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RC造の固定資産税はなぜ高い?築50年でも下がりにくい理由と計算式

「鉄筋コンクリート造は固定資産税が高い」という話を聞き、購入や投資をためらう方は少なくありません。実際にRC造(鉄筋コンクリート造。鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造のこと)は、木造よりも固定資産税が高くなりやすい構造です。その背景には、家屋の評価方法に構造ごとの違いが反映されている仕組みがあります。

ただし、なぜ高くなるのかを正しく理解すれば、負担の見通しを立てやすくなります。この記事では、固定資産税の計算のもとになる評価額の考え方から、木造との比較、活用できる軽減措置、評価に納得できないときの手続きまで、公的機関の情報をもとに丁寧に解説します。

鉄筋コンクリートの固定資産税が高い根本的な理由

RC造の固定資産税が高いと言われる理由

RC造の固定資産税が高くなる理由を理解するには、まず家屋の評価がどのように行われているかを知る必要があります。ポイントは、固定資産税の評価額が実際の売買価格や取得価格とは無関係に決まる点にあります。

評価は「再建築価格方式」で決まる

東京都町田市の説明によると、固定資産税の家屋評価は、総務大臣が定めた「固定資産評価基準」に基づき、再建築価格を基準として評価する「再建築価格方式」がとられています。これは、評価時点でその家屋を同じように建て直すと仮定した場合に必要となる建築費を求め、そこに建築時からの経過年数や損耗の程度による減価を反映して評価する方法です。

つまり、いくらで買ったかではなく「今もう一度建てたらいくらかかるか」が出発点になります。ここで重要なのは、RC造は鉄筋とコンクリートを用いた頑丈な構造であり、そもそも建築費が木造より高いという点です。建築費が高い構造ほど再建築価格も高くなるため、評価額の初期水準そのものが高く算定されるのです。

木造と非木造で単価が異なる

評価額を求める基本の算式は、埼玉県川越市の説明によると「再建築費評点数×経年減点補正率×評点1点当たりの価額」で構成されています。このうち評点1点当たりの価額は、川越市の例では木造が0.99円、非木造が1.10円とされています。同じ評点数でも、RC造を含む非木造のほうが1点あたりの単価が高く設定されているわけです。

建築費の高さと単価の高さ、この二つが重なることで、RC造は新築時点から評価額が高水準になります。ここが「RC造は固定資産税が高い」と言われる出発点です。

築年数が経っても下がりにくい仕組み

固定資産税の計算方法と構造別シミュレーション

RC造の固定資産税でもう一つ大きな特徴となるのが、評価額が下がるペースの遅さです。木造なら早く下がる評価額が、RC造では長い年月をかけてゆっくりとしか下がりません。この差を生んでいるのが「経年減点補正率」という係数です。

経年減点補正率が下限に達するまでの年数

経年減点補正率とは、建物の古さに応じて評価額を割り引くための率です。新築時に近いほど1に近く、年数が経つにつれて下がっていきます。兵庫県稲美町の説明によると、この補正率の下限は0.2とされ、新築してから下限の0.2に到達するまで、一般的な木造専用住宅で25年、鉄筋コンクリート造の共同住宅で60年かかるとされています。

木造は25年ほどで下限に達するのに対し、RC造の共同住宅は60年もの年月を要します。この差が、RC造の評価額が長期にわたって高く維持される最大の理由です。言い換えると、木造なら評価額が早く底を打つのに、RC造は数十年にわたってじわじわとしか下がらないため、固定資産税の負担が長く続きます。

なお、佐賀県佐賀市の説明によると、固定資産評価基準における家屋の残存価値は20%とされており、家屋が存在する限り評価額は0円にはなりません。どれだけ古くなっても、建物が建っている以上は一定の評価額が残り続けるという点も押さえておきたいところです。

古くなったのに税額が下がらない、あるいは上がる理由

「築年数が経ったのに固定資産税が下がらない」「むしろ上がった」と感じるケースがあります。この背景にも明確な仕組みがあります。在来家屋は3年ごとの評価替えで「再建築費評点補正率」を反映して再計算されます。川越市の説明では、令和6年度の評価替えで用いられた非木造の補正率は1.07とされています。

この補正率は建築物価の変動を反映するもので、資材や人件費が上がれば1を超えることもあります。佐賀市の説明によると、建築物価の上昇率が経年減点補正率の下落率を上回る場合には、理論計算上の評価額が上がりうるとされています。特に補正率が下限の0.2に達したあとは、経年による下落率がゼロになるため、再建築価格の上昇分だけが残り、評価額が据え置かれやすくなります。

ただし、町田市の説明によると、仮に評価額が前年度を超える計算になっても、決定価額は引き上げられず、通常は前年度の価額に据え置かれます。つまり、古い建物で税額が下がらないのは「据え置き」が働いているためであり、際限なく上がっていくわけではない点は安心材料といえます。

固定資産税の計算方法と構造別のイメージ

固定資産税の計算式そのものはシンプルです。川越市の説明によると、家屋の固定資産税は「評価額×1.4%」、都市計画税は「評価額×0.3%」で計算されます。都市計画税は都市計画区域内の物件にかかる税で、両方合わせるとおおよそ評価額の1.7%程度が年間の負担になります。

具体的にイメージするため、同じ延床面積の住宅を木造とRC造で比べてみましょう。木造は建築費が低く単価も安いため、仮に新築時の建物評価額を1,200万円とすると、固定資産税は年間およそ16.8万円です。一方でRC造は建築費と単価がともに高く、同規模でも評価額が2,000万円程度になれば、年間約28万円の負担となります。

差がさらに開くのは、年数が経ってからです。木造は25年ほどで補正率が下限に達し評価額が大きく下がりますが、RC造の共同住宅は60年近く高い評価額を維持します。そのため、保有期間全体でならすと、RC造の固定資産税は木造を大きく上回る傾向があります。数字は物件ごとに異なるため、あくまで負担の傾向をつかむための目安として捉えてください。

マンションの場合の按分

区分所有マンションの固定資産税は、少し扱いが異なります。町田市の説明によると、区分所有建物は1棟を一括して評価したうえで、原則として専有部分の床面積の割合によって、各区分所有者ごとに税額が按分されます。自分の部屋だけを単独で評価するのではなく、建物全体の評価を持ち分に応じて分けている点を理解しておくとよいでしょう。

鉄筋コンクリートで使える固定資産税の軽減措置

負担が大きく見えるRC造でも、条件を満たせば税額を抑えられる制度があります。代表的なのが新築住宅の減額措置と、土地にかかる住宅用地の特例です。

新築住宅の減額措置

国土交通省の案内によると、新築住宅にかかる固定資産税は3年間、マンション等の場合は5年間、2分の1に減額されます。RC造の共同住宅は「マンション等」に該当するため、木造より長い5年間の減額を受けられる点がメリットです。適用期限は令和13年3月31日までとされています。

ここで誤解しやすいのが、減額期間が終わったあとの扱いです。国土交通省は、4年目(マンション等の場合は6年目)からは元に戻るだけであり、増税ではないと明確に説明しています。減額が切れて税額が上がったように感じても、それは本来の水準に戻っただけだと理解しておくと、資金計画を立てやすくなります。

減額の対象範囲にも注意が必要です。稲美町の説明によると、新築住宅の減額は一戸あたり120平方メートル分(居住部分に限る)までの固定資産税について2分の1が減額され、都市計画税は減額されません。あわせて国土交通省の案内では、床面積要件の下限が50平方メートルから40平方メートルへ引き下げられたことや、令和11年4月1日以降に特定区域内へ新築した住宅は適用対象外となることにも触れられています。特定区域の範囲などは個別に異なるため、最新情報は各自治体の公式サイトでご確認ください。

住宅用地の特例

建物だけでなく、土地にも軽減があります。住宅用地については課税標準額が軽減され、200平方メートル以下の小規模住宅用地は6分の1、それを超える一般住宅用地は3分の1に圧縮されます。この特例は建物の構造を問わないため、RC造の賃貸物件であっても、住宅として使われていれば適用を受けられます。土地と建物の両面で制度を確認することが、実際の負担を正しく見積もるコツです。

「47年」と「60年」の数字の違いに注意

RC造を調べていると、「47年」と「60年」という二つの年数に出会い、混乱する方が多くいます。この二つはまったく別の制度の数字であり、混同すると理解を誤ります。

まず「47年」は税務上の減価償却で使う法定耐用年数です。国税庁の耐用年数表によると、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の建物は、事務所用が50年、住宅用が47年とされています。これは所得税や法人税で建物の取得費を何年かけて経費化するかを決める数字です。

一方で「60年」は、これまで述べてきた固定資産税の経年減点補正率が下限0.2に達するまでの年数です。稲美町が示すRC共同住宅の60年は、減価償却の47年とは制度が異なります。用途によっても年数は変わり、国土交通省資料の要約では、RC・SRC造は事務所・銀行が65年、住宅・アパートが60年、店舗・病院が50年、ホテル・旅館が45年などと整理されています。RC戸建てが評価基準上どの区分に入るかは全国一律の説明が確認しづらいため、正確な数値は所在地の自治体に確認するのが確実です。

要するに、減価償却の年数と固定資産税の下限到達年数は別物です。この違いを押さえておくと、税務の話が整理しやすくなります。

評価額に納得できないときの対応

算定された評価額に疑問がある場合、争う手段が用意されています。ただし、対象や手続き、期限には決まりがあります。

広島市の案内によると、審査の申出ができるのは固定資産税の納税者本人であり、対象は固定資産課税台帳に登録された価格に限られます。非課税や減免、住宅用地の認定など、価格以外の事項については行政不服審査法に基づく別のルートで争うことになります。借地人や借家人は審査の申出をすることができない点にも注意が必要です。

期限も重要です。那覇市の案内によると、評価額に不服がある場合、固定資産課税台帳への価格登録が公示された日から、納税通知書の交付を受けた日後3か月以内に、固定資産評価審査委員会へ審査の申出ができます。申出書は正副2通と納税通知書の写しが必要とされています。手続きの詳細は自治体ごとに異なるため、実際に申し出る際は各自治体の公式サイトで最新の案内を確認してください。

取り壊しや所有者変更にも要注意

固定資産税は保有中だけでなく、建物を手放すときにも注意点があります。稲美町の説明によると、家屋の固定資産税は1月1日に存在する家屋に対して課税されます。したがって、年末までに取り壊せば翌年度の家屋分の課税を避けられますが、年をまたぐと1年分課税される点を理解しておく必要があります。

未登記家屋の全部または一部を取り壊した場合は、「家屋滅失届出書」に、工事業者が発行する「取壊し証明書」と業者の「印鑑証明書」を添付して提出します。また、登記されている家屋の固定資産税は、1月1日現在の登記簿上の所有者に課されるため、所有権移転登記をしないと納税義務者が旧所有者のままになってしまいます。売買や相続の際は、登記の手続きを確実に進めることが大切です。

まとめ

RC造の固定資産税が木造より高くなるのは事実です。建築費が高く非木造の単価も高いため新築時の評価額が高水準になり、さらに経年減点補正率が下限に達するまでにRC共同住宅では約60年もかかるため、評価額が長期にわたって高く維持されます。古い建物で税額が下がらないのは、下限到達後の据え置きや建築物価の反映によるものだと理解しておくと納得しやすいでしょう。

一方で、新築住宅の減額がマンション等で5年間受けられることや、住宅用地の特例、評価に納得できないときの審査申出など、活用できる制度や手段も整っています。RC造の負担を正しく見積もるには、建物と土地の両面で制度を確認し、減価償却の47年と固定資産税の下限到達年数を混同しないことが重要です。具体的な税額や個別の適用条件は物件ごとに異なるため、最新情報は各自治体の公式サイトで確認し、必要に応じて税理士など専門家に相談しながら判断してください。

参考文献・出典

  • 東京都町田市「家屋の評価と課税」
  • 埼玉県川越市「固定資産税・都市計画税 税額の計算(家屋)」
  • 佐賀県佐賀市「家屋が古くなったのに固定資産税が下がらないのはなぜか」
  • 兵庫県稲美町「固定資産税における家屋について」
  • 国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」
  • 国土交通省 税制改正関連資料
  • 国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」
  • 沖縄県那覇市「固定資産課税台帳に登録された価格に関する審査の申出」
  • 広島市「固定資産評価審査委員会に対する審査の申出」

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