不動産の税金

都心マンション利回り5%の真相|2025年23区相場と融資戦略

「都心で利回り5%は現実的なのか」と気になって検索された方は多いはずです。実は東京23区における区分マンションの平均表面利回りは、不動産投資関連の市場データによると5%前後となっています。数字の上では5%を超えているものの、港区や渋谷区のような都心コアに絞ると、期待利回りは3%台まで落ち込むのが実態です。つまり「都心 利回り5%」という言葉には、エリアの取り方によって大きな幅があるのです。

本記事では、23区全体の平均と都心コアの実勢を分けて整理したうえで、表面利回りと実質利回りの違い、融資コストを含めた判断方法までを順に解説します。最新のデータと金融機関の条件を踏まえて、都心マンション投資の判断材料を体系的に身につけていただける内容です。

2025年の東京23区マンション利回り相場を正しく読み解く

2025年東京23区の区分マンション表面利回り相場

まず押さえておきたいのは、東京23区の利回りが全国平均を明確に下回っているという事実です。不動産投資関連の市場データによると、全国と東京23区の区分マンションでは利回りと価格に大きな差があります。同じ区分マンションでも、東京は価格が高い分だけ利回りが低くなっているわけです。

一棟物件に目を向けると、全国の一棟アパートは平均8.08%であるのに対し、東京23区の一棟アパートは5.80%にとどまります。一棟マンションでは全国7.55%に対し、東京23区は5.14%です。いずれも東京は全国より低い水準ですが、その背景には物件価格の高さがあります。東京23区の一棟マンションは平均2億6,949万円と高額で、区分マンションとは投資家層がまったく異なる領域だといえます。

ここで重要なのは、「掲載物件の表面利回り」と「投資家が求める期待利回り」を混同しないことです。市場に出ている物件の平均利回りと、日本不動産研究所の第53回不動産投資家調査では、東京・城南エリアの賃貸住宅一棟について、ワンルームタイプの期待利回りが3.7%、ファミリータイプが3.8%とされています。この期待利回りは、投資のプロが「この程度の利回りなら妥当」と考える水準を示すものです。都心コアでは、掲載ベースでも投資家の期待水準でも、5%を下回る現実があると理解しておく必要があります。

都心コアと23区平均で利回りはこれほど違う

東京23区エリア別の利回り傾向

「都心 利回り5%」を考えるうえで避けて通れないのが、エリアの定義です。同じ東京23区でも、港区や千代田区、渋谷区といった都心コアと、城東・城北の外縁部では利回りに大きな差が生まれます。都心コアでは物件価格が突出して高く、賃料が高くても利回りとしては低くなりがちだからです。前述のとおり、城南エリアのワンルーム期待利回りは3.7%であり、23区平均とは1.5ポイント以上の開きがあります。

この差は物件価格と賃料のバランスから生まれます。都心コアのワンルームは価格が高いため、家賃を高く設定できても利回りは伸びません。一方で外縁部のエリアでは、物件価格が相対的に抑えられているため、家賃が低めでも利回りとしては高く出やすい傾向があります。つまり、5%という数字は都心コアではなく、23区の外側寄りのエリアで実現しやすい水準だということになります。

注目すべきは、利回りが長期的に低下し続けている点です。不動産投資関連の市場データでは、東京23区の区分マンション平均表面利回りは過去10年で低下傾向にあります。一棟マンションも同様に低下しました。この低下は物件価格の上昇が主因であり、投資判断の際には「かつての高利回り」を前提にしないことが大切です。

利回りが下がる背景にある賃料と建築費の動き

利回りの低下を理解するには、賃料と建築費の両面から見る必要があります。まず賃料についてですが、東京23区のマンション賃料指数は、シングル・コンパクト・ファミリーの全タイプで上昇傾向にあるとされています。賃料が上がっているにもかかわらず利回りが下がっているということは、それ以上に物件価格が上昇していることを意味します。

その価格上昇を裏付けるのが建築費の高騰です。エリアマーケットレポートによれば、東京23区のRC集合住宅の建築費指数は2017年以降一貫して上昇し、特に2021年から上昇率が高まっています。建築費が上がれば新築物件の分譲価格も上がり、中古物件の相場も引き上げられます。実際、市場データでも東京23区の区分マンション価格は上昇傾向にあり、この価格上昇が利回りを押し下げる大きな要因になっているのです。

言い換えると、都心マンションの利回りが低いのは「稼げない」からではなく「価格が高い」からです。賃貸需要が底堅く賃料が上昇基調にある以上、空室リスクの低さや資産価値の安定という観点では、都心マンションには数字に表れにくい魅力があります。利回りの絶対値だけで地方物件と比較すると、この安定性を見落とすことになります。

表面利回りと実質利回りの差を必ず確認する

投資判断で最も注意したいのが、表面利回りと実質利回りの乖離です。表面利回りは「年間家賃収入÷物件価格×100」で計算され、管理費や修繕積立金、固定資産税、空室損失といった経費が一切含まれていません。物件を比較する入り口としては便利ですが、この数字だけで購入を決めると実際の収益性を見誤ります。

具体的に考えてみましょう。3,000万円のワンルームで月額家賃が11万円だとすると、年間家賃収入は132万円、表面利回りは4.4%です。しかし管理費と修繕積立金で月2万円、固定資産税で年8万円がかかり、さらに空室率を10%見込むと、年間の手取りは約90万円まで下がります。これを物件価格で割った実質利回りは約3.0%となり、表面利回りとの差は1.4ポイントに達します。

この乖離を理解せずに購入すると、想定していたキャッシュフローが得られずに苦しむことになります。表面利回りはあくまで物件をふるいにかけるための指標であり、最終判断の前には必ず実質利回りでシミュレーションを行うべきです。諸経費の内訳を一つずつ確認し、年間の手取りがプラスになるかを検証する習慣が、堅実な投資につながります。

融資コストを含めた「実質調達コスト」で判断する

都心マンション投資では、利回り以上に融資条件が収益を左右します。表面利回りが5%でも、借入金利がそれに近ければ手元にほとんど残らないからです。だからこそ、金利だけでなく団信や事務手数料、繰上返済コストまで含めた「実質調達コスト」で比較する視点が欠かせません。

主要な金融機関の条件を見てみましょう。オリックス銀行の不動産投資ローンは、2026年7月1日時点で変動金利型が年2.425%〜4.425%とされ、借入額は2,000万円以上2億円以下、借入期間は最長35年で最終返済時年齢85歳未満までです。保証料不要で団体信用生命保険がつき、購入物件がZEHに該当すれば適用利率から年0.05%引き下げられる優遇もあります。資産管理会社を借主とする場合も個人と同等条件で利用できると案内されています。

一方、セゾンファンデックスの投資物件・不動産購入コースは、融資額500万円〜5億円、変動金利がみずほ銀行の短期プライムレート+2.275%〜3.075%で、返済期間は5〜30年です。保証人は原則不要ですが、事務手数料が融資額の1.65%以内、調査料が0.55%以内かかる点は押さえておく必要があります。SBJ銀行のナイスカバーは変動金利が年3.65%〜8.65%と幅広く、対象地域が関東・中部・関西・福岡県に限定されています。

金融機関によっては地域や申込経路の制限もあります。たとえばWealth Agentの整理によると、香川銀行は東京・埼玉・神奈川・千葉の首都圏に特化し、物件・居住地とも「支店から1時間圏内」が基本条件とされています。auじぶん銀行は提携不動産業者経由でしか申し込めず、区分マンションは融資不可とされています。同じ都心物件でも、使える金融機関は自分の属性やエリアによって変わるため、複数を比較して実質調達コストを見極めることが重要です。

物件選びで見落としてはならないポイント

物件選びで最も重視すべきは立地の将来性です。現時点の利回りが高くても、入居者が集まらなければ投資は成り立ちません。20代から30代の単身者を狙う場合、駅徒歩5分以内はほぼ必須で、コンビニや飲食店が近いことも入居率を左右します。この層は通勤の利便性を最優先するため、徒歩10分を超えると入居付けが難しくなる傾向があります。

共働きファミリー層を狙う場合は評価軸が変わり、保育施設やスーパーが徒歩圏にあることや、2LDK以上の間取りが重視されます。ターゲットの生活動線を具体的にイメージすることで、内見時のチェックポイントが明確になり、失敗を避けやすくなります。賃料指数が上昇傾向にある東京23区では、こうした立地の見極めが将来の賃料維持にも直結します。

修繕費の見通しも軽視できません。建築費指数が上昇を続けている状況では、外壁補修などの大規模修繕費も増加傾向にあります。購入前には長期修繕計画を入手し、5年後や10年後の修繕内容と費用を確認しておくことが、突発的な支出によるキャッシュショックを防ぐ鍵になります。特に修繕積立金が相場より低い物件は、将来の一時金徴収や値上げのリスクをはらんでいるため、管理組合の財務状況まで確認したいところです。

投資判断のための実践ステップ

ここまでの内容を踏まえ、検討の流れを整理します。最初のステップは、自己資金と借入可能額を正確に把握することです。オリックス銀行なら2,000万円以上、SBJ銀行なら100万円以上といった下限があるため、自分が使える金融機関と借入額の目安を先に押さえておくと、現実的な価格帯が見えてきます。

次に、表面利回りを目安に候補物件を10件ほどリストアップし、エリアの将来性やターゲット層との適合性から3〜5件に絞り込みます。この段階では、都心コアの3%台と外縁部の5%台のどちらを狙うのか、自分の投資方針を明確にすることが大切です。安定重視なら都心コア、キャッシュフロー重視なら外縁部という具合に、目的から逆算して選ぶとぶれません。

候補が絞れたら、管理費や固定資産税、想定空室率をすべて織り込んだ実質利回りを計算し、さらに融資金利を差し引いた手取りキャッシュフローを検証します。返済比率が家賃収入の50%を超えるようであれば、頭金の増額か価格交渉を検討すべきです。運用開始後に備えて家賃の3〜6か月分を予備資金として確保しておけば、空室期間が生じても慌てずに対応できます。感情に流されず数字を丁寧に検証する姿勢が、都心マンション投資を成功に導きます。

まとめ

東京23区における区分マンションの平均表面利回りは5%前後ですが、都心コアに絞れば期待利回りは3.7%前後まで下がります。「都心 利回り5%」という数字は、エリアの取り方で大きく変わるという前提を持つことが第一歩です。利回りが低いのは物件価格の上昇が主因であり、賃料の上昇や空室リスクの低さといった都心ならではの安定性は数字に表れにくい魅力といえます。

判断にあたっては、表面利回りを実質利回りに換算し、さらに融資金利を含めた実質調達コストまで踏まえて検証することが欠かせません。金融機関ごとに金利や地域制限が大きく異なるため、複数を比較して自分に合った条件を見極めてください。最新の相場や融資条件は変化しますので、各金融機関や公的機関の公式サイトで最新情報をご確認のうえ、長期的な視点で納得のいく投資判断につなげていただければ幸いです。

参考文献・出典

  • 健美家「収益物件 市場動向 年間レポート(2025年)」 – https://www.kenbiya.com
  • 日本不動産研究所 第53回 不動産投資家調査(2025年10月) – https://www.reinet.or.jp
  • エリアマーケットレポート/東京(2025年10月号)
  • 住宅金融支援機構 賃貸住宅融資金利 – https://www.jhf.go.jp/kinri/chintai.html
  • オリックス銀行 不動産投資ローン – https://www.orixbank.co.jp

関連記事

TOP
不動産売買なら青山地所