不動産の税金

マンション投資 方法 ワンルームで安定収益

都市部の賃貸需要は堅調なのに、銀行預金の利息はほぼゼロ。このギャップを埋める手段として「ワンルームマンション投資」が気になっている方は多いはずです。とはいえ、購入価格が高止まりするなかで本当に利益が出るのか、空室リスクをどう見極めるのかなど、不安が尽きないのも事実でしょう。本記事では、15年以上の実務経験を持つ筆者が「マンション投資 方法 ワンルーム」というキーワードを軸に、物件選定から融資、運用、出口戦略までを順を追って解説します。読み終えるころには、初めての投資でも数字に裏付けられた判断ができるようになるはずです。

ワンルーム投資が選ばれる背景

ワンルーム投資が選ばれる背景のイメージ

ポイントは、単身世帯の増加と利回りのバランスが取れることです。総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、2024年時点で東京都の単身世帯比率は54.3%に達しました。つまり半数以上が一人暮らしで、ワンルームの需要は構造的に底堅いのです。

まずワンルームは間取りがシンプルなぶんリノベ費用や原状回復費が抑えやすく、ランニングコストが読みやすくなります。また、区分所有なら一棟物件よりも購入額が低く、投資デビューのハードルが下がります。さらに、管理規約によって建物全体のメンテナンスが計画的に行われるため、突発的な大規模修繕の責任を単独で負う必要がありません。

一方で実は、家賃上昇余地が限られる点がデメリットです。新築ワンルームは供給量が多く、築年数が浅い物件同士で家賃競争が起こりがちです。しかし築10年前後で価格が下がり始めた中古を狙えば、家賃が大きく下がらないうえ購入額を圧縮でき、実質利回りを高められます。つまり需要が安定する立地で築浅中古を選ぶことが、初期費用と利回りのバランスを取る鍵になります。

失敗しないエリア選定の視点

失敗しないエリア選定の視点のイメージ

重要なのは、人口動態と交通インフラを組み合わせて見ることです。2025年9月現在、東京23区の新築マンション平均価格は7,580万円(不動産経済研究所)。しかし価格が高い都心5区でも、山手線駅徒歩10分圏内の築15年以内ワンルームは4,000万円台で見つかります。初期費用を抑えつつ空室リスクを下げるなら、このような「築浅×都心周辺」の組み合わせが狙い目です。

一方で郊外エリアには、利回りだけを見ると魅力的な物件もあります。例えばJR中央線沿線の築20年超ワンルームは、表面利回り6〜7%がざらです。しかし国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、東京都下の人口は2035年以降減少に転じます。家賃が下落すると、実質利回りは簡単に目減りします。したがって利回りが高いからといって安易に郊外を選ぶのではなく、将来の需要を裏付けるデータを確認しましょう。

また交通の利便性だけでなく、大学キャンパス再編や大規模再開発などの中長期計画もチェックしてください。例えば品川区の「品川開発プロジェクト」は2028年以降も段階的に進行予定で、周辺需要の押し上げ要因になります。このような公的計画は国交省や各自治体の公式サイトで公開されており、無料で閲覧できます。

購入前に押さえるキャッシュフロー

まず押さえておきたいのは、ネット利回りと返済比率です。表面利回りは「年間家賃÷物件価格」で簡単に求められますが、実際の手残りを示す指標ではありません。管理費や修繕積立金、賃料保証料、固定資産税を差し引いたネット利回りが、毎月のキャッシュフローを左右します。

たとえば、購入価格3,500万円、年間家賃144万円(家賃12万円×12カ月)、管理費・修繕積立金計18万円、その他経費6万円の場合、表面利回りは4.1%、ネット利回りは3.4%に下がります。この物件を金利1.8%、35年元利均等でフルローンすると、年間返済額は約136万円です。ネット収入は122万円なので年間14万円の赤字になります。つまり自己資金を2割以上投入して返済額を圧縮しない限り、キャッシュフローはプラスに転じません。

また空室期間と家賃下落のシナリオを組み入れたシミュレーションが欠かせません。筆者は常に「空室率10%、家賃下落率1%/年」を設定し、これに耐えられるかを確認します。金融機関の審査とは別に、自分の家計が2〜3カ月家賃が入らなくても持ちこたえられるか、余裕資金を準備しておくことが安全策です。

2025年度の融資・税制を活用する

ポイントは、金融機関ごとの融資姿勢を見極め、減価償却を最大限に活用することです。2025年度時点で都市銀行はワンルーム投資向け融資に慎重姿勢を続けていますが、地方銀行や信用金庫には積極的なところもあり、金利差が0.5%以上開くケースも珍しくありません。まず複数行に事前相談し、金利だけでなく融資期間と自己資金割合の条件を比較しましょう。

さらに政策金融公庫ではアパートローンの最長融資期間が20年と短いものの、金利は民間より0.4〜0.6%低い水準で推移しています。自己資金3割以上を用意できるなら、公庫を組み合わせることで月々の返済負担を抑えられます。

税制面では、2025年度も減価償却費とローン利息を不動産所得で損益通算できます。築古物件ほど建物部分の割合を高めに設定できるため、毎年の課税所得を圧縮しやすくなります。ただし国税庁は過度な按分に対して確認を強化しているので、税理士と相談のうえ合理的な区分を行うことが重要です。

加えて、登録免許税の軽減措置(建物の所有権移転0.3%→0.2%)は2025年3月31日までの登記が対象です。期日を過ぎるとコストが増えるため、現在購入を検討している人はスケジュール管理を徹底しましょう。

管理と出口戦略で利益を確定させる

実は、長期で利益を確定させるには購入後の運営が9割と言っても過言ではありません。管理会社との委託契約は「集金代行型」と「サブリース型」が主流ですが、サブリースは一見家賃保証が魅力でも、契約更新時に家賃減額交渉を受けやすい点に注意が必要です。筆者は空室リスクを自己管理できる投資家には集金代行型を推奨しています。家賃を自分で設定でき、修繕の判断もスピーディーに行えるからです。

さらに築15年以降は、売却益を視野に入れた戦略が不可欠です。国土交通省「不動産取引価格情報」によると、東京23区の築20年ワンルームは築15年比で平均9%下落にとどまっています。一方築25年を超えると流通量が一気に増え、価格が10〜15%下落しやすくなる傾向があります。この5年間のギャップを利用し、築20年前後で売却を検討することでキャピタルロスを抑えられます。

なお売却時の譲渡所得税は所有5年超で長期譲渡となり税率20.315%に軽減されます。取得費加算の特例や仲介手数料も経費計上できるため、売却前には税理士に試算を依頼しておくと後悔がありません。

まとめ

ワンルームマンション投資は、単身世帯の増加という追い風を受けつつも、物件価格の高騰や融資審査の厳格化など課題が伴います。本記事で解説したように、まず人口動態と交通インフラを基にエリアを絞り、ネット利回りと返済比率を詳細にシミュレーションすることが成功の第一歩です。さらに2025年度の融資・税制を上手に活用し、管理と出口戦略まで視野に入れれば、安定したキャッシュフローと長期の資産形成が望めます。行動に移す際は必ず複数のデータと専門家の意見を照合し、数字で裏付けた判断を積み重ねてください。今日の記事が、あなたの「マンション投資 方法 ワンルーム」の最初の一歩となれば幸いです。

参考文献・出典

  • 不動産経済研究所 – https://www.fudousankeizai.co.jp/
  • 総務省 住民基本台帳人口移動報告 – https://www.soumu.go.jp/
  • 国立社会保障・人口問題研究所 将来推計人口 – https://www.ipss.go.jp/
  • 国土交通省 不動産取引価格情報 – https://www.land.mlit.go.jp/
  • 日本政策金融公庫 融資制度一覧 – https://www.jfc.go.jp/

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