都心の新築マンション価格が年々上がり、「投資したいけれど予算が合わない」と感じる方が増えています。そこで注目されるのが中古マンション投資です。初期費用を抑えつつ安定収益を狙えるため、近年は20〜40代の働き盛り層でも参入が加速しています。本記事では「人気 マンション投資 中古」をテーマに、初心者がつまずきやすいポイントを整理し、2025年10月時点の最新データと制度を踏まえて分かりやすく解説します。読み終えるころには、物件選びから資金計画、出口戦略まで一連の流れがイメージできるはずです。
中古マンション投資が注目される理由

まず押さえておきたいのは、なぜ中古マンションが投資対象として脚光を浴びているかという点です。重要なのは、新築と比較した際の「購入価格」と「賃料水準」のバランスにあります。
新築マンションの平均価格は不動産経済研究所によると東京23区で7,580万円(2025年10月)と過去最高を更新しました。しかし賃料は同じペースで上がらず、利回りは年々低下しています。一方、中古マンションは築10〜20年でも設備更新やリノベーションが進み、賃料が比較的維持される傾向が強いです。つまり取得価格に対する家賃収入の比率が高く、キャッシュフローが出やすいのです。
また、中古市場は物件数が豊富で、立地・広さ・築年を比較しながら選ぶ余地があります。自分の投資戦略に合った「一点物」を探せるため、差別化もしやすい点が魅力です。さらに、築年によって減価償却期間が短くなるため、所得税や住民税の節税メリットが得られるケースも少なくありません。
収益を左右するキャッシュフローの考え方

ポイントは、家賃収入からローン返済や維持費を差し引いた手取り額がプラスであるかどうかです。手取りが安定して初めて長期保有が可能になるからです。
まず家賃設定ですが、周辺市場と競合物件の空室率を必ず確認しましょう。都心ワンルームの平均空室率は2025年10月時点で4.3%(東京23区、住宅・都市研究機構)と低水準ですが、駅徒歩15分を超えると7%程度まで跳ね上がります。仮に月7万円の家賃でも1カ月空室が生じれば年間収入は約8%減るため、収支に与える影響は大きいです。
次にローン返済額です。2025年度、都市銀行の投資用不動産ローン金利は変動型で年2.4〜3.2%が主流です。フルローンを組んで利回り5%の物件を購入した場合、返済比率が高まり現金流出リスクが増えます。自己資金を2割ほど投入すれば返済額が抑えられ、同時に金融機関の審査も通りやすくなるため、結果としてキャッシュフローが安定します。
最後に維持費です。管理費・修繕積立金は築年とともに上がる傾向があり、築20年超の物件では月あたり1万円を超えるケースも珍しくありません。購入前に長期修繕計画を確認し、将来の値上げ幅や大規模修繕時期をシミュレーションすることが欠かせません。
成功する物件選びのチェックポイント
実は、表面利回りが高いからといって必ずしも良い投資とは限りません。重要なのは長期的な賃貸需要が読みやすいかどうかです。
まず立地です。都心部であれば駅から徒歩7分以内、郊外の場合は乗降客が多いターミナル駅が狙い目です。東京都市圏の人口動態データを見ると、23区外でも「駅近×法人需要」のあるエリアでは転入超過が続いています。これらの地域は職住近接ニーズが高く、空室期間が短い傾向です。
次に建物の管理状況です。エントランスやゴミ置場を実際に見学し、清掃が行き届いているか、掲示物が乱れていないかを確認してください。管理状態は入居者の満足度に直結し、退去率を左右します。不動産投資では「人は建物より管理に住む」とまで言われるほどです。
さらに、修繕履歴と共用部分の設備更新が進んでいるかをチェックしましょう。例えばエレベーターの入れ替えは15〜20年で発生し、1基あたり1,000万円を超えることもあります。費用が積立金で賄えるのか、追加徴収があるのかで投資の利回りは大きく変わります。
2025年度の税制と融資環境
まず押さえておきたいのは、2025年度も中古住宅に適用できる住宅ローン減税が継続している点です。耐震基準適合証明を取得した場合、年末ローン残高の1%が最大10年間控除されます。期間は2025年12月31日までの入居が条件ですので、購入から入居(賃貸の場合は賃借人の入居)までのスケジュール管理が重要になります。
一方、不動産取得税の軽減措置も2026年3月31日まで延長されています。中古マンションの固定資産税評価額が1,200万円の場合、通常は3%の36万円が課税されますが、要件を満たせば大幅に減額される仕組みです。これにより初期費用をさらに抑えられ、自己資金を修繕やリフォームに回す余裕が生まれます。
融資環境については、金融庁による貸付審査厳格化の流れが続いています。しかし自己資金2〜3割を投入し、家賃収入と給与収入の双方で返済比率を示せば、メガバンクでも1棟目・1室目の融資が通る事例が増えています。また地方銀行や信用金庫はエリア密着型のため、地元需要に詳しく、金利は若干高いものの融資期間を長く設定できるメリットがあります。投資スタイルに合わせて金融機関を選びましょう。
リスク管理と出口戦略の作り方
ポイントは、購入前から「いつ売却するか」「どの価格帯なら売れるか」を考えておくことです。売却査定サイトの過去取引データを参考に、5年後・10年後の想定価格を保守的に設定すると良いでしょう。
空室リスクに対しては、複数年契約の法人借り上げやサブリースを検討する手もありますが、手取り賃料が下がる点に注意が必要です。短期的な安心感より長期的な総収益を優先するなら、駅近物件を自主管理に近い形で運営し、家賃を市場価格に合わせて弾力的に調整する方が有利なケースが多いです。
災害リスクについては、ハザードマップで浸水・液状化・土砂災害の危険度を確認し、保険加入内容を見直します。2025年度からは地震保険の都心部料率が平均4.8%上昇しているため、耐震性の高いSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)を選ぶことで保険料負担を抑えられます。
最後に売却戦略です。築25年を超えると住宅ローン減税が使えない買主が増えるため、購入から15〜20年以内に出口を設定すると、次の投資家や実需層に売りやすくなります。値下がりを抑えながら売却益を確保できれば、新たな物件への買い替え資金として再投資サイクルを回しやすくなります。
まとめ
ここまで中古マンション投資の魅力と注意点を見てきました。購入価格と賃料のバランスが取りやすい点、減価償却や税制優遇で手取りが増えやすい点が、人気 マンション投資 中古の核心です。しかし、立地・管理状況・資金計画を間違えると期待した利回りは得られません。まずはキャッシュフローが安定する物件を選び、長期修繕計画と出口戦略をセットで考えてください。行動に移す際は、2025年度の税制期限や融資条件を確認し、信頼できる専門家と二人三脚で進めることが成功への近道です。
参考文献・出典
- 不動産経済研究所 – https://www.fudousankeizai.co.jp
- 住宅・都市研究機構「賃貸住宅市場レポート」 – https://www.ur-net.go.jp
- 国土交通省 住宅ローン減税制度概要(2025年度版) – https://www.mlit.go.jp
- 東京都 都市整備局 人口動態データ – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp
- 金融庁「金融機関による投資用不動産向け融資の実態調査」 – https://www.fsa.go.jp