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民泊がうるさい時の通報先|警察・保健所への対処法

民泊の近くに住んでいて、深夜まで続く騒音に困っていませんか。あるいは、民泊を運営していて、ゲストへの苦情対応に頭を悩ませていませんか。実は、騒音は民泊トラブルで最も多い苦情内容です。観光庁の住宅宿泊事業の実態調査によると、近隣などから苦情を受けたことがある物件は全体の14.4%で、そのうち苦情内容として最も多かったのが「騒音」の10.7%でした。特にマンションでは苦情経験が20.2%と、一戸建ての9.4%を大きく上回っています。この記事では、住民が正しい通報先を選ぶ方法から、運営者が取るべき初動対応や予防策まで、公式ガイドラインに沿って詳しく解説します。

民泊の騒音で困ったときの通報先の考え方

民泊の騒音に困ったとき、まず知っておくべきなのは「合法民泊か違法民泊かで通報先が変わる」という点です。この見極めができれば、無駄足を踏まずに適切な窓口へ連絡できます。ポイントは、その施設が住宅宿泊事業法に基づく届出をしているかどうかです。

届出をした合法的な民泊には、玄関に届出番号が記載された標識を掲示する義務があります。観光庁のポータルサイトによると、標識が掲示されているかで届出物件かどうかを確認できます。この標識や近隣住民に配布される周知文書には、事業者や管理業者の緊急連絡先が記載されている運用例があります。まずは施設の玄関を確認し、標識と連絡先の有無をチェックすることが、住民側の実務的な第一歩になります。

国土交通省が令和8年3月に公表したマンション向けのトラブル対応ガイドブックでも、合法民泊のトラブル時の基本フローとして、最初に「民泊事業者(または管理業者)へ通報」を置いています。そのうえで、緊急性が高い場合や犯罪の疑いがある場合は「警察へ通報」という流れを示しています。つまり、通常の騒音であればまず事業者へ、身の危険を感じる緊急事態であれば警察へ、という使い分けが基本となります。

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合法民泊の騒音|まず事業者の緊急連絡先へ

届出済みの民泊で騒音が発生している場合、最初に連絡すべきは事業者または住宅宿泊管理業者の緊急連絡先です。届出民泊の事業者には、近隣住民からの苦情や問い合わせに「適切かつ迅速」に対応する義務が課されています。しかも観光庁のガイドラインでは、深夜早朝を問わず、電話などで常時応答できる体制が求められています。したがって、夜間であっても遠慮せず連絡して構いません。

台東区の案内でも、民泊の届出住宅には苦情・問い合わせに迅速対応するための緊急連絡先があり、まずはそこへ連絡するよう説明しています。緊急連絡先は、施設に掲示された標識や近隣住民に配布された周知文書に記載されているのが一般的です。連絡先が見当たらない場合は、後述する自治体の窓口や観光庁のコールセンターを利用する方法があります。

事業者に連絡すると、ガイドライン上は宿泊者への注意対応が想定されています。それでも改善されない場合、事業者は現場に急行して退室を求めることまで公式ガイドラインで想定されています。逆にいえば、苦情が多発しているのに事業者が何の対応も講じない場合は、業務改善命令などの行政指導の対象になり得ます。事業者に連絡した記録を残しておくことは、後の行政相談の際にも役立ちます。

緊急時は110番、緊急でない相談は#9110

騒音が深刻で緊急対応が必要な場合や、犯罪の発生が疑われる場合は、警察への通報をためらう必要はありません。台東区などの自治体も、夜間・早朝の騒音や犯罪発生のおそれがあるなど緊急対応が必要な場合は、警察への110番通報を案内しています。身の危険を感じるような状況では、事業者への連絡よりも先に警察へ通報すべきです。

一方で、緊急ではない相談の場合は、110番ではなく別の窓口が適切です。警察庁の公式案内によると、事件や事故に関する緊急通報は110番、生活の安全に関わる悩みごとや困りごとなど緊急でない相談は、最寄りの警察署または「#9110」を利用するよう案内されています。つまり、今まさに困っている緊急事態なら110番、継続的な相談として扱いたい場合は#9110、という書き分けを覚えておくと安心です。

違法民泊が疑われるときは保健所へ相談

玄関に標識がなく、無届や無許可の営業が疑われる場合は、保健所への相談が有効です。観光庁は、法的な手続きを経ずに宿泊サービスを提供している事象を見つけた場合、お近くの保健所まで連絡するよう案内しています。合法民泊は事業者や管理業者、違法民泊は保健所という分岐を理解しておくと、対応がスムーズになります。

保健所や行政に相談する際は、事前の情報収集が対応の鍵を握ります。国土交通省のガイドブックでは、違法民泊が疑われる場合の情報として、物件の正確な所在地や部屋番号、出入りの記録、騒音やゴミ分別の問題といった実績、そして民泊サイトへの掲載状況などを集めておくよう推奨しています。日時を記録した動画や写真、掲載ページのURL、連絡した履歴などを整理しておけば、行政や管理組合、警察に状況を正確に伝えられます。

無許可営業には法的な罰則もあります。同ガイドブックによると、無許可営業は旅館業法第10条により6月以下の懲役または100万円以下の罰金、標識の不掲示は住宅宿泊事業法により30万円以下の罰金と整理されています。違法な営業を放置しないためにも、証拠を添えて適切な窓口へ相談することが重要です。

使える公式窓口とコールセンター

どこに連絡すればよいか分からないときのために、全国共通の窓口を知っておくと便利です。観光庁の民泊制度コールセンターは0570-041-389で、受付時間は平日9時から17時までとなっています。ここに寄せられた苦情は、届出施設であれば事業者や管理業者へ対応が依頼され、事業者が不明な場合などは自治体へ引き継がれる運用が取られています。

自治体ごとの専用窓口も整備が進んでいます。大阪市の違法民泊通報窓口は、電話06-6647-0835が平日9時から17時30分まで対応し、ファックスとメールは24時間受け付けています。京都市の民泊通報・相談窓口は075-223-0700で平日10時から17時まで、入力フォームや電子メールは24時間受け付けています。東京都の民泊コールセンターは03-4405-4025で、電話受付が11時から19時まで土日祝を含む毎日運営され、24時間対応のAIチャットボットも用意されています。お住まいの地域の窓口を事前に控えておくと安心です。

Airbnbなど仲介プラットフォーム経由の物件であれば、プラットフォーム側の窓口も活用できます。Airbnbには近隣住民がパーティーや騒音の苦情を直接報告できる専用窓口があり、24時間365日対応のサポート体制が案内されています。違反が確認された場合は、リスティングの削除やアカウントの停止といった措置が取られることもあります。

運営者が取るべき初動対応

ここからは民泊を運営する立場での対応を見ていきます。近隣から苦情を受けたら、迅速な対応が信頼を守る鍵です。まず宿泊者に連絡を取り、状況を確認したうえで音量を下げるよう丁寧に依頼しましょう。届出民泊の事業者には、深夜早朝を問わず常時応答できる体制が求められているため、夜間でも対応できる仕組みを整えておく必要があります。

電話やメッセージでの注意が効かない場合、公式ガイドラインでは注意しても改善がなされないときに現場へ急行し、退室を求めることまで想定されています。さらに、緊急対応を要する場合には、必要に応じて警察署や消防署、医療機関などの然るべき機関に連絡したうえで、事業者自らも現場に急行して対応することが求められています。ここまでの対応を一人で担うのが難しい場合、体制の見直しが必要です。

この24時間体制を誰が担うのかという点は、法制度とも深く関わります。届出住宅の居室数が5を超える場合、または宿泊中に家主が不在となる場合は、原則として住宅宿泊管理業者への委託が必要です。なお「一時的な不在」の目安は、国のガイドライン上は原則1時間、地域事情によっては2時間程度までとされています。家主不在型で運営するなら、深夜のトラブルに即応できる管理業者の存在が欠かせません。

宿泊者への注意と並行して、被害を受けた近隣住民への対応も忘れてはいけません。できるだけ早く謝罪に伺い、誠意を示すことで関係の悪化を防げます。苦情が多発しているのに何ら対応を講じない場合は、業務改善命令などの対象になり得るため、記録を残しながら一件ずつ丁寧に対応することが大切です。

トラブルを未然に防ぐ予防策

最も効果的なのは、トラブルを起こさない仕組みづくりです。届出民泊の事業者には、宿泊者に対して騒音・ごみ・火災防止に関する事項を説明する義務があります。公式ガイドラインが挙げる騒音防止説明の具体例は、大声での会話を控えること、深夜に窓を閉めること、バルコニーなど屋外での宴会を開かないこと、届出住宅内で楽器を使用しないことなどです。これらを多言語で分かりやすく伝えることが、予防の第一歩になります。

近隣住民への事前説明も有効です。観光庁のFAQによると、近隣住民への説明や許可取得は全国一律の法定必須事項ではありませんが、トラブルを避けるためにガイドラインで事前説明が推奨されています。説明内容の例としては、実施者の氏名、住宅の所在地、事業の内容、苦情などの問い合わせ窓口の連絡先、廃棄物の処理方法などが挙げられています。ただし自治体によって独自ルールがある場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

仲介プラットフォームの機能を活用するのも賢い方法です。Airbnbでは、ホストがイベントの可否や騒音禁止の時間帯、最大宿泊人数などを標準的なハウスルールとして設定できます。また、迷惑となる集まりの開催リスクが高いと判断された予約は、予約スクリーニング機能でブロックまたは制限される仕組みがあります。こうした機能を組み合わせることで、パーティー目的の予約を入り口で減らせます。

物理的な防音対策も基本として押さえておきたいところです。床にカーペットやコルクマットを敷くことで足音を軽減でき、特に階下への騒音が問題になりやすい集合住宅では効果的です。室内用スリッパを用意することも、足音の軽減と静かに過ごす意識づけの両面で役立ちます。設備とルール、両面から備えることで、騒音リスクを大きく下げられます。

まとめ|正しい通報先と誠実な対応が鍵

民泊の騒音に困ったときは、まず玄関の標識を確認し、届出済みの合法民泊であれば事業者や管理業者の緊急連絡先へ連絡するのが基本です。緊急対応が必要な場合や犯罪の疑いがある場合は110番、緊急でない相談は#9110や最寄りの警察署を利用しましょう。無届や無許可が疑われる違法民泊は、証拠を集めたうえで保健所へ相談するのが適切です。

運営する立場では、深夜早朝を問わない苦情対応体制の整備が欠かせません。家主不在型や5室超の場合は管理業者への委託が原則必要で、注意しても改善しないときは現場に急行し退室を求めることまで想定されています。宿泊者への騒音防止説明を徹底し、近隣への事前説明やプラットフォームの機能を活用することで、多くのトラブルは未然に防げます。制度の詳細や最新の窓口情報は、各公的機関の公式サイトで必ずご確認ください。

参考文献・出典

  • 住宅宿泊事業法 – e-Gov法令検索 – https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065
  • 民泊が行われている周辺にお住まいの方へ – 民泊制度ポータルサイト – https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/trouble.html
  • 事業者の業務 – 民泊制度ポータルサイト – https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/host/responsibility01.html
  • 管理業務の委託について – 民泊制度ポータルサイト – https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/host/entrust.html
  • 民泊制度コールセンターのご案内 – 民泊制度ポータルサイト – https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/callcenter.html
  • 管理組合・区分所有者向け 分譲マンションにおける民泊トラブル対応に関するガイドブック – 国土交通省 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001990239.pdf
  • ご意見、各種相談・情報提供等 – 警察庁 – https://www.npa.go.jp/goiken_index.html
  • 住宅宿泊事業の実態調査 – 国土交通省 – https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/content/001479286.pdf
  • 違法民泊に関する相談(違法民泊通報窓口) – 大阪市 – https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000644395.html
  • 「民泊」に関する問合せ先 – 京都市民泊ポータルサイト – https://minpakuportal.city.kyoto.lg.jp/contact/contact1
  • 住宅宿泊事業(民泊)に関する苦情・問合せ窓口 – 台東区 – https://www.city.taito.lg.jp/kenchiku/jutaku/eisei/jutakulaw/minpakutoiawase.html
電宅男
監修 電宅男 宅地建物取引士 / MBA|株式会社青山地所 営業部

一橋大学大学院MBA修了。大手デベロッパー法人部門、買取再販会社を経て現職。区分リノベ再販・都心事業用物件の買取再販を手がけ、業界7年の知見で記事を監修。

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