不動産の税金

副業で始める収益物件の探し方ガイド

不動産投資を副業として始めたいと考えている方は多いものの、「何から手を付ければ良いのか」「失敗したらどうしよう」という不安を抱えていることでしょう。特に収益物件の探し方については、情報の量と質によって成果が大きく変わってきます。

本記事では、副業として不動産投資に挑戦したい初心者の方に向けて、物件選びの基本から資金調達までを体系的に解説していきます。読み終えるころには、自分に合った物件を見極める手順と判断基準が身に付き、最初の一歩を踏み出す自信が得られるはずです。

収益物件探しを始める前に整理しておきたいこと

収益物件探しを始める前に整理しておきたいこと

収益物件を探し始める前に、まず自分の投資目標とリスク許容度を明確にしておく必要があります。月5万円のキャッシュフローを目指すのか、それとも長期的な資産形成を優先するのかによって、選ぶべき物件タイプは大きく異なってきます。

国土交通省の令和6年度不動産投資市場動向調査によると、自己資金比率が高い投資家ほど長期保有を前提とする傾向が見られます。このことからわかるように、目標設定と資金計画は切り離せない関係にあり、両者を同時に検討することが成功への第一歩となります。

次に考えておきたいのが、自分のリスク許容度を数値で把握することです。たとえば年間利回り8%を期待していても、空室リスクや修繕リスクを加味すると実質利回りは6%前後に落ち着くケースが珍しくありません。日本賃貸住宅管理協会の2025年統計では、平均空室率は全国で15%前後と報告されています。この数字を前提に計画を立てることで、過度な期待値に振り回されることなく冷静な判断ができるようになります。

副業で取り組む以上、時間的な制約も見落とせないポイントです。本業に支障をきたさない範囲で管理業務を外注するのか、それとも自主管理に挑戦するのかによって、必要なスキルとコストは大きく変わってきます。物件選びだけでなく、購入後の運営体制まで含めて事前にシミュレーションしておくことが大切です。

エリア選定で押さえておくべき3つの視点

エリア選定で押さえておくべき3つの視点

収益物件の価値を大きく左右するのがエリア選定です。ここでは「人口動態」「賃貸需要」「将来の開発計画」という三つの視点から、物件を探すべきエリアを絞り込んでいきましょう。

人口動態から読み解く安定エリア

総務省の2025年住民基本台帳人口移動報告を見ると、政令指定都市とその周辺では人口流入が継続している一方、郊外の一部では年1%以上の減少が確認されています。安定した賃貸需要を狙うのであれば、人口が維持または増加しているエリアに注目することが基本戦略となります。

ただし、人口減少エリアがすべて不適というわけではありません。大学や総合病院など、永続的に人が集まる施設の周辺は、地方都市であっても安定した賃貸需要が期待できます。実際、大学キャンパス周辺は競合物件が少なく、表面利回り10%超の案件が見つかることもあるため、視野を広げて調査する価値は十分にあります。

生活利便性という新たな指標

従来は「駅徒歩10分圏内」という指標が重視されてきましたが、リモートワークの普及により「生活利便性」の評価が上昇しています。具体的には、24時間営業のスーパーや大型ドラッグストア、保育施設の有無が若年ファミリー層の入居意欲を大きく左右するようになりました。

日本政策投資銀行の調査では、生活利便施設が半径500メートル内に三つ以上ある物件は、そうでない物件に比べて平均入居期間が1.4倍長いという結果が出ています。駅からの距離だけでなく、日常生活の快適さという観点からエリアを評価することで、より確実な物件選びができるようになります。

再開発エリアへの投資判断

再開発エリアは地価上昇が期待できる反面、購入価格も割高になりがちです。重要なのは、再開発完成後に賃料がどの程度上がるかを自治体の公開資料から推定し、自分自身の収支シミュレーションに反映させることです。

物件価格の高騰が利回りを圧迫してしまう場合は、無理に今すぐ購入する必要はありません。再開発完成後に中古として市場に出てくる物件を待つという選択肢も十分に検討する価値があります。焦って高値掴みをするよりも、適正価格で購入できるタイミングを見極める冷静さが求められます。

効率的な物件情報の集め方

良い収益物件を見つけるためには、情報収集の速度と質を高めることが欠かせません。オンラインとオフラインを組み合わせた情報収集戦略を構築することで、他の投資家に先んじて優良案件にアクセスできるようになります。

ポータルサイトの活用と限界

インターネットの不動産ポータルサイトは物件数が豊富で、初心者にとって相場観を養う良い機会となります。しかし、競争が激しいため、本当に良い案件は掲載後すぐに買い手が付いてしまうという現実があります。

ポータルサイトを使う際は、条件に合う物件をすぐに問い合わせできるよう、あらかじめ希望エリア・利回り・予算を数値化しておくことが重要です。また、毎日チェックする時間を決めておくことで、新着物件を見逃さずにキャッチできるようになります。

不動産仲介会社との関係構築

より確度の高い物件情報を得るためには、不動産仲介会社との関係構築が効果的です。「買付証明書を出せる準備がある」と伝えることで、ポータルサイトには掲載されない未公開情報、いわゆる水面下案件を紹介してもらえる可能性が高まります。

複数の不動産会社に同じ条件を伝えると、類似物件の比較がしやすくなるというメリットもあります。ただし、要望が曖昧だと案件が絞れず時間だけが過ぎてしまうため、具体的な数値で希望条件を共有することを心がけましょう。副業で収益物件を探す上で最も大切なのは、情報の入口を増やしながらも選定基準をブレさせないことです。

金融機関からの情報入手

意外と知られていないのが、地方銀行や信用金庫の担当者から物件情報を得られるケースがあることです。金融機関は融資先を増やしたいという背景があるため、任意売却や法人向けの収益物件情報の提供に積極的な姿勢を見せることがあります。

実際、仲介会社より先に金融機関に売却相談が入るケースも少なくありません。融資の相談をきっかけに担当者と関係を築いておくことで、思わぬ優良案件に出会える可能性が広がります。

現地調査の重要性

どれだけオンラインで情報を集めても、現地調査による裏付けは必須です。昼と夜、平日と休日で物件周辺の雰囲気は大きく変わることがあります。ゴミ置き場の管理状況や周辺道路の清潔感、近隣住民の様子まで含めて自分の目で確認しましょう。

建物の外観はリフォームで改善できますが、周辺環境を変えることはできません。だからこそ、物件選びの最終判断では必ず足を運ぶ価値があるのです。

収益性を見抜くシミュレーション術

物件の収益性を正しく評価するためには、表面的な数字に惑わされず、実態を反映したシミュレーションを行う必要があります。ここでは、初心者でも実践できる収益計算の方法を解説します。

表面利回りと実質利回りの違い

不動産投資でよく使われる「表面利回り」とは、年間家賃収入を物件価格で割った単純な計算値です。一方、「実質利回り」は管理費・修繕費・固定資産税・火災保険料などの経費を差し引いて算出するため、実際の収益性をより正確に反映します。

東京都住宅政策本部の2025年1月のデータによると、築20年超のワンルーム平均賃料は7.2万円となっています。しかし、大規模修繕費の積立が不足している物件では、実質利回りが表面利回りから1〜2%下がるケースも報告されています。物件を比較する際は、必ず実質利回りベースで判断する習慣をつけましょう。

ストレステストで耐性を確認

購入後5年間のキャッシュフローを作成し、金利上昇や空室率悪化といった悪条件のシナリオを盛り込むことも重要です。たとえば、金利を1%上乗せし、空室率を20%に設定しても赤字にならないかを確認することで、予期せぬ環境変化への耐性が測れます。

日本銀行の金融システムレポート(2025年4月)では、長期金利が1.5%を超えるリスクが示唆されています。変動金利で融資を受ける場合は、金利上昇シナリオを必ずシミュレーションに含めておくべきでしょう。

修繕計画の確認

区分マンションを購入する場合は、管理組合の議事録や長期修繕計画書を取り寄せることを強くおすすめします。修繕積立金の積立状況や大規模修繕の実施予定時期を確認し、購入後すぐに多額の支出が発生しないかを点検しておくことが大切です。

積立不足がある場合は、その分を購入価格に上乗せして収支計算を行いましょう。単に現時点の数字を並べるのではなく、将来のキャッシュフローに時間軸を持たせることで、より現実的な投資判断ができるようになります。

出口戦略も同時に考える

購入時点で売却シミュレーションも作成しておくことをおすすめします。国税庁の路線価データをもとに年2%程度の下落を見込むなど、保守的な条件を置くことで、売却損の可能性を早期に把握できます。

出口戦略を明確にしておくと、購入判断がより論理的になります。「いつまで保有するのか」「どのような条件で売却するのか」を事前に決めておくことで、感情に左右されない投資が実現できるでしょう。

2025年度の資金調達と税制優遇を活用する

副業として不動産投資を行う場合、自己資金だけでなく融資や補助金、税制優遇をうまく活用することで収益性を高められます。2025年度に利用可能な制度を把握しておきましょう。

日本政策金融公庫の活用

自己資金が少ない初心者にとって強い味方となるのが、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」です。個人事業主でも利用でき、固定金利1.0%台後半から借りられるのが大きな魅力となっています。

副業であっても、事業計画書を提出すれば審査対象になります。物件購入の検討段階で一度相談に行き、融資の可能性を確認しておくと、いざというときの資金調達がスムーズになります。

自治体の補助金制度

都道府県や市区町村が実施している「空き家活用支援補助金」は、賃貸住宅への用途変更にも適用される事例があります。2025年度は東京都と福岡市で最大100万円の改修費補助が継続予定ですが、予算がなくなり次第終了する制度のため、早めの情報収集と申請が肝心です。

補助金を利用する場合は、工事着手前に自治体への届出が必要となるケースが多いため、スケジュール管理を徹底しましょう。申請から承認までの期間も考慮した上で、リフォーム計画を立てることが重要です。

青色申告による節税効果

個人で賃貸事業を行う場合、青色申告特別控除65万円が引き続き有効です。税務署への事前申請と複式簿記での記帳が条件となりますが、経費計上の幅が広がり、所得税・住民税の節税効果は非常に大きいものがあります。

また、2025年度税制改正によりインボイス制度の経過措置が継続中で、年間売上1,000万円未満でも一定期間は簡易課税が選べます。消費税の還付を受けられる可能性もあるため、税理士に相談して最適な方法を検討することをおすすめします。

法人設立という選択肢

年間家賃収入が一定規模を超える見込みがあれば、法人を設立して投資を行う方法も検討に値します。法人であれば減価償却費の計上幅が個人より大きく、実効税率の圧縮が可能です。

ただし、法人の設立コストや維持費用も発生するため、すべてのケースで有利というわけではありません。一般的には、年間家賃収入が500万円を超えるかどうかを分岐点として検討するとバランスが取りやすいでしょう。将来的な規模拡大を見据えている場合は、早い段階で法人化を検討しておくのも一つの戦略です。

まとめ

本記事では、副業として不動産投資に挑戦したい方に向けて、収益物件の探し方を包括的に解説してきました。目標設定とリスク許容度の明確化から始まり、エリア選定の視点、効率的な情報収集方法、収益シミュレーションの具体的な手法、そして2025年度の資金調達と税制優遇まで、実践に必要な知識をお伝えしました。

収益物件探しで最も大切なのは、数字による客観的な分析と現地確認を組み合わせてリスクを可視化し、利用可能な制度を活用して収益性を高める姿勢です。すべてを完璧に理解してから動き出す必要はありません。まずは気になる物件を一つ見つけて、本記事で紹介したフレームワークに沿ってシミュレーションを行ってみてください。その一歩が、安定したキャッシュフローという未来への確実な道筋となるはずです。

参考文献・出典

  • 国土交通省 不動産投資市場動向調査(令和6年度) – https://www.mlit.go.jp/
  • 総務省 住民基本台帳人口移動報告(2025年) – https://www.soumu.go.jp/
  • 日本賃貸住宅管理協会 賃貸住宅市場データ2025 – https://www.jpm.jp/
  • 東京都住宅政策本部 家賃相場データ(2025年1月) – https://www.metro.tokyo.lg.jp/
  • 日本銀行 金融システムレポート(2025年4月) – https://www.boj.or.jp/
  • 日本政策金融公庫 中小企業経営力強化資金概要(2025年度) – https://www.jfc.go.jp/
  • 国税庁 路線価図・評価倍率表(令和5年度) – https://www.rosenka.nta.go.jp/

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