不動産の税金

年収1500万以上の方向け 不動産投資の始め方

年収が1500万円を超えると、給与だけでは節税の余地が限られ、資産形成のペースにも物足りなさを感じる人が少なくありません。不動産投資なら毎月のキャッシュフローを積み上げつつ、所得税や住民税を圧縮する効果も期待できます。しかし、高所得者向けの情報は断片的で、何から手を付ければいいのか迷うという声をよく聞きます。本記事では、投資歴15年の筆者が2025年12月時点の最新情報を踏まえ、資金計画から物件選び、税対策までを体系的に解説します。読み終える頃には、最初の一歩を踏み出すための具体的なロードマップが描けるはずです。

高所得者が不動産投資で得られる三つのメリット

高所得者が不動産投資で得られる三つのメリットのイメージ

重要なのは、年収1500万クラスの方が不動産投資でどんな優位性を発揮できるかを理解することです。高い与信力によって融資枠が大きくなるだけでなく、税率が高い分だけ経費計上のメリットも大きくなります。さらに、資金余力があるため市場変動時の柔軟な対応が可能です。

まず、融資面を考えます。金融機関は返済比率と勤続年数を重視しますが、年収1500万円あれば返済比率30%以内で購入できる物件の価格帯が格段に広がります。具体的には、金利2.0%・35年返済で年間返済額が450万円程度に収まる6,500万円前後の物件でも十分審査通過が見込めます。

次に、税効果です。国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、年収1500万円の所得税率は33%に達します。減価償却費やローン利息を経費にできる不動産投資は、高い税率だからこそ節税効果が実感しやすいわけです。

最後に、手元資金の厚みがリスク管理を容易にします。空室が続いた場合でも、半年分の返済を自己資金でカバーできれば焦って家賃を下げる必要がありません。この余裕こそ、高属性投資家が長期戦で勝てる理由になります。

まず押さえておきたい資金計画と税戦略

まず押さえておきたい資金計画と税戦略のイメージ

ポイントは、自己資金と融資のバランスを最適化しながら、税負担を抑える設計を行うことです。自己資金を3割入れると返済比率が下がり、金利優遇を受けやすくなります。一方、頭金を抑えてレバレッジを利かせる戦略もあります。どちらを選ぶかは、手元の運用利回りと借入金利の比較で決めましょう。

資金計画では「実効利回り」を必ず試算します。実効利回りとは、家賃収入から空室損・管理費・固定資産税・修繕費を引き、購入時の諸費用を含めた投下資金で割る指標です。表面利回りが7%でも実効利回りが4%を切る物件は、高年収層が求めるリスク対比リターンに見合いません。

税戦略では青色申告の活用が基本です。2025年度の青色申告特別控除は65万円で据え置きのため、帳簿を整えれば満額控除が受けられます。また、配偶者を事業専従者にして給与を支払えば、所得を分散できる点も見逃せません。言い換えると、帳簿付けと家族の協力が節税の鍵を握ります。

さらに、法人化のタイミングも検討しましょう。年間家賃収入が1,500万円を超え、経費を引いても課税所得が500万円以上残る場合は、法人税の実効税率が個人の最高税率より低くなるケースがあります。ただし、法人設立費用や社会保険料負担も増えるため、税理士とシミュレーションを行ったうえで判断することが望ましいです。

成功する物件選びのポイント

まず押さえておきたいのは、立地と賃貸需要の見極めが収益を左右するという事実です。都市部の駅徒歩10分圏内は利回りこそ低いものの、空室期間が短く修繕費の回収が早い傾向があります。一方、郊外の高利回り物件は出口戦略が難しく、売却益を狙いにくい点がデメリットです。

都市部でも築年数を広めに取れば利回りを底上げできます。築20年以上の区分マンションは減価償却期間が短く、初期の節税効果が高い点がメリットです。ただし、管理組合の積立金不足や大規模修繕計画の遅延があると想定外の出費が発生します。購入前に長期修繕計画書を確認し、共用部分の修繕積立金残高が適正かをチェックしてください。

一棟アパートに挑戦する場合は、建築確認日が2018年6月以前か以後かを確認します。これは、改正建築基準法による耐火性能基準の影響を受けるためで、金融機関によっては新基準未対応物件の評価を下げる傾向があるからです。また、インフレ局面で建築コストが上昇しているため、中古を含めた比較が欠かせません。

人口動態も無視できません。総務省「住民基本台帳人口移動報告」によると、2024年は東京都区部で転入超過が再び拡大しましたが、地方中核都市では横ばいです。つまり、東京23区・政令指定都市以外で投資を検討する場合、単身世帯の増減や企業誘致計画など細かな需要分析が必要になります。

具体的な購入ステップと注意点

実は、購入プロセスを体系立てて進めると失敗リスクは大幅に下がります。まず、金融機関で事前審査を受け、融資枠と金利条件を確定させます。次に、物件を探す際はレントロール(家賃明細)と固定資産税評価証明を必ず入手し、現行家賃が相場とかけ離れていないかを検証してください。

売買契約では特約条項の内容が重要です。たとえば、設備の故障が発覚した際の修繕負担をどちらが負うか、引き渡し後1カ月以内の瑕疵担保責任を売主に残すかなど、交渉余地があります。この段階で妥協すると、想定外コストが利益を圧迫します。

決済後はすぐに管理会社と運営方針を確認します。空室がある場合、賃料を下げる前に設備追加や広告料増額でテストするなど、段階的な施策が効果的です。また、購入初年度は確定申告の準備も並行して進めます。減価償却費の按分や火災保険の前払費用など、経費計上の抜け漏れを防ぐため、毎月のレシート整理を習慣化しましょう。

2025年以降はインボイス制度が本格運用に移行し、課税事業者である管理会社とのやり取りが変わります。家賃や管理委託料の消費税区分を明確にしないと、仕入税額控除が受けられない可能性があります。税理士だけに任せず、基本的なルールを自ら把握することが長期的なコスト削減につながります。

2025年度に活用できる制度と融資環境

ポイントは、2025年度に実際に使える制度を正しく選別することです。まず、住宅ローン控除は居住用が対象のため、賃貸専用物件には適用されません。一方、国土交通省の「賃貸住宅修繕支援事業(2025年度)」は、条件を満たすと躯体工事費の1/3、上限200万円の補助が受けられます。ただし、築25年以上の耐震補強を伴う大規模修繕が対象で、申請は工事着手前に行う必要があります。

融資環境では、日銀が2024年末にマイナス金利政策を解除したものの、2025年12月時点で長期金利は1.2%前後にとどまっています。都市銀行は投資用ローンを3.5〜4.0%で据え置き、地方銀行や信用金庫は属性により2.5%台の提案を出す事例もあります。言い換えると、高属性かつ自己資金3割以上を条件にすれば、今も低コストでの資金調達が可能です。

また、住宅金融支援機構の「フラット35投資用転用特約」は2025年度も継続しています。自己居住用として購入後、転勤などで賃貸に出す場合に適用できるため、将来の住み替えを視野に入れる高所得者には選択肢となります。ただし、最初から投資目的だと見なされると適用外になるため、物件取得時の意図を明確にしておきましょう。

不動産取得税の軽減措置は2025年度も延長されています。新築物件で一定の床面積要件を満たすと課税標準が1,200万円控除されるため、一棟新築アパートを建築する場合は効果が大きいです。期限は2026年3月31日引き渡し分までとなっているので、計画段階で確実にスケジュールを押さえる必要があります。

まとめ

ここまで、年収1500万以上の方が不動産投資を始める際に押さえるべき要点を解説しました。高い与信力を活かした融資戦略、実効利回りを基準にした物件選定、そして青色申告や法人化による税最適化が成功の三本柱です。さらに、2025年度に利用できる補助事業や軽減税率を組み合わせれば、長期の収益力が一段と高まります。まずは資金計画を固め、信頼できる専門家とチームを組んで行動を始めてみてください。最初の一歩を踏み出すことで、資産形成のスピードは確実に加速します。

参考文献・出典

  • 国税庁「民間給与実態統計調査(令和5年分)」 – https://www.nta.go.jp
  • 総務省「住民基本台帳人口移動報告 2024年」 – https://www.stat.go.jp
  • 国土交通省「賃貸住宅修繕支援事業 2025年度概要」 – https://www.mlit.go.jp
  • 日本銀行「長期金利の推移 2023-2025」 – https://www.boj.or.jp
  • 住宅金融支援機構「フラット35 投用転用特約のご案内 2025年度版」 – https://www.jhf.go.jp

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