不動産投資を始めたいけれど、物件をどう探せばよいのか、そもそも何を基準に選べば安心なのか――そんな疑問を抱えていませんか。情報があふれる今、広告の表面利回りだけを信じると後悔するケースも珍しくありません。本記事では、探し方 何を 押さえるべきかという基本から、2025年時点の最新データを交えた判断のコツまでを丁寧に解説します。読み終えるころには、物件検索サイトを開いた瞬間に注目すべき数字と質問すべきポイントが明確になり、行動に移す自信が得られるでしょう。
物件探しでまず押さえるべき視点

重要なのは、長期にわたり安定した入居需要が見込めるエリアを選ぶことです。
まず、総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、2024年までの転入超過は23区と政令市中心部に集中しています。これは2025年も続く見通しで、単身世帯比率の上昇がワンルーム需要を押し上げています。一方で、郊外や地方都市でも駅前再開発が進む地域では人口流入が起きており、都心と地方の二極化が鮮明です。
次に、将来の再販価値も考慮しましょう。不動産経済研究所によると、新築マンションの平均分譲価格は直近10年で約1.4倍になっています。しかし築20年を超えると価格下落が急速になる物件も多く、駅徒歩5分以内かつ管理状態が良好なものほど価格維持率が高いと報告されています。つまり、売却出口まで見据えた立地と築年のバランスが欠かせません。
最後に、周辺施設や行政サービスも確認します。文教地区や病院が集まる地域はファミリー層の定着率が高く、空室率が低くなる傾向があります。また、2025年度の子育て関連助成が手厚い自治体はファミリー層の流入を後押ししています。物件所在地の自治体サイトで支援内容を必ずチェックしてください。
探し方 何を 判断材料にするのか
ポイントは、数字と現地感覚を往復させて情報を絞るプロセスです。
まず、オンライン検索では利回り、築年数、専有面積の三つを基本軸に設定します。例えば利回りは表面8%を超えると魅力的に見えますが、修繕積立金が不足していれば実質利回りは簡単に5%を下回ります。築年数は木造で20年以内、RC造で30年以内が金融機関の評価を得やすく、融資条件が有利になりやすいと覚えておきましょう。
次に、現地調査で探し方 何を 確認するかが差を生みます。平日の昼と休日の夜に周辺を歩き、騒音や治安を肌で感じてください。ゴミ置き場や掲示板が整理されているかを見れば、管理組合の機能度合いが想像できます。加えて、最寄り駅の終電時刻と商業施設の営業時間を調べれば、日常の利便性も把握できます。
さらに、仲介会社との面談では「今後の大規模修繕予定」「同タイプの直近成約賃料」「管理委託費率」の三点を必ず質問しましょう。これらは広告に載らないため聞かなければ得られません。情報の質は質問の質に比例するため、あらかじめメモを作成し、聞き逃しを防ぐことが大切です。
収益計算とキャッシュフローの読み方
実は、購入前の一時間で作る簡易シミュレーションが将来の損益を大きく左右します。
まず、国土交通省の住宅市場動向調査では、投資家の約6割が家賃下落を想定していなかったと回答しています。家賃は築年と競合物件の供給量に応じて年1〜2%下落すると仮定し、10年後の家賃まで下げたうえで収支を作ると安全度が高まります。
次に、空室率と修繕費を保守的に見積もります。都心区分マンションなら実績空室率は平均4%ですが、シミュレーションでは10%で計算します。修繕費はRC造で年間1,200円/㎡、木造アパートで2,000円/㎡を最低ラインとして積み上げます。これにより想定外の支出を吸収できます。
最後に、融資返済額に加えて固定資産税や火災保険料まで含めた月次キャッシュフローを算出します。手残りが家賃収入の15%以上確保できれば、突発的な空室にも耐えられるでしょう。エクセルでも無料アプリでも構いませんので、購入前に複数シナリオを必ず作成してください。
2025年度の融資環境と最新制度
まず押さえておきたいのは、2025年度の金融機関の姿勢が「選別強化」にあることです。
日本銀行の貸出動向アンケートによれば、2024年後半から不動産向け融資は前年同期比で2.3%増加しました。しかし同時に自己資本比率や返済比率の審査基準は厳格化しており、自己資金1割未満では承認が下りにくい傾向が続きます。そのため、事前に自己資金2割を確保し、給与所得を証明できる資料を整えておくと交渉がスムーズです。
補助金面では、2025年度の国土交通省「住宅省エネ性能向上リフォーム補助」が継続されています。賃貸住戸内で断熱改修や高効率エアコンを導入すると、戸当たり最大80万円の補助が受けられます(申請期限は2026年3月末)。これにより省エネ需要の高い入居者を取り込みつつ、物件価値を高めることが可能です。
また、東京都は2025年度から木造アパートの耐震改修費を最大1,200万円まで助成する制度を延長しました。旧耐震基準の物件を取得してバリューアップを狙う投資家にとって、活用価値が高い支援策です。制度を利用する際は、工事着手前の事前申請が必須なので、スケジュールに余裕を持って進めましょう。
初心者がやりがちな失敗と回避策
ポイントは、「時間をお金で買う場面」と「自分で汗をかく場面」を見誤らないことです。
ありがちな失敗の一つが、管理会社を選ばず家賃集金やクレーム対応を自主管理で始めることです。家賃10万円の区分マンションでも、管理委託手数料は通常5%前後です。空室を1カ月短縮できれば簡単に元が取れるため、入居付けの強い会社に委託する価値は大きいと言えます。
もう一つの落とし穴は、表面利回りだけで高築年物件を購入してしまうケースです。築30年木造アパートは利回り12%超でも、将来の大規模修繕と金融機関の融資短縮リスクでキャッシュフローが枯渇しがちです。築浅高利回り物件は存在しませんので、利回りと築年のバランスを冷静に評価してください。
最後に、意思決定を不必要に遅らせることも機会損失となります。資料請求から現地訪問まで一週間以内に動く習慣を持ち、同時に複数物件を比較検討することで、相場観が短期間で身につきます。時間軸を意識するだけで、情報に流される側から選択する側へと立場が変わるはずです。
まとめ
本記事では、探し方 何を 明確にすることが不動産投資成功の第一歩であるとお伝えしました。立地選定、実質利回りの計算、現地調査、制度活用、そして適切なスピード感の五つがそろえば、初心者でも堅実な投資が可能です。まずは予算と自己資金を整理し、今日中に気になる物件を一件ピックアップしてみてください。その小さな一歩が、将来の安定収入への最短ルートになります。
参考文献・出典
- 総務省 住民基本台帳人口移動報告 − https://www.soumu.go.jp
- 不動産経済研究所 − https://www.fudousankeizai.co.jp
- 国土交通省 住宅市場動向調査 − https://www.mlit.go.jp
- 日本銀行 貸出動向アンケート − https://www.boj.or.jp
- 国土交通省 住宅省エネ性能向上リフォーム補助2025 − https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku
- 東京都都市整備局 木造住宅耐震改修助成 − https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp