賃貸アパートやマンションの空室率が気になる一方で、手堅く資産形成を進めたい――そんな悩みを抱える方が最近増えています。不動産投資には多彩な種類があり、そのなかでも「トランクルーム投資」は小規模で始めやすく、景気変動に強い点が魅力です。本記事では「不動産投資 種類 トランクルーム おすすめ」という視点から、初心者でも理解できるように基本を整理し、2025年時点で押さえておきたい制度や税務まで詳しく解説します。最後まで読めば、物件選びのチェックポイントと収益シミュレーションの考え方がわかり、行動を起こす際の判断材料を得られるはずです。
不動産投資の主な種類と特徴

まず押さえておきたいのは、不動産投資には「居住用」「商業用」「特殊用途」という大きな区分が存在することです。居住用にはワンルームマンションや戸建賃貸が含まれ、商業用はオフィスや店舗が該当します。一方で特殊用途にはホテル、老人ホーム、そしてトランクルームが入り、ニッチ市場で独特の収益構造を持つ点が特徴です。
居住用は需要が読める反面、入居者対応や原状回復費用が重くのしかかります。商業用は長期契約が期待できますが、景気悪化で退去が連鎖すると収益が大きく揺らぎます。これに対しトランクルームは利用者が個人と法人にまたがり、契約も月単位で柔軟です。つまり複数区画を同時に貸し出すため、ひとつが空いても収入がゼロになるリスクが低い構造になっています。
国土交通省の「賃貸住宅市場調査2024」によると、全国平均の住宅空室率は19.4%に達する一方、屋内型トランクルームの稼働率は80%台を維持しています。この差は小規模区画の需要が底堅いことを示し、景気や人口動態の影響を受けにくい投資先として注目される理由と言えるでしょう。
トランクルーム投資が注目される背景

実は収納ニーズの拡大が、トランクルーム需要を押し上げています。総務省「住宅・土地統計調査2025速報」では、都市部の単身世帯比率が38%を超え、住環境の狭小化が進んでいるとの結果が発表されました。居住スペースが限られるほど外部収納への依存が高まるため、このトレンドは投資家にとって追い風になります。
さらに、法人利用の増加も見逃せません。EC事業者は小口在庫を街なかで分散保管する動きが活発で、物流2024問題を背景に「即日配送エリア拡大」の一環としてトランクルームを活用しています。これにより繁忙期でも安定稼働が見込めるため、投資家の想定利回りは表面で8〜12%と、集合住宅より高水準で取引されるケースが増えています。
市場規模も拡大中です。矢野経済研究所のレポートでは、国内トランクルーム市場は2023年の約930億円から2028年に1,200億円規模へ成長すると予測されています。需要が右肩上がりであることは、出口戦略としての売却やリファイナンスを有利に進める材料にもなるでしょう。
収益構造とリスクを具体的に掘り下げる
ポイントは「複数区画×低コスト運営」というシンプルな収益モデルです。屋内型トランクルームであれば、区画を50〜100に分けて貸すため、ひと区画が空いても全体の収入減はわずか数%で済みます。維持管理も無人運営が主流で、人件費がほぼ固定化されない点が高利回りを下支えします。
ただし、リスクがないわけではありません。まず立地ミスマッチによる稼働低下があげられます。半径1km圏に競合が増えすぎると需要を奪われるため、商圏調査は必須です。次にセキュリティ投資を怠ると盗難リスクが高まり、クレーム対応コストが跳ね上がります。最後に屋外型コンテナの場合、コンテナの経年劣化と塩害が修繕費を押し上げることがあるので、海沿いエリアでは慎重な試算が求められます。
数字で示すと、延床面積200㎡の屋内型物件で想定年収は約1,000万円、経費率は25%前後です。ローン金利2%・20年返済で自己資金20%を投入した場合、税引前キャッシュフローは年間150万円前後が平均値になります。空室率を20%に設定しても黒字を維持しやすいのは、小口分散という構造的メリットによるものです。
成功するトランクルーム物件選びの着眼点
まず押さえておきたいのは「用途地域」と「人口動態」の二つです。第一種住居地域や準工業地域は騒音規制が比較的緩く、トランクルーム用途に転用しやすい傾向があります。また、商圏人口は半径2kmで10万人以上が一つの目安とされ、国勢調査データや携帯位置情報を活用すると精度が上がります。
次に建物仕様です。鉄骨造スケルトン物件を取得し、内部を間仕切りする手法は初期費用を抑えやすく、減価償却期間を34年に延長できる点がメリットです。照明はLED、空調はインバーター方式にすると電気代を10%以上削減でき、長期のキャッシュフロー安定化につながります。
また、ユーザー目線の利便性も欠かせません。鍵は従来のシリンダーからスマートロックへ移行すると、24時間オンラインで入退室履歴を管理でき、防犯力が向上します。加えて専用駐車スペースや荷物用エレベーターを確保すると、法人利用率が伸びるため稼働率改善に直結します。
2025年時点で活用できる制度と税務ポイント
重要なのは、制度を正しく理解して節税と資金調達を有利に進めることです。まず2025年度も継続している「中小企業等経営強化法」の固定資産税軽減措置では、一定の省エネ設備を導入した場合、3年間は固定資産税が1/2になります。屋内型施設でLED照明や高効率空調を採用すれば、この特例を受けられる可能性が高いので、設備選定の段階で税理士に確認するとよいでしょう。
減価償却も魅力です。建物部分は定額法を選択すると毎年の費用計上が安定し、キャッシュフロー予測が立てやすくなります。一方、室内間仕切りやセキュリティ機器は耐用年数が短く、5〜10年で償却が終わるため、早期に損金算入して課税所得を圧縮できます。所得が高い年に合わせて開業時期を調整すると、節税効果を最大化できるでしょう。
金融面では、日本政策金融公庫の「生活衛生関係貸付」による低利融資が2025年度も利用可能です。自己資金1割からでも挑戦できるケースがあり、都市銀行のノンリコースローンと組み合わせると、レバレッジを効かせつつ返済期間を延ばす戦略が取れます。金利が上昇局面に入っても、固定金利型を選べばキャッシュフローの読みやすさを担保できます。
まとめ
以上、さまざまな不動産投資の種類のなかでもトランクルームが注目される理由と成功のポイントを見てきました。小口分散で空室リスクを抑えられる上、市場成長と制度メリットが重なり、2025年以降も堅実な運用が期待できます。まずは自宅や勤務先周辺の需要を調べ、融資条件と税務面のシミュレーションを行いましょう。行動を起こすことでしか得られない学びがあり、早めの一歩が将来の安定収入への近道になります。
参考文献・出典
- 国土交通省 不動産統計ポータル – https://www.mlit.go.jp/estat-statistics.html
- 総務省 住宅・土地統計調査2025速報 – https://www.stat.go.jp
- 矢野経済研究所 トランクルーム市場動向 – https://www.yano.co.jp
- 中小企業庁 経営強化法特例措置 – https://www.chusho.meti.go.jp
- 日本政策金融公庫 生活衛生関係貸付 – https://www.jfc.go.jp