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中古マンション投資で始める資産運用

マンション投資に興味はあるものの、「新築は高くて手が届かない」「空室リスクが怖い」と感じていませんか。実は、同じ悩みを持つ方の多くが中古マンション投資で資産運用をスタートし、安定した家賃収入を得ています。本記事では、2025年10月時点の市場データと制度を踏まえながら、中古マンション投資のメリットと注意点をやさしく解説します。読み終えるころには、物件選びから資金計画、出口戦略までの全体像がつかめるはずです。

中古マンション投資が選ばれる背景

中古マンション投資が選ばれる背景のイメージ

まず押さえておきたいのは、中古マンション投資が近年注目を集める理由です。新築価格は東京23区で平均7,580万円と過去最高水準に達し、初心者にはハードルが上がっています。一方、中古物件は築年数によって価格が大幅に下がり、同エリアでも3割から5割安く取得できるケースが珍しくありません。その差額が利回りを押し上げ、家賃収入を手堅く得られる構図が生まれています。

さらに、都心部の中古マンションは交通インフラや生活利便施設が整っており、賃貸需要が底堅いことが特徴です。国土交通省の住宅・土地統計調査によると、単身世帯は2025年時点で全世帯の38%を占め、今後も微増が見込まれています。彼らは新築へのこだわりが薄く、立地と家賃を重視する傾向が強いため、中古物件でも十分選ばれる余地があります。

重要なのは、築年数だけでなく管理状態も評価されやすいという点です。適切な修繕計画が実施され、共用部が清潔に保たれていれば、築25年を超えるマンションでも競争力を維持できます。つまり、価格と管理品質のバランスを見極めることが、中古マンション投資を成功に導く鍵となります。

収益シミュレーションの基礎

収益シミュレーションの基礎のイメージ

ポイントは、購入前に収益シミュレーションを作り込み、最悪のシナリオでも赤字にならないか確認することです。家賃収入、空室率、金利、修繕積立金の4要素が収支を左右します。たとえば家賃月10万円、表面利回り6%の物件でも、空室率10%と管理費・修繕積立金で年間18万円が差し引かれると、実質利回りは4%台まで下がります。

また、金利は2025年10月時点で主要地銀の投資用ローンが1.9〜2.5%が目安です。金利が1%上昇すると、30年ローンで総返済額は約500万円増える計算になります。したがって、固定か変動かを決める際は、将来の金利上昇リスクを織り込み、返済比率を家賃収入の50〜60%以内に収める設定が安心です。

修繕費用の見込みも欠かせません。国土交通省の長期修繕計画標準様式では、築30年時点で専有部の設備更新に約150万円かかると示されています。月々1万円の積立ができれば、突発的な工事にも対応しやすくなります。つまり、キャッシュフロー表には将来の大規模修繕を含めた保守的な数字を入れることが肝心です。

物件選びのチェックポイント

実は、収益性の高い中古マンションには共通する特徴があります。立地は駅から徒歩7分以内、築20年以内、総戸数30戸以上、そして管理組合が活発であることが理想的です。徒歩圏内にスーパーやコンビニが複数あれば、単身者だけでなくDINKS層(共働き二人世帯)も取り込めるため、空室リスクを下げられます。

一方で、築浅プレミアムが残っている物件は価格が割高になりやすく、利回りが下がる傾向があります。築15〜25年で適切に修繕されている物件を狙うと、購入価格と家賃水準のバランスが取れ、投資効率が高まります。また、耐震基準は1981年の新耐震基準を満たしていることが必須ですが、2000年以降の改正に対応した構造だと金融機関の評価が上がりやすい点も見逃せません。

重要なのは、現地調査で掲示板や郵便受けを確認し、チラシの散乱や放置自転車がないか観察することです。管理が行き届いていない物件は住民のモラルが低下しやすく、退去率が上がるリスクがあります。内見時は、エントランスの照明やエレベーターの動作音にも注意を払い、細部までチェックすると失敗を防げます。

ファイナンスと税制の最新動向

まず押さえておきたいのは、2025年度の住宅ローン控除が中古マンションにも適用される点です。床面積が40㎡以上かつ築年数要件を満たす場合、年末ローン残高の0.7%が最大10年間所得税から控除されます。夫婦で共有名義にすれば、控除額を分け合えるメリットもありますが、持分割合と返済負担を一致させる必要があります。

融資面では、地銀や信金に加え、インターネット専業銀行が投資用ローンに参入し、最長35年・金利1.5%台の商品を提供し始めています。事前審査では返済負担率35%以下がひとつの目安ですが、実務では30%以下に収めると審査が通りやすくなります。自己資金は物件価格の20%を用意できれば、金利優遇が受けられるケースが増え、トータルの返済額を圧縮できます。

税務面では、家賃収入から管理費、減価償却費、ローン利息を経費計上できるため、給与所得との損益通算で節税効果が期待できます。ただし、過度な赤字は税務署からの指摘を招く恐れがあるので、必要経費を裏付ける領収書を必ず保管し、顧問税理士にチェックを依頼することを推奨します。

リスク管理と出口戦略

ポイントは、長期保有と売却の両面でリスクを見積もり、柔軟に方針を変えられるよう準備することです。地震や火災に備え、住宅総合保険と家賃保証サービスを組み合わせると、突発的な損害や滞納に対応しやすくなります。保証料は家賃の3〜5%ですが、空室時のキャッシュフローを安定させる保険料と割り切る発想が大切です。

出口戦略としては、築30年を過ぎる頃に売却するか、リノベーションを施して賃料を維持するかの選択肢があります。2025年現在、中古マンションのリノベ済み物件は未改装住戸より平均8%高い賃料で成約するという民間調査もあり、費用対効果を計算した上で判断すると収益を最大化しやすくなります。

また、売却益に対する税率は、所有期間が5年を超えると長期譲渡所得となり約20%に下がります。つまり、少なくとも5年は保有し、タイミングを見計らって売却するだけでも税負担を軽減できます。さらに、1031交換に似た国内制度は存在しないものの、複数物件を組み替える場合は譲渡損と利益を相殺することで課税額をコントロールできるため、計画的な売却が求められます。

まとめ

中古マンション投資は、新築に比べて初期投資を抑えながら利回りを確保できる点で魅力があります。とはいえ、収益シミュレーションを徹底し、管理状態や立地を細部まで確認しなければ安定運用は望めません。住宅ローン控除や最新の低金利ローンを活用しつつ、将来の修繕費と金利上昇を見据えた資金計画を立てましょう。リスク管理を怠らず、出口戦略を持って運用すれば、マンション投資 資産運用 中古の組み合わせは、あなたのポートフォリオを着実に強化してくれるはずです。

参考文献・出典

  • 国土交通省 住宅・土地統計調査 – https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/
  • 不動産経済研究所 新築マンション市場動向 2025年10月 – https://www.fudousankeizai.co.jp/
  • 国土交通省 長期修繕計画標準様式 – https://www.mlit.go.jp/
  • 総務省 統計局 単身世帯に関する統計 – https://www.stat.go.jp/
  • 全国銀行協会 投資用ローン金利動向 2025年版 – https://www.zenginkyo.or.jp/

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