不動産投資に興味はあるものの、「REIT マンション 始め方」を調べても専門用語が多くて戸惑った経験はありませんか。投資対象が同じ不動産でも、少額で分散できるREITと実物のマンションでは準備やリスクが大きく異なります。本記事では、2025年10月時点の最新データを用いながら両者の特徴を整理し、初心者が迷わず第一歩を踏み出すための手順と注意点を解説します。読み終えたとき、あなたは自分に合った投資スタイルを選び、具体的な行動を起こせるようになるはずです。
REITとマンション投資を正しく比較しよう

重要なのは、同じ不動産投資でも求めるリターンや手間がまったく違う点を先に理解することです。ここでは、リスク・リターンの構造と費用の違いを整理します。
まずREIT(不動産投資信託)は、証券取引所に上場しているファンドを1口数万円から買える仕組みです。投資家はオフィスビルや商業施設に間接的に出資し、賃料収入と売却益を分配金として受け取ります。金融庁によると、2025年9月末時点で上場REITの平均分配利回りは3.6%と、10年国債利回りを大きく上回る水準です。
一方、区分マンション投資は現物の部屋を所有し、家賃を直接得ます。東京都心の新築平均価格は7,580万円(不動産経済研究所)と高額ですが、住宅ローンを利用すれば自己資金2割程度で保有が可能です。利回りは立地と築年数で大きく変わり、表面で4〜6%、実質では諸費用を差し引いて2〜4%に落ち着く例が一般的です。
つまりREITは流動性が高く分散効果も得やすい半面、価格変動リスクと信託報酬が存在します。マンションは長期で安定キャッシュフローを狙えますが、空室や修繕といった運用の手間が避けられません。両者の特徴を踏まえ、自分の投資目的と可処分時間に合った戦略を選ぶことが成功への第一歩となります。
REIT投資の基本ステップ

ポイントは、証券口座開設から銘柄選定、購入後のフォローアップまでを段階的に進めることです。初めてでも流れを押さえれば難しくありません。
最初に、ネット証券や銀行で特定口座(源泉徴収あり)を開きます。NISA枠を使えば売却益と分配金が非課税になるため、2025年度上限360万円を優先的に活用しましょう。次に投資対象となるREITのポートフォリオを確認します。物流施設に強い銘柄は景気変動に比較的強く、ホテル系は訪日需要の回復によって分配金が変動しやすいなど、資産構成を把握することが大切です。
購入時は成行より指値注文を使い、急な値動きを避ける工夫をします。加えて、同一銘柄に資金を集中させず、オフィス・住宅・物流などセクターを分散させると価格変動の影響を和らげられます。一般社団法人投資信託協会の統計では、4銘柄以上に均等投資したケースは1銘柄集中より年率リスクが約30%低下しています。
購入後は、四半期決算と運用報告書をチェックし、賃料収入の伸びや稼働率の変化を確認します。分配金が連続して減額された場合は保有方針の見直しが必要です。また、証券会社の貸株サービスを利用すると年0.1〜0.3%程度の金利を得られますが、株主優待を受け取れない場合があるため注意してください。
区分マンション投資の始め方と資金計画
実は、マンション投資の成功可否は購入前の資金計画でほぼ決まります。ローン条件・自己資金・将来の修繕費を具体的に見積もることが欠かせません。
最初に物件価格の20〜30%を自己資金として用意すると、金融機関の融資審査が通りやすくなります。物件価格5,000万円なら1,000〜1,500万円が目安です。残りは住宅ローンや投資用ローンで調達しますが、固定金利と変動金利の選択は金利上昇シナリオを加味して判断します。日本銀行の金融システムレポートによると、変動金利利用者が金利1%上昇で返済負担率が年収の2%分増える試算が報告されています。
次に購入時の諸費用を見落とさないようにしましょう。登記費用や仲介手数料、不動産取得税などで価格の6〜8%が追加で必要です。2025年度も継続している不動産取得税の特例措置を利用すれば、取得後1年以内の申告で税額が減額されます。さらに、入居者の退去時に備えたリフォーム積立として年間家賃の10%を別口座で確保すると、突発的な出費への不安が軽減されます。
物件選定では、駅徒歩10分圏内かつ複数路線が使えるエリアを基本線とします。総務省の住宅・土地統計では、都心の単身世帯は2030年まで微増が見込まれる一方、郊外は横ばいです。空室リスクを抑えるには今後も人口が集まりやすい場所を選ぶのが合理的です。
最後に収支シミュレーションを作成します。空室率10%、家賃下落1%/年、金利上昇1%を組み込んでもキャッシュフローが黒字なら、安定運用の可能性が高いと言えます。数字は厳しめに設定し、「見込みが甘かった」という失敗を避けましょう。
ポートフォリオ構築とリスク管理の考え方
まず押さえておきたいのは、REITとマンションを組み合わせて総合的な不動産ポートフォリオを作ると、市場環境の変化に強くなるという点です。
REITは株式市場と相関が高い傾向があり、地政学リスクや金利上昇で価格が大きく動きます。一方、マンションはエリア需給に直接影響されるため、株価急落時でも家賃収入が安定する場合が多いです。金融庁「投資分析レポート」では、過去10年間でREIT指数と住宅賃料指数の相関係数が0.25にとどまると報告されています。異なる値動きを持つ資産を組み合わせることで、ポートフォリオの変動幅を抑えられるわけです。
保有比率を決める際には、生活防衛資金を差し引いた投資余力の中で、流動性をどの程度確保したいかを基準にします。たとえば「現金20%、株式20%、REIT30%、マンション30%」のように4資産を並べると、急な出費には現金で対応しつつ、長期の家賃収入と市場連動の分配金の双方を取り込めます。
リスク管理では保険的な視点も欠かせません。マンションに対しては火災保険と地震保険をセットで加入し、免責金額を上げすぎないよう注意します。REITに関しては、配当利回りが急上昇している銘柄は価格下落が隠れている可能性があるため、分配金推移と合わせて評価しましょう。短期的な値動きに惑わされず、四半期ごとに総資産に占めるREIT比率を再計算し、目標を±5%以内に保つことが推奨されます。
2025年度の市場動向と税制を味方にする
ポイントは、政策や市場環境の追い風を利用して投資効率を高めることにあります。2025年度に有効な制度を正しく知れば、手取りリターンを底上げできます。
まず住宅ローン減税は2025年末まで控除期間13年、年末残高上限3,000万円(省エネ適合は4,000万円)が適用されます。区分マンションでも自己居住要件を満たせば活用できるため、将来マイホーム化を視野に入れる戦略もあります。また、投資用ローンには適用されないものの、長期譲渡(所有5年以上)で売却する際は譲渡所得税が20.315%に軽減される点を押さえておきましょう。
REIT投資では、個人版DC(iDeCo)での取り扱いが2024年に拡大され、2025年10月現在も継続しています。iDeCo口座でREIT指数連動の投資信託を積み立てれば、掛金全額を所得控除、運用益を非課税にできるため、課税口座より効率的です。
市場環境については、国土交通省の不動産価格指数が2025年上期も前年同期比+4.1%と上昇を維持しています。特にインバウンド回復に連動したホテルREITは客室単価が前年比+8%となり、分配金の増額が続いています。一方、オフィス空室率は東京ビジネス地区で5.5%と高止まりしており、銘柄選択ではテナント分散や賃料改定力を重視する必要があります。
税制と市場動向を合わせて考えることで、購入時期や銘柄選定の精度が上がります。制度は毎年変更されるため、年末の税制改正大綱を確認し、必要なら専門家に相談する姿勢を持ち続けましょう。
まとめ
ここまで、少額で分散可能なREITと実物資産のマンション投資について、それぞれの特性と「REIT マンション 始め方」の実践手順を解説しました。大切なのは、自身の投資目的とライフスタイルに合った手段を選び、資金計画とリスク管理を怠らないことです。まず証券口座やローンの事前審査といった準備を進め、小さな一歩を踏み出してみてください。行動を起こせば知識は経験へと変わり、将来の安定収入という形であなたを支えてくれるでしょう。
参考文献・出典
- 金融庁「上場REIT市場データ」 – https://www.fsa.go.jp
- 不動産経済研究所「首都圏新築マンション市場動向2025年10月」 – https://www.fudousankeizai.co.jp
- 総務省「住宅・土地統計調査」 – https://www.stat.go.jp
- 国土交通省「不動産価格指数」 – https://www.mlit.go.jp
- 一般社団法人投資信託協会「投資信託の現状」 – https://www.toushin.or.jp
- 日本銀行「金融システムレポート」 – https://www.boj.or.jp