不動産価格が上がり続ける一方で、「今さら買っても遅いのでは」と悩む声をよく聞きます。特にマンション投資を考えている初心者にとって、5000万円という金額は大きな決断です。しかし中古物件を選べば、新築よりも手頃に始められ、利回りを高める余地も残されています。本記事では「マンション投資 中古 5000万円 全て」という疑問に答える形で、物件選びから運営、最新制度までを網羅します。読み終えたとき、行動の指針が具体的に描けるはずです。
中古マンション5000万円の投資魅力

重要なのは、5000万円という価格帯が中古市場では「選択肢の幅」と「収益性」のバランス点になっていることです。新築の東京23区平均価格は2025年時点で7580万円ですが、中古なら同等の立地でも割安で購入できます。つまり取得コストを抑えつつ、家賃水準は立地の力で維持しやすいわけです。
さらに中古物件は既に入居実績があるため、実質的な空室リスクを数字で確認できます。家賃下落の傾向も把握しやすく、シミュレーションの精度が高まります。また大規模修繕の履歴が開示されるため、将来の修繕費を想定しやすい点もメリットです。
一方で築年数が進むほどランニングコストは上がります。管理費や修繕積立金が月々いくらか、直近の積立不足はないかを必ず確認しましょう。利回りだけに目を奪われると、後から思わぬ支出に悩むことになります。投資効率を見る際は、表面利回りではなく実質利回りで比較する習慣を付けることが肝心です。
物件選びでまず押さえておきたい視点

まず押さえておきたいのは「出口戦略」を逆算した立地評価です。人口が増え続けるエリアか、駅からの徒歩距離が許容範囲か、将来売却する際に需要が続くかを冷静に見極めます。総務省の首都圏人口推計では、2025年以降も東京23区は微増が続く見込みですが、駅徒歩15分を超える物件は空室率が高まる傾向があります。
次に間取りです。ワンルーム投資は手軽に見えますが、単身人口の伸びが鈍化している区もあります。20平米前後のワンルームと30平米台の1DKの家賃差は大きくないため、賃料単価より総収入を意識しましょう。管理組合の運営状況も重要で、議事録を読み、修繕積立金の値上げ計画の有無を確認することで、長期的なコスト予測が立ちます。
建物自体の構造も見逃せません。耐震基準改正(1981年)以降のSRC造やRC造は資産価値が落ちにくいと言われますが、1980年代後半のマンションには設備更新が一巡していない例もあります。売主が個人か法人かによって、契約不適合責任の範囲が変わる点にも注意が必要です。こうした複合的な視点で比較し、相場より安い理由が説明できる物件こそ狙い目です。
資金計画と融資のポイント
ポイントは「自己資金」「金利」「返済期間」の三つを組み合わせ、キャッシュフローを安定させることです。自己資金を物件価格の20%、つまり1000万円前後用意すると、金融機関の評価が高まり金利を抑えやすくなります。日本政策金融公庫の統計では、自己資金割合が10%上がるごとに平均金利が0.2%下がる傾向が報告されています。
返済期間は長く取るほど月々の負担は軽くなりますが、利息総額は増えます。35年ローンで0.8%金利の場合、5000万円の借入では総返済額が約5380万円、20年なら約5220万円です。月々のキャッシュフローと総支払額を両方シミュレーションし、ストレス耐性を確認しましょう。変動金利の低さは魅力ですが、金利上昇リスクを想定して2%上乗せした試算を作ると安心です。
諸費用も忘れがちです。仲介手数料や登録免許税、不動産取得税などで物件価格の6〜8%かかります。さらに登記後3〜6か月で請求される固定資産税・都市計画税の精算も見込むと、最初の年はキャッシュアウトが大きくなります。ここを見落とすと、思ったより手元資金が減り、追加の借り入れが必要になるので注意が必要です。
購入後に利益を伸ばす運営戦略
実は運営フェーズで収益を底上げできるかどうかが、長期の利回りを左右します。賃料設定は周辺家賃の平均より1割下げるのではなく、設備やリフォーム内容で付加価値を付け、平均を保つ方が総収入は上がります。国土交通省の住宅市場調査によると、Wi-Fi無料化や宅配ボックス設置は単身者向けで平均7000円の家賃上乗せ効果があるとされます。
管理会社の選定も利益率に直結します。管理手数料が月額賃料の5%前後でも、入居付けのスピードや原状回復費の交渉力で差が出ます。複数社に募集を依頼する「客付け分離型」を採用すると、空室期間を短縮できるケースが多いです。ただし責任の所在が曖昧になるため、トラブル対応窓口を一本化する契約条項を入れると安心です。
修繕計画は家賃の3〜5%を毎月積み立てると、設備更新や内装リニューアルに対応できます。特に水回りは築25年を過ぎると故障率が上がるため、予防的に交換し、入居者満足度を維持しましょう。また長期で保有する場合でも、5年ごとに売却査定を取ることで市場価値を把握し、出口のタイミングを逃さないようにすることが大切です。
2025年度に利用できる減税・補助制度
まず押さえておきたいのは、2025年度も継続している「不動産取得税の軽減措置」です。中古住宅の床面積が50〜240㎡で、昭和57年以降の耐震基準を満たす場合、課税標準から1200万円が控除されます。投資用でも条件を満たせば適用可能なので、登記前に建築確認書や耐震適合証明を準備しましょう。
次に消費税課税事業者であれば、インボイス制度への登録で支払った消費税の一部を還付できます。管理会社への手数料やリフォーム工事は課税仕入れに該当するため、課税売上高の構成比を把握したうえで手続きを行うと、キャッシュフローが改善します。
さらに固定資産税の負担調整措置として、築30年以上の区分所有マンションでは評価額が急落しにくい点がメリットです。評価額が下がり過ぎると修繕積立金の不足を招きやすく、管理組合が積立金値上げを検討することがあります。よって自治体の評価額通知書を確認し、長期的な税負担と修繕計画のバランスを把握することが不可欠です。
最後に売却を視野に入れるなら、所有期間5年超で譲渡した場合の長期譲渡所得税率20.315%を念頭に置きます。短期譲渡(5年以下)に比べ税率が約半分になるため、タイミング次第で手取り額が大きく変わります。この制度は2025年度も継続中なので、出口戦略を組む際は覚えておくと良いでしょう。
まとめ
ここまで「マンション投資 中古 5000万円 全て」をテーマに、物件選び、資金計画、運営、制度まで一気通貫で解説しました。立地と出口戦略を起点に、自己資金と金利を調整し、購入後に賃料とコストの最適化を図れば、5000万円クラスでも安定したキャッシュフローを得られます。次の一歩として、気になるエリアの相場調査と融資条件の事前相談を始めてみてください。行動を起こすことで、数字だけでは見えないチャンスが見えてくるはずです。
参考文献・出典
- 不動産経済研究所 – https://www.fudosankeizai.co.jp
- 国土交通省 住宅市場動向調査 – https://www.mlit.go.jp
- 総務省 首都圏人口推計 – https://www.soumu.go.jp
- 日本政策金融公庫 融資利用状況調査 – https://www.jfc.go.jp
- 東京都 都税情報 固定資産税評価 – https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp