不動産の税金

マンション投資 なぜ 中古が今選ばれるのか

不動産投資に興味はあるものの、「新築は高そうだし、そもそも中古でも大丈夫なのだろうか」と迷う人は多いはずです。価格高騰が続く2025年において、限られた自己資金で安定収益を狙うなら中古マンションへの投資が有力な選択肢になります。本記事では、「マンション投資 なぜ 中古」が注目される理由と背景を解説し、資金計画からリスク対策、制度活用まで体系的に紹介します。読み終えるころには、ご自身の条件に合わせた投資判断のヒントが得られるでしょう。

中古マンション投資が脚光を浴びる背景

中古マンション投資が脚光を浴びる背景のイメージ

重要なのは、中古物件が持つ価格と収益のバランスです。国土交通省の価格指数によると、2025年上半期の首都圏中古マンション価格は新築の約6割にとどまります。それでも平均家賃は新築の9割前後を維持しており、購入価格に対する賃料収入の比率、いわゆる利回りが高くなる傾向があります。つまり、同じ自己資金でも中古の方が手取りキャッシュフローを厚くしやすいのです。

また、人口動態の面でも都心回帰は続いており、厚生労働省の推計では東京23区の単身世帯数は2035年まで微増が見込まれます。築20年前後のワンルームでも、駅徒歩10分圏内であれば賃貸需要が底堅い状況です。さらに、2025年4月に改正された住宅省エネ性能表示制度では、中古でも一定の断熱性能を示せれば入居者にアピールできるようになりました。環境意識の高まりが追い風となり、築古ゆえの競争力低下を補う仕組みが整いつつあります。

新築と比較して浮かび上がるコスト優位性

新築と比較して浮かび上がるコスト優位性のイメージ

まず押さえておきたいのは、初期費用の差が月々の返済額に直結する点です。新築ワンルームを23区内で購入すると、平均価格は7,580万円(不動産経済研究所、2025年8月)ですが、中古なら築15年・同規模でも4,500万円前後で取得可能な例が多く見られます。仮に頭金1,000万円、金利1.8%、返済期間35年で融資を組むと、新築は月々約17万円、中古は約10万円の返済です。同じ家賃設定なら、中古の方が毎月の余剰資金を確保しやすい計算になります。

さらに、固定資産税評価額は築年数の経過とともに下がるため、中古物件の保有コストは新築より軽くなります。修繕積立金の増額を心配する声もありますが、長期修繕計画が公開されている管理組合であれば年単位の負担予測が立てやすく、不透明感を抑えられます。実は、築20年を超えた段階で大規模修繕が一巡し、以後は積立金が安定化するケースも少なくありません。

キャッシュフローが改善しやすい理由

ポイントは、表面利回りと実質利回りのギャップを縮められる点にあります。中古マンションは取得価格が抑えられるだけでなく、家賃下落が緩やかになる傾向があります。国土交通省の賃貸住宅市場データでは、築10年以降の家賃下落率は年0.6%程度に鈍化し、築25年まではほぼ横ばいが続きます。一方、購入後の減価償却費を経費計上できるため、課税所得を圧縮できる効果も見逃せません。

また、入居者ターゲットを絞りやすいのも中古の強みです。単身社会人向けであれば、最寄り駅までの徒歩分数、セキュリティ設備、宅配ボックスの有無が重視されます。築年数が古くともこれらの条件を満たす物件では、成約までの日数が短いという調査結果があります。ゆえに、空室損を想定利回りの範囲内に抑えやすく、手取りベースのキャッシュフローが安定します。

考慮すべきリスクと具体的な対策

一方で、中古特有のリスクを見逃すと収支計画は崩れます。まず建物の耐震性です。1981年の新耐震基準以降に建築確認を受けた物件を選ぶことが基本となります。また、給排水管の点検履歴や外壁の劣化度合いは専門家による確認が欠かせません。重要なのは、調査費用を購入前のコストとして計上し、将来の修繕リスクを数値化する姿勢です。

管理体制も成否を分けます。総会議事録や滞納率を確認し、修繕積立金の残高が不足している組合は避ける方が無難です。さらに、長期保有を前提にするなら、賃貸管理会社の実績と入居付け力を事前に比較検討しましょう。信頼できる管理会社を選べば、空室対策だけでなく家賃改定のタイミングもプロ目線で提案してくれます。

2025年度に活用できる制度と今後の市況

実は、2025年度は中古住宅にも使える税制優遇が拡充されています。住宅ローン減税の投資用適用はありませんが、個人から法人へ移行する際に登録免許税の軽減措置(2027年3月まで)が延長されました。さらに、耐震性を証明できる中古住宅を取得した場合、取得後2年間は不動産取得税が課税標準の1/2に軽減されます。これらは期限付きのため、物件選定と並行して適用要件を確認することが大切です。

市場環境を見ても、日銀の長期金利目標が1.0%上限に緩和されたことで、今後の金利上昇リスクは無視できません。しかし、主要都市の新築価格が高止まりする限り、中古市場へ資金が流入し続ける構図は当面変わりにくいと考えられます。金融機関によっては、築30年以内なら元本据え置き期間を設けた投資ローン商品も登場しており、資金繰りの選択肢が広がっています。

まとめ

ここまで、「マンション投資 なぜ 中古」が選ばれる背景、費用面の優位性、キャッシュフローの改善効果、そしてリスク対策や制度活用まで幅広く見てきました。中古マンションは購入価格を抑えつつ高い賃料水準を確保しやすい点で、新築よりも資金効率が高い投資手段と言えます。もちろん、耐震性や管理体制のチェックを怠ると収益計画が崩れるため、事前調査と専門家の活用が鍵になります。最後に、2025年度の税制軽減措置や金利動向を踏まえ、自分に合った資金計画を策定して一歩を踏み出しましょう。

参考文献・出典

  • 国土交通省 不動産価格指数 – https://www.mlit.go.jp
  • 不動産経済研究所 新築マンション市場動向 – https://www.fudousankeizai.co.jp
  • 総務省 住宅・土地統計調査 – https://www.stat.go.jp
  • 厚生労働省 人口動態統計 – https://www.mhlw.go.jp
  • 日本銀行 金融政策決定会合資料 – https://www.boj.or.jp

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