不動産価格が高止まりする一方で、銀行預金の金利は依然として低いままです。そんな環境下で「マンション投資 本当に儲かるのか」と検索し始めた方も多いでしょう。家賃収入で毎月のキャッシュフローを得ながら、将来的な売却益も狙えると聞けば魅力的に感じます。ただ、空室や修繕費の不安もつきまとい、踏み出せずにいるのが実情ではないでしょうか。本記事ではマンション投資で利益を出す仕組みを分かりやすく解説し、2025年12月時点の市場データと制度情報を踏まえて成功のポイントを整理します。読み終える頃には、投資判断に必要な基礎知識と具体的な行動のヒントが得られるはずです。
マンション投資で得られる二つの収益

まず押さえておきたいのは、マンション投資の収益構造が家賃収入と売却益の二本柱で成り立つことです。ここを正しく理解すると、どんな局面でも収益源を意識した戦略が立てやすくなります。
家賃収入はインカムゲインと呼ばれ、毎月のキャッシュフローに直結します。総務省の住宅・土地統計調査によると、2025年の民間賃貸住宅の平均入居期間は6.9年でした。つまり、一度入居者が付けば安定した家賃を長期にわたり見込める可能性が高いと言えます。一方で、退去時の原状回復や賃料の改定交渉など、運営コストが発生する点も見逃せません。
もう一つの柱が売却益、いわゆるキャピタルゲインです。不動産経済研究所のデータでは、東京23区の新築マンション平均価格は2025年12月時点で7,580万円と前年から3.2%上昇しました。都心部の供給不足が続く限り、資産価値が維持されやすい特徴があります。ただし、地方や築年数が進んだ物件では値下がりリスクが顕在化するため、出口戦略を想定した購入が不可欠です。
重要なのは、二つの収益が相互補完の関係にある点です。たとえば家賃相場が伸び悩む局面でも、立地が良ければ将来的な売却益でカバーできるケースがあります。逆に、価格上昇が鈍化している地域では、長期の安定賃料を確保する施策が利益確保のカギになります。収益のバランスをどう設計するかが、「本当に儲かるか」を左右する第一歩なのです。
収支シミュレーションの作り方

ポイントは、楽観・悲観の両面から数字を把握し、どんなシナリオでも赤字転落を回避できるか検証することに尽きます。具体的には購入前に詳細な収支シミュレーションを作り込みましょう。
まず家賃収入の見積もりは、最新の賃料相場を参考にしつつ、将来の下落率も想定します。国土交通省の「住生活基本計画フォローアップ調査」では、築20年超のマンション賃料は築浅物件比で平均14%低い結果が出ています。投資開始当初の家賃を100%とすると、築20年目には86%まで下がるケースをシミュレーションに組み込むと現実的です。
次に支出面です。管理費・修繕積立金はマンションの規模や管理形態で開きがあるものの、一般的に年間家賃収入の15〜20%を占めます。さらに、2025年度の東京都マンション長寿命化ガイドラインでは、大規模修繕を12〜15年周期で実施する目安が示されています。購入時点で修繕積立金が不足している物件は追加負担の可能性が高まるため、長期修繕計画書を必ず精査すると安心です。
また、融資の金利条件はシミュレーションの命綱です。日本銀行の短観によると、2025年12月の不動産投資ローン平均金利は変動型で年1.75%、固定型で年2.25%でした。変動金利で借りる場合は金利上昇リスクに備え、2%程度の上昇を織り込んだ試算も作成することが推奨されます。
つまり、空室率15%、家賃下落率14%、金利上昇2%という厳しめの条件でも黒字が確保できるかが、マンション投資の安全域を示す指標になります。数字と向き合い、最悪のシナリオでも持ちこたえられるか確認することで、購入後の後悔を大幅に減らせるでしょう。
成功しやすい物件選びの着眼点
実は、物件選びの段階で9割が決まると言っても過言ではありません。立地、築年数、管理状態の三要素に着目すると、失敗を避けやすくなります。
立地は需要を生む最重要ファクターです。東京都都市整備局の2040年人口推計では、23区の人口がほぼ横ばいで推移する一方、周辺三県の一部エリアは10%以上の減少が見込まれます。将来も安定した入居需要を得るには、駅徒歩10分圏内で商業施設や大学が近いなど、人の流れが途切れにくい場所を候補にすると安心です。
築年数に関しては、新耐震基準が適用された1981年以降の物件が原則です。とはいえ、築浅ほど価格が高く利回りが低下しやすいため、築15〜20年の価格と家賃のバランスが取れた物件を狙う戦略も有効です。リフォーム済みであれば初期修繕費を抑えられるメリットもあります。
管理状態は、共用部の清掃やエントランスの照明一つで入居者の満足度が変わり、結果として空室リスクにも直結します。現地見学の際は掲示板の貼り紙が整理されているか、郵便受けに不要チラシが溜まっていないかなど、細部を観察してください。こうした日常の管理状況は、管理組合が機能しているかどうかのシグナルになります。
よく「地方の高利回り物件はどうか」と聞かれますが、高利回りはリスクの裏返しです。入居者需要が読みにくいエリアではキャッシュフローが途切れる可能性が高まり、結果的に表面利回りの高さが帳消しになりかねません。利益を安定的に確保するには、利回りだけでなく、需要の持続性を映す人口動態と賃貸ニーズを合わせて判断することが不可欠です。
2025年度の融資環境と制度活用
基本的に、マンション投資はレバレッジ効果を活用できる点で魅力があります。ただし、金融機関の審査基準や国の制度も年々変化するため、最新情報を踏まえた資金計画が欠かせません。
2025年度の不動産投資ローンは、自己資金1〜2割の持ち込みを条件に金利優遇を受けられる商品が増えました。金融機関が重視するのは、物件の収益性だけでなく投資家本人の属性(年収や勤務先)、そして複数物件保有時の総借入額です。具体的には、年間返済総額が年収の35%以内に収まるかを目安に審査する銀行が多くなっています。
制度面では、2025年度の「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修支援事業」が継続しています。高齢者や子育て世帯向けにバリアフリー改修を行う場合、工事費の1/3(上限100万円)が補助されます。該当物件を取得して改修を施せば、入居者層を広げつつコストを抑えられる点でメリットがあります。
また、一定の省エネ性能を備えた賃貸住宅を新築または取得する際に利用できる「ZEH-M支援事業」も2025年度まで審査枠が確保されています。エネルギー性能評価B+以上のマンション区分所有でも、条件を満たすと1戸当たり最大50万円の補助が受けられるため、長期的に光熱費を抑えたい入居者の需要を取り込みやすくなります。
こうした補助金は期間や予算上限があるため、利用を検討するなら早めの情報収集が鍵です。融資と制度を組み合わせ、初期コストを最適化すると、収益性を一段高めることが可能になります。
リスク管理で差がつく長期運用
マンション投資で「本当に儲かるか」を左右する最後のカギがリスク管理です。長期にわたり安定収益を得るには、空室、修繕、災害という三つの主要リスクに備えた運営が必要になります。
空室リスクについては、先述の立地選びに加え、賃料設定の柔軟性が重要です。賃料を市場相場より5%高く設定し空室期間が2カ月続くより、相場ピッタリで即入居が決まる方が年間収入は上回るケースが多いからです。また、オンライン内見や家具付き募集など、入居促進策を併用すると競争力が高まります。
修繕リスクに対しては、予備費として年間家賃収入の10%を積み立てると安心です。特に給排水管やエレベーターの大規模更新は一度に多額の費用が発生します。国土交通省の「マンション維持修繕積立金に関するガイドライン2025」では、30年間で必要な修繕費用総額は延べ床面積1m²あたり平均16,000円と示されています。所有戸の専有面積を掛けて必要額を逆算し、計画的に積み立てましょう。
災害リスクは、地震・水害の二面があります。ハザードマップで浸水想定区域を確認し、必要に応じて水災補償を付帯した火災保険を選びます。地震に関しては、旧耐震物件を避けるのが基本です。耐震診断を受けたうえで耐震改修を行う場合、「既存建築物耐震改修補助(2025年度)」により工事費の1/2、上限150万円まで助成される自治体もあるため、所有地域の制度をチェックすると負担軽減につながります。
結論として、あらゆるリスクを「事前に数字で見える化し、備える」姿勢こそが、長期運用で差を生む最重要ポイントです。リスクを抑えながら収益源を確保できれば、マンション投資は堅実に儲けを積み上げられる投資手法となります。
まとめ
ここまで、マンション投資で利益を得る仕組みから物件選び、資金計画、制度活用、リスク管理までを一貫して解説しました。要点は、家賃と売却益の二本柱をバランスさせ、厳しめのシミュレーションで安全域を確認し、立地・築年数・管理状態に優れた物件を選ぶことです。さらに、2025年度の補助金や融資優遇を活用し、空室や修繕・災害への備えを怠らなければ、マンション投資は十分に利益を生み出せます。今日紹介したチェックポイントをもとに、まずは気になるエリアの賃料相場と融資条件をリサーチしてみてください。行動を起こすことで、将来の安定収入への第一歩が踏み出せるでしょう。
参考文献・出典
- 不動産経済研究所 – https://www.fudousankeizai.co.jp/
- 国土交通省 住生活基本計画フォローアップ調査 – https://www.mlit.go.jp/
- 総務省統計局 住宅・土地統計調査 – https://www.stat.go.jp/
- 日本銀行 短観 – https://www.boj.or.jp/
- 東京都都市整備局 人口推計 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/