不動産の税金

年収400万 不動産投資 おすすめの始め方

年収が400万円前後だと「不動産投資はハードルが高そう」と感じる人が少なくありません。しかし実際には、手取りの範囲で無理なく資金計画を立てれば、都心の中古ワンルームや郊外のテラスハウスなど、現実的な選択肢は複数あります。本記事では、年収400万層に最適な投資戦略を紹介し、金融機関の審査ポイントや2025年度に使える支援制度までをまとめます。読み終えるころには、自分にも取り組める具体的なステップが見えてくるはずです。

年収400万円世帯が投資できる理由

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重要なのは、年収よりも返済負担率と自己資金のバランスです。金融機関は年収400万円の場合、年間返済額を年収の30〜35%以内に収めるよう求めます。つまり月々の返済上限はおおむね10万円前後となり、物件価格に換算すると2000万円程度が目安です。

実はこの価格帯の中古ワンルームマンションは東京23区内でも選択肢が豊富です。国土交通省「不動産価格指数」(2025年9月公表)では、築20年前後の区分所有住宅は平均1700万円前後で推移しています。家賃相場は月8万円前後なので、表面利回り5.5%前後を確保できる計算になります。

一方で、地方の築浅アパート一棟を狙うと利回りは高く見えても、入居者需要や将来の資産価値が読みにくくなります。年収400万円層は長期的な安定収入を重視すべきで、空室リスクの低い都市部の区分所有から始める方が現実的です。

まず押さえておきたい資金計画

まず押さえておきたい資金計画のイメージ

ポイントは、購入時にかかる諸費用を自己資金でまかなうことです。不動産取得税、登記費用、仲介手数料などで物件価格の7〜10%が必要になります。たとえば1800万円の物件なら150万円前後を現金で用意する計算です。

また、金融機関の融資はフルローンよりも1〜2割の頭金を入れた方が審査が通りやすく、金利も下がります。住宅金融支援機構の2025年度統計では、頭金10%を入れた場合と比べ、ゼロ頭金では平均金利が年0.3%高くなる傾向が示されています。金利0.3%の差は35年で総返済額に約120万円の違いを生みます。

さらに、想定外の修繕費や空室期間に備えて、家賃収入の3か月分を緊急予備費として別口座に積み立てておくと安心です。この体制が整えば、多少の収支ブレでも家計を圧迫せずに運用を続けられます。

小規模ワンルーム投資の現実

まず押さえておきたいのは、ワンルーム投資はキャッシュフローが小さくても長期で安定しやすい点です。家賃8万円、返済6万5千円、管理費・修繕積立金1万円なら、手残りは5千円に過ぎません。しかし繰り上げ返済を続けると、10年後には返済額が減り始め、月1万5千円以上の純収益が見込めます。

管理面では、建物全体を管理会社が担当するため、自主管理の手間はほぼ不要です。国土交通省「賃貸住宅管理業法」により、管理会社は定期報告と資金分別を義務付けられており、初心者でも透明性の高い運用が可能です。

一方で、家賃下落リスクを抑えるためには立地選定が欠かせません。総務省の人口動態(2025年版)によると、山手線主要駅から徒歩10分圏の単身世帯数は今後10年間微増が見込まれているのに対し、郊外駅からバス便のエリアでは毎年1〜2%の減少が予測されています。空室損を最小化するには、やはり都心駅近を優先すべきです。

ローン審査を通すコツと金融機関選び

実は、投資ローンの審査項目は大きく三つに分けられます。第一に本人属性、第二に物件収益性、第三に自己資金割合です。年収400万円でも勤続年数が5年以上であれば属性評価は十分とされます。

物件収益性については、金融機関ごとに「想定家賃×90%」を収入計算に使う場合が多いため、試算表を作る際は家賃を1割減らしても返済比率が合うか確認しましょう。これがクリアできない物件は見送るのが賢明です。

金融機関選びでは、都市銀行は金利が低いものの自己資金1〜2割を要求し、地方銀行や信用金庫は金利がやや高い代わりに自己資金が少なくても相談に乗る傾向があります。2025年度の平均金利は都市銀行で年1.7%、信用金庫で年2.2%程度です。総返済額では大差に見えますが、諸費用を含めた自己資金総額で比較すると、結果的に支出差が小さくなるケースもあります。複数銀行で事前審査を取り、総合的に条件を比べることが成功の近道です。

2025年度に利用できる支援策

2025年度時点で不動産投資家が利用できる主な制度は税制面に集中しています。まず、新築賃貸住宅を建てた場合、固定資産税が3年間半額になる特例は2025年度も継続予定です。木造2階建てアパートや長屋住宅が対象で、都市計画税も同期間2分の1に軽減されます。

また、中古物件でも耐震改修を行い、自治体の「耐震改修促進税制」を活用すれば、工事完了翌年の固定資産税が1年間半額になります。東京都23区の例では、改修に要した費用が120万円以上かつ耐震基準を満たせば適用されるため、築古ワンルームを買う際に検討する価値があります。

加えて、住宅ローン控除は自己居住用のみ対象ですが、投資用でも「損益通算」の仕組みで所得税・住民税を圧縮できます。家賃収入より減価償却費や金利が大きい場合、給与所得と合算して税負担を下げられるため、確定申告の準備は欠かせません。国税庁の最新通達では副業所得20万円超から申告義務があり、経費計上の根拠資料を保存することが求められています。

まとめ

本記事では、年収400万円でも現実的に取り組める不動産投資の道筋を紹介しました。返済比率30%以内、頭金1〜2割、都心駅近の中古ワンルームという組み合わせなら、金融機関の評価も得やすく、長期的なキャッシュフローが安定します。さらに2025年度の固定資産税軽減や耐震改修税制を活用すれば、税負担を抑えつつ資産価値を高めることが可能です。最初の一歩は、自己資金と家計の見直しから始め、複数の融資条件と物件情報を比較検討すること。行動を起こし、確かなデータに基づいた投資判断を積み重ねれば、年収400万円でも資産形成の道は着実に開けます。

参考文献・出典

  • 国土交通省 不動産価格指数 – https://www.mlit.go.jp
  • 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査2025 – https://www.jhf.go.jp
  • 総務省 人口動態調査2025年版 – https://www.stat.go.jp
  • 国税庁 所得税基本通達(令和7年改正) – https://www.nta.go.jp
  • 東京都 建築物耐震改修促進事業概要 – https://www.metro.tokyo.lg.jp

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