立川で中古マンションや中古戸建を探し始めたものの、価格の妥当性や将来の資産価値に不安を抱えている方は少なくありません。都心ほど高額ではない一方、賃貸需要が読めず一歩を踏み出せないという声もよく聞きます。本記事では、立川エリアの市場動向を踏まえつつ、中古物件を活用して安定収益を得る方法を基礎から解説します。読むことで、物件選びから資金計画、出口戦略までの流れを具体的にイメージできるようになり、迷いなく次のアクションへ進めるはずです。
立川エリアの魅力と市場動向

まず押さえておきたいのは、立川が多摩地域の交通と商業の要である点です。JR中央線・南武線・青梅線の三路線が交差し、新宿まで最短25分というアクセスは通勤層を強力に引きつけます。国土交通省の住生活基本調査では、立川市の人口は2025年も微増が続く見込みで、空室リスクを抑えやすいといえます。
さらに、再開発が進む北口エリアには大型商業施設とオフィスビルが集積し、昼夜を問わず人の流れが生まれています。実は、この商業力が賃料の底堅さに直結しており、周辺市より家賃が高くても成約が決まりやすい傾向が続いています。一方で南口側は落ち着いた住宅街が広がり、ファミリー層の長期入居が期待できます。つまり、立川は単身者とファミリー両方に対応できる多様な需要を持つ点が大きな強みです。
また、立川市の成約事例データ(東日本不動産流通機構2025年8月公表)によると、中古マンションの平均坪単価は前年比3%上昇にとどまっています。都心部の二桁上昇と比べれば穏やかなため、過度な価格高騰を心配せずに参入できるタイミングと言えます。
中古物件ならではのメリットと注意点

ポイントは、築20年前後の中古物件が投資効率を高めやすいことです。新築プレミアムが薄れ価格が落ち着く一方、まだ大規模修繕前で管理状態を確認しやすいからです。購入価格を抑えられれば利回りが自動的に改善し、融資期間を短めに設定してもキャッシュフローが確保しやすくなります。
しかし、見落とされがちなのが管理組合の財務健全性です。長期修繕計画の積立金不足が判明すると、後に臨時徴収が発生し利回りを圧迫します。重要なのは、総会議事録や決算書を必ず確認し、修繕積立金が計画比80%以上積み立てられているかを見極めることです。また、耐震基準適合証明を取得できる物件なら、後述する住宅ローン控除の適用幅が広がります。
戸建を検討する場合は、土地の資産価値が家賃設定に与える影響を意識しましょう。立川市の用途地域は細かく分かれており、準工業地域に立つ戸建は騒音リスクで賃料が伸びにくい一方、第一種低層住居専用地域は競合が少なく長期入居が期待できます。つまり、同じ築年数でもエリア区分と環境が利回りを大きく左右するのです。
資金計画と2025年度の優遇制度
実は、資金計画を組む段階で税制優遇を見据えると手元資金を効率的に活用できます。2025年度も住宅ローン控除の適用は続いており、耐震基準を満たす中古住宅なら控除期間が10年、年末ローン残高の1.0%が所得税から差し引かれます。課税所得500万円のサラリーマンが3000万円を借り入れるケースでは、控除額は年間30万円前後となりキャッシュフローにゆとりが生まれます。
また、不動産取得税の軽減措置も2026年3月まで継続予定です。中古 立川の物件価格が2000万円、土地評価額が1000万円の場合、軽減後の取得税は約25万円に抑えられます。現金購入であってもこの減税効果は大きく、諸費用総額を計算する際に必ず組み込むべきです。
さらに、東京都の「既存住宅流通促進事業」は2025年度も継続し、登録事業者経由で築20年以上の物件を購入する際、最大50万円のリフォーム費補助を受けられます。条件に合う物件であれば、内装費を実質的に圧縮できるため、表面利回りを1%以上底上げすることも可能です。
利回りを高める運営術
まず重視したいのは、入居者像を具体的に描いたリフォーム設計です。立川駅周辺の単身者平均年齢は30歳前後で、収納力よりワークスペースを求める声が増えています。そのため、1Kでも壁面収納を撤去し、可動式デスクを設置すると賃料アップが狙えます。改装費用は20万円程度でも、月額3000円の賃料上乗せが実現すれば回収期間は約5年と試算できます。
一方、ファミリー向け物件は保育園や小学校の距離が決定打になります。立川市教育委員会のデータでは、南口エリアの待機児童数が2024年度比で25%減少しており、子育て環境が改善しています。ここに、玄関収納や宅配ボックスを追加すると、競合物件との差別化が可能です。入居期間が伸びやすいため、改装費を長期で回収できる点が魅力です。
さらに、管理会社との連携強化も欠かせません。空室発生からオンライン募集掲載までのリードタイムを平均2日短縮するだけで、年間損失を数万円削減できます。重要なのは、募集条件の権限を一部委譲し、即時の家賃設定変更を許可する仕組みを契約で明確化することです。小さな改善ですが、複数室を保有するほどインパクトが大きくなります。
売却出口を見据えた戦略
基本的に、不動産投資はインカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)のバランスが収益を左右します。立川の場合、2027年完成予定の多摩モノレール延伸計画が控えており、駅近物件は将来の需要増が期待できます。保有期間を延伸開業直後まで設定し、価格上昇を見計らって売却するシナリオは十分合理的です。
ただし、築年数が進むにつれ住宅ローン控除など買主メリットが薄れるため、出口のタイミングを読み違えると成約が長期化します。ポイントは、築35年を超える前に販売活動を開始し、瑕疵保険付きリフォームを実施して付加価値を付けることです。国土交通大臣指定法人の保険を付ければ、買主は登録免許税の軽減が受けられ、価格交渉を抑えやすくなります。
また、立川市は2025年度から空き家バンクを拡充し、登録物件の情報提供を全国に広げています。市場外流通を活用することで、従来より広い層へアプローチでき、早期売却につながるケースもあります。つまり、出口戦略を最初に描き、行政サービスまで視野に入れた柔軟な販路選択が高値売却の鍵となります。
まとめ
結論として、立川で中古物件を活用する投資は、安定した賃貸需要と将来の再開発メリットを同時に享受できる魅力的な手法です。立地の特性を理解し、管理組合の健全性を見極め、2025年度の税制・補助金を適切に組み込むことで、初年度からプラスのキャッシュフローを実現しやすくなります。最後に、出口戦略を早期に設計し、売却益まで計画に織り込めば、不動産投資のリスクは大幅に軽減できます。この記事を参考に、まずは立川駅周辺の中古物件を現地で体感し、自分の投資方針と照らし合わせて次の一歩を踏み出してください。
参考文献・出典
- 国土交通省 住生活総合調査 – https://www.mlit.go.jp
- 東日本不動産流通機構 成約価格報告書 – https://www.reins.or.jp
- 立川市 まちづくり計画 – https://www.city.tachikawa.lg.jp
- 東京都 都市整備局 住宅政策 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp
- 立川市教育委員会 待機児童統計 – https://www.city.tachikawa.lg.jp/kyouiku
- 国土交通省 既存住宅売買瑕疵保険制度 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku