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保証会社が払ってくれない時どうすればいい?対処法と予防策を徹底解説

賃貸経営をしていると、入居者の家賃滞納が発生した際に保証会社に請求したものの、支払いを拒否されて困惑した経験はありませんか。保証会社に加入しているから安心だと思っていたのに、いざという時に保証金が支払われないという事態は、大家さんにとって大きな痛手となります。この記事では、保証会社が支払いを拒否する理由から具体的な対処法、そして今後同じトラブルを避けるための予防策まで、実践的な知識を分かりやすく解説します。保証会社とのトラブルを解決し、安定した賃貸経営を実現するためのヒントが見つかるはずです。

保証会社が支払いを拒否する主な理由

保証会社が支払いを拒否する主な理由のイメージ

保証会社が家賃の立て替え払いを拒否するケースには、明確な理由が存在します。まず理解しておきたいのは、保証会社も契約に基づいて業務を行っているという点です。契約内容に沿わない請求や手続きの不備があれば、当然ながら支払いは行われません。

最も多い拒否理由は、契約時の告知義務違反です。入居者の収入や職業、過去の滞納歴などについて虚偽の申告があった場合、保証会社は契約を無効とする権利を持っています。例えば、入居審査時に安定した収入があると申告していたにもかかわらず、実際には無職だったというケースでは、保証会社は「重要事項について虚偽の申告があった」として支払いを拒否できます。

次に多いのが、大家側の手続き不備です。家賃滞納が発生した際、保証会社への通知期限を守らなかったり、必要書類を提出しなかったりすると、保証の対象外となってしまいます。多くの保証会社では「滞納発生から30日以内に通知」といった規定を設けており、この期限を過ぎると保証を受けられなくなるのです。

さらに、保証対象外の費用を請求しているケースも見られます。保証会社の契約では通常、家賃と共益費が保証対象となりますが、原状回復費用や違約金、遅延損害金などは対象外となっていることがほとんどです。これらを含めて請求すると、全体が拒否される可能性もあるため注意が必要です。

また、契約更新時の手続きを怠っていた場合も支払い拒否の原因となります。保証契約は通常1年または2年ごとに更新が必要で、更新料の支払いや書類の提出を忘れると、保証が失効してしまいます。入居者が長期間住んでいる場合、この更新手続きを見落としがちなので特に注意が必要です。

支払い拒否された時の初動対応

支払い拒否された時の初動対応のイメージ

保証会社から支払いを拒否された場合、まず冷静に状況を整理することが重要です。感情的になって保証会社に抗議する前に、拒否理由を正確に把握し、適切な対応を取ることで解決の可能性が高まります。

最初に行うべきは、保証会社からの拒否通知を詳細に確認することです。通知書には必ず拒否理由が記載されているはずですので、その内容を一字一句丁寧に読み込みましょう。拒否理由が複数ある場合もありますので、すべての項目をリストアップして整理します。

次に、自分が保有している契約書類をすべて集めて確認します。保証委託契約書、賃貸借契約書、入居申込書、収入証明書など、契約時に交わした書類をすべて揃えてください。これらの書類と保証会社の拒否理由を照らし合わせることで、問題の所在が明確になります。

書類の確認が終わったら、保証会社の担当者に連絡を取ります。この際、感情的にならず、事実確認を中心とした冷静な対話を心がけることが大切です。「なぜ支払いが拒否されたのか」「どの契約条項に基づいているのか」「解決のために何が必要か」といった具体的な質問を準備しておきましょう。

担当者との会話は必ず記録に残します。通話日時、担当者名、会話内容をメモし、可能であれば録音もしておくと後々役立ちます。また、メールでのやり取りも積極的に活用し、文書として証拠を残すことを意識してください。

もし担当者レベルでの解決が難しい場合は、保証会社の上席者や責任者との面談を申し入れます。多くの場合、現場担当者は規定に従って機械的に判断しているだけで、上席者が状況を総合的に判断すれば解決することもあります。

契約内容の再確認と証拠の整理

支払い拒否への対応では、契約内容の正確な理解と証拠の整理が解決の鍵となります。保証会社との交渉を有利に進めるためには、法的根拠に基づいた主張が不可欠です。

保証委託契約書を改めて精読し、保証範囲と免責事項を明確にしましょう。契約書には「保証する範囲」と「保証しない場合」が必ず記載されています。例えば、「入居者が故意に家賃を支払わない場合」は保証対象でも、「大家が正当な理由なく家賃を値上げした場合の差額」は対象外といった具合です。自分のケースがどちらに該当するのか、契約書の文言を根拠に判断します。

次に、手続き上の要件を満たしているか確認します。滞納発生時の通知期限、必要書類の提出期限、通知方法(書面か電話か)など、契約書に定められた手続きをすべて守っていたかチェックしてください。もし期限を過ぎていても、正当な理由があれば考慮される可能性もあるため、その理由を明確にしておきます。

証拠書類の整理も重要です。家賃の請求書、入金記録、滞納の事実を示す通帳のコピー、入居者への督促状、保証会社への通知書など、時系列に沿って整理します。特に、保証会社への通知日を証明できる書類(配達証明付き郵便の控えなど)は重要な証拠となります。

入居者の契約違反を示す証拠も集めましょう。無断転貸、用途違反、近隣トラブルなど、入居者側に問題がある場合は、それを裏付ける写真、近隣住民の証言、警察への相談記録などが有効です。これらは保証会社が「入居者の契約違反による滞納」と認定する根拠となります。

もし契約書の解釈に疑問がある場合は、不動産の専門家や弁護士に相談することも検討してください。契約書の文言は専門的で分かりにくいことも多く、プロの視点から見れば大家側に有利な解釈ができる場合もあります。相談費用はかかりますが、大きな金額が関わる場合は投資する価値があります。

保証会社との効果的な交渉方法

保証会社との交渉を成功させるには、戦略的なアプローチが必要です。単に「払ってほしい」と訴えるだけでは解決しません。相手の立場を理解しながら、論理的に自分の主張を展開することが重要です。

交渉の準備として、まず自分の主張を明確にします。「なぜ保証金が支払われるべきか」を、契約書の条項と証拠に基づいて論理的に説明できるようにしてください。例えば、「契約書第○条により、入居者の家賃滞納は保証対象と明記されている。当方は第△条に定める通知義務を履行しており、添付の配達証明書がその証拠である」といった具合です。

交渉の場では、感情論を避け、事実と契約に基づいた議論を心がけます。「困っている」「不公平だ」といった感情的な訴えではなく、「契約上の義務を果たしているにもかかわらず、保証会社が契約を履行しないのは契約違反である」という法的な観点から主張します。

譲歩案を用意しておくことも効果的です。全額の支払いが難しい場合でも、一部支払いや分割払いなど、双方が受け入れられる妥協点を探ります。保証会社も訴訟リスクを避けたいと考えているため、合理的な提案には応じる可能性があります。

交渉の過程はすべて文書化します。面談後は必ず議事録を作成し、双方の主張と合意事項を明記して保証会社に送付してください。相手からの返答も書面で求めることで、後々の証拠として活用できます。

もし直接交渉が行き詰まった場合は、第三者機関の活用も検討します。国民生活センターや各都道府県の消費生活センターでは、保証会社とのトラブルについて相談を受け付けています。また、日本賃貸住宅管理協会などの業界団体に相談することで、業界内での解決を図ることもできます。

最終手段として法的措置も視野に入れますが、これは交渉の切り札として温存しておくべきです。「このままでは法的措置を検討せざるを得ない」という姿勢を示すことで、保証会社が真剣に対応する可能性が高まります。ただし、実際に訴訟を起こすかどうかは、費用対効果を慎重に検討してから決定してください。

法的手段を検討する際のポイント

保証会社との交渉が決裂した場合、法的手段を取ることも選択肢の一つです。ただし、訴訟には時間と費用がかかるため、慎重な判断が必要です。

まず検討すべきは、少額訴訟制度の活用です。請求額が60万円以下の場合、簡易裁判所で少額訴訟を起こすことができます。この制度は原則として1回の審理で判決が出るため、通常の訴訟よりも迅速に解決できます。手続きも比較的簡単で、弁護士を立てずに本人訴訟も可能です。

請求額が60万円を超える場合は、通常の民事訴訟を検討します。この場合、弁護士に依頼するのが一般的です。弁護士費用は着手金と成功報酬を合わせて請求額の10〜20%程度が相場ですが、事案の複雑さによって変動します。複数の弁護士に相談し、費用と勝訴の見込みを比較検討してください。

訴訟を起こす前に、内容証明郵便で最終通告を送ることも効果的です。弁護士名義で「○日以内に支払いがない場合は法的措置を取る」という内容の通知を送ることで、保証会社が態度を軟化させることもあります。内容証明郵便は法的な証拠力も高く、訴訟になった際にも有利に働きます。

調停制度の活用も検討に値します。簡易裁判所の民事調停は、裁判官と調停委員が間に入って話し合いによる解決を目指す制度です。訴訟よりも柔軟な解決が可能で、費用も安く抑えられます。ただし、相手方が調停に応じない場合や、合意に至らない場合は効果がありません。

訴訟を起こす際は、勝訴の見込みを冷静に評価することが重要です。契約書の内容、証拠の有無、過去の判例などを総合的に検討し、勝訴の可能性が高いと判断できる場合のみ訴訟に踏み切るべきです。弁護士に相談する際は、率直に勝訴の見込みを尋ねてください。

また、訴訟には時間がかかることも考慮に入れる必要があります。少額訴訟でも数ヶ月、通常訴訟では1年以上かかることも珍しくありません。その間の家賃収入の損失や精神的負担も考慮し、訴訟以外の解決方法がないか再度検討してください。

入居者への直接請求と法的手続き

保証会社が支払いを拒否した場合、入居者本人に直接請求することも重要な選択肢です。保証会社との契約とは別に、入居者との賃貸借契約は有効に存続しているため、家賃を請求する権利は失われていません。

入居者への請求は、まず内容証明郵便で督促状を送ることから始めます。滞納額、支払期限、支払方法を明記し、「期限までに支払いがない場合は法的措置を取る」旨を記載してください。内容証明郵便は送付の事実と内容を郵便局が証明してくれるため、後の法的手続きで重要な証拠となります。

入居者が支払いに応じない場合は、支払督促の申立てを検討します。これは簡易裁判所に申し立てることで、裁判所から入居者に支払いを命じる書面を送付してもらう制度です。入居者が2週間以内に異議を申し立てなければ、強制執行が可能になります。手続きは比較的簡単で、費用も訴訟より安く抑えられます。

入居者が支払督促に異議を申し立てた場合は、通常の訴訟手続きに移行します。この段階では弁護士に依頼することをお勧めします。訴訟では家賃の未払いだけでなく、契約解除と明渡しも同時に請求することが一般的です。

明渡し訴訟で勝訴判決を得た後も、入居者が任意に退去しない場合は強制執行の手続きが必要です。強制執行には執行官の立会いが必要で、費用は10万円から30万円程度かかります。また、残置物の処分費用も大家が負担することになるため、トータルで50万円以上の費用がかかることも珍しくありません。

入居者への直接請求と並行して、連帯保証人がいる場合はその人にも請求します。連帯保証人は入居者と同等の支払義務を負っているため、入居者が支払わない場合は連帯保証人に全額請求できます。ただし、2020年4月の民法改正により、連帯保証契約には極度額(上限額)の設定が必要になったため、その範囲内での請求となります。

今後のトラブルを防ぐための予防策

保証会社とのトラブルを未然に防ぐには、契約時の慎重な確認と日常的な管理が不可欠です。一度トラブルを経験した大家さんは、同じ失敗を繰り返さないための仕組みづくりが重要です。

まず、保証会社選びを慎重に行いましょう。保証会社によって保証内容、免責事項、手続きの厳格さが大きく異なります。複数の保証会社を比較し、保証範囲が広く、手続きが明確で、トラブル時の対応が丁寧な会社を選んでください。不動産管理会社や他の大家さんからの評判も参考になります。

契約書の内容は隅々まで確認し、不明点は必ず質問して明確にします。特に、保証対象となる費用の範囲、免責事項、通知義務の内容と期限、更新手続きの方法などは重要です。口頭での説明だけでなく、書面で確認することを心がけてください。

入居審査は保証会社任せにせず、大家自身も慎重に行います。入居申込書の内容を細かくチェックし、収入証明書や在職証明書などの書類も原本で確認してください。不自然な点があれば、保証会社に確認を求めます。審査を厳格に行うことで、後々のトラブルを大幅に減らすことができます。

契約時の書類は完璧に整えて保管します。保証委託契約書、賃貸借契約書、入居申込書、重要事項説明書、収入証明書など、すべての書類をファイリングし、いつでも取り出せるようにしておきましょう。電子データとしてもバックアップを取っておくと安心です。

家賃管理は厳格に行い、滞納が発生したら即座に対応します。多くの保証会社では「滞納発生から30日以内」といった通知期限を設けているため、この期限を守ることが重要です。家賃の入金確認は毎月決まった日に行い、入金がなければすぐに入居者に連絡を取る習慣をつけてください。

保証会社への通知は必ず書面で行い、配達証明付き郵便や内容証明郵便を利用します。電話での連絡だけでは証拠が残らないため、後でトラブルになる可能性があります。通知書のコピーと配達証明書は必ず保管してください。

保証契約の更新手続きも忘れずに行います。更新時期が近づいたら、保証会社から連絡が来る前に自分から確認の連絡を入れましょう。更新料の支払いや書類の提出を怠ると保証が失効してしまうため、カレンダーやリマインダーアプリで管理することをお勧めします。

保証会社以外のリスク管理方法

保証会社だけに頼らず、複数のリスク管理手段を組み合わせることで、より安全な賃貸経営が可能になります。保証会社が機能しない場合に備えて、別の安全網を用意しておくことが賢明です。

連帯保証人を立てることは、依然として有効なリスク管理手段です。保証会社と連帯保証人の両方を求めることで、二重の保証を得ることができます。ただし、2020年4月の民法改正により、連帯保証契約には極度額の設定が必要になったため、家賃の2年分程度を目安に設定するのが一般的です。

家賃保証保険への加入も検討に値します。これは大家が保険料を支払うことで、入居者の家賃滞納リスクをカバーする保険です。保証会社とは異なり、保険会社が支払いを拒否するケースは少なく、より確実な保証が得られます。ただし、保険料は保証会社の保証料より高めに設定されていることが多いです。

敷金を多めに設定することも一つの方法です。通常は家賃の1〜2ヶ月分ですが、3〜4ヶ月分に設定することで、滞納が発生した際の損失を軽減できます。ただし、敷金が高すぎると入居者が集まりにくくなるため、地域の相場とのバランスを考慮する必要があります。

入居者の属性を慎重に選ぶことも重要です。安定した収入のある会社員や公務員、上場企業の社員などは、滞納リスクが比較的低いとされています。一方、自営業者やフリーランスは収入が不安定な場合があるため、より慎重な審査が必要です。ただし、属性だけで判断せず、人柄や誠実さも総合的に評価することが大切です。

定期的な物件訪問と入居者とのコミュニケーションも、リスク管理の一環として重要です。半年に一度程度、物件の状態確認を兼ねて入居者と顔を合わせることで、生活状況の変化や困りごとを早期に把握できます。良好な関係を築いておけば、万が一支払いが遅れる場合でも事前に相談してもらえる可能性が高まります。

不動産管理会社に管理を委託している場合は、管理会社の対応力も重要です。滞納が発生した際に迅速かつ適切に対応してくれる管理会社を選ぶことで、被害を最小限に抑えることができます。管理会社を選ぶ際は、滞納時の対応フローや過去の実績を確認してください。

まとめ

保証会社が払ってくれない時の対処法について、様々な角度から解説してきました。最も重要なのは、トラブルが発生した際に冷静に状況を分析し、契約内容と証拠に基づいて適切な対応を取ることです。

保証会社との交渉では、感情的にならず論理的に主張することが成功の鍵となります。契約書を精読し、自分の権利を正確に理解した上で、証拠を整理して交渉に臨んでください。交渉が難航する場合は、第三者機関の活用や法的手段も視野に入れながら、最善の解決策を探りましょう。

同時に、入居者本人への直接請求も忘れてはいけません。保証会社との契約とは別に、賃貸借契約に基づく請求権は存続しているため、内容証明郵便での督促や支払督促の申立てなど、段階的に対応を進めていくことが重要です。

何より大切なのは、今後同じトラブルを繰り返さないための予防策を講じることです。保証会社選びを慎重に行い、契約内容を十分に理解し、日常的な管理を徹底することで、多くのトラブルは未然に防ぐことができます。また、保証会社だけに頼らず、連帯保証人や家賃保証保険など、複数のリスク管理手段を組み合わせることも効果的です。

賃貸経営には様々なリスクが伴いますが、適切な知識と準備があれば、そのリスクを大幅に軽減できます。この記事で紹介した対処法と予防策を実践し、安定した賃貸経営を実現してください。困った時は一人で抱え込まず、不動産の専門家や弁護士に相談することも大切です。あなたの賃貸経営が成功することを願っています。

参考文献・出典

  • 国土交通省「賃貸住宅管理業者登録制度について」 – https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000001.html
  • 法務省「民法の一部を改正する法律(債権法改正)について」 – https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html
  • 国民生活センター「賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル」 – https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/chintai.html
  • 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 – https://www.jpm.jp/
  • 一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会 – https://www.zenchin.com/
  • 裁判所「民事調停手続」 – https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_04_02_02/index.html
  • 東京都都市整備局「賃貸住宅紛争防止条例」 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-6-jyuutaku.htm

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