不動産融資

賃貸審査でリボ払いは不利?影響と通過する3つのコツ

賃貸物件を借りたいものの、クレジットカードのリボ払いが残っていて審査に通るか不安という方は少なくありません。さらに将来的に不動産投資を考えている場合、リボ払いの存在が融資審査にどう影響するのかも気になるところです。実は、リボ払いの残高や返済状況によって、審査結果が変わるケースがあります。この記事では、リボ払いが賃貸審査や不動産投資ローンにどこまで影響するのか、そして具体的な対処法までを丁寧に解説していきます。

リボ払いが賃貸審査に与える影響の基本

賃貸物件の入居審査では、申込者が家賃をきちんと払えるかどうかが最も重視されます。近年の賃貸契約では、大家さんや管理会社だけでなく、家賃保証会社が審査に関わるのが一般的です。国土交通省が2018年に公表した資料によると、住宅の新規賃貸契約の約6割が機関保証を利用しており、保証会社の審査が賃貸契約の入口になっていることがわかります。

ここで理解しておきたいのは、保証会社によって審査で見るポイントが異なるという点です。一般に信販系と呼ばれる保証会社は、クレジットカード会社のグループ企業であり、CICなどの信用情報機関のデータを参照して審査を行います。つまり、リボ払いの残高や返済状況が審査結果に直接影響しうるのです。

一方で、かつては「独立系や協会系の保証会社は信用情報を見ないから通りやすい」という通説が語られてきました。しかし、この見方は現在の実態とは必ずしも一致しません。たとえば保証会社大手のCasaは、240万件を超える自社データに加えて、JICCや全国銀行個人信用情報センター、CICといった外部機関の個人信用情報も照会していると公表しています。同じく大手のジェイリースも、本人同意のうえでJICCおよび提携機関であるCICなどへ個人情報を提供し、蓄積データベースと合わせて審査に活用すると説明しています。信販系かどうかという区分だけで判断するのは、もはや正確ではないと言えます。

重要なのは、リボ払いの存在そのものが即座に審査落ちの原因になるわけではないということです。問題になりやすいのは、延滞歴がある場合や、返済負担が収入に対して大きすぎる場合など、支払い能力に疑問を持たれる状況です。毎月きちんと返済を続けていれば、リボ払いの残高が多少あっても審査に通る可能性は十分にあります。

保証会社が信用情報を見る仕組み

保証会社が信用情報を確認する根拠は、申込時に同意する条項に明記されています。たとえばオリコフォレントインシュアの同意条項では、信用情報機関に照会し、登録がある場合はその情報の提供を受けて、申込者の支払能力・返済能力の調査に利用すると定めています。同様に、エポスカードのROOM iDでも、加盟する信用情報機関やその提携機関へ照会し、支払能力の調査に用いると記載されています。

これらの条項が示すのは、審査の過程で信用情報が確認されうるという事実です。カード会社系の保証サービスでは、こうした照会が明文化されている点を理解しておくと、審査で何が見られるのかを推測ではなく根拠をもって把握できます。リボ払いを含むクレジット利用状況は、この照会を通じて保証会社に伝わる可能性があるのです。

なお、業界全体の情報共有の仕組みも変化しています。保証会社をめぐる情報環境は固定的ではなく、最新の状況は各機関の公式情報で確認する姿勢が大切です。

信用情報とリボ払いの関係を理解する

賃貸審査や不動産投資ローンの審査で参照される信用情報には、リボ払いに関する内容も記録されています。CICで本人開示できる情報には、クレジットやローンの契約内容、支払状況、残高、そして新規に申し込んだ際の申込情報が含まれます。JICCでも、契約内容に加えて残高金額や完済日、延滞の有無などが返済状況として登録されています。

ここで注意したいのが、情報の更新タイミングです。CICのクレジット情報は原則として月に一度更新され、加盟するクレジット会社ごとに締め日が異なるため、反映される時期にはずれが生じます。JICCでも、金融機関のローンやショッピングの情報は原則月1回の更新です。この仕組みが意味するのは、リボ払いを完済しても、月次の更新前に審査を受けると残高がまだ残っているように見える可能性があるという点です。完済後すぐに申し込むのではなく、更新のタイミングを意識しておくと安心です。

特に注意すべきなのが延滞の記録です。CICの信用情報開示報告書では、61日以上または3か月以上の長期にわたる支払いの遅れがある場合に「異動」と表示されます。この異動情報は、単に残高があるという状態とは重みがまったく異なります。残高を抱えているだけであれば返済を続ける中で評価は変わりますが、異動が記録されると、信販系の保証会社や銀行の審査は大きく不利になります。逆に言えば、延滞なく返済を続けていれば、リボ払いの残高があっても審査上の致命的なマイナスにはなりにくいのです。

もうひとつ覚えておきたいのが申込情報の扱いです。JICCでは申込情報が照会日から6か月以内登録され、オリコフォレントインシュアの条項でも申込事実は6か月間保有されるとされています。つまり、短期間に複数の申し込みをすると、その履歴が残り「あちこちで審査を受けている」と見える点にも配慮が必要です。

リボ払いの残高が審査に影響する考え方

審査への影響度は、リボ払いの残高そのものよりも、毎月の返済が収入に対してどの程度の負担になっているかで大きく変わります。返済額が小さく、収入に占める割合が低ければ、賃貸審査においてそれほど問題視されにくい傾向にあります。

たとえば月収20万円の方が月3万円のリボ払いを返済しつつ、家賃5万円の物件を借りようとする場合を考えてみましょう。固定支出は合計8万円となり、収入の40%を占めることになります。この水準になると、支払い能力に疑問を持たれやすくなり、信用情報を確認する保証会社では審査が慎重になりがちです。ポイントは、家賃と既存の返済を合わせた負担が収入に対して重くなりすぎていないかという点にあります。

複数のクレジットカードでリボ払いを利用している場合も注意が必要です。1枚あたりの残高が少なくても、合計すると大きな金額になりますし、計画性への懸念を持たれることもあります。審査を受ける前に、できるだけ整理して負担を見えやすくしておくと、支払い能力を説明しやすくなります。

賃貸審査に通りやすくするための具体的な対策

リボ払いがある状態で賃貸審査を受ける場合でも、いくつかの工夫で通過の可能性を高められます。最も効果的なのは申込み前にリボ払いを完済することですが、難しい場合でも取れる方法はあります。

まず有効なのが、収入証明を積極的に提出することです。源泉徴収票や給与明細など、安定した収入を示す書類を添えることで、リボ払いがあっても家賃を払える力があることをアピールできます。フリーランスや自営業の方は、確定申告書のコピーを用意しておくと審査がスムーズに進みやすくなります。

連帯保証人を立てるという選択肢も検討に値します。親族などに連帯保証人になってもらえれば、申込者本人の信用面に多少の不安があっても、審査を通過できる可能性が高まります。国土交通省の資料が示すように機関保証の利用が主流となる中でも、保証人を用意できるかどうかで選択肢が広がる場面はあります。

加えて、申込先を絞ることも意識したいところです。前述のとおり申込情報は一定期間残るため、不安だからといって同時に多数の物件へ申し込むのは得策ではありません。物件や保証会社の条件を事前に確認し、狙いを定めて申し込むほうが、結果的に印象を悪くせずに済みます。

不動産投資ローンではより厳しい審査基準

将来的に不動産投資を考えている方は、リボ払いの影響が賃貸審査よりも大きくなることを理解しておく必要があります。不動産投資ローンの審査は入居審査よりも格段に厳格で、金融機関は申込者の返済能力を細かく確認します。

金融機関が重視するのが「返済比率」という指標です。これは年収に対する年間返済額の割合を示すもので、「年間返済額の合計÷年収×100」で計算します。ここで重要なのは、不動産投資ローンの返済だけでなく、リボ払いを含むすべての借入の返済額が計算に含まれるという点です。したがって、リボ払いの返済が多いほど、投資ローンで借りられる金額は圧迫されます。

具体例で考えてみましょう。年収600万円の方がリボ払いで月3万円、年間36万円を返済しているとします。ここで不動産投資ローンとして月10万円、年間120万円の返済を希望すると、返済比率は156万円÷600万円×100でおよそ26%になります。もし他に自動車ローンなどがあれば、この数値はさらに上がっていきます。なお具体的な返済比率の上限は金融機関や個別事情によって異なるため、最新の基準は各金融機関に直接確認することをおすすめします。

リボ払いを整理してから不動産投資に挑む

不動産投資を有利に進めるためには、リボ払いを整理してから申し込むことが基本戦略になります。リボ払いの金利は一般に高く、不動産投資ローンの金利とは大きな差があります。この金利差を踏まえれば、まず高金利のリボ払いを片づけるほうが、資金効率の面でも審査の面でも合理的だとわかります。

完済までの計画を立てる際は、現在の収支を詳細に把握することから始めましょう。月々の収入から生活費やリボ払いの返済、その他の固定費を差し引いた金額が、追加で返済に回せる余剰資金です。たとえば残高80万円で月3万円を返済している方が、追加で月2万円を上乗せできれば、およそ1年半で完済に近づけられます。

この期間は準備期間としても活用できます。返済を進めながら不動産投資の勉強を深め、物件情報を集め、頭金を蓄えることができます。完済が難しい場合でも、残高を大きく減らすだけで毎月の返済額が下がり、返済比率の改善につながります。金融機関は現時点の残高だけでなく返済実績も見るため、計画的に減らしている姿勢を示すことが信頼につながります。

審査前に信用情報を自分で確認する

審査に臨む前に、自分の信用情報を確認しておくことを強くおすすめします。CICでは本人の申込みにより、契約内容や支払い状況がどのように登録されているかを確認でき、JICCでも加盟会員会社との契約内容や支払い状況を本人開示で確認できます。開示はインターネットや郵送で手続きできるため、自宅にいながら現状を把握することが可能です。

開示報告書を見れば、リボ払いの残高がどう登録されているか、延滞が「異動」として記録されていないか、直近の申込情報が残っていないかを確認できます。前述のとおり情報の更新は原則月1回のため、完済直後は反映が遅れている可能性もあります。開示内容と実際の返済状況を照らし合わせておけば、審査で何を見られるかを事前に想定し、落ち着いて対策を進められます。

まとめ

リボ払いがあっても、賃貸審査や不動産投資ローンの審査に通ることは十分に可能です。大切なのは、保証会社や金融機関が信用情報をどう確認するのかを正しく理解し、適切な対策を講じることです。Casaやジェイリースの公表内容が示すように、信販系かどうかだけで審査の難易を判断する時代ではなくなっており、延滞なく返済を続けているかどうかがより重要になっています。

不動産投資を考えている場合は、できる限りリボ払いを整理してから申し込むのが有利です。高金利の借入を抱えたままでは、資金効率でも返済比率でも不利になるからです。完済が難しくても、残高を減らして返済実績を積むことが評価につながります。

まずはCICやJICCで自分の信用情報を確認し、現状を正確に把握することから始めましょう。焦らず計画的に財務状況を整えることで、審査をより確実にクリアし、理想の住まいや投資物件へと近づくことができます。最新の制度や審査基準は各公的機関や金融機関の公式情報で確認するようにしてください。

参考文献・出典

  • 国土交通省「民法改正等を踏まえ『賃貸住宅標準契約書』等を改定しました!」 – https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000121.html
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)情報開示とは – https://www.cic.co.jp/mydata/index.html
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)信用情報開示報告書の見方 – https://www.cic.co.jp/
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)信用情報の内容と登録期間 – https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)開示を申し込む – https://www.jicc.co.jp/kaiji
  • 全国賃貸保証業協会(LICC) – https://jpg.or.jp/new.html

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