資金には、物件価格だけでなく諸費用も含めて考える必要があります。不動産取得税、登記費用、仲介手数料、火災保険料などを合計すると、物件価格の7〜10%程度が必要です。5000万円の物件なら350万円から500万円の諸費用がかかる計算になります。つまり、実際には物件価格の30〜40%程度の現金を準備しておくと安心です。

融資を受ける際は、複数の金融機関を比較検討することが重要です。都市銀行、地方銀行、信用金庫、日本政策金融公庫など、それぞれ融資条件が異なります。2026年2月現在、不動産投資向け融資の金利は1.5〜3.0%程度の範囲で推移していますが、金融機関によって0.5%以上の差が生じることもあります。

金利の違いが総返済額に与える影響は非常に大きいです。例えば4000万円を30年返済で借りる場合、金利2.0%なら総返済額は約5320万円ですが、金利2.5%では約5650万円となり、330万円もの差が生じます。複数の金融機関に事前審査を申し込み、最も有利な条件を引き出すことが賢明です。

返済計画を立てる際は、保守的なシミュレーションを行うことが大切です。満室時の家賃収入だけでなく、空室率20%を想定した収入でも返済が可能かを確認しましょう。また、金利が1〜2%上昇した場合のシミュレーションも行い、その状況でも耐えられる計画を立てることが長期的な成功につながります。

さらに、予備資金として最低でも年間家賃収入の6ヶ月分を確保しておくことをお勧めします。突発的な修繕や長期空室が発生した場合でも、この予備資金があれば慌てずに対応できます。不動産投資は長期戦ですから、余裕を持った資金計画が成功の鍵となります。

収支シミュレーションの作り方

新築一棟買いを検討する際、正確な収支シミュレーションを作成することが投資判断の基礎となります。まず収入面では、想定家賃収入を現実的に見積もることが重要です。周辺の類似物件の家賃相場を調査し、やや控えめな設定にすることが賢明です。

具体的なシミュレーション例を見てみましょう。1LDK(40平方メートル)10戸の新築アパート、物件価格5000万円、想定家賃7万円のケースを考えます。満室時の年間家賃収入は840万円(7万円×10戸×12ヶ月)となります。しかし、空室率を15%と想定すると、実質的な年間収入は714万円程度になります。

支出面では、様々な経費を計上する必要があります。管理委託費は家賃収入の5%程度が一般的で、年間約36万円です。固定資産税と都市計画税は物件価格の1.5%程度として年間75万円、火災保険料は年間10万円程度、修繕積立金は年間50万円程度を見込みます。これらの経費合計は年間約171万円となります。

融資条件を物件価格の80%である4000万円、金利2.0%、返済期間30年とすると、年間返済額は約177万円です。したがって、年間収入714万円から経費171万円と返済額177万円を差し引くと、年間キャッシュフローは約366万円となります。これは自己資金1000万円に対して、年間36.6%のキャッシュオンキャッシュリターンとなり、良好な投資成績といえます。

ただし、このシミュレーションは楽観的なシナリオです。空室率が25%に上昇した場合や、金利が3.0%に上昇した場合など、厳しい条件でもシミュレーションを行いましょう。複数のシナリオを検討することで、リスクを正確に把握し、適切な投資判断ができるようになります。

また、長期的な視点も重要です。10年後、20年後の建物価値の減少や、大規模修繕費用の発生を織り込んだシミュレーションも作成しましょう。国土交通省のガイドラインでは、築15年で外壁塗装、築20年で給排水設備の更新が必要とされており、それぞれ数百万円の費用がかかります。これらを考慮した上で、長期的に利益が出る計画を立てることが成功への道となります。

管理運営のポイント

新築一棟買いで安定した収益を上げるためには、適切な管理運営が欠かせません。まず重要なのは、信頼できる管理会社の選定です。管理会社は入居者募集から日常的なクレーム対応、家賃回収まで幅広い業務を担当するため、パートナー選びが投資成功の鍵を握ります。

管理会社を選ぶ際は、複数社から見積もりを取り、管理委託料だけでなくサービス内容も比較しましょう。一般的な管理委託料は家賃収入の5%程度ですが、3%の会社もあれば7%の会社もあります。ただし、安ければ良いというわけではありません。入居率の実績、対応の迅速性、オーナーへの報告体制などを総合的に評価することが大切です。

入居者募集の戦略も収益に直結します。新築時は「新築」という強みを最大限に活用できますが、その効果は最初の1〜2年程度です。この期間に確実に満室にし、良質な入居者を確保することが重要です。家賃設定は周辺相場より若干高めでも、新築であれば入居者は集まります。ただし、欲張りすぎて空室期間が長引くと、かえって損失が大きくなるため、適正な価格設定が求められます。

入居者の質を見極めることも長期的な安定経営には不可欠です。家賃滞納リスクを避けるため、入居審査は慎重に行いましょう。勤務先、勤続年数、年収などの基本情報に加え、保証会社の利用を必須とすることで、リスクを大幅に軽減できます。国土交通省の調査では、保証会社を利用している物件は、利用していない物件と比較して家賃滞納率が約70%低いというデータがあります。

日常的なメンテナンスも重要です。共用部分の清掃、設備の定期点検、植栽の管理などを怠ると、物件の印象が悪化し、入居率の低下につながります。特に新築時の美観を維持することで、築年数が経過しても高い入居率を保つことができます。月に1回は自分で物件を訪問し、管理状況を確認することをお勧めします。

長期修繕計画の策定も忘れてはいけません。新築時から10年後、15年後、20年後に必要となる修繕項目と費用を見積もり、計画的に資金を積み立てていきましょう。突発的な大規模修繕で資金繰りに困ることがないよう、年間家賃収入の5〜10%程度を修繕積立金として確保することが賢明です。

まとめ

新築一棟買いは、適切な知識と準備があれば、長期的な資産形成と安定収入を実現できる魅力的な投資手法です。初期投資額は大きいものの、融資条件の有利さや入居者募集のしやすさ、税制面でのメリットなど、新築ならではの強みがあります。

成功のポイントは、立地選びと資金計画、そして適切な管理運営にあります。駅近で人口が維持されているエリアを選び、保守的な収支シミュレーションを行い、信頼できる管理会社とパートナーシップを組むことで、リスクを最小限に抑えながら安定した収益を得ることができます。

一方で、空室リスクや将来的な修繕費用、流動性の低さなどのデメリットも理解しておく必要があります。これらのリスクを正確に把握し、十分な予備資金を確保した上で投資判断を行うことが重要です。

不動産投資は長期的な視点が求められる投資です。短期的な利益を追求するのではなく、10年後、20年後を見据えた計画を立てましょう。複数の専門家に相談し、十分な情報収集を行った上で、自分の投資目標とリスク許容度に合った物件を選ぶことが、新築一棟買いで成功するための第一歩となります。

参考文献・出典

  • 国土交通省 住宅着工統計 – https://www.mlit.go.jp/statistics/details/jutaku_list.html
  • 総務省統計局 住宅・土地統計調査 – https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/
  • 総務省統計局 人口推計 – https://www.stat.go.jp/data/jinsui/
  • 日本政策金融公庫 融資制度・金利情報 – https://www.jfc.go.jp/
  • 国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html
  • 警察庁 犯罪統計 – https://www.npa.go.jp/publications/statistics/crime/
  • 不動産流通推進センター 不動産統計集 – https://www.retpc.jp/

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