不動産投資を始めたいけれど、アパート経営やREITなど種類が多くて何から手をつければよいか分からない――そんな悩みを抱える方は少なくありません。本記事では、不動産投資の代表的な種類とREIT(不動産投資信託)の仕組みを整理し、初心者が成功へ近づくための具体的な手順を解説します。読後には、自分に合った投資方法を選び、2025年以降の市場で確かな一歩を踏み出すイメージがつかめるはずです。
不動産投資の主な種類を整理する

まず押さえておきたいのは、不動産投資には現物と金融商品の二つの大きな系統がある点です。現物投資にはマンション一室を購入して賃貸に回す区分所有や、一棟アパートを経営する方法などが含まれます。一方、金融商品側の代表例がREITで、少額から分散投資できる点が特徴です。
現物投資では、物件を直接保有するため資産価値の上昇益と賃料収入の両方を狙えます。しかし管理責任や修繕費が発生し、賃借人対応も必要です。また、初期費用が高額になるため融資審査のハードルも意識しなければなりません。
REITは投資家から集めた資金で物件を購入し、賃料や売却益を分配金として還元する仕組みです。東京証券取引所の上場銘柄は2025年12月時点で63銘柄にのぼり、価格は株式と同様に日々変動します。流動性が高く、最短翌営業日で売却できる点は現物にはない利点です。
一方で、REITは市場全体の景気や金利動向に敏感で、分配金が減るリスクもあります。つまり、現物とREITには一長一短があるため、自身の資金力やリスク許容度を踏まえて選択することが成功へのスタートラインとなります。
REITの仕組みと2025年度の注目ポイント

ポイントは、REITが法律で90%以上の利益を分配するよう定められているため、高い配当利回りが期待できることです。2025年12月の東証平均分配金利回りは約3.7%で、長期国債利回りを1.5ポイントほど上回っています(日本取引所グループ公表値)。
REITは複数物件に分散投資しているため、単一物件の空室に左右されにくい構造です。たとえば物流特化型やホテル特化型など、セクターごとに選べる点も魅力ですが、経済状況によってパフォーマンスに差が生じます。観光需要の回復が続く2025年度はホテル系が好調な一方、オフィス系はテレワーク定着で選別色が強まる傾向が見られます。
さらに、2025年度も継続中の「NISA制度拡充」により、非課税枠でREITを購入する個人が増えています。金融庁の統計では、新NISA口座でのREIT買付額は前年同期比で約1.4倍に拡大しました。非課税メリットを活用すれば、分配金にかかる20.315%の税負担を回避でき、実質利回りが向上します。
ただし、REITは株式市場の急落時に価格が下がりやすい点に注意が必要です。株と違い、倒産リスクは低いものの流動性が裏目に出る場合もあります。そこで、投資額を段階的に増やすドルコスト平均法を採用し、価格変動を平準化する戦略が有効です。
現物投資でキャッシュフローを最大化するコツ
実は、現物投資の成否は購入時にほぼ決まると言われます。特に家賃とローン返済の差額であるキャッシュフローを安定させるためには、立地選びと融資条件がカギを握ります。国土交通省「住宅着工統計」によると、2025年の都心ワンルーム賃料は前年比で3%上昇し、人口流入が続くエリアほど賃料上昇を示しています。
一方で、郊外や地方都市では空室率が高まりやすく、利回りが高くても収入が途切れるリスクがあります。つまり、数字だけで判断せず、将来の人口動態や再開発計画を確認する視点が欠かせません。
融資面では、自己資金を20%用意できれば金利優遇を得やすく、返済比率も下がります。日本銀行の最新「金融システムレポート」では、住宅ローン金利の平均は変動型で0.45%、投資用ローンは1.9%前後と示されています。金利が1%上がると月々の返済額が約8%増える試算もあり、金利上昇局面への耐性を持たせることが重要です。
管理コストは家賃収入の10%前後が目安ですが、大規模修繕や退去リフォームの積立も忘れてはいけません。修繕積立を毎月家賃の5%ずつ確保しておくと、突発費用にも慌てずに対応できます。このように、購入前に詳細なシミュレーションを行い、悲観シナリオにも耐える計画を立てることが成功の近道です。
種類別リスク管理とポートフォリオ戦略
重要なのは、投資対象の種類ごとに異なるリスクを俯瞰し、組み合わせることで全体のブレを抑えることです。現物のみだと地域リスクが集中しますが、REITを加えると流動性と分散効果が得られます。一方、REITだけでは市場ボラティリティに影響されやすいため、配当安定型の住宅系REITと、成長性重視の物流系REITをバランス良く組み合わせる手法が考えられます。
具体例として、家賃収入目的で都心区分マンションを1戸保有し、余剰資金でREITを定期的に買い増すモデルを見てみましょう。マンションの実質利回りが4%、REITの分配利回りが3.7%なら、加重平均で3.85%程度が期待できます。市場が急落してREIT価格が20%下落しても、マンションの賃料はほぼ変動しないため、総収入の落ち込みを抑えられます。
また、2025年度は住宅省エネ改修に対する国の補助金が継続しており、断熱性能向上工事に対して最大120万円が交付されます。中古物件を購入後に改修し、家賃を1割上げることで利回りを改善する手法も有効です。この制度は2026年3月完了分までが対象と明記されているため、スケジュール管理が欠かせません。
保険活用もリスク管理には欠かせない要素です。火災保険はもちろん、家賃保証サービスや地震保険を適切に組み合わせることで、思わぬ支出を平準化できます。保険料は利益を圧迫しますが、長期的な安定を買うコストと考えれば納得しやすいはずです。
成功に近づくための実践ステップ
まず、目標を「年間キャッシュフロー○○万円」など具体的に設定し、投資期間と達成手段を明確にします。次に、現物とREITの比率を決め、必要資金を逆算します。この段階でファイナンシャルプランナーや不動産会社に相談し、複数シミュレーションを行うと客観性が高まります。
物件選定では、現地を昼と夜の両方で確認し、周辺の家賃相場や将来計画を自治体の都市計画課で調べる姿勢が大切です。また、REITの情報は投資法人が開示する決算短信や資産運用報告書を読む習慣を身につけましょう。数字の裏側にある運用方針や借入比率まで理解すると、分配金の持続性を評価できます。
購入後は、月次でキャッシュフローをチェックし、目標と乖離があれば要因を分析します。家賃が市場水準より高過ぎる場合は早めに是正し、空室期間を短縮します。REITは四半期ごとにポートフォリオを見直し、利回りと価格のバランスが崩れていないか確認するとよいでしょう。
結論として、成功への鍵は「計画」「実行」「検証」のサイクルを回し続けることに尽きます。短期の価格変動に一喜一憂せず、長期視野で収益とリスクをコントロールする姿勢こそが、2025年以降の不動産投資で結果を出す最短ルートです。
まとめ
ここまで、不動産投資の種類とREITの特徴、さらにはリスク管理と実践ステップを解説しました。現物投資は安定した家賃収入、REITは流動性と分散効果が強みです。両者を組み合わせ、自分の資金力と目標に合ったポートフォリオを組むことで、不動産投資 種類 REIT 成功の道が開けます。まずは小さく始め、データに基づいて継続的に見直す姿勢を大切にしてください。
参考文献・出典
- 国土交通省 住宅市場動向調査(令和7年度版) – https://www.mlit.go.jp
- 日本取引所グループ J-REIT市場統計 – https://www.jpx.co.jp
- 金融庁 NISA口座統計(2025年上期) – https://www.fsa.go.jp
- 日本銀行 金融システムレポート(2025年10月) – https://www.boj.or.jp
- 総務省統計局 住民基本台帳人口移動報告(2025年速報) – https://www.stat.go.jp