年収が七百万円前後になると、「給与だけでは将来が不安」と感じる人が増えてきます。実際、税金や社会保険料の負担がじわじわ重くなり、手取りの伸びが鈍化する層でもあります。そこで注目されるのがアパート経営という副収入源です。本記事では、年収七百万円の会社員がアパート経営に取り組むメリットを中心に、資金計画や物件選び、税制の活用法までを最新データとともに分かりやすく解説します。読み終えるころには、あなたが次に取るべき行動が明確になるはずです。
年収700万の人がアパート経営に向いている理由

まず押さえておきたいのは、年収七百万円層が金融機関から見て「融資しやすい属性」に入る点です。国土交通省の『住宅ローン利用状況調査』(2025年版)によると、年収六百万〜八百万円の借入承認率は八二%を超えています。つまり、自己資金が三〜四割あれば、二千万円規模のアパートローンを組むハードルは高くありません。
一方で、年収が一千万円を超えると、給与所得控除の上限縮小により課税所得が急増し、所得税負担が跳ね上がります。そのため、七百万円前後の方が「家計に余裕が生まれ、かつ税負担がまだ抑えられる」という絶妙なバランスにあるのです。言い換えると、可処分所得を投資に回しやすい段階にいるわけです。
さらに、2025年10月時点の全国アパート空室率は二一・二%で、前年比マイナス〇・三ポイントと改善傾向を示しています。都市部への人口集積が続く一方、供給が横ばいになりつつあるため、立地を的確に選べば安定運営が可能という調査結果もあります。こうした環境が、今まさに参入タイミングであることを裏付けます。
資金計画と融資のポイント

ポイントは、自己資金割合と返済比率を適切に設定することです。自己資金は物件価格の二〇〜三〇%を目安にすると、金融機関の審査が通りやすく、金利条件も優遇されやすい傾向があります。日本政策金融公庫の融資事例では、自己資金三割以上の案件で平均金利が一・五%前後に抑えられています。
次に重要なのが年間返済比率です。年収七百万円の場合、家賃収入と給与収入を合算した返済比率が三五%以内に収まれば、長期的なキャッシュフローが安定します。つまり、家賃収入が年間三百万円なら、年間返済総額を三百五十万円以下に設定するイメージです。実は、この基準を超えると空室や修繕費で赤字転落するリスクが高まります。
また、変動金利と固定金利の選択も欠かせません。2025年時点で、変動金利は一%前後、固定三〇年は二%台が一般的です。金利上昇局面に備え、返済額が一%上がっても耐えられるシミュレーションを組んでおきましょう。さらに、団体信用生命保険の保障範囲が広い金融機関を選ぶと、万一の場合でも家族の負担を軽減できます。
安定収入を得るための物件選び
重要なのは「立地」「間取り」「築年数」を総合的に判断することです。立地については、最寄り駅から徒歩一〇分以内、都心から三〇分圏内のサブターミナル駅周辺が狙い目です。総務省統計局の転出入データでは、二〇歳〜三十九歳の単身者が最も多く流入するエリアがここに集中しています。若年層の需要が読めると空室リスクを抑えやすいのです。
間取りは、一Kまたは一LDKが回転率と賃料のバランスを両立できます。一方で、二LDK以上は家賃が高くても入居期間が伸びやすいメリットがあります。つまり、自分の運営方針に合わせて回転型か定住型かを選びましょう。
築年数については、築二〇年以内であれば融資期間が長く取りやすく、修繕費も抑えられます。ただし、築古物件でも耐震基準適合証明を取得すれば、減価償却を活用しながら節税効果を高める方法もあります。たとえば、築三〇年の木造アパートを四年で償却すれば、初年度の経費計上額が大きくなり、所得税の圧縮につながります。
節税メリットと2025年度の制度活用
まず、アパート経営で発生する減価償却費や借入金利は、家賃収入と相殺できる経費です。これにより、不動産所得が赤字になった場合、給与所得と損益通算が可能になります。国税庁の所得税基本通達でも明示されており、適切に計算すれば手取りを増やせます。
2025年度も継続する住宅ローン減税は、借入額四千万円までが対象で、控除率は年〇・七%です。自己居住用ですが、将来マイホーム購入を予定している人は、アパート経営と併用した資金計画が組めます。また、新築アパートに対しては固定資産税が三年間半額となる軽減措置が続いており、初期のキャッシュフローを大きく改善します。期限は2026年3月31日までの建築確認取得分なので、着工時期を逆算して計画しましょう。
さらに、2025年度税制改正で贈与税の相続時精算課税の非課税枠が拡充され、合計二千五百万円まで非課税となりました。これを活用し、親から頭金を贈与してもらえば、自己資金不足を補いながら将来の相続対策にもつながります。
リスク管理と長期戦略
基本的に、アパート経営は長期投資です。そのため、修繕リスクと賃料下落リスクをどう管理するかが成否を分けます。まず、大規模修繕の積立金は毎月家賃収入の一〇%を目安に確保しておくと、外壁塗装や屋根防水の時期が来ても慌てません。
賃料下落リスクに対しては、三年ごとに市場家賃を再調査し、必要ならリフォームや設備更新で競争力を保ちます。国土交通省の『賃貸住宅市場データブック2025』によれば、独立洗面台と高速インターネット完備の物件は、家賃が平均五%高くても成約期間が短いと報告されています。設備投資は費用対効果を検証しながらタイミングよく行うのが得策です。
最後に、出口戦略も視野に入れましょう。十年後に売却益を狙うのか、それとも二十年以上保有して年金代わりにするのかで、返済計画や修繕計画が変わります。金融機関とのリレーションを維持しつつ、物件の再評価を定期的に行うことで、最適なタイミングで次の投資へと進めます。
まとめ
この記事では、年収七百万円の会社員がアパート経営に挑戦するメリットを、融資の取りやすさ、税制優遇、需要動向の三点から整理しました。また、資金計画や物件選定、リスク管理の具体策も紹介しました。結論として、自己資金と知識をバランス良く備えれば、給与一馬力よりも安定したキャッシュフローを獲得できます。まずは金融機関への事前相談と物件情報収集を同時に始め、具体的な数字を使った収支シミュレーションを作成してみてください。行動を起こすことで、将来の選択肢が大きく広がります。
参考文献・出典
- 国土交通省住宅統計調査2025 – https://www.mlit.go.jp
- 国土交通省 賃貸住宅市場データブック2025 – https://www.mlit.go.jp/toshi
- 日本政策金融公庫 融資統計2025 – https://www.jfc.go.jp
- 国税庁 所得税基本通達(2025年版) – https://www.nta.go.jp
- 総務省統計局 人口移動報告2025 – https://www.stat.go.jp