年収が700万円前後になると、生活費や教育費をまかなったうえで「次は資産形成を本格化させたい」と感じる人が増えます。しかし、預金や投資信託だけでは大きな伸びを実感しにくいのも事実です。そこで注目されるのが収益物件への投資です。本記事では「年収700万 収益物件 メリット」という視点から、資金計画、融資条件、税制優遇、リスク管理まで最新情報を交えながら解説します。読み終えたときには、自分に合った投資戦略を描くための具体的なヒントが得られるでしょう。
家計に余裕がある年収700万の強み

まず押さえておきたいのは、年収700万円というラインが家計収支にゆとりを生むことです。総務省「家計調査」(2024年版)によると、世帯年収700万円層の平均貯蓄率は約18%で、全国平均の14%を上回ります。つまり可処分所得に一定の余剰が生まれやすく、自己資金を積み上げやすい点が強みになります。
さらに、収益物件への初期投資では頭金が重要です。物件価格の2〜3割を自己資金でまかなえると、金融機関の評価は大きく改善します。例えば3,000万円の中古マンションを購入する場合、頭金600万円を入れられればローン残高は2,400万円に抑えられ、返済比率も低下します。結果として、家計への圧迫感が小さく継続的な投資運用が可能になります。
一方で、年収700万円層は税率が上がり始めるボーダーでもあります。課税所得が695万円を超えると所得税率は23%になるため、経費計上や損益通算を活用することで手取りを最適化する意義が大きくなります。収益物件は減価償却や諸経費を経費化できるため、税引後キャッシュフローを押し上げる効果が期待できます。
融資のハードルと有利な条件

実は金融機関が融資審査で重視するのは年収だけではなく、返済負担率です。日本政策金融公庫のガイドラインでは「年間返済額が年収の35%以下」が目安とされ、年収700万円なら約245万円までは許容範囲となります。仮に金利2.0%、期間25年で試算すると、借入可能額はおよそ4,500万円です。自己資金と合わせれば7,000万円規模の物件に手が届く可能性があります。
ポイントは、複数の金融機関を比較することです。メガバンクは金利が低い一方、属性審査が厳しめです。対して地方銀行や信用金庫は、地域貢献の観点から賃貸需要が強いエリアの案件に柔軟に対応するケースがあります。また、2025年12月時点で有効な「フラット35 投資用物件版」は存在しないため、通常のアパートローンかプロパーローンを選ぶ必要があります。
また、個人名義と法人名義では融資条件が異なります。個人での初回投資では、給与所得との損益通算が可能なため節税効果が得やすい一方、事業拡大フェーズでは法人化による金利優遇や資金調達の柔軟性が魅力となります。年収700万円の属性を武器に、早期に実績を作り金融機関からの信頼を高めておくことが将来のレバレッジ拡大につながります。
キャッシュフローを高める運用戦略
重要なのは、手元に残るキャッシュフローをいかに最大化するかです。国土交通省「不動産投資市場動向調査」(2024年)によると、首都圏中古ワンルームの表面利回りは平均4.3%まで低下しています。一方、地方中核都市の築浅アパートは平均7%以上を維持しており、利回り格差が広がっています。
しかし利回りだけで判断すると、空室や賃料下落のリスクを見落としがちです。都心ワンルームは低利回りでも入居期間が長くメンテナンス費も抑えやすいというメリットがあります。反対に地方アパートは高利回りでも修繕費がかさむ傾向があるため、表面利回りと実質利回りを必ずシミュレーションしましょう。
たとえば年間家賃収入240万円、運営費40万円、ローン返済130万円のケースでは、手残りは70万円です。ここに減価償却60万円を経費計上できれば、課税所得は10万円に抑えられ、所得税や住民税が軽減されます。税金圧縮によるキャッシュフロー創出は、年収700万円層に特に効果的です。つまり物件選びと税務戦略をセットで考えることが、投資効率を大きく左右します。
税制優遇と2025年度の最新情報
まず2025年度に有効な代表的制度は「損益通算」と「繰越控除」です。家賃収入より経費が上回った場合、その赤字は給与所得と相殺でき、課税所得を減らせます。赤字が出なくても、減価償却で黒字を圧縮できる点が魅力です。また赤字が生じた年に控除しきれなかった損失は、最長3年間繰り越せます。
なお、かつて注目されたグリーン住宅ポイントや住宅エコポイントはすでに終了しています。投資家が利用できる補助事業としては、2025年度の「ZEH賃貸住宅支援事業」が存続しており、一定の省エネ基準を満たす新築アパートに補助金が出ます。ただし公募期間と予算枠が限られるため、採択事例は主に法人またはデベロッパー主導の大型案件に集中しています。個人投資家が活用する場合は施工会社との連携が不可欠です。
さらに、2025年度税制改正で注目されるのが中古木造住宅の法定耐用年数見直しです。築古でも補強工事済みなら耐用年数を延長できるルールが整備され、減価償却期間が伸びる可能性があります。これにより減価償却費が平準化し、キャッシュフローの変動を緩やかにする効果が期待されます。
リスク管理と長期視点のコツ
ポイントは「余剰資金で長期保有」を貫くことです。賃貸経営には空室、家賃下落、自然災害という三大リスクがつきものですが、長期で見るとインフレヘッジ効果が働きます。日本銀行の消費者物価指数(CPI)は2023〜25年で年2%前後の上昇率を示しており、家賃も緩やかながら追随しています。物件価値と家賃が同時に上がればローン返済額の実質負担は軽くなるため、保有期間が長いほどメリットは大きくなります。
とはいえ、リスクを見過ごすわけにはいきません。空室対策には立地と管理会社選びが要です。実際に筆者が支援した事例では、最寄り駅徒歩7分以内の築浅マンションで設備を定期更新した結果、平均入居期間が6.8年と同エリア平均の5年を大きく上回りました。短期解約が減れば、原状回復費と広告費を圧縮でき、キャッシュフローが安定します。
また、修繕積立を毎月家賃収入の5〜10%で積み立てると、突発的な大規模修繕にも慌てずに対応できます。火災保険と地震保険も必須です。2025年に改定された地震保険料率では、首都圏の木造住宅で平均約4%の値上げが行われましたが、保険加入はリスク転嫁の基本となります。保険料を経費計上できる点も忘れずに活用しましょう。
まとめ
結論として、年収700万円の人が収益物件を持つメリットは「融資枠の拡大」「税負担の軽減」「インフレヘッジ」の三つに集約されます。家計にゆとりがあるため自己資金を用意しやすく、金融機関からの信用力も確保できます。さらに、損益通算や減価償却を活用すれば税金を抑えつつ手元資金を増やせます。大切なのは、物件選定とリスク管理を丁寧に行い、長期保有で複利効果を享受する姿勢です。まずは返済比率とキャッシュフローの試算を行い、自分のライフプランに合った投資戦略を練りましょう。
参考文献・出典
- 総務省統計局「家計調査」https://www.stat.go.jp/data/kakei/
- 国土交通省「不動産投資市場動向調査」https://www.mlit.go.jp/
- 日本政策金融公庫「融資利用の手引き」https://www.jfc.go.jp/
- 日本銀行「金融システムレポート」https://www.boj.or.jp/
- 国税庁「令和5年民間給与実態統計調査」https://www.nta.go.jp/