「築地市場跡地はどれほど大きな変化をもたらすのだろう」と気になっている方は多いのではないでしょうか。かつて日本最大の魚市場として世界中に知られた築地が、今まさに東京の新しい顔へと生まれ変わろうとしています。この記事では、築地市場が閉場した経緯から、現在進行中の再開発計画の詳細、そして不動産投資や周辺エリアへの影響まで、初心者にもわかりやすく解説します。東京の大規模再開発に関心がある方にとって、知っておくべき情報が詰まっていますので、ぜひ最後までお読みください。
築地市場はなぜ閉場したのか

まず押さえておきたいのは、築地市場がどのような経緯で閉場に至ったかという背景です。長年にわたって東京の食文化を支えてきた築地市場ですが、施設の老朽化や衛生管理の課題が積み重なり、移転の議論が続いていました。
東京都中央卸売市場(現・東京都中央卸売市場)の公式情報によると、旧築地市場は豊洲市場の開場に伴い、2018年10月10日をもって閉場しました(東京都中央卸売市場 https://www.spt.metro.tokyo.lg.jp/shijou/news/2018/1010.html)。移転先となった豊洲市場は最新の衛生管理設備を備えた施設として整備され、築地が担ってきた役割を引き継いでいます。
閉場後の築地跡地では解体工事が進められてきました。広大な土地が都心の一等地に生まれたことで、「この場所をどう活用するか」という議論が東京都を中心に本格化していきます。かつての市場の面影が消えていく一方で、新しい東京の象徴となる街づくりへの期待が高まっていきました。
再開発の規模と事業の仕組み

実は、築地跡地の再開発は東京都内でも屈指の規模を誇るプロジェクトです。東京都都市整備局の情報によると、事業場所は東京都中央区築地五丁目および築地六丁目各地内で、活用都有地面積は194,679.11平方メートルにのぼります。将来の公益施設用地を除く貸し付け予定面積は約18.7ヘクタールとなる見通しです(東京都都市整備局 https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/machizukuri/machi_project/toshi_saisei/saisei08)。
事業の仕組みとして、東京都は公募型プロポーザル方式によって事業予定者を選定し、一般定期借地権により都有地を事業者に貸し付ける方式を採用しています(東京都中央卸売市場 https://www.spt.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/03/30/26.html)。つまり、土地の所有権は東京都が持ち続けながら、民間事業者が長期にわたって土地を借りて開発・運営を行うという形です。
貸付期間は舟運利便施設等の施設運用開始から70年間に建設期間等を加えた期間とされています。70年という長期にわたる契約は、事業者が腰を据えて街づくりに取り組める環境を整えるためのものです。民間の資金力とノウハウを最大限に引き出しながら、東京都が都市計画の方向性をコントロールするという、官民連携の典型的なモデルといえます。
事業者が決定し、いよいよ本格始動
注目すべきは、2025年3月31日に東京都と事業者との間で基本協定が締結されたことです。東京都都市整備局の発表によると、事業者として「築地まちづくり株式会社(特別目的会社)」が設立され、グループ名「ONE PARK×ONE TOWN」、代表企業として三井不動産株式会社が選定されています(東京都都市整備局 https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/information/topics/r6/03/20250331)。
三井不動産は日本を代表する大手デベロッパーであり、大規模複合開発の実績を多数持つ企業です。同社が代表を務めることで、国内外から高い注目を集めるプロジェクトとなっています。基本協定の締結は、計画が絵に描いた餅ではなく、具体的な実行フェーズに入ったことを意味します。
今後は東京都、外部の有識者、事業予定者が協議を重ねながら、事業者が提案した計画をブラッシュアップしていく予定です。計画の詳細は今後の協議を経て固まっていく部分も多く、最新情報は東京都都市整備局の公式サイトで随時確認することをおすすめします。
完成後の街はどんな姿になるのか
このプロジェクトのコンセプトは「水と緑に囲まれ、世界中から多様な人々を出迎え、交流により、新しい文化を創造・発信する拠点」とされています。東京湾に近い立地を活かした水辺の景観と、豊かな緑を組み合わせた都市空間が目指されています。
供用開始予定時期は2029年度とされており、東京都の防災船着場整備に合わせて、待合機能やにぎわい機能などの舟運利便施設等を供用する計画です(東京都中央卸売市場 https://www.spt.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/03/30/26.html)。隅田川や東京湾を行き交う舟運との連携は、築地という水辺の立地ならではの特徴です。
東京都は「都心の大規模な土地、歴史・文化資源などのポテンシャルを生かしながら、民間の力を最大限に活用して、東京の持続的な成長につながるまちづくりを進めていく」方針を示しています(東京都都市整備局 https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/machizukuri/machi_project/toshi_saisei/saisei08)。かつての市場が持つ歴史や食文化のブランドを継承しながら、国際的な交流拠点として生まれ変わる姿が期待されています。なお、具体的な施設構成や各機能の面積配分などの詳細については、今後の協議を経て明らかになっていく見通しです。
不動産投資家が注目すべき周辺エリアへの影響
大規模再開発が進む地域では、周辺エリアの不動産市場にも影響が及ぶことが一般的です。築地・勝どき・月島・浜離宮周辺のエリアは、再開発の恩恵を受けやすい立地として、不動産投資家からの関心が高まっています。
重要なのは、再開発の恩恵が周辺に波及するタイミングと範囲を見極めることです。大型プロジェクトが完成に近づくにつれて、周辺の商業施設や飲食店の集積が進み、居住需要も高まる傾向があります。一方で、工事期間中は騒音や交通規制などの影響も考えられるため、短期的な視点と長期的な視点を使い分けることが大切です。
また、70年間という長期の定期借地権による開発という性質上、このプロジェクト自体への直接投資は一般の個人投資家には難しい面があります。しかし、周辺の中古マンションや賃貸物件への投資を検討する際には、この再開発計画が街の将来像を大きく左右する要素となります。投資判断を行う際は、東京都の公式情報を定期的に確認しながら、計画の進捗を追いかけることをおすすめします。
まとめ
築地市場跡地は、2018年の閉場から解体・整備を経て、いよいよ本格的な再開発フェーズに入りました。三井不動産を代表企業とする「ONE PARK×ONE TOWN」グループが事業者として選定され、2025年3月には基本協定も締結されています。2029年度の一部供用開始を皮切りに、「水と緑に囲まれた国際交流拠点」として生まれ変わる計画です。不動産投資の観点からも、周辺エリアへの影響は今後ますます大きくなると考えられます。最新情報は東京都都市整備局の公式サイトで随時更新されていますので、ぜひ定期的にチェックしてみてください。
参考文献・出典
- 東京都都市整備局「築地まちづくり|都有地等をいかしたまちづくり」 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/machizukuri/machi_project/toshi_saisei/saisei08
- 東京都「旧築地市場跡地における土壌汚染状況調査結果及び土壌汚染対策法上の区域指定について」 – https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2024/05/2024050710
- 東京都中央卸売市場「旧築地市場の閉場について」 – https://www.spt.metro.tokyo.lg.jp/shijou/news/2018/1010.html
- 東京都都市整備局「『築地地区まちづくり事業』の事業予定者を決定しました」 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/information/press/r6/04/2024041902
- 東京都中央卸売市場「『築地地区まちづくり事業』事業実施方針を策定しました」 – https://www.spt.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/03/30/26.html
- 東京都都市整備局「『築地地区まちづくり事業』の基本協定締結について」 – https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/information/topics/r6/03/20250331